5月26日(土) 晴れ 《本日の日程》 13:30 オリエンテーション 14:00 【ゲストトーク】「地域資源を生かした地域づくり」NPO地域づくり工房 傘木宏夫さん 16:00 ダンボールコンポスト by ゆきさん 16:30 温泉経由でシャンティクティへ 18:30 夕食 19:30 むらさんのミツバチの話&ピカの取り組み 20:00 希望者での交流 会 ●13:00 オリエンテーション------------------------------------------------- 欠席者:たろうさん、なおきさん、アキラさん 夜から参加:さえさん 第4期補講生:丸山さん、山神さん、内山さん(であっていますでしょうか?) また、今回からはカイさんが学業に専念されるため、出られないとのこと。 糸長先生のの研究室に入られたとのことです。こちらは寂しくなりますが、ガンバッテください! ●14:00 【ゲストトーク】「地域資源を生かした地域づくり」NPO地域づくり工房 傘木宏夫さん-- 傘木さんは、(財)公害地域再生センター(あおぞら財団)を経て、2002年地元である長野県大町市長選に出馬を勧められ、関西から戻り立候補。惜しくも敗れた後、選挙資金で 余った100万円ほどを元手に、2002年10月に「NPO地域づくり工房」を発足しました。 選挙にお金がかかるという常識を覆した選挙ということで注目を集めました。すべてが手弁当で食事も有料。お金がかからない選挙にみんなが協力 近差とわいえ敗れましたが 最後 にはお金が残ってしましました。この浄財をただ使い果たすのでなく地域に役にてて初めて皆さん有権者の気持ちが生かせると 地域作り工房を設立 今は多方面から注目を集めています。 このような地域づくりを行おうと思ったきっかけは、30歳前後にすごしたチリにて。 ピノチェト大統領による軍事政権の崩壊後、地域の共通課題の解決のために活動する住民組織ができました。 この住民組織を見て、「政治的な垣根を作らず、生活を考える場が日本にあるだろうか?」と感銘を受けます。 そして、チリ人からの「自分の足元を変えるべきだ」との言葉で、チリではなく日本での活動を考えることとなりました。 〔NPO地域づくり工房がめざすもの〕 ・市民からの地域おこし 行政まかせでなく、自分たちの力で地域づくりをしよう ・地域の資源をいかそう 見捨てられていたものを、新しい地域づくりの資源にしよう ・まずは挑戦してみよう 提案するだけではなく、実際にやってみることで変えていこう 2003年4月より、2つのエコプロジェクトを市民実験として立ち上げ、視察やエコツアーの受け入れをしています。 ■くるくるエコプロジェクト■ 大町市で活かされていないものをワークショップで考えたときに、農業水路があがりました。 北アルプスを源に網目状に流れる水路は、220kmにも及びます。 その先人が築いた水路を資源に、と考え 1.小型水力発電(水環境保全) 2.水車での地場産品づくり(自然エネルギー活用) 3.あそび学習・イベント(学びと文化) 4.新名所づくり(観光資源化)を目指すことにしました。 そして、3つの個性的な水力発電実験所を開始。 しかし、ここで2つの障壁にあたります。 ・小さい用水路で、果たして有効に発電できるのか? →市民団体なので、提言レベルにおわらせるのではなくて実際にチャレンジして打破していこうと考えました。 ・水利権 →国土交通省に申請した際、前例がないとのことでダム建設と同様の申請書を要求され、大変な準備の後、ようやく許可がおりました。 ・駒沢水力…この地域で被害が大きくなってきた野猿対策の電気柵を設けて威力を発揮。因みにこちらの発電機(1kw)は、ベトナムから輸入した8万円ほどのもの。 日本製だと、約100万円かかるとのこと。 ・小西水力…ピニールハウス用電力補給を目的に作られたが、支援の申し出のあった地元土木会社により、規模が大きくなってしまった。当初の土地改良区申請以上のものとなってしまったため、区長の 抗議を受け、それ以上の実験ができなくなってしまった。 ・川上発電…川上さんが独自に開発したらせん型の回転軸でまわして発電し、家庭の電力の3割を供給。 ■菜の花エコプロジェクト■ 休耕田や使用されていないスキー場などで菜の花(キザキノナタネという品種で寒さに強く良質の食用油が採れる)を栽培し、菜種油を作ったり、市内の飲食店から食用廃油を回収し、環境にやさしい燃料(BDF)を精製するなどの活動です。 ※BDF(Bio Diesel Fuel)とは… 化石燃料(軽油)の代替燃料として、植物性の油を原料にしたディーゼルエンジン用燃料。 いずれ枯渇してしまう化石燃料に対して、太陽、風力、水力などとともに、地球の自然の中で繰り返し得られる再生可能なエネルギー。 ※ちなみに、廃食油の現状は… 日本で現在推定される廃食油は、業務用・家庭用合わせて約40万トンです。 そのうち業者回収(レストラン、ホテル等)できているのは20万トン。 残り20万トンの大部分が燃えるゴミとして出され、一部はそのまま水に流されています。 大さじ一杯の「てんぷら油」を流すと魚が住める環境に戻すために300Lのきれいな水が必要です。 今までゴミにしていた100Lの廃食油から約90リットルの燃料ができます。 現在は月に1000〜1800Lの食廃油を回収する体制ができており、BDFを生産・利用しています。 菜の花栽培でも、機械等にバイオディーゼルを使用しています。 BDFは20代の若い人たちたちがよく使っているとのことです。 また、菜の花商品のブランド化が他地域との差別化となるのではないかと考え、「なたねオイル」として普及活動をしています。 これを料理の鉄人、石鍋シェフに試食してもらったところ、「これはエキストラバージンオイルだ」と絶賛され、今では、月に15Lぐらい使ってもらっているとのことです。 石鍋シェフは、てんぷら油としてではなく、加熱しない食べ方を勧めています。 傘木さんおすすめの食べ方 ・ごはんにかけて、かつお節としょうゆをたらして ・塩と一緒にパンにつけて ・豚しゃぶの鍋の中に などなど。
また、生産の安定とエコツアーを促進させるべく、菜の花オーナーの制度を立ち上げた。 〔地域おこし活動〕 ■風穴の復元…夏でも温度が低く、湿度が高いのを利用して、清酒やヤギのチーズを熟成。また風穴を探検するエコツアーも実施。 ※ヤギは、菜の花畑で糞をさせて、肥えた畑にもする。 ■風景ポストカード…アニメの背景画として有名な木崎湖(アニメファンにとっての三大巡礼地は、木崎湖・鎌倉・尾道)のポストカードをセットにして、販売。 ■地域通貨アルペン…2004年から始まった地域通貨アルペンの実務を手伝うことになる。商業振興を目的として、商店街としての地域通貨となっている。 1年目は労働の対価としても使用していたが、割が合わなくなり、止めた。 〔傘木さんたちがめざす地域社会の姿〕 最近、皆がお気に入りの合言葉 「地域に小金がまわるようにしよう」 今年は「手づくり市場」を実現させる計画 仕事おこしのポイントは? (by 梅さん) 「ビジネスから見た時、どんなカードがあるのか、関係者を分析し、計画する」 ボランティア(ラテン語で「意思」)という言葉には、「無償」という意味はない。 −意思があっても、お金が入ってこなければ、持続できない 傘木さんたちの給料は薄給ですが、大町には“かすみ”があるから大丈夫なのだそうです。 食べ物や事務所の備品など、色々なものがかすみとして届くようです。 いい町ですね〜 また傘木さん曰く、行政の枠組ではなく活動していくNPOがもっと必要、とのことです。 詳しくは下記のページにアクセスください。 NPO地域づくり工房 ●ダンボールコンポスト by ゆきさん----------------------------------------- ダンボールコンポストを始めたきっかけ・・・ 環境NPOの友人がすぐに始められるようなダンボールをプレゼントしてくれた。 現在の状況 (10年目) マンションの3階ベランダにて 長続きするように、腰の高さに作業台を設置し(室外機の上)、体に負担がかからないようにした。 〔場所〕 雨がかかりにくい場所。 〔必要なもの〕 ・ ダンボール(野菜等が入っているような丈夫なもの。30×45×H30の大きさが使いやすい。太陽に当てなければ3年は持つ。) ・ ガムテープ ・ 新聞紙(約2日分/湿気予防) ・ 腐葉土 5kg ・ 米ぬか 3kg・ 米ぬか ・ 油かす・・・発酵が早く、いい土になる。ホームセンター等で購入可能。 ・ 広告の紙(水を通さない光沢のあるもの) ・ お茶がら用のボール(水気が切れ、お茶がらを取り出しやすいものならOK) ・ ステンレス等のボール (水もれしないもの。生ゴミ入れ用) ・ ゴム手袋 ・ 布(通気性の良いもの。ゆきさんは古シーツを切ったものを使用) ・ 紐(虫が入らないように布の上からきつく締める)
※夏は簾でぐるりと囲み、高温防止&見た目良く。発酵温度は50℃を超えます。 〔コンポストに入れるもの〕 ・ 野菜くず ・ 魚 ・ お茶がら/コーヒーかす(腐敗防止・臭い消し) ・ みかんの皮(細かくちぎって。ミミズコンポストには入れてはダメ) ・ すいかの皮(水分が多いので、ある程度乾燥してから) など ※ 入れてはいけないもの ・ 腐ったもの(野菜作りを目的に作っているので、避けた方が良い) ・ 梅干の種 ・ 貝殻 など 夏は腐るのが早いので毎日入れる。
ダンボールを上から見た図
@ ダンボールに良く混ぜた種土を入れる。 A 1日目…真ん中に米ぬかと油かすをまぶしながら、生ゴミを入れる。 米ぬか(半握り)→生ゴミ→油かす(半握り)→生ゴミ→…の順番に、生ゴミがなくなるまで。 生ゴミは、ステンレスボール等に広告の紙を4枚ほど敷き、その上に入れて、ある程度乾燥させておくこと。 B 次の日からは、1日ごとに、1、2、3、4、の順番でAと同様に生ゴミを入れる。 C 4まできて一巡したら、1の場所の生ゴミはある程度熟成されている。 D ダンボールの中が80%ぐらいになったら、土が入っていた袋などに、熟成された堆肥を移す。 からからに乾きすぎていたら、腐葉土を少し入れる。 E 1ヶ月以上熟成させたら、できあがり! ※ ゆきさんは、古い包丁をその日埋めた場所に刺しておくことで、目印としています。 また、その包丁でコンポストの中を切って、生ゴミなどを細かくしたり、空気を入れて発酵しやすくしています。 この堆肥を使って、ゆきさんは約6坪の場所に、30〜50種もの野菜とハーブを育てているそうです。 以上はゆきさんが実践している方法ですが、地域差もあるので、ぜひ実際に自分でトライして、学びながらやってみてほしいとのことでした。 また、自宅で家庭菜園などをしていない場合は、公共の花壇などに堆肥をあげて、とのことです。 段ボールコンポストの作りからwebサイト ●16:30 温泉&夕ごはん---------------------------------------------------- すずむし荘でいい湯だな。 男性陣は、コンポスト談議に花を咲かせたとか。 シャンティクティにて、様々な国を渡り歩いて?きたタミさんの美味しいアジアごはん! しかし、少々遅れていったため、メニュー名が、チャプチェとカレーしかわかりません。。。 どれも美味しくて、大満足。2食に備えて、沢山いただいてしまいました。 ●19:30 むらさんのミツバチの話&ピカの取り組み----------------------------- ■ミツバチの話 実家は和歌山のみかん畑。趣味でお父様が養蜂をやっていたそうなのですが、お亡くなりになった後、むらさんがあとを引き継ぎ、現在は伊豆で蜂を増やしているそうです。 〔ミツバチ豆知識〕 日本では、ニホンミツバチとセイヨウミツバチの2種が飼育され、養蜂に使われている。 ・ニホンミツバチ…黒っぽい。勤勉。蜂蜜は熟成期間が長く、色々な花をブレンドしておりまろやか。 巣の出入口では、外の空気を「入れる」動きをする。 ・セイヨウミツバチ…黄色に黒い模様。効率主義。蜂蜜は、花ごとに蜜を集める。 巣の出入口では、中の淀んだ空気を「出す」動きをする。 メスである働きバチが花粉や蜜を集めに出かけたり、巣の中を掃除したり、幼虫の世話をしたり、と非常によく働くことに比べ、オスは少し大きくて、巣の中で遊んでいます。繁殖期が過ぎると、働き蜂に外に出され死んでしまいます。 因みに、ミツバチのオスを指す英語droneは「なまけもの」を意味するそうです。 働き蜂は全てメス。卵の時には女王蜂になるか働き蜂になるかが分かれておらず、どの蜂が女王蜂になるかは、ロイヤルゼリーが鍵を握っています。若い働き蜂が花粉と蜂蜜を体内で加工して作ったロイヤルゼリーを幼虫が食べて育つと、毎日2,000個も卵を生む女王蜂になります。女王蜂は3年から長くて6年生きますが、魅力がなくなってしまうと暗殺され、2代目が育てられます。(働き蜂は孵化して35日ほどの寿命) ハチの世界もシビアです。 因みに、働き蜂は孵化して3日間は皆、ロイヤルゼリーを食べられますが、その後花粉を混ぜたものに変わっていきます。蜂蜜は、炭水化物でハチのごはんにあたります。副食にあたるのが、植物性蛋白質である花粉です。 花粉粒・・・ ミツバチは花から取った花粉を蜜で練り合わせて団子状にし、両後脚につけて巣まで持ち帰ります。 蜂蜜の作り方・・・
ミツバチは体の中に酵素があり、それが花の蜜を蜂蜜に変えます。吸った蜜を口移しで他のミツバチに渡すことを何回か繰り返したり、口から出した蜜を巣に広げて羽で風を送って水分を減らすのと同時に、蜜に混ざった酵素が働きつづけて3日ほどでとろりとした蜂蜜になります。 プロポリス・・・ 森林浴物質を含む樹脂と、ミツバチの唾液中の酵素が混ざってできる物質です。ミツバチはこのプロポリスで巣の回りや出入り口を固めて、ウイルスや細菌から巣を守っています。ミツバチが何百万年もの歳月の中で、ほとんど生態を変えずに存続したこととも深い関係があるのです。 ポリネーション・・・ 受粉に欠かすことの出来ないミツバチの役割です。特にビニールハウスの中では、ミツバチのポリネーションが絶大な効果 を発揮します。人の手によるよりも繊細で確実、もとより自然の摂理にかなっていると、果 樹園や果樹栽培農家でもミツバチを飼っているところが増えてきました。 蜂針・・・ ミツバチの毒といわれている物質は生体アミン、ペプチド、酵素などから成り、個々の物質は人にとっても重要な生理活性物質であることがわかっています。中国や日本ではそこに注目し、注射用の製剤を開発しました。また民間療法として蜂の針そのものを直接体に刺す「蜂針療法」は、リュウマチや肩こりなどに効果 があるといわれています。 蜜蝋・・・ 働き蜂は羽化後12〜20日位に、ろう分泌腺から「ろう」を分泌します。それがミツバチの巣の構築材料となるのですが、この巣を集めて精製したのが蜜ろうです。蜜ろうはヨーロッパでは中世よりロウソクとして用いられ、最近では各種美容クリームや口紅などの化粧品やなんとフランス菓子「カヌレ」にも使われています。蜜蝋の蝋燭は、すすが出にくく、炎の色合いにも温かみがあるそうです。 巣箱に白くなったものがついていたら、それは蜜蝋です。 巣箱について・・・ 巣箱の規格は世界共通で通販で購入することができます。1つの巣箱には10枚の板が入り、巣箱ごとが家族となっています。他の巣箱に入ってしまうと、敵とみなされて追い出されるか殺されますが、お土産(花粉など)を持っている場合は、OKとなるときもあります。 巣箱の中がいっぱいとなってしまうと、引っ越すハチが飛び出て、手近な木に巣を作ります。 そこで、引越し先をどこにするか会議を行い、全員が納得しないと、引越しはできません。 また、夏などの暇なときには、部屋掃除をしています。 天敵・・・ スズメバチが巣箱にやってくるので、出入口にトラップをしかけてあります。 また、大勢のミツバチがスズメバチを取り囲み、蜂球とよばれる塊をつくり、摂氏45℃前後の熱を発生させ、殺してしまうこともあります。 むらさんおすすめ蜂蜜・・・ アカシア、みかん、レンゲ など また、ギリシャ神話に、養蜂の神がいるとのことで、昔は藁で巣箱が作られていたそうです。 このような特徴のある養蜂をパーマカルチャーに取り入れると、いいことが沢山あるとのむらさん談でした。 ■ピカの取り組み “PICA”とはスペイン語で“スペード”の意で、「木の形」を表すモチーフとしています。 オートキャンプ場、コテージなどのアウトドアリゾートを提供しているPICAが、今年7月に「PICA山中湖ヴィレッジ」をオープンすることとなりました。 今までは便利さを追求してきましたが、日本初の環境コミュニケーションリゾートとして、6ヶ所目となる山中湖では、パーマカルチャーを取り入れました。 ここは、あえてパーマカルチャーに関心のない人をターゲットとし、親会社である富士急行から資本金を出させて、作っています。 ヴィレッジ内には、研修所、温室、コテージ(定員8名)、キーホールガーデン、パッシブソーラー、オーガニックレストラン等の設備があります。 新宿からバスで2時間。無料で入れるので、見学だけでもどうぞ・・・とのことでした。 ●20:00すぎ 希望者での交流会---------------------------------------------- お酒(人によってはお茶)とおつまみを手に、24:00まで語り合いました。 お疲れ様でした。 ■感想■ 傘木さんのお話では、人任せではなく自分(たち)が何をできるか、ということを考え、 ゆきさんのコンポスト話は、家で実験中のコンポストの参考となり、 むらさんの蜂話では、自然ってすごい、と思いました。 色々な方のお話を聞くことで、今まで自分の知らなかったことや考えてもみなかったことなどがわかり、勉強になります。 そして、日曜日の太陽の下での墨付けと農作業では、生きてるってスバラシイ、と感謝しました。 いつもありがとうございます。 レポート 橋本 亜弥 5月27日(日) 晴れ <本日の日程> ■7:00 【建築実習】墨付け実習 ■6:30【建築実習】図面の見方&墨付け--------------------------- 資料配布2種類、6枚組の墨付けの手順が書かれたもの。屋根伏図が書かれたもの。 小杉さんから30分ほど基本的なことの話がありました。 ○配布された図の説明。 平面図と構造はこうなりますという図、アレンジはこれから。 ●道具のこと、 あなたはこれからどういうことをやりたいか?知識として知っているか、自分でやるかで、道具は変わってくる。知識だけなら必要ない。必要な道具、金槌、のこぎり、のみ、鉋、さしがね。 ○鑿(のみ)が一番いい例。 同じ1寸2分ののみでも厚みが違う。いわゆるたたきのみ(刻みのみ)と、いわゆる細工のみの追い入れのみの違い。たたきのみは小回りが利かない。これは細工のみ10本組みだが、3本あれば大概のことはできる。刻みのみは歯が厚いし頑固。厚みが違うだけ、材質は一緒。重労働用。「のみは小が大をかねる」「道具を買うときはいいものを買う。」特にのみ、鉋は仕事にならない。買うのなら、8寸のみ、24ミリの追い入れのみ、がおすすめ。3000円前後。 ○鋸(のこぎり)について 鋸は歯の長さで、1尺鋸、これが必要。1尺鋸は270o、実際には9寸の歯の長さ。9寸鋸は実際にはもう少し歯は短い。切れる鋸は硬い。硬いのは折れやすい。 (実際に折れた鋸を見せてもらいました。) ホームセンターでなく、専門の店で買うこと。ちょっといいものを買うと結局安くなる。そのうち鋸の目立てを教えます。1尺鋸はザクザク切れる。目的に応じて、犬小屋を作るのなら1尺鋸。抽斗を作るのなら9寸鋸。替え刃鋸はお勧めしないパターン。ゼットソー(商品名)1枚100円、200円そういう時代。これは3500円だが、目立てして使えば、プロで2年は使える。素人なら20年。メーカーはいろいろある。ちなみに、信州の丸勝、粘りがあって切れる。 ○玄能(げんのう)、金槌(かなづち) 玄能、金槌は重さで分かれる。のみと玄能が一セット。きざみのみには両口玄能の大きいの。重さは好みで。仕上げのみには250〜300gの玄能。くぎ抜きが付いてあるのは首を痛めるので、くぎ抜きは別なのがお勧め。グラスファイバーの玄能もいい。 ○三点セットの最後は鉋(かんな)。 大きさは歯幅でいく。2寸4分。保管方法は歯と歯を当てない、それだけ。厚めの布を巻いてスチロールの箱に入れる。鉋は直射日光はだめ。1時間で木の台がくるう。台には椿油を塗る。歯を欠いたら、研ぎなおす。抵抗が大きくなって切れなくなる。電動グラインダーで水をかけながら焼かないように、面倒でもその場で直す。プロで15分、素人ならその三倍はかかる。 ○さしがね(指矩)の選び方、 今回はあえて1尺、2尺の尺貫法で行く。ので、尺表示のものを。あと、角の肉が厚いもの。墨付けのときに毛細管現象でベターと中に墨が付いてしまうので。 ○自分で大工道具の店で「高級品じゃなくても、いいものを」といって買い求める。 買ってほしいもの、玄能、のみ、鋸、さしがね。 ○大工は1人前になるのに3から5年かかる。 ●ごく基本的な墨付けの手順 ○図の説明。 部材が4つある土台、柱、梁、垂木。屋根の矢印は雨水の流れる方向。黒い点は柱の位置。間口4尺、奥行き(桁ゆき)6尺。構造材は3寸角(9ミリ角) 寸法は柱の中心から中心の寸法。大きく関係してくるので気をつける。 ○墨付けの方法 まず芯墨を打つ。芯墨は図面上の線のその線。木幅の中心が中心だと思っていい。芯墨がすべての基準になる。 ○番付けをする 削ってわからなくなるので。できるだけ守ってもらいたいことは、必ず上面からさしがねを当てる(下面でもいいけど、どっちか基準面を決めて)。 ○施工図、形の理解 梁が2本、胴差し1本、長い柱2本、短い柱4本。 ○土台の墨付け ほぞの種類はアリという台形のような形。 4隅は切り落とすので内側にほぞ穴を寄せましょう。そうでないと外壁で切られてしまうので、とれてしまう。穴を小さくとめておく。これはここの約束で、他にいろいろやり方(片アリにしたり、横にほぞをつくる場合など)がある。 Q.ほぞが細くなり弱くならないの? ○補足 この軸組み構造は、伝統工法、貫工法とはまた違う。 ○プリントの特殊な形状、丸太の場合はどうするか? 芯墨に、さしがねを当てて回すことを覚えてください。 ねじれたものはどうするか?木口に定規板を打ち付ける。 ○後はやったほうが早い。 とりあえずやってみて、後でわかる。わからないからと立ち止まるのではなくて。 ■7:00 【建築実習】墨付け実習---------------------------------------------- ●班を分けました。 土台4本、梁5本、柱6本。1本に一人の計算。土台班、梁班、柱班。 ●柱班の場合。 ほぞの長さは土台、梁班と相談し、3寸とする。
○ 長い柱の長さの出し方。 屋根の勾配が、4寸5分勾配。1尺(10寸)進むと4寸五分上がる。 奥行きが4尺なので、4尺(40寸)進むと1尺8寸(18寸)上がる。 短い柱が6尺なので、長い柱は7尺8寸の長さとなる。 ○ 柱に関しては先に番付けをする。 とにかく全部並べる。 どこにどの材をもっていくか選んで、今度は材の上下をみる。節の年輪の中心が上になるほうが梢の方になる。 柱は根元の方を下、梢の方を上にしたい。米松の場合は良くわからないけど。 ○番付け表の見方、手前を「番前」、奥を「番向こう」左を「番左」右を「番右」という。 北や玄関が番前になる。 ○ 墨壷を使って芯墨を打つ 墨壷は縁起を担いで鶴亀の彫り物。車の廻手は蛙手という。、親指で車を止めて、同じ手の人差し指で糸を材に当てて、空いている手のほうで糸をつまんで離す。 ゆっくりやっていると墨が乾いて付かない。刺し墨は800円。乾いたら水を足す。 ○寸法を出してみる。 さしがねの幅は5分、芯墨からさしがねの幅づつとって1寸幅のほぞをかく。 ひっくり返して同じようにかいたら、材を表と裏から切る。切ってから、切り口に墨付けをしてさらに切る。 ○かけやでとんとんたたいて入るくらいがいい。きつすぎると割れる。 ベテランはいかにごまかすか。 ○約束事。 隅を引き間違えたら>を書いて開いているほうが正解。○でもいいが、ボルトの穴と間違えやすい。切るところには切るの「キ」のマークを。ほぞ穴と間違えないように隅の角を取るように印をつける。 ○長い柱に梁の入るほぞ位置を決める。 番付け表を見て、ほぞ穴を開ける面を間違えないように。 こくおうの実演あり。とにかく仕事が速い。あっ!という間に墨付け、刻み、墨付け、刻み、で柱にほぞができました。 他班も、うめさん、いねちゃんの指導の下、順調に墨付けが完了しました。 ■ 9:30 ブランチ---------------------------------------------------------------- シャンティクテイに戻ってお待ちかねのブランチ。 クスクスにソースを掛けて、ミントベースのたれをちょびっと。ひよこ豆の粉でとろみをつけた豆乳のスープ。おいし〜。 民ちゃんの料理教室もシャンティクティでやっているんだって。いきたいな。 ■ 10:30【PC講義】パーマカルチャーの原則&宿題発表(日本のシステムデザイン)---------------------- ●日本のシステムデザインについて宿題発表 ○栄養について ぶんさん:日本の自給率40%。 ブロイラーは肉1キロ作るのに2キロの穀物必要。豚は4キロ、牛は8キロ。大豆を自給するとなると日本の耕地面積の2,5倍、1200ヘクタールが必要。 よしもりさん:96年の統計では、1000万トン国内生産、2800万トン輸入。168万トンが飼料として再利用、1772万トンが食べられずに焼却処分!。 ホリさん:大小便は活性汚泥処理。67パーセント肥料などとして有効利用。33パーセント産業廃棄物として埋め立て処分。自給率、魚57パーセント、米95パーセント、海藻67パーセント、野菜79パーセント、肉47%、その他でトータル40%。 ゆきんこさん:世界から日本を見ると、穀物19億トンのうち、半分を人口の割合が5分の一の工業先進国がとって、20%を肉を食べるための飼料としている。 れいなさん:日本の自給率129か国中、126位 あやさん:米の需要が減って、肉食が増えた。 さよさん:日本の備蓄率18% けんさん:水による飢餓がいろんな国で起こるだろう、大黄河が干上がって、中国は食糧輸入国になった。あと5年で中国は世界の貿易額と同じくらい輸入が必要になってくる。レスターブラウンの資料より。 うめさん:そうなればどうなればいいの よしさん:結局 江戸時代ここを目指さないといけないのかな。意外と身近なところで循環させる。グローバルって言えば言うほど、バランスが崩れて、パンを売るために、パン食を勧めるような。リサイクルしているから使えばいいというものではない。 うめさん:小学校がパン食なのは大きくなってもパン食になるようにするための政策。人々の自給率を上げていくことが解決策。パーマカルチャーでもそう。 けんさん:土の疲弊もある。過ぎたるは及ばざるが如し。サティシユ・クマールのスモールイズビューティフルの思想。 仏教経済。ホリスティック経済。足るを知る文化。 ぼくらはモアモア病。みんながこの生活をすると地球が2.5倍必要になる。レスターブラウンの地球白書、プレゼントします。ぼくらはなにをしなければいけないか。ぜひ見てもらいたい。環境ビデオ、うめちゃんといっぱいあります。お貸しします。シャロームライブラリー参考にして。身土不二 歩いて周囲4里のものを食べる。種から遠いものを食べる。栄養過多でみんな病気。お御馳走とは馳せ参じて取り寄せたもの。 ○水について よしもりさん:一日年間で320L水を使っている。水、860億立方メートル、仮想水(バーチャルウォーター)640億立方メートルの合計が日本で使っている量。 ほりさん:地下水汚染で安全な水がなくなった。地下水1400年で更新。地下水の浄化不可能。 ぶんさん:コンクリートを作るために砂利穴を開けてきれいな湧き水が出ているところを埋めて穴をふさぐ。地下水の汚染が進む。窒素過多でブルーベビー症が増えた。 うめさん:日本は水は豊富のように思えるが、降水量を人口で割るとサウジアラビアのほうが多かった。 ゆきんこさん:地球の水の0.08パーセントが人が利用できる淡水。8秒に一人、82%の人が汚れた水が原因で死んでいる。 うめさん:水を奪いあう戦争があるのではないか。水で苦労したところでは、水道が引かれても水を使う量が少なかった。 あやさん:カンボジアのまずしい農村では、水溜りのような水を使わなければならない現実があった。 ○エネルギー よしもりさん:日本のエネルギー自給率は20%(原発含む)30%転換ロス。重さに換算すると半分がロス。 ほりさん:原子力発電所は55基、海を汚染する。 ゆきんこさん:日本人1人増えると16人分増えることになる。日本が世界の丸太の三分の一を使っている。コンパネなどで熱帯材を。 れいなさん:ティッシュではなく、コットンハンカチがお薦め。 うめさん:エネルギーをどのように自給するか。CO2を排出しない原発をまた進める流れもある。十分の一運動。オール電化は原発を応援する仕組み。原発は24時間動かさないといけない。深夜電力の利用。質の高い電気を低い熱にするのはもったいない。バイオエタノールの話。トラック1台満タンにするのに1人1年分食べられる分のとうもろこしが使われる。とうもろこしの値が上がる。飢えている人がいるのに‥。 けんさん:世の中おかしいね。 うめさん:長期的になにが大事か。目先のものに目を奪われていると大事なものが見えない。手を合わせるとソーセージが見える。 左右の手を少し指の間を開けて指の先と指の先をくっつけて指の間から遠くを見ると、横につながったソーセージが見えました。遠くを見ると見えてくることがある! みんなが宿題で持ってきたデータは、一見ばらばらのようでも、あつめてみると、一つの全体像を映し出しました。世界の中の、地球の中の日本のシステムデザインを考えることは長期的に、遠い視点で自分の生活を見つめることでした。普段忘れがちな、できれば忘れたいと思っている現実を見つめていかないといけないと思いました。
■12:00 移動----------------------------------------------------------------------------- シャロムヒュッテに移動。移動中、昨日は黄砂で霞んでいた北アルプスの山並みも今日はきれいに見えました。 ■ 12:30 【農業実習】-夏野菜の種まきなど---------------------------------------------------- 自分たちの畑に行く途中で、レタス、ブロッコリーの苗を苗床から採って、稲の苗、黒米を養生している陸床を見学しました。 空でヒバリの鳴くあぜ道を気持ちよく移動。 一ヶ月で雑草の山になっている畑を見てびっくり。1ヶ月に一回しかこられないので、とりあえず草を刈る。一心不乱に刈る。 ○トマトときゅうりの定植。 竹の支柱を3〜4本立てる。支柱の根元は60センチくらいの間隔をおいて。2本縛ったところに1本入れて縛ると、紐の下を架けるようにしていくと強く立てられる。トマトもきゅうりも支柱を立てずに地這いのやり方もあるが、支柱を立てると芽掻きがしやすく、収穫もしやすい。芽掻きをしないと一気に採れて、一気に終わる。 人間が管理しやすいように、芽を掻きとって順番に実が生るように、支柱で仕立てます。 ○トマトは乾燥地帯が原産の植物。定植も水はけがいいように、沈みすぎず、こんもり盛り上がるくらいに植えます。ポットの土が入るくらいの穴をあけて、水をたっぷり入れて、浸み込むまで待ちます。ポットの苗は2時間くらい前に水をやってなじませておきます。移植はストレスがかかるので、夕方とか朝とかがいいです。今みたいにかんかん照りのときは本当は良くない。自然農では今後水やりは一切やらない。 ○茄子は熱帯性の植物で、暖かいところでは冬枯れずに、高木!になる。植える場所は水分が適度に保たれているところで、トマトのようにこんもりさせない。茄子は成長が遅いので風で根っこが揺れないようにちょっと支柱に縛っておく。8の字になるようにばってんして、ちょっとゆとりがあるくらいで結び付けます。定植した苗の周りには草を敷きますが、病気になりやすいので、苗の根元を少し空けておく。 ○レタス、ピーマン、ブロッコリー、ズッキーニも同じように定植しました。 ○穂高インゲンは支柱を組んで根元に種を点蒔き。十センチくらい周りの草をよけて、三粒まきます。「一つは虫のため、一つは大地のため、一つは私のため」と言いながら蒔きます。蒔いたら、シュッ、シュッとした細い草の葉や、スギナだったら細かくして、上にかぶせます。乾燥防止に。 ○トウモロコシは2列に蒔くと受粉しやすい。三箇所で2列蒔く。ポップコーンと普通のトウモロコシは交雑するとおいしくないので、別の場所で蒔きます。インゲンと同じように点蒔きします。 ○種を蒔くときは丁寧に。丁寧というのは芽の視線で。 ○サトイモは20センチくらい掘って植えます。のち2回に分けて土寄せするのでその分の土は穴の北側に寄せて置く。来月、再来月と土寄せしていく。穴は全部埋まってなく、へこんだ状態。芽を上に、芽の方向が判らなかったら(結構間違いやすい)、横に植える。土には草をかけておきます。(風で飛ばされないようにかな?) ○サツマイモも植えました。サツマイモは種芋から伸びた芽を切ったものを植えます。挿し木みたいな感じ。30センチ間隔で植えていく。すじ状に。草をよけて、植える角度は水平、斜め、垂直、などある。水はやらない。葉っぱがしおれてても大丈夫! ○落花生はきゅうりの隣に蒔きます。殻のままでも、殻をむいてもいいです。 ■ 15:00 まとめ------------------------------------------------------------------------- こくおう:建築実習は、素人のお遊びではなく、プロの職人がしているのと一緒。プロの職人になった第一歩と思ってやってください。 ケンさん:二食にして、時間に余裕ができた。次は断食!。食べることから自由になるのもいい。建築、農業から全体像がみえる。 うめさん:時間が来たからご飯を食べる。お腹すいてなくても。人はいつもと違うことに拒否反応をおこすつくりになっている。いつもとちょっと違うチャレンジをしてみると、また新しいものが見えてくる。見直すきっかけになり、それをみんなでシェア出来ればいいな。パーマカルチャーでは知っていることで満足では良しとしない。やってみないと価値がない。実際にやってみる。スローライフは忙しい。建築は今日が抽象的で、一番難しいところ。人とのつながり方。コミュニティー社会のあり方。そういう中でどういう風に自分が出来ればいいか。 ■ 16:00 終了-------------------------------------------------------------------------- お疲れ様でした。建築実習、農業実習と楽しかったです。ありがとうございました。 宿題のところでは、うんざりするような現実に暗くなったけど、自分もそれを支えてる一人だと思うと、ひとごとではないですよね。また来月元気にお会いしましょう!
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