いのちの祭り2000 |
2000年8月4日〜9日
長野県大町市黒沢高原 サンアルピナ鹿島槍スキー場
アクセス: 長野自動車道 豊科ICから 41km
1日〜2日設営ワーク 3日キャンプイン開始 4日開場 9日かたづけ
いのちの祭りレポート |
このページはいのちの祭り 虹の村とシンポジュームを中心に
近藤直子さんやいのちの祭り、虹の村の人達の協力でまとめられています。
ありがとう、すべての、いのちの、祭り。 いろんな声が、みんなつながっている
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想像してごらん すべてのひとが、ひとつながりのいのちであることを自覚したときのことを
13の暦の栗丸さんより 地域通貨 ヘンプの安部さんより |
7月31日晴れ 気温28度
7/29・土 正午から日没にかけて
【平和の灯】at 鉢伏神社
● 火の合一セレモニー ● 護摩焚 ●
唄と踊の奉納
●
インスタレーション(布のある人は空と大地を飾って!)
(諏訪湖と松本の間にある鉢伏山山頂。標高1929m。
神社手前1kmに山荘があり駐車できます。防寒の用意が必要。)
7/29・土〜8/3・木 (早朝から歩いて午後には宿に)
【いのちの祭り2000 WALK IN あずみ野】
鉢伏神社(鉢伏山頂)からいのちの祭りの会場まで、
平和の灯をともしながら歩きます。
◆高ボッチ〜30〜波田〜31〜穂高〜8/1〜松川〜2〜美麻〜3〜会場◆
歩く方はどこからでも参加できます。
7/31 今日のいのちの祭り2000 WALK IN
あずみ野は波田から穂高の舎爐夢(シャロム)ヒュッテまでのWALKです。
神宮寺に保存されていた原爆の残り火とビックマウンテンの火を合わせた平和の火を持って無事到着しました。
日を重ねるたびに一体感を感じます。平和の火を囲んでの夕食に至福の時を過ごしました。夕食は豪華メニューです。まささん せいかさん そしてシャロムのスタッフとみんなと大地の恵に感謝です。ありがとう
7/31会場設営の様子です。現在のスタッフは50人が現地入りしています。いよいよ祭りが始まります。
8月1日 晴れ夕方雷雨 29度
いのちの祭りの会場設営が本格的になってきました。現地入りは150人ほどになりました。道の要所には表示も出されました。虹の村の様子をお伝えします。現在のスタッフは30人で安全祈願をした後作業に取り組みました。
竹ドーム作りの様子です。カナディアンファームの長谷やんも差し入れを持って参加してくれて作業が進みました。10pほどのもうそうだけを割り材料を作ります。組み立て作業の時に夕立があり作業は1時中止
雨の上がるまでテントの下で自己紹介と親睦会 和気藹々とした雰囲気が流れます。子供達も虹の村のフラックづくりに絵の具で頑張っていました。
8月2日 晴れ夕方雷雨 28度
穴掘り かまどづくり 水場作りと会場の設備が整いつつあります。虹の村は何もないところだけに雰囲気は抜群です。ウグイスが鳴いて鹿島川のせせらぎの音が心地よい空間です。
パオ ティピー等が立ち上がっています。キッツエリアにはウッコケイのサークルもできあがりました。
竹ドームは昨日竹割りがすみドームの骨組みが出来上がってきました。多くの人がこのプロジェクトに汗を流しています。竹の切り出し 運搬 竹割り 組み立てと 多くの時間が費やされています。自分たちで家も作ってしまう。自立の形がここにあります。
屋根にはパラシュートを掛けて側面にはビニールを張ったところで今日も夕立が降ってきました。ここで手順のミーティングをしましたがしばらく雨が続きました。雨に当たると肌寒く体が冷えてしまいます。
8月3日 晴れ 28度
毎日降っていた夕立もなく天候に恵まれた1日でした。会場の受け付けもはじまり、WALKの平和の火もアクシデントがありながら到着 大勢の人とジャンベに歓迎されて盛り上がりました。
虹の村もようやく形になってきました。
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シンポジュウムの竹ドーム |
レインボードーム |
平和の火を祭るピースドーム |
竹ドーム |
地域通貨ブース |
平和の火もちょとしたアクシデントがありましたが沢山の人に迎えられ無事会場に到着しました。
8月4日 晴れ 夕方雷雨 28度
午前中熱い日差しの中で人体交響劇の発表が有りました。全てが主人公の人体交響劇は地元の渡辺パーティーにより宮沢賢治のオッペルと象を体を使っての表現です。3歳の子から中学生までの出演に大きな拍手がわいていました。
4時間遅れでソラーステージが始まりました。最初は地元のチャーリー宮本と風の行者のグループです。途中から雷雨となりましたが いのちの祭りのステージもオープニングです。
虹の村の報告です。
ピースドームにはタカボッチから運ばれた平和の灯がともり藤堂さんによる瞑想とサーマヴェーダ吟唱が行われました。
キッズエリアでは子供達が集まり風車を作ったり 木のおもちゃ 積み木で遊んだり笑い声が絶えませんでした。
広島の灯の分灯式
心の中に灯を灯そう
4日午前中、山田バウさんからの広島の灯の分灯式がピースドームで執り行われました。「恨みの灯から平和の灯、そして今、祈りの灯へ。その次は、行動を伴った宣言の灯にしていきましょう。今日は実際に分灯しましたが、一番大切なことは、一人一人の心の中に灯が灯されることです。そこから始めていきましょう」。そう、大切なことは心の中の灯です。雨が降っても消えることがない、心の中の灯。スタートは、「私」からです。
元気村のバウさんが原爆の火を心と名付けて祈りの火として全国に歩いて分灯していますが その火をピースドーム迄運んでいただきました。
午後からはレインボードームでチュイチュイのバイオリンミニコンサートが行われ いのちのフォーラム 平和と人権のシンポジュームが行われました。
いのちのフォーラム「平和と人権」
4日2時過ぎから、シンポドームにて「平和と人権」と題した、いのちのフォーラムが開催されました。無実の罪で拘留された経験をもつ安田好弘弁護士、人権110番を主宰する千代丸健二さん、精神障害者のグループワークを立ちあげられた東谷幸政さん、アマンの会主宰で、野宿生活者の支援活動をされている山田征さんからのお話の後、質疑応答が行われました。スタンスも方法も様々な4人のパネラーの方々ですが、その共通項は、「他人のことを、自分のことと同じように感じている」という点です。すべての命のつながりを、地球規模で感じることが求められてきています。「日本の日常生活の贅沢さが、海外の貧しい国々に大きな影響を及ぼしていることに気づきたいですね。野宿生活者の方々と接することで、豊かさの意味を考え直すことができて、私は本当に感謝しています。本当に必要なものって、何なんでしょう。多くのしがらみから離れて、自由に力強く生きている彼らの姿は、今の日本人が失ってしまった大切なことを見せてくれているような気がしています。いろんな問題がありますが、まずは、今から、日常生活の中で自分のできることを実行していきましょう。自分の生活を自分で選択しましょう」。山田さんの最後の言葉が、静かに響いていました。
虹の村 から(近藤直子記)
祭りは今、現在の世界の縮図だと思いませんか。様々な人々が、各々のやり方で自分自身と対面しています。それが、とってもおもしろい。メイン会場から清流を隔てて2km離れた虹の村もそうです。ただ、虹の村はメイン会場よりも規模が小さく、ゆったりと静かに時間が流れているので、いろんなことにじっくりと取り組むことができます。一人一人の行動が、確実に全体に影響を与えていることを如実に感じることができます。スピーカーズドーム、ピースドーム、地域通貨専門ブース、アマウツシシップ、キッズドーム、レインボードーム、ビッグマウンテンティピ、瞑想ティピ、ヒーリングテント、霊界ティピ…、様々に生まれ出てきた小さく静かな舞台。どうぞ、この虹の村という世界に足を運んで、本当のあなた自身を出して下さい。そして、その流れがどのようにつながっていくか、あなた自身の心と身体で感じて下さい…。
スウェットロッジ
本当の自分を出すことで生まれ変わる
4日朝、ウォーク参加者を中心として、スー族のスウェットロッジの儀式が執り行われました。静けさの中、母なる地球の子宮を象徴するロッジに入るための心構えが淡々と語られていきます。母なる地球の子供として再び子宮に入り、その中で焼けた石に打たれた水の熱い水蒸気を心身に受ける。激しい熱さは、生まれ変わりの傷み、今までの自分自身をすべて出しきることの苦しさも伴います。「オーミタークヤ(関わりのあるすべてのもの)」という声と共に、自己と非自己という分断を超えてひとつの世界に足を踏み出した参加者達。熱い水蒸気を4回発生させ、中は息もできないほどの熱さ。「自然と泣けてきた」「近しい人の影が見えて大切なことを思い出させてくれた」「自分の唄が出てきた」「本当に、本当に、良かった」。熱いロッジの中から再び出てきた参加者達の言葉は様々ですが、その生き生きとした表情はひとつのつながりを感じさせてくれるものでした。虹の村では8日もスウェットロッジが行われる予定です(希望者は、早めに残席を確認してください)。
8月5日 晴れ 夕方雷雨 29度
午前中天気で夕方は雨という毎日が続いています。雨によって浄化されたエネルギーがいのちの祭りに満ちて充ちています。入場者も2000人を超え会場内は沢山の人がいのちの祭りを楽しんでいます。
夕暮れの迫った会場のバザールの様子です |
光によるページェント |
くるくるバザールアドリブステージ |
ステージで沢山のミュージシャンが |
いのちの祭りは沢山の人に支えられ祭られています。今まで大活躍だった現地対策本部の様子 連日の打ち合わせや施設建設 受け付け 駐車場係と手薄な所をカバーし祭りを支えています。彼らの活躍なくしては祭りが成り立ちません。本当に感謝です。 | ||
本部には沢山の問い合わせやら処理事項が持ち込ませます。落とし物からフォーラムの打ち合わせ迷子のこと 一つ一つの処理に大わらわです。でもようやく準備段階も終わり笑顔がこぼれるようになってきました。 | ||
沢山のインフォメーションが張り出されています。今日の予定を立てるのに迷ってしまいます。 |
壁面を使って平和へのアピールや写真展も開かれています。
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スタッフや講師 ミュージシャンの食事300人分をまかなっている炊事班 目立たない存在だけれども底辺で祭を支えています。 | ||
サイバードームは情報発信基地 毎日の取材と明日のインフォメーションで夜も寝ない毎日が続いています。ホームページ 壁新聞の発行とてんやわんやです。 |
平和の火はあちこちに分灯され焚き火や照明 たばこの火にまで使われています。
LOVE&PEACE 平和の心がみんなの心に灯りますように
いのちの祭り会場に灯されている平和の火 |
虹の村PEACEドームの平和の火 |
8月5日。虹の村には、昨日とは明らかに違う空気が流れています。恵みと浄化をもたらす激しい夕立の度に、エネルギーが混ぜ合わされるような感じ。クリアな光の中に漂う周囲の自然の香りに、思わず人々の表情も和らぎます。何があっても、何事もなかったように昇る朝日に、感謝。今日の大きなテーマの一つは「地域通貨」。簡単に定義すると、特定のコミュニティー内のメンバー同士がサービスや物を交換する時に使う利子のつかないお金。こんな説明だけでは、「?」ですよね。祭り期間中、虹の村には、地域通貨を実践している人々、興味のある人々が大勢来ています。初めて「地域通貨」という言葉を耳にする人も、安心して質問しに来てください。お金って何だろう?、豊かさって何だろう?…ゆっくりじっくり、一緒に考えて直してみませんか。
フォーラム「地域通貨と共生のコミュニティー」
第一部 「日本人の無知こそほとんど唯一の“希望”」田所康雄さん
「お金がないと生きられない」という人類が設定した一種の決め事から、「お金だけでは生きられない」という宇宙のシンプルな真実へ。この意識の変革こそが、社会を変えていきます。それには、ただ心の底から気が付くだけでいい。多くの人々がまだその気づきを体験していない日本。それは、その分大きな変化への可能性もあるということを意味しています。お金を求めて真っ正直に経済発展を遂げた日本社会。ある意味、ウブな国民性。人工密度も高く、情報伝達もかなり素早い。つまり、気づきが一旦本格的に広がると、爆発的に情報が流れ、一挙に変革を遂げてしまう可能性があるのです。その典型的な例が明治維新。滞ったエネルギーの流れを開放して、「開国」しましょう。自分を開く。日本を開く。世界を開く。宇宙人への仲間入りをする時は、近づいています。狭い産道を通る時は、けっこうつらいものですが…。
5・土 「フォーラム:地域通貨と共生のコミュニティー」10:00〜22:00 at:虹の村・シンポドーム
10:00
田所
靖雄(翻訳家、『ネオ・ジパングの夜明け』著者)によって世界経済の実態を紹介していただきました。
第二部
講演会「だれでもわかる地域通貨入門」あべよしひろさん
まずは、現在の貨幣制度に仕組まれた「利子」というトリックを体感するゲームから。「いんちき銀行券千円」を一人10枚ずつ配り(融資)、一人一人好きな商売をやっているという想定の下、取引ゲームを行います(いわゆるお店ごっこ)。時間がきたところで、「いんちき銀行」に利子千円をつけて返済。ここで返済できない「破産者」が出ます。2回目の取引の後では、さらに千円を付加して返済しなくてはいけません。ゲームから脱落する「破産者」が増えきったところでゲームオーバー。次に、地域通貨「レッツ」を使ったゲーム。「人のために何ができるのか」「自分は何を望んでいるのか」を、自ら考えて記入した一覧を基に、ニーズが一致する人同士でお互いの通帳にプラスとマイナスの数字を相談して記入します。例えば、お掃除してほしい人の通帳にはマイナス〇〇、お掃除してあげたい人の通帳にはプラス〇〇。取引が成立して、「ありがとう」と握手を交わす参加者の笑顔。お金の本来の役割は、お互いを支えあうことで人と人とをつなぐ道具です。そして、人と人のつながりの先には、コミュニティーがあります。競争・自由・匿名性・成長・孤独などを促す「陽経済(円やドル)」、連帯・自律・情報公開・安定などを促す「陰経済(地域通貨)」。拡散していく経済と収縮していく経済。どちらが良い・悪いというものではありません。大切なことは、この両者のバランスをとりながら、自分で意識的に貨幣制度を選択することなのです。
地域通貨の説明を受ける参加者 |
利子を取られて破産した人達 |
なぜ地域通貨が必要なのか世界各地の例を紹介いただいた後 ロールプレイング風体感ゲームを通して現在の貨幣システムの問題点を実体験しました
元来お金とは、人間が豊かに暮らすために発明されたツールであり、単なる“取り決め”でしかありませんでした。取り決めであれば変えることも可能なのです。都合が悪い取り決めなら変えればよいのです。現在の問題点が多くなった“取り決め”の欠点を補完する意味で発達してきたのが地域通貨と呼ばれる新しい“取り決め”なのです。限定した地域でしか通用しない通貨を用い、地域内でお金を循環させることによって、経済の安定化・活性化とはかるとともに、グローバル化する経済によって崩壊しつつあるコミュニティを再構築するという狙いがあります。地域通貨のもう一つの特徴は利子のつかないお金だということです。ですから、お金本来の働き=物と物、物とサービスの交換手段である決済機能しか持たせていないのです。
座談会「人間中心の金融・経済システムを語る」森の栄一さん
お金が欲しい。でもお金がない。これが、お金が力(利子)を持ち始めた原因です。日本国民全員が一度に銀行からお金を降ろしに行っても、実際にはそんな大量のお金はどこにもありません。日本人の個人貯蓄はかなりの高額かもしれませんが、国は国民に対してそれを帳消しにしてしまうほどの大金を借金しています。結局、私達はお金を本当に所有してはいないのです。電子取引上の数字としてのお金。そこから1秒毎に生み出される多額の利息にふりまわされる人間達。お金の力は止まるところを知らず、人間の願望から生まれた貨幣システムはもう人間にはコントロールできないところまで肥大化してしまいました。では、なぜ私達はそんなシステムを作ってしまったのでしょうか。人間は、いつか死にます。いつまでたっても腐らず老化しないお金に対して、人間は無意識のうちに不老不死の夢を託していたのです。自分の力を将来にとっておくためのツールとして、老後に備えてお金を蓄えることが常識のようになっている不安に満ちた現代社会。余剰なものや必要なものを、必要な人々へと運ぶ道・運搬手段であったお金は、本来の役割を見失い、今は完全に滞っています。しかも、地球や人々から多くのものを搾取しながら。私達の社会はどこに行くのでしょう。今こそ、原点を思い出す時なのです。
第二部
シンポジウム「実践者が語る、地域通貨の実際と展望」
「とにかく積極的に“使う”ことがおすすめですね。人にいっぱいお世話をしてもらっているマイナス長者になれるんですから。実際に地域通貨を使ってみてわかったのは、お金を使って実は人とエネルギーを交換しているんだという感覚です。エネルギーの流れと共にコミュニティー全体が進化していっているのでしょう」と、ある実践者。拍手。場を共有する人々の笑顔。「ありがとう、という思いが日常生活の中で流れていく。それが、いいんですよね」と、ある参加者。突然の激しい夕立に、手作りの竹製シンポドームに雨音が響きます。でも、雨音と共に響き合う人々の思いは、とても温か。「あっ、三日月が出てる!」。いつもまにか雨も止み、美しく日が暮れていきます。
レッツ知多事務局の杉浦さん 女性中心に90人近くで地域通貨を運営しているという報告がありました。途中雨にあいましたが虹の村スタッフのサポートがあり 竹ドームの雨漏りを体験しながらシンポジュームが進みました。
第三部
「ひと・自然・いのち・繋がるということ 共生のコミュニティーをさぐるリレートーク」
アース・スチュワード・インスティテュート代表のダグラス・ファーさんの自然との調和をテーマにしたお話で静かな夜の対話がスタートしました。もう、ここまでくると、説明の域を超えています。どうか、みなさんが、この波を感じることができますうように。
メディテーションワークショップ
5日午前10時から12時頃まで、ピースドームにて山田孝男さんと山根麻衣さん主宰による瞑想ワークショップが開催されました。静かなエネルギーに満たされたような、不思議な心地よさ。ハナアブでしょうか、普段は集まってこない虫達も飛んできては参加者の身体にとまっていきます。「このピースドームが大好きになりました。ここに来て初めて、祭りに来たことを実感できたような気がします。ここに来るために、祭りに来たんだなあって思いました」と、ハワイ出身の若い姉妹。瞑想の後もずっとドーム内でゆったりとくつろぐ二人。彼女達の思いは、目には見えないかもしれませんが、きっと祭り会場全体に広がっていることでしょう。みなさんも、思いを拡げてくださいね。
夜には共生のコミュニティーということでリレートークが行われました。
虹の村のレインボードームでWISHによるコンサートが開かれました。ソーラーパネルによって作られた電気によって心に響くサウンドが流れます。GOCOOによる太鼓の演奏は虹の村全員が集まり大きな盛り上がりと興奮の渦を虹の村にもたらしました。全てが一つ 虹の村は大いなる調和と平和なときが流れています。
8月6日 晴れ 夕方雷雨 29度
毎日雨による浄化があり大きな虹が現れました。フォーラムの途中参加者全員でいのちの祭り会場にかかる虹を眺めました。毎日雨が降り虹が出るのもきっと意味がある。大いなる浄化と希望と調和の必要を いのちの祭り全ての人が響きあうために現実に見させていただいているのだろう。
連日虹がいのちの祭りに架かります。 |
夕焼けの鹿島槍 |
いのちのフォーラムは昨日の共生のコミュニティーを受けより具体的にどう生きたらいいかという観点に立ってみんなの英知が結集しました。この繋がりを何らかの形で残したいといのちのフォーラムの共同宣言を出そうと言うところまで盛り上がりました。いのちの祭りの共生というテーマがより具体的に話されました。きくちゆみさんの愛に満ちた会話はバラバラだった思いを一つにするだけの大いなる力を感じました。人間として崖っぷちに立っているけれど愛することによって得られる希望 まだまだ人間は捨てたものではない。大いなる希望を感じた今日のフォーラムでした。昨日の地域通貨と共生のコミュニティーで語られた事 核のないみどりの社会 戦うのはもうやめよう 自然エネルギー講座 ヘンプで作ろう地域循環社会 地球に優しいわらの家 盛りだくさんの今日のいのちのフォーラムでの共通項は持続可能な地域循環社会を作ること そしてより具体的にそのことが可能である希望を見いだせること 水本位制から見えてくる循環社会と教育 全体を見つめ 地域から行動していく 過去から学び 未来を見つめ 愛を持って行動しようと訴えた 西田清志さん 日本が守ってきている縄文麻文化を時代のテクノロジーに生かし環境に負荷をかけない生き方を提唱し地域循環社会の可能性を現実として見せてくれた中山康直さん そして自給する日本に向かって循環型社会を作るにあったっての具体的なテクノロジーが生まれているということの紹介をした河千田健朗さん 200人の参加者を得て熱い討論がなされました。この星をどんな星にしたいのか。
88の時はNOを訴え次の行動が見えなかったけれど今回のいのちの祭りではより具体的に私達が生きる生き方の提唱が形となって現れました。NOからNEVER NUKUSU EVER GREENへと考えも移行しています。21世紀への希望の種をを見いだせます。この種が芽を出し 大きな幹となり 美しい花が咲き 再び種を結び世界に広がりますように いのちある世界のために
愛に満ちた語りをするきくちゆみさん |
地域循環社会の可能性を |
沢山の人が集まったいのちのフォーラム |
人気だった地球を救うヘンプの商品 |
WASHのくれた贈り物と課題―核のない緑の地球をどうつくる?
きくちゆみ
夏至。2000年もまもなく半分が過ぎようとしている。ほんの半年前まで世界中が大騒ぎし、その対策に莫大な費用と労力が費やされたY2K(コンピュータ2000年問題)は、もう終ったのだろうか。2000年を迎えたその日、国内では原子力発電所のトラブルを含むいくつかのY2K問題が発生したが、どれも大事には至らなかった。世界各国でもY2Kに起因する大きな混乱や事故は
起こらなかった。Y2K注意日は年内にまだいくつか残っているが、テレビや新聞が取り上げることもなくなり、この問題はもう人々の頭からは殆ど消えてしまったようだ。
一方、21世紀の日本の政治を託す私たちの代表を選ぶ衆議院選挙の公約は、景気対策ばかり。痛ましい犠牲者を出したJCOの事故があっても、エネルギー政策や原子力発電の問題が選挙の争点になることもない。日本は、「いのちのまつり」に集っている人々が望んでいるあろう方向とは全く別の方へとひた走りしているように見える。
コンピュータには無縁、というより無知な私がY2Kに真剣に取組むことになったきっかけは、米国の原子力情報資料サービスのメアリー・オールソンさんとの出会い。メアリーがコンピュータの誤作動の問題と核兵器や原子力発電所がコンピュータで制御されているという事実を結び付けてくれなかったら、あれほどまでこの問題に関わることはなかっただろう。彼女の来日講演が「原発と核にお正月休みを」というWASH(World
Atomic Safety Holiday)キャンペーンを生み、その日本発のメッセージは海を越えて地球を一周した。
「お正月休み」は実現しなかったけれど、1999年11月欧州議会はWASHの要請とほぼ同じ内容の決議案を採択した。NYタイムズにはY2Kに起因する原発と核弾頭の事故に対する警戒を呼びかけた全面意見広告が載った。サンフランシスコでは、パッチ・アダムスとヘレン・カルディコットの呼びかけで、多くの男女が世界中の核施設の一時停止を訴えて、寒空の中でヌードデモを敢行した。Y2Kと核問題に関心を寄せて世界中から集まった地球市民たちは、インターネットを通じて新しいネットワークを築き、「核のない未来」に向かって今日も情報発信と交換を続けている。
メアリーと私をつないでくれたのは、米国在住の画家・小田まゆみさん。まゆみさんとは、もうかれこれ10年も一緒にこの地球から核をなくしていくためにいろんなことをやってきた。彼女とのご縁は、バークレイで教鞭をとっていた数学者の男友達からいただいた。その男友達とは、1988年のいのちのまつりの年に行われた参議院選挙で「原発いらない人々」というミニ政党を支援した縁で知り合った。まだ私が米銀で債券ディーラーをしていた頃のことだ。その2年後に私は会社を辞め、今のライフワークに専念するようになった。
まゆみさんと初対面の当時、彼女はカリフォルニアで、私は中米のベリーズでそれぞれ「原生林の保護と再生」に取組んでいたことから、すっかり意気投合したのだった。そして1991年、フランスから日本に1、5トンものプルトニウムが運び込まれるときに、それをなんとか止めようと日本政府に対して国際的な異議申立てをする運動の担い手になった「虹の蛇」という女性グループを一緒に立ち上げたのが、小田まゆみさんだった。この時の異議申立人は、17カ国、2000名以上にも及んだ。このとき集った勇敢で個性的な美しい「蛇」たちは、今も各方面で活躍している。
私の家のトイレにかかっている相田みつをの日めくりカレンダーに「人の世の幸不幸は人と人が逢うことからはじまる。よき出逢いを」とある。本当にそうだ。数多い良き出会いに恵まれた自分は、つくづく幸せだと思う。出会いが私の人生を形作っている。その縁を取り持ち、深めてくれたのが「みどり」と「核」なのだ。
Y2Kでたいした事故が起こらなかったのは、全世界がこの問題に真剣に取組み、事前に対策を講じたからだ、というのが定説になっている。しかし、果たして本当にそうなのだろうか。確かに周到に対策を講じた国もあったが、それどころではなかった国も沢山あった。中国やロシア、中東や東欧諸国や第三世界は、その対策の遅れが指摘されていた。これらの国にも数多くコンピュータが存在し、Y2Kに関する数多くの書籍や専門家が指摘することが事実なら、その1%程度のマイクロチップはY2K問題(四桁の西暦を二桁処理する)を有していて、それを使ったコンピュータは誤作動を起こすはずだった。マイクロチップに問題がなくても、プログラムそのものが西暦を二桁処理している場合も無数にあり、その全ての修正は不可能だろうというのが、大方の予測だった。
しかし、実際は殆ど何も起こらなかった。巨額を投じて対策をした国々と、そうではない国々とで、結果的にはたいした差がなかったのだ。これをどう解釈すればいいのだろうか。私の疑問はいまだに解決していない。
それなら、私たちがやったことは何だったのだろうか。全く無意味なことにエネルギーとお金を費やし、政府や電力会社を困らせ、人々に誤解を振りまいてしまったのだろうか。それとも、Y2Kをより持続可能な社会を創造するきっかけにすることに寄与したのだろうか。もちろん、WASHに関わった殆どの人が、後者を望んでいた。
「WASHのお陰で、原発の事故が未然に防げたのですよ」「Y2K問題があの程度で済んだのは、あなたたちが警鐘を鳴らしてくれたからですよ」と言ってくれる心優しい人もいる。しかし、世の中心優しい人ばかりではない。キャンペーンに中心的に関わった人の中には友人と信頼を失ったという人もいれば、長年かかって貯めたお金を使い果たしてしまった人もいる。Y2K以前と以降では人生が全く変ってしまった人もいる。私自身もそんな一人だ。
しかし原子力発電所は今も増設への動きが続き、この瞬間も核廃棄物は増え続け、世界433基の原発各地やウラン採掘現場では被爆労働が続いている。Y2Kで何事も起こらなかったからといって、核の危険性が減ったわけでも、今後の事故の可能性がなくなったわけでもない。先の国会では自民党が原発立地現地にさらに手厚い税制優遇をする法案を提出する動きがあり、相変わらず金の力を使った増設への動きも衰えていない。電力自由化が進めば原子力の競争力はなくなるはずではあるが、まだまだ原発は「国策」として保護を受け続け、この国では生き続ける可能性が高い。
5月31日に環境新聞が発表したアンケート調査では、今後のエネルギー源にいて、原子力をベースロードと考えているのが、自民党、民主党、自由党。原子力以外の代替エネルギーを柱にすると考えているのが社民党、公明党、共産党だった。今度の選挙で原発やエネルギー問題は議論にもなってないし、その他の争点も曖昧だ。一体日本人はどういう選択をするのだろうか。連立与党を組んでいる自民党と公明党のエネルギー政策が一致していないことに注目したい。
また、炭素排出の割合に応じて課税する環境税(炭素税)に賛成なのは、社民党、民主党、公明党で、賛否両論で結論がでていないのが、自民党、自由党、共産党。この二つの項目から「核のないみどりの地球」を実現させる政策を期待できるのは、社民党と公明党ということになるが、選挙結果はどうなることか。読新聞の見出しは、自民党の単独過半数も有り得ると報じていたので、あまり良い結果は期待できない。環境より景気、いのちより金が優先する社会は、いましばらく続きそうだ。
「原発と核にお正月休みを」という呼びかけを、今「原発と核に永遠の眠りを」と変えて、もう一度世界に呼びかけたいと願うのは、私だけではないはずだ。その願いが一部の少数派の声として、実現できないままかき消されてしまうのは、いつまで続くのか。私たちはもう一度チェルノブイリを経験しなくては目覚めないのだろうか。核戦争が起きるまで、核の増殖(核兵器の生産と原発の稼
動)を許し続けるのだろうか。
いや、しかし、たとえ少数でもいい。全てはひとりから始まることを、私たちは知っている。マーガレット・ミードが言うではないか。「ほんの一握りの思慮深い、コミットした市民達が、世界を変えることができることを決して疑ってはなりません。実際、世界はそうやってのみ、変わってきたのです(Never
doubtthat a small group of thoughtful committed citizens can change the world;
indeed it's the only thing that ever has)」と。
絶望的な状況に陥ると、私はこのマーガレット・ミードの言葉に続けて、次のような言葉を自分に言い聞かせる。「夜明け前が一番暗い」「陰極まれば陽に転ずる」「落ちる所まで落ちたら、後は登るだけ」「七転び八起き」「全てはよりよくなるために、起こっている」「生きているだけで素晴らしい、生かされているだけで有難い」「絶望こそが希望である」などなど。もう何年も言い続けてい
る感もあるが…。
それでも21世紀を目前にして、新しい力強い動きがあちこちで芽吹いているのを感じる。国会には自然エネルギー推進法案の提出の動きがあり、超党派の自然エネルギー推進議員連盟も結成された。風力、ソーラー、バイオガスなどの自然エネルギーを町おこしの目玉にして成功している市町村も増えてきた。企業はエネルギー効率をこれまでの2倍にできる技術群を続々完成させ、効率が悪くて電気と放射性廃棄物しか作れない原発をますます魅力のないものにしている。
湯水のようにつぎ込まれていた補助金や税制優遇をやめれば、原発は経済的理由で一気に廃炉に追い込まれるだろう。その日を一日でも早めるために、このことに気が付いた人が決して諦めずに声を上げ続けることが大切だ。今日も鴨川の山の中で、エネルギー節約型の自給自足的な暮らしを楽しみながら、「夜明け前が…」と、呪文を唱えている私である。
きくちゆみ
本部前のインフォメーションを見入る参加者 |
台所では男性もボランティアで参加 |
8月7日 晴れ 夕方雷雨 28度
祭も後半になりました。祭の運営は沢山の人に支えられて運営がされています。スキー場の関係者にお聞きしたところ 思った以上に混乱もなくマナーがいいのに驚いていました。キャンプインの流しもいつもきれいです。これはスタッフがいつも気にして片づけている為 参加者もそれに呼応してきれいに使っています。空き缶もアルミ缶とに分類され処理されています。自分の家にゴミを捨てる人はいません。愛する地域が広がれば町にも 世界にも地球にも宇宙にもゴミを捨てなくなります。会場内がとてもきれいなのに参加者の会場を愛する気持ちを感じます。夜になると会場のあちこちに空き缶で作られた廃油のランプが灯され幻想的な雰囲気を感じさせます。この火がまた平和の火で灯されていることを思うと二重の喜びを感じます。
流しのゴミ片づけをするスッタフ |
アルミ缶と分別している販売機 |
虹の村のピースドーム沢山の人の願いが五色の布に書き込まれています。虹の村にて |
平和の火が廃油ランプで灯ります |
会場は平和の火が灯されとてもピースフルです。 |
昨日のシンポジュームを受け21世紀形の社会はどうあるべきかを参加者を中心にまとめられました。各テーマでテーブルを囲み意見交換が行われました。参加者の中にはみんなと響きあうことに大きな喜びを感じている人が多く顔がほころんでいました。いのちのフォーラムの共同宣言の草案作りにも着手しました。みんなの顔が生き生きとしているのが印象的でした。夜の自然農の川口さんの講演は会場に人があふれ関心の強さに21世紀型の農業の姿を感じました。
いのちのフォーラムに 集まった人達 |
河千田健朗さんの実用化直前のクリーンエネルギーの紹介に大いなる希望を感じる参加者 |
河本和朗さん 東海地震の前に、浜岡原発を止めるには |
川口 由一(自然農) |
自然農の世界に集まった参加者 |
虹の村が、ようやく「村」の空気を醸し出し始めました。ここにいると、太陽と雨、火と水が共に大切なものであることが感じられます。自然と人との真摯な共同作業によって、各々の「場」が生まれてきたのです。休息、祈り、瞑想、音楽、食事、広場…、各々の場が共鳴してひとつの空気を産みます。古今東西の村々で祈りが尊重されていたように、ここでも自ずと祈りが尊重されています。動きに祈りの気持ちが加わると、現実に何かが生まれます。不調和な気持ちで動くと、また別な現実が生まれます。その大いなる実験をやっているような、不思議な感覚。自分が本当に望んでいることを行動しているのか、祈りと動きの調和を感じることの大切さ。
今日もまた大空に二重の虹がかかり、山の向こうに日が暮れた後、静かな夜が訪れます。あるがままに、当たり前のように美しい夜空には、たくさんの流れ星。音楽の温かな雰囲気を残しながら、絆を深めるように人々は夜遅くまで語らいます。会話の間に耳を澄ますと、渓流の水音、虫の声、動物達の足音が聞こえてきます。明日は、メキシコ、ウイチョール族の方々のセレモニーが行われる予定ですが、行う・行わないも含め、すべてはシャーマンが見る今夜の夢にかかっています。今夜、私達にできることは、何でしょう。
レインボードームから天空に舞う音楽
7日、虹の村には何のイベント予定はなかったのですが、レインボードームで午後から自然にライヴコンサートが始まりました。アマウツシップ、リナ、小向サダム、吉村ヒカル、ドンキー&一郎、かっちゃん、近藤直子、天竺座と南澤ヤスヒロ…。自らに正直に演奏するプレーヤー。自らに正直に耳を澄まし、手を打ち、笑い、身体を動かすオーディエンス。両者は共に、その場の時空を創り出すアーティストです。天竺座の祈りの音楽と踊り、北インド古典音楽の神秘。ろうそくの灯だけで照らし出されるドームは、まるで異なる世界のよう。「シャンカラシバーヤ」をその場の全員で唄った後、アンコール。みんなの神を讃える多様な声がひとつになって天へと昇っていきます。ジャイ ゴウリ シャンカラ ジャイ ヴィシュワナート ジャイ パールヴァティパティ ボーレーナート ボーレー ナート…。万歳、シバ神、宇宙の神、神の力よ。
原稿執筆の「場」は、夜のシンポドームです。スタッフの方々が竹を切り出し、さらに複雑に組み合わせて建てた、竹のドームです。床は、ライ麦の藁。八ヶ岳のふもとの自然農の畑でみんなが作ったライ麦です。電気エネルギーはソーラー発電。自然と大勢の人々のお陰で、すばらしい執筆場所を発見できて、心の底から感謝しています。先程まで、傍らで九州から祭りに参加している音楽家夫婦が静かに気功をされていました。周囲の生き物達の声や河のせせらぎの音と調和しながら、レインボードームからはアマウツシップのクリスタルボールの妙なる音色。今、この瞬間にも様々な夢が広がっているのでしょう。明日も、すばらしい祭りになりそうです。
音楽が沈黙の中に響くように、祈りは内なる静けさの中に響きます。虹の村は、実にすばらしい舞台です。
虹の村では村民のパフォーマンスがレインボードームで行われました。芸達者な人達が集ったものだとつくづく感じました。朝からいっぱいのプログラムに虹の村はピースフルな時間が流れています。
8月8日 晴れ 夕方雷雨 29度
虹の村便り
8月8日午前8時。祈りを捧げるために集まり始めた人々が静かにピースドームの中に入っていきます。静寂の中、一人ずつ広島の火をろうそくに灯しては、祭壇の上に置きます。昨夜遅く焚き火のそばで急遽決まった平和の祈りの決定は、翌朝には皆に自然に伝わり、参加者達はゆっくり丁寧に心を込めて祈りのプロセスを進めていきます。祭りの成就と平和を願う祈りと共に火を灯し終えた後、太鼓の音に合わせたインディアンの唄が始まります。参加者達の祈りの歌声が高く高く舞い上がります。そして、亡き魂達が見守ってくれている霊界ティピへ向かいます。祭壇中央に祭られた大鹿の角がつけられた杖は、メディスンマン ロバート・スティードさんの葬儀の際、葬列を先導したスタッフで、ロバートさんの魂が宿るといわれているものです。1990年当時、今後10年か11年後までに日本に危機的状況に陥るであろうという夢見を得たという彼が、遠くアメリカから日本の大鹿村に赴いて危機回避のためのセレモニーを行って下さってから今年はちょうど10年目。セレモニーの2年後に大鹿村に託されたスタッフは、この祭りで初めて村を出ることになったのです。生きている者だけではなく、目には見えない多くの先人達の魂や意識とも共に調和すること。私達に向けられているこのまなざしを、尊び感謝することで、新たな時代への絆が生まれます。
自然発生的に生まれた静かな祈りの集いの後、人々は不思議な力を得たように生き生きと楽しそうに動き始めました。駐車場案内係、炊事係、ヒーラー。水をタンクに確保する人々、雨に備えて新たな入村者達のためにビニールシートを竹のドームに被せる人々、駐車場スペースを拡充する人々、ドームのゴザを乾かす人、音楽を始める人、瞑想する人、子供達と向き合って絵を描く人々、補充物資を確認する人…。もうスタッフ・一般参加者の区別は、まったく存在しません。最高の役者がすべてそろった完璧な舞台のように、この村にはすべてがあるのです。すべきことは、すべき人が自然に思いついて実行していく。一人でできない作業には、周囲の人々が即座に加わる。すべての配役が、素早く完璧にこなされていくことの美しさ。生活がこのように活気あふれ、楽しいものであったなんて。すべての人が中心人物として堂々と動いているワクワク感。「この村にいない人はお巡りさんぐらいかな。人のことを叱るだけの人はいないね」。好きな時にとる休息のおしゃべりも、また楽しい。村では、けが人や体調のすぐれない人が不思議なほど早く治癒していきます。昨日、左手の指をナタで切ってしまって傷口を縫ってもらった人が、翌日にはギターを楽しげに弾いている…。一人の調和と村全体の調和が重なり合っているのです。
身障者用のトイレ | 野の花が飾られています。 | 排水は浄化されています。 |
ゴミの分別収集 | 最後の片づけ | また逢いましょう |
夕方になってからの激しい雷雨。日の入りと共に始まるウイチョール族のシャーマン達によるセレモニーの火が灯されました。雨から火を守ろうと、竹とシートを使った臨時のテントが周囲の男性陣によって素早く組み立てられます。中央の火は、生命の光なしに私達を決して孤立させない大いなる太陽の象徴。神のメッセンジャーと一体化したシャーマン達の祈りの歌声が次第に高まっていきます。風の神、水の神、大地の神、火の神、太陽の神、月の神。夜通し続けられる神々との対話。昨年、沖縄でセレモニーを行って以来、2度目の日本でのセレモニー。「日本人は神々を信じず感謝もしない。神々をあまりに無視するので、神々は眠っていた。しかし、今ここに神々は目覚めた。私達は自分達に出来ることをするしかない。まずは一人一人の意識改革を起こすことだ」。沖縄で目覚め、今、ここ槍ケ岳のふもとで見守ってくれている神々。私達にも、本当の自分に目覚める時が来たようです。
今、地球に必要なものは何でしょう。その答えは、すべて祭りが教えてくれました。流れる雲のように、自らの感情をにっこり笑って流す。浄化をもたらす恵みの雨を、自らの内にも降らせる。すべてを照らす火を、自らの内に灯す。雨や雲や太陽のように、すべてに分け隔てなく、自らの宝物をあるがままに差し出す。善と悪、物質と精神、古いものと新しいもの、上と下、静と動、祈りと行動、思考とハート、そして日常生活と祭り…、自ら生み出したすべての分離をひとつに戻しながら。「あなた」とは「私」をそのまま映し出してくれる合わせ鏡。本当は一つ。
シャーマンのドン・パンチョの歌声が続きます。ようやく目覚めた神々のメッセージは、私達に何を伝えようとしているのでしょう。沈黙の中、広がる歌声。内的静けさの中、立ち上る祈り。本当に生きることこそが、命を祭ることです。
いのちのフォーラム
ポラーノの広場を作り出すためにの鳥山敏子さんを交え いのちの祭り2000の最後のプログラムが行われました。鳥山さんは何としても子供達が生きる希望の持てる社会を作りたいという熱い思いで大人も子供も友に学び合う賢治の学校を全国に展開中です。いのちのフォーラムは参加者全員が出逢い響きあい21世紀に希望を感じる時を持てました。
4日間のフォーラムをまとめ いのちの祭り2000フォーラム宣言がまとめられました。
いのちの祭り2000 いのちの宣言 わたしたち2000年いのちのまつりの「いのちのフォーラム」に集った人々は、共有したビジョンを実現するために、このいのちの宣言をまとめました。 それぞれの取り組みを互いに支え合う「いのちのフォーラム」を作り、継続し、自分のいのち、人のいのち、動植物のいのち、地球のいのちを大切にする社会を実現するよう、歩み始めます。
そのために以下のことを確認します。 |
虹の村はほんとうに素晴らしい空間です。お互いが支え合い盛りたてています。虹の村を陰で支える人達を紹介します。
キッチンスタッフ 毎日美味しい食事をありがとう
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いつの間にかみんなで作るようになった食事はみんなに喜ばれました。 |
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何かあるとみんなで集まって軽トラックで出動です。このチームワークの良さは見ていて本当に気持ちがいいのです。 |
今日はレイブパーテーがあるので受け入れ用の竹ドームにシートを掛けました。
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トイレの水も毎日スタッフが運びました。 |
何か困ったことがあるとすぐにインフォメーションが作られます。 |
ビックマウンテンサイトではウォークの写真展が開かれています。2000年1月1日、大地を歩くことを祈りとする「The Long Walk for Big Mountain」にはじまったいのちの祭り2000。
虹に村の様子をお伝えします。
朝の【フリーダンス瞑想】 |
地域通貨ブースを訪れた3人 お金のこと 世の中の仕組みのこと 経済 幸せについてゆっくり語ることができました。
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フォーラムの準備をしていたらお手伝いしますと言って机を運んで会場作りをしてくれたお二人です。ありがとう
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毎日インフォメーションが張り出されますがパンフレット作りとスケジュール調整をしてくれていたSAKINOさんです。フォーラムも彼女が声かけをしてくれてすばらしいシンポジュームになりました。 |
8月9日 晴れ 午後から雨 29度 9日
いのちの祭り最終日 平和の火を囲んでクロージングセレモニーが行われました。晴れやかな顔が広がっています。祈りと感謝 踊り いのちは一つです。
祈りの姿はとても感動的です。 クロージングセレモニーの中から拾ってみました。
虹の村
「この村にもっと暮らし続けたい」。祭り最終日になって、そんな会話がよく聞こえてくるようになりました。生活を楽しむかけがえのない一体感こそが、村づくりの最も大切な命。多様な意識によって生み出される一つの意識は、現実を大きく動かしていきます。実際、この村に1カ月間「暮らし」続けたとしたら、大きな意識改革が起こることでしょう。祭りが終わろうとする今、ようやく自分達が祭りで最高の日常生活を送っていることに気が付いたのです。日常生活、当たり前のことを、もう一度見直すことの大切さ。そのためには、自分の命を本当に生かすだけでいいのです。この村づくりに参加した多くの人々が、新しい種となり各地にまかれることでしょう。新たな祭りの始まりです。
ありがとう、すべての、いのちの、祭り。
いろんな声が、みんなつながっている
すべてのいのちに、ありがとう
虹の村から
「みんなと、本当にこの村で暮らしていけると思いますよ」。水の確保や駐車場の案内などに
今、地球に必要なものは何でしょう。その答えは、すべて祭りが教えてくれたようです。流れる雲のように、自らの感情をにっこり笑って流す。浄化をもたらす恵みの雨を、自らの内にも降らせる。すべてを照らす火を、自らの内に灯す。雨や雲や太陽のように、すべてに分け隔てなく、自らの宝物を自由に出していきましょう。善と悪、物質と精神、古きものと新しきもの、上と下、静と動、祈りと行動、思考とハート…、自ら生み出したすべての分離をひとつに戻しながら。「私」と「あなた」はひとつです。
音楽が沈黙の中に響くように、祈りは内なる静けさの中に響きます。
8月10日 晴れ 29度
虹の村の撤収作業が一段落したところで虹の村のクロージングセレモニーが行われました。ビッグマウンテンの人達が中心となりインデアンの儀式にのっとり祈りの時を持ちました。全員で平和の火にハーブとして尊ばれているたばこの葉を祈りを込めて投げ入れ願いを込めて祈りました。
ピースドームの五色の布は降ろされ 書かれた願いの布を数珠を回すように祈りを込めて 環になって回しました。願いは火として燃えさかり煙となって天に昇りました。
10日間一緒に暮らした虹の村 最後にみんなで握手をして手のぬくもりの中でお互いを確認し別れを惜しみました。
名残惜しみ いつまでも火を囲み 虹の村に別れを惜しみました。夜になっても立ち去れない人はいつまでもいつまでも火を囲み10日間の長いようで短かった日々を思い出していました。
真っ白なシナリオが少しずつ書き加えられていき、虹の村を舞台にすばらしい物語が生まれました。いろんな役者のいろんな声が聞こえてきます。その一人一人が主役でした。雨も雷も虹も霧も。木も草も石も水も火も空気も。地上で役を全うし終えた命も、これから生まれる命も。ひとつでも欠ければ成り立つことのなかった完璧な配役。そしてこの物語は、終わることはありません。地球という一つの舞台で、新たな伝説が始まろうとしています。
いのちの祭り 虹の村 村民になった皆さんの感想です。
いろんな人と出会い、話をするために来ました。今は満足しています。空気が気持ちいい(圭・20・男・学生)、 気持ちの良い場所と時間をありがとう。2000年のグラストンベリーに行っても日本にもこんなところがあれば良いのにな!と思いましたが、この“いのちの祭り”虹の村にありました。スタッフの皆様ありがとう。お疲れ様!(さくら・女・ライター)、 平和の願いが多様で、各々の集い方ができて心地よかったです(高橋裕一郎・24・男・柔道整腹師)、 みんなが自然に参加していっているようで、どんどん心地よくなってきました(ゆり・31・女・フリー)、 笑っていれば、笑顔がかえってくる(ZEN・男・30歳・駐車場係の兄ちゃん)、 村が平和なオアシスのようでよかった。国・人種・性別を超えて、みんな仲良く暮らしてきたい(雅・38・女・木工アクセサリー)、 日に日に一つの共同体になっていくのを感じました。男の人も女の人もお互いに助け合って、気持ちよく動けました(マキ・24・女・無職)、 誰もがどこかで自分の可能性を見つけられる、居心地良い村だと思います。自由に音楽の輪に入れて楽しかったです。音が交錯せず、調和がとれている感じ。遊ぶならメイン会場で、住むならこっちかな、という感じ(佐々木真理子・48・女・シンガー)、 協力の輪が自然にどんどん広がって、村に一体感が感じられます。いろんな色が集まって虹になっているように、みんなが必要な部分で生かされて村になっているのですね。みんな目の届くちょうどいい規模の範囲で支えあっているので、ダイレクトな励みになっているのです(臼井健二・51・男・シャロムヒュッテ)、 Time has come(ミステリーボックスのみなさん)、 みんなの心の中に火を灯しましょう(光・26・男・ファイアーマン)、 楽しい。来れて良かったです。ありがとう(あすか・26・女・遺跡発掘)、 毎日虹が見れて幸せだった。すべてが美しい。村は最高ですよ(泥谷恵子・女・信濃自然工房「山姥」)、 亡くなった魂と共に祈っていることを感じます(河本カズ・49・男・大鹿村)、 心の火が灯りました(高岡真也・24・男・カメラマン)、 ドームやオブジェなどに最適で、アジアやアフリカにおいてリサイクルにつながる一番良い素材である竹について知ってもらいたい(工藤定義・51・男・土方)、 Love All in One(やよい・女)、 カラフルな祭り。あちこちからいろんな人が集まっている(熊田野人・31・男・不動産経営) 命があふれている(幸紫・35・男・ヒーラー)、 楽しいワークショップだった(虹の村のRyu・男・森の便利屋さん)、 もらい煙草はうまい。ありがたさを感じる(光・24・男・学生)、 すごいシャンティ(平和)っていう感じ。やっぱりレイヴですね(ウラシマユタカ・32・男・レイバー)、 ありがとう(日陽・28・女)、この次、12年も待てない(レインボーシップのKEN・男)、 ありがとうの前にごめんなさい、も大切(まむ・38・男・ミュージシャン)、 キッチンにいると、みんなと友達になれて楽しかった(なおみ・45・女・主婦)、 この祭りは、村づくりのワークショップ。みんなでやってると楽しい(よしあきさん・22・男・会社員)、 ヨガとフリーダンスのワークショップを当日突然開くことになったのに、友達の呼びかけで多くの人達が集ってくれて嬉しいです。どんどん友達の輪が広がります(上野玄春・53・男・絵描き)、 静かで落ち着きます(岩村さん一家)、 のんびり、ゆったり、リラックス、マイペース(ターボーさん・49・男・木工家具)、 One Love Unity(匿名希望)、 嬉しかった(葵実・女)、 今朝、平和の祈りに参加できて幸せでした(ともちゃん・女)、 みんながやり方で自然に自分の役割をみつけている。その姿を見て参加することによって、自分自身をクリアに見つめることができました(小向サダム・30・男・ミュージシャン)、 居場所がみつからず、どうしても心が満たされなかったのですが、虹の村で発見できました。心がオープンになっていく感じ。自然を楽しむような雰囲気があって、楽しかったです。自分の中心をしっかり感じられたら、外に出てくる部分が下手に見えても構わないんだなあと思いました。いろんな作業を手伝ったりしているうちに、原点に戻って自分を見つめ直すことができました(香織・女)、 しばらくこの村で、みんなと一緒に暮らし続けたい(大勢の方々) これを読んで下さった方々、取材にご協力いただいた方々、本当にありがとうございました。虹の村で取材・執筆という役割を与えられたことは、私自身にとっても大きな気づきになりました。今はろうそくの火も消えて、本当に真っ暗闇です。時々、外から励ましの声をかけてくれる人々の姿もまったく見えない状態。さあ、火のそばに行って、祈りに加わりましょう。夜の色は光色、私のいのちも。何も怖くない、何も邪魔じゃない。(近藤直子) |