安曇野パーマカルチャー塾  第5回

7月19日(土)  1日目  晴れ

出席:りえちゃん、よりちゃん、かずちゃん、カッツー、せまちゃん、ゆかさん、

    なかちゃん、ねぎちゃん、きーちゃん、ひでさん、みかちゃん、あめんぼ、

    るりちゃん、あっちゃん、弥生ちゃん、かなちゃん、

    補講 増原直樹、鈴奈夫妻  見学 山岡可恵さん

欠席:やぎちゃん、コウヘイ、さとりちゃん

 

長野もきょうが梅雨明けとなり、いよいよ夏本番!行きの電車の中はザックを

背負った登山の人達であふれていました。私も北アルプスで涼みたい誘惑に

かられましたが、安曇野も標高700メートル下界のことを思うと別天地のはず

と気を取り戻し穂高駅に到着しました。

ほどなく健さん、おかくいさん、あっちゃん、みかちゃんの車に分乗しシャロムに

向う。途中自然農の田んぼを見学。苗を1本ずつ植えてあるため、まわりの田

んぼほど茂っていませんでしたが、扇型に分列し20センチくらいにすくすくと成

長していました。無農薬の田んぼには、藁が敷き詰められカエルが気持ち良さ

そうに泳いでいました。

 

13:50〜14:15 「シャロムのアースオーブン見学」

            アースオーブンの大きさはこれよりも一回り大きく。

            基礎の上にアースオーブンの台を型枠を組んで石を積んで

            コンクリートで固める。(瓶、木、などを入れてもよい)

            アースオーブンのデザイン・・・後でくっ付けると取れやすい

            ので棒などの芯をいれておく。

            蓋は火を出してからするので木でもよい。

            「パン焼き窯見学」

            2メートル四方くらいの大きさでレンガで組んでいる。

            2時間くらい薪を燃やし燃えカスを出し、モップで300℃くらい

            まで温度を下げ、パンを焼く。

            上部に煙突、側面に燻製室がある。

14:20〜16:00 農業実習

真昼の農業実習は温度が上がり、汗だくとなるが自然農の畑は緑が多くほっとする。

近くの一般の畑は、草1本なく土が裸で照り返しが強く畑も辛そうに見えました。

「森林農法」畑に木(栗、柿、桃、など)を植える。日陰、日向ができ多品目の植物ができ、

多様性が生まれ、持続可能な農業となる。

自然農は最先端の農業に変わりつつある。

大根の葉に何故虫が付くか?大根は春野菜、夏の野菜ではない

ちょうど気持ちの良いときに育つ。自然にまかせておけば良い。

季節の物、旬のものを食べ、足るを知る。

トマトの支柱に麻ひもを何本かぶらさげておく。伸びたツルを支柱に結び付けるのに

便利が良い。

6期生の畑はミントの香りにあふれ、モンシロチョウなども気持ち良く舞っていましたが、

野菜よりも草が元気でした。1か月に1度の手入れでは、草が勝ってしまいます。

草を刈って伏せると、有機質の畑となる。良い土作りには、ミミズ、小動物、微生物、

有機質、空気層がいっぱい出来、ふんわりと柔らかい土になります。

草を刈る前に野菜を刈ってしまわないよう、きゅうりのツルを支柱に麻ひもで8の字に

結び付けておきます。

農作業の休憩時間に桃で喉を潤しました。コリコリとした歯ごたえで、甘酸っぱくておいし

かったですね〜みなさん〜 これぞ森林農法の恩恵ですね!

タカキビはすくすくと育っていました。

レタス、きゅうり、トマト、なす、じゃがいもなどの収穫がありました。

16:30〜17:40 温泉タイム みんな汗を流し、さっぱりしてシャンティクティへ・・・

18:30〜      夕食  なす、モッロコインゲン、かぼちゃ、あつあげ、おおば、

                 あおとうがらし、はるさめ、フィリピン&タイ風スープ、

                 デザート バナナのおしるこ(なんとも上品な甘みでした)

                 いつもながら幸せのひとときですう・・・

19:30〜20:45  パーマカルチャー建築の事例紹介    山田貴宏氏の講話

スライドによる事例紹介

PICA ピカ 山中湖ヴィレッジ」 コテージとオーガニックレストラン

・ヒートアイランド  都市の気温が2〜3℃高くなっている。環境にインパクトの少ない建築

              エコヴィレッジ

・地産地消の家つ‘くり  できるだけ近くで取れた材料を使う。

                構造材は群馬県産のカラマツを使用。

・ペレットストーブ  製材所で出た端材を加工して製品化 木材の有効利用

            ペレット1kg60円4500Kcal

            灯油1ℓ120円9000Kcal 値段もほぼ同じで今後はかえって安くなる。

・天窓  明かりとり 照明の負荷を減少 熱をファンで循環させ温度を調節する。

・オーガニックガーデン  建物の前面 雨水タンク4tの味噌だる 水が腐らない

      生物の多様性は少なかったが、パーマカルチャー的開発をすれば、生物の多様性 

      が生まれる。排水と雨水は畑に使用する。

「エコアパート」  東京都足立区

 ・もともと日本人の暮らしはパーマカルチャー的であった。もう一度見直す。

 ・畑にアパートの付いているものを造りたい。単なる賃貸ではなく隣の人が見える良好な住環

 境、地域のコミュニティ空間。

 ・一世帯菜園5坪、共同部分ロックスパイラルガーデンは4世帯共同で管理。

 ・ここに住んでもらう人はこの価値の分かっている人に住んでもらいたい。意識の高い人が住   

 めば、退去後も次の人が待っている。アパートビジネスとして成り立つ。資金の回収も一般で

 15年、エコアパートは8年くらいで回収出来る。オーナーとして安心。

 ・無垢の木の感じ、床と天井は杉、足ざわり感触が良い。柔らかく暖かい。キズでさえ味として

  感じてもらえる人に入ってもらいたい。ベランダも木。

 ・居間に続いて土間 豊かな包容力のある空間。土の付いたものをそのまま持って来れる。

  日本の昔の家 消費する家から働く家へ

 ・ソーラーシステム(そよ風) 夏 昼  排気・冷風循環運転  夜  涼風取入運転

                   冬 昼  温風取入運転     夜  暖房循環運転

20;50〜  交流会

23;00   就寝 

7月 20日
アースオーブン基礎部分。 嵐の前の静けさです。

06:00 am
いつものとおり、モーニングヨガからスタートです。

遅れてきた人をこらしめるの図。 ではなくて、これが、先月から好評の楽健法です。
リンパ節などを軽く踏む、「流れ」をよくする。
朋子さん曰く、「相手が「気持ちよさそうに、ヨダレたらして寝てるように」表情を見ながら」やるのがポイント。

07:00 am パーマカルチャー建築 講義1 (講師 ; 山田貴宏さん ビオフォルム環境デザイン室代表)

(記録係から。
 欠席されたメンバーにもわかるようにと思い、当日の配布資料や手元のメモをもとに、ある程度のライブ感をもってまとめました。もし、勘違い等あれば、ご指摘ください。
  また、関連する web-site にはリンクがはってありますが、* は、記録係が選定したものです(図解、等)。)
-----------------------------------------------------------------

きのうは、パーマカルチャー建築の事例として、
「PICA 山中湖ヴィレッジ」のオーガニックレストラン(
http://yamanakako.pica-village.jp/)と、
エコアパート (
http://blog.canpan.info/eco-apa/
)を紹介しました。

きょうは、「環境とつながる住まいづくり」と、「自然素材と地産地消の家造り」についてお話します。
 

「環境とつながる住まいづくり」

1) 現代日本の家
最初にお見せするスライドは、昆虫や鳥の巣の写真です。
  蜂の巣
  ハタオリドリの巣(アフリカ、巣の材料である草は断熱材の機能を持つ)
  シロアリの巣(砂でできた巣の内部には通気孔がある)

では、人間は、どのように「住む」ようになってきたのでしょうか。
        (写真;「地球生活記」小松義夫 著  ← これ、いい本ですよ!(記録係より))
  エチオピアの草の家(緑のある環境)
  マリ、ドコン族の家(サバンナ、土とまばらな木)
  ベルベル人の家(フェルト、家畜から)
  パキスタンの家(屋上に空気取り入れ口)
  インドネシアの家(洪水に流されない形態)
  アンダルシア(スペイン)の家(強い日差しを反射する白い壁)

これらに共通しているのは、「そこにある素材を使い、風土に合わせて内部の環境整備をする」、ということです。

さて、日本の現代の住まいはどうでしょうか。これは一般的な住宅街の風景ですが、環境や風土と断絶された構造です。化石資源無しでは維持できない、この100年間の流れの中にあります。

なぜ、このようになったのでしょうか。
それは、「作り手の論理」と「住まい手の論理」が食い違っているからです。
住まい手が求めるのは、「安心、安らぎ、満足感」といったものでしょう。ところが、作り手の論理は、「安く、早く、いかにもうけるか」。食の世界で起きている、「安い、うまい、はやい」と同じことが住まいでも起きています。
住宅展示場に行くと、住宅業界が、価格競争にさらされているのがわかります。グローバリゼーション、いまや世界中との競争となり、これはもう、キリがありません。 そのコスト競争の結果、失われたものもいくつかあります。
それは、周辺環境との連続性、地域とのつながり、豊かさ、といったものでしょう。

そもそも、家を作るというのは、いろいろな要素を考慮して最適解を見つけることです。
間取り、デザイン、素材、耐震性、通風、日当たり、エネルギー、等。

ここで、昔ながらの日本の家を見てみましょう。
これは、川崎の民家園(
http://www.city.kawasaki.jp/88/88minka/home/x-msin.htm)です。
風土に適した素材、木と土を使っています。日本の家は、「夏を旨とすべし」といわれるように風通しは良いが冬は寒い。屋根にもベンチレーション(「うだつ」による重力換気)があります。そして、生活に密着した間取り、田の字型レイアウト(
http://www2.city.ritto.shiga.jp/hakubutsukan/sub52.htm
)です。
縁側は、コミュニケーションとパッシブソーラー(陽だまり)の機能を持っています。


現在、日本の住宅の多くは、約30年で取り壊されます。使っている材料は複合材が多く、こわしたら、そのまま産業廃棄物です。また、コスト競争の結果、最終的には住まい手がコストを負担する側面もあります。たとえば、化石資源を使うことでシックハウスになって病院へ行くこと、南洋材を使用することが海外での森林破壊を引き起こし、ODA として税金を使うこと。そして、TV コマーシャルや住宅展示場の経費も結局は価格に乗せられます。

いい家とは、どんな家でしょうか。それは、何にとって良いのか、を良く考える必要があります(住まい手にとって、環境にとって、社会にとって)。 そして、化石資源大量消費型の破綻を考えれば、地下資源ではなく、地上資源でやりくりすることです。これは、地域での物質循環、自然エネルギーの活用、パーマカルチャー、ともつながるものです。

2) 環境につながる住まい作り – パッシブな手法

アクティブ ; 機械的な設備を使って建築を制御(主に化石燃料に依存)
パッシブ  ; 建築そのものの仕組みと形による室内環境の整備

現在でも、人類の6〜7割は土の家に住んでいます。
どうすれば、化石エネルギーに頼らず、快適に暮らせるかを考えてみます。
快適性の要素としては、「空気温度」、「放射温度」、「湿度」、「気流」、「着衣量」、「代謝量」、等があります。
たとえば、空調機は空気温度を制御するものですが、放射温度も重要です。
熱の伝わり方は、「対流」、「伝導」、「輻射」に分類され、物体の表面から放射されるのが輻射熱です。そして、「有効温度はおおよそ輻射温度と気温の平均」です。だから、都会の外気温が30℃でも、アスファルトが50℃ならば、体感温度は40℃になるわけです。また、気温が高くても、床や壁の温度が低ければ、涼しく感じるのです。

ここで、熱の「伝導」について実験をしてみましょう。
皆さんの手元にある木のテーブルと、こちらにある(冷んやりとして見える)鉄製のストーブは、どちらの温度が低いでしょうか? ストーブだと思う人・・・・、多いですねえ。 では、温度を(この放射温度計で)測ってみましょう。テーブルが25℃、ストーブが25℃です。温度が同じなのに、鉄のストーブのほうが触ると冷たく感じるのは、熱伝導率が高いので、手から鉄へすぐに熱が流れるからです。
同じ理由で、「合板+シール」は冷んやりしますが、スギのムク材は冬、暖かく感じます。


さて、パッシブコントロールのポイントについて説明します。これは、日射、熱、風、湿気のコントロールに分けられます。

日射のコントロールについては、
  熱を建物の中に入れない(遮熱、断熱)、
  日射を入れない(ひさし、木陰、ぶどう棚)、
  輻射を入れない(表面温度を上げない、植物の利用)
といったものがありますが、現代住宅ではコスト低減で、ひさしを短くしている場合が多いです。また、植物の利用は、葉表面の蒸散作用を利用するのですが、屋上緑化でよく使われるセダム類は、砂漠の多肉質なので蒸散作用は期待できないと思います。

熱のコントロールについては、
  熱を奪う(打ち水(蒸発潜熱による冷却))
  熱を逃がす(放射冷却)
  冷気を取り込む(北側の冷たい空気、地中熱、等)
  蓄冷(土壁)

風のコントロールとしては、すだれ、よしず。 湿気のコントロールには、多孔質の材料としての、ムクの木の柱、珪藻土、土壁の利用があげられます。

ここまでは、単独の住まいについてお話しましたが、これは「一戸」だけで完結するものではなく、地域での循環を考える必要が出てきます。つまり、コミュニティーガーデンやエコビレッジへの発展の可能性があるのです。

08:30 am 休憩
ここで、少し休憩。きのう収穫したジャガイモをいただきます。
KEN さんが一言。「今日のブランチ、11時だって知ってた?」
エネルギー補給は、今のうち!思わず、手が伸びます。

08:40 am パーマカルチャー建築 講義2 「自然素材と地産地消の家造り」

では、どんな家をどうやって造るかという話をしたいと思います。
ひとつは「自然素材で造る家(自然に帰る家)」、もうひとつは「地産資料の家造り(どういうプロセスで家を造るか)」です。

「自然素材で造る家(自然に帰る家)」

1) 現代の家造りの問題点
現代の家は、化石燃料多消費型です。なぜこうなったかというと、コスト低減のためです。
  大量生産、大量流通できる(大量廃棄が前提、産業廃棄物の18%が建設廃棄物)
  製造の手間をかけない
  材料の均一性
  施工の簡便性
  熟練工の不要
たとえば、材料の均一性については、現代の住宅が「クレーム産業」だというのが背景にあります。つまり、何かにつけ、ケチをつける。住宅は高額商品なので、ちょっとしたひび割れでもダメという風潮があります。

では、本当に「安い」のかというと、いろいろな問題があります。
  化石資源に頼っているので、CO2排出、大量産業廃棄物の問題。
  化学物質を多用しているので、シックハウス、化学物質過敏症
  アスベストによる発ガンのおそれ、が指摘されています。

2) 自然素材の使い方
なぜ、自然素材は敬遠されたのでしょうか。
  不均一性、手間がかかる、材の管理、ストック(乾燥の場所、刻みの場所)
場所をとるというのは、たとえば、都市部の工務店では大きなデメリットになります。

自然素材の家がなくなってきた理由
  手間も時間もかかるから(つまり、素材との対話、目利きをするから)
         産業型の家 ; 約3ヶ月、 自然素材の家 ; 5〜6ヶ月

では、自然素材のよさは、なんでしょうか。
  循環型資源であること(太陽の恵みで手に入る。腐ることで再生する。)
    あるいは、燃やすことで燃料にもなる(多機能性)。
  環境や人体への影響が小さい。
  リサイクル・リユースが容易
  近くで手に入る
  人間の5感に親しむ

自然素材の使い方は、まず、適材適所、ということです。材料のクセをよむ。
たとえば、
床は木表(キオモテ。年輪の外側に対応する面。こちらが縮むように、板は反る。)を上に。
柱に背割りを入れる(乾燥で割れる前に、あらかじめ割っておく)、等。
( *
http://www1.odn.ne.jp/matu/ki-1.html

木のサンプルを持ってきたので、お見せしましょう。
スギ、ヒノキ、ヒバ、集成材     どれが、どれだか、わかりますか?

赤身のあるのがスギ。スギよりも黄色っぽくて硬い(水にも強い)のがヒノキ。
ニオイが強いのがヒバ。これは、ヒノキチオールが多いからです。
集成材は、ホワイトウッドと呼ばれる、北欧系のマツです。日本の風土には合わず、腐りやすく、蟻にやられる。そこで、防腐剤を使うということになります。

日本の国土の60%は森です。では、現在の日本の木材自給率を知ってますか?
20%です。80%の海外依存は「安い」家造りのためです。需給落ち込みのため、林業は維持できず、山は産業廃棄物の捨て場となっています。ちなみに、国産のスギの木(樹齢50年、直径40cm)は、立っている状態で数千円です。採算に合わないくらいの安さです。

そんな状況を変えるために始まったのが、「東京の木で家を造る会」
http://www.forest.gr.jp/menu05_rinen.htm)です。これは、山造りと家造りを同時に進める活動、そして、山を見ながら、自然素材を考えながら家を造る活動です。

「地産資料の家造り(どういうプロセスで家を造るか)」

「近くの山の木で家をつくる運動宣言(単行本)」が、NPO法人 緑の列島ネットワーク(
http://www.green-arch.or.jp/index.html
)から発行されていますが、近くの山の木で家を造ることにより、地域の山に手が入る、地域での経済効果が生まれる、というメリットがあります。

お話しする事例は、7年前の山形での住宅建築です。
まず、お施主さんとのインタビューから始まり、1月に、建設予定地のすぐそばの山から、材の伐採をしました(約200本)。伐採の後は、植林をしてあります。
4月に製材、乾燥したのですが、この山ではしばらく枝打ちをしていなかったので、材としては節目が多く、見た目は、きれいなものではありませんでした。しかし、お施主さんの意思で、この山の木を使うということになりました。立派なお施主さんだと思います。
8月に、墨付け、キザミ。9月に建て方と進めました。この時行なった「餅まき」も、伝統的な、地域とのコミュニケーションの仕掛けです。
こうして、ウッド・「マイレージ」どころか、見えるところの木で、家が建ちました。





11:20 建築実習 その1

本日の目標は、刻みの残りをやってしまうこと。
桁(ケタ)と柱のほとんどは前回までに終わっているので、今日の勝負どころは、梁(ハリ)、土台、束(ツカ)といった部分。もう、丸太の墨つけ・刻みには慣れているので、サクサクと・・・。
とは行くはずもなく、いろいろと悩みどころ満載だったわけですよ、今回も。

[ もやっとタイム ]

いつものパターン。何か新しい課題を前に、わかったような、わからないような。
左の写真は、国王から、まず、全体の構成に関する説明。
中央の写真は、(これが、このときの場の雰囲気を良く表しているのだけれど)、
  国王    ; 梁と桁と柱は、こう組み合わさります。
  ミカちゃん ; ・・・・ 。(たぶん、「蟻継ぎ」や「腰掛け」の形がもや〜〜)
  ワタクシ  ; (あの模型、梁のところ、チャンと作っときゃ良かったな〜。)
右の写真は、梁と組み合わさった状態の、桁の断面図を書く、国王。

結局、ブランチの間に、ひとつお手本を国王が作ってくださることに。

11:40 ブランチ
申し訳ないなあ〜と思いながらも、いそいそと頂きます(もちろん、国王の分も残してありましたよ)。

本日のメニュー
  ラオス風の野菜サラダ  花はナスタチウム
  ラオス風の野菜ココナツカレー
  瓜のカレー炒め煮
  キャベツとニンジンのスパイス炒め
  パン、ライス

   

食事中の、山田さんとの会話から・・・。
「パーマカルチャー塾の女性比率が高いのは、なぜでしょう?」
「オトコは、現状のシステムの中で、追い立てられているからじゃないでしょうか。」
「また、変化に対して、女性のほうが敏感だから?」
どちらも、正しい感じがします。少数派の男性メンバーを大事にしましょうね。(← かなり、ムリヤリな結論)

そうこうする内に、山田さんが桁・梁・柱の接合部の断面図(角材 vs 丸太)を書いてくださいました。
図の左半分(A)が角材の場合。
  「蟻継ぎ(台形の接合部)」や「腰掛(梁を桁に乗せる(腰掛ける)部分)」は、丸太の場合も同じ。
  ただ、角材のほうが単純なので理解しやすい。
図の中央部分(B、C)が、丸太の場合。
  中段(B)は、梁が桁に「腰掛ける」場合。これが、基本形。
  上段(C)は、梁が直接、柱に「腰掛ける」場合(桁の腰掛部分の寸法が充分に取れないとき、等)。


蟻継ぎ手(A)の形状。梁の先端の、桁にはまる部分を台形状にします。
この蟻継ぎ手の場合、台形の長辺が一寸六分。短辺が一寸。台形の高さが一寸。
腰掛は、五分になっています(梁先端部の下面の長さ五分が、桁に乗る)。角材の場合は単純ですが、丸太の場合は、材の太さ等によって、腰掛部分の形状や接触面積が変ることになります。

 

国王による、お手本製作。

まず、桁に、梁の組み合わさるところの平面部分を作ります。
(梁は、心墨から二寸三分を太鼓にとる(中心から二寸三分隔たった平行な平面を作る)ので、桁も、それと対応した幅の平面を作る。)下の写真ですでにカットされているのは、口脇(クチワキ、垂木(タルキ)のはまるところ)。

蟻継ぎ手(女木(メキ))の墨付け。台形部分の鋸入れ。

蟻継ぎ手(女木(メキ))の、ノミによるキザミ。

こちらは、梁のキザミ。まず、ちょうなで太鼓をとる(平行平面を作り、部分的に角材状にする)。
 

蟻継ぎ手(男木(オキ))の墨付け。



墨付けの後、端面をカット。


蟻継ぎ手の下面に鋸入れ(この位置は、女木に対応するように)。

蟻継ぎ手(男木、台形状の出っ張った部分)の鋸入れと、ノミによる仕上げ。


仮組と、ゲンノウによる、梁の太鼓部分の修正(ブランチの間、トントンと響いていたのは、これだったんですね。)

 12:35 建築実習 その2

[ ラーニングカーブ ]

断面図を見て、ああでもない、こうでもない、と言いながら、梁・桁チームは、まず、一ヶ所(いの3番、だったと思う)の墨付けを寄ってたかってやってます。

 



同時に、土台チームが墨付け。KEN さんの電気ドリルで、ホゾ穴明け。

 

 

柱チームの、正確な墨付け。 赤いツナギの人がニタッているのは、気のせいでしょうか。

[ フロー ]

それぞれの作業が軌道に乗り始めます。
中央のハチマキ姿は、現場が似合う一級建築士、山田さんです。


 


土台チーム、腰掛蟻継ぎの鋸入れ。蟻継ぎの台形の部分、斜めに切るというのが、なかなか難しいんですよね。


この頃、メンバーの入れ替わりがありました。

15:00 ころ 第5期生の増原さんご一家(直樹さん、れいなさん、あかねちゃん)が補講で合流。
16:00 ころ 講師 山田さん出発。(木のサンプルと本を抱えて、電車で、ご苦労様でした。)
16:30 ころ カナちゃん出発。

当初予定では、この建築実習は、15:00 までだったのですが、勢いにまかせて(というか、キザミが終わらないので)、17:00 まで続行しました。(「自然エネルギー講義」を1コマ飛ばして(夜にまわして)!)

柱チーム、柱上部(たぶん)のホゾ。 梁チーム、ちょうなでの、腰掛と太鼓。

 
 

建築実習まとめ

途中、アレッとなったのは、、、。 
  柱の長さ(高さ?)、
  束(ツカ)の長さ(高さ)  --  梁の水(ミズ)からの高さと合わないか、と思ったが、OK。
ヒヤッとしたのは、
  地面に散乱したノコ、ノミ、電動工具
  キーホールガーデン側に落ちそうになる人、数名
  梁を加工中に、少しズラそうとしたら、人がいた、等。
 → 気をつけましょうね。

まずは、キザミのほとんどは終わったと思います。次回の建前が楽しみです。
というか、その前の、仮組が楽しみです。その前の前の、修正・調整が楽しみです。
たぶん、あると思いますよ〜。 組めない。 組めるけれど、ガバガバ。 ガバガバでもないけど弱い。等々。
ま、リカバリーはいろいろできるでしょう。材料は、まだまだありそうだし、、、。
ということで、「続く」。

17:00 すずむし荘へ

17:55 夕食

  カレーラ(にがうりのカレー、北インド)
  ダール(豆のカレー)
  南インドのカレー(ナスとジャガイモ)
  ココナッツカレー
  デザート ; ハルワ(材料; セモリナ粉、カルダモン)

19:30 自然エネルギー講義1 (講師 ; 恒任東士(つねとう とうじ)さん (有)グリーンポスト代表)
 
(記録係から。 
  「パーマカルチャー建築」の講義録と同様、もし、勘違い等あれば、ご指摘ください。
  また、関連する web-site にはリンクがはってありますが、* は、記録係が選定したものです(図解、等)。)
-----------------------------------------------------------------
1) これまでの活動と、プロジェクト 50/2050

自然エネルギーの分野で約15年、活動しています。1988年に反原発のイベントがあり、太陽電池関係の方と知り合い、それをきっかけに「グリーンポスト」というミニコミ誌を作りました。また、「自然エネルギー事業協同組合レクスタ」を10年前に始めました。物を売るというより、広めていく活動です。

日本の太陽電池パネル生産は毎年30%アップしていますが、それらはヨーロッパへ行ってしまい、日本で売られるのは少ないというのが実情です。そのほうが利益が出るからです。日本では住宅向けの補助金が廃止された一方(2005年)、ヨーロッパでは買取制(太陽電池で起こした電力を高値で買い取ることにより投資回収を早める)によって、普及が加速しています。EU では2020年に再生可能エネルギーを20%にするという目標を持っていますが、日本は、2014年に再生可能エネルギーを 1.63%、その後は見通しなし、という状況です。今の日本のビジョンは現状で30%の原子力を35%へ。あとは、省エネと残った化石燃料でやっていくというもので、2050年頃、どうなるのか見えない状態です。また、先日の洞爺湖サミットも、2009年までに次ぎの枠組みを作る、という恥ずかしい状態です。

しかしながら、仮に省エネを毎年1%ずつやったとすれば、2050年までに50%減らせます。同時に、現状の50%を自然エネルギーにできれば2050年にはエネルギー的には自立できるわけです。
これが、プロジェクト 50/2050 です。

2) 家庭での消費電力の現状
では、省エネは具体的に、どうすれば良いのでしょうか。現在、日本の普通の家で普通に電気を使うと¥2万/月になります。これは、必要以上に電気を消費するようになってしまっているからで、たとえば、会議室用の(影を作らない)多段照明が一般家庭にはいっている。また、洗面所の下にある電気湯沸かし器がいつも保温をしている。トイレには暖房便座がある、といった具合です。これらを使わないようにすると、¥1.3万/月になり、自動的に消灯するシステムにして¥9500/月になります。

家庭での電力消費の内訳は、高いほうから見てみると、
  エアコン  21%
  冷蔵庫   18%
  照明    16%
  待機電力 10%      となっています。

待機電力については、ヨーロッパでは、それを禁止する法案が成立する見込みです。
また、照明については60W(ワット)の白熱球であれば、15Wのコンパクト蛍光灯に置き換えられます。4倍の効率アップです。熱関係では、電気を熱に使うのはもったいないです。電熱器の効率は30%くらいなので、発電所の発電と送電の効率を、合わせて30%とすると、0.3 X 0.3 = 0.09 で、約10%しか有効に使っていないことになります。その点では、ヒートポンプの方がイニシャルコストはかかるものの、効率は高いです。電気製品は、買い換えるか、使い続けるか悩むものですが、10年前のものならば、買い換えたほうがいいと思います。
また、省エネ効果を見えるようにする「省エネナビ」もあります。
http://greenpost.blog8.fc2.com/blog-entry-59.html

3) 太陽光発電パネルの価格見通し
現状では、¥50〜70万/kW ですが、これが、2015年には1/3 になるという業界内の見通しがあります。
仮に、家庭での電気代が¥1万/月だとすれば、454kWh/月(電力料金を¥22/kWh とした)。
これは、6kW の太陽光発電パネルでまかなえるので(454 /30日 = 15kWh/日。 15 / 2.6 = 5.8 。2.6 で割る意味は後述)、約300万円(¥50万/kW  X  6kW )です。これが、1/3 になれば、100万円。本当にここまで下がる保障はありませんが、プロジェクト 50/2050 の省エネ分はそのまま家計を助けることになるはずです。

4) アメリカ・ヨーロッパの動き
アメリカやヨーロッパのパーマカルチャーメンバーは、オートノマス(自立分散)システムを検討しています。たとえば、8kW ほどの太陽光発電パネルで自宅とクルマ(EV、あるいはプラグインハイブリッド)の電力をまかなうというやり方です。一方、日本の場合、都会や集合住宅が多く、必ずしもオートノマスが向くとは限りません。シャンティクティーは、それに向いていると思いますが。
「ラジカルテクノロジー」(P・ハーバー著 時事通信社 絶版)では、水や電力等をそれぞれ、集中システムから供給するか、周辺の環境から供給するかを、主に集中供給システムからの距離に応じて使い分けることを提案しています。どのようなシステムが適しているかを、統一的に評価・選択できる仕組みが欲しいと思います。

5) 太陽光発電パネルについて(メリット、デメリット、他の自然エネルギーとの比較)
これは、キューバ製の30Wで、多結晶(アモルファス)シリコンを使っていて、エネルギー変換効率は10%です。日本の効率の高いものですと、16%に達しますが、それは材料(SiO2)の純度が高いからです。
この電灯に近づけてみましょう。定格電圧 12V(ボルト)に対して、8 V まで上がりました。余談ですが、以前、サギで「北側でも発電します」と言いながら、電圧計しかつけていない例がありました。電圧だけ上がっても、電流が低ければ、使えません(電力=電圧X 電流 )。だから、日当たりのいい場所につけるのが基本です。
 


[ メリット ]
さて、効率が10%と低くても(日本製の最高効率品よりも)、自分の家につければ、システムとしては高効率です。言い換えれば、電力会社からの電気の場合のエネルギーロス(原油の掘削・精製に伴う熱的なロス、機械的なロス、発電に伴うロス(誘導電力)、送電ロス)がない。エネルギー的には設置してから5年でもとが取れます(原材料+リサイクル)。また、保障年数は15年間で、メンテナンスフリー、無排気です。また、規模の大小によらず設置でき、いちど作ったパネルは、そのまま保管が可能です。だから、サウジアラビアは、今、砂漠で太陽電池を作ることを考えているわけです。
一方、他の自然エネルギーと比較して、設置も簡単です。小型風車は、建物よりも通常6m以上は高くしないとダメ(風が通らない)で、2階建て(6.6m)の場合、12.6m で電柱と同じ高さになってしまいます。また、15m 以上の建築は禁止されています。また、風の強さも重要で、グリーンポストでは年平均4.5m/sec の地域に販売しました。
水力発電の場合は、「水の落差 X 水量」が重要で、小型ほど落差が必要になり(回転数でかせぐので)、滝のような流れが要ります。

[ デメリット ]
日中しか発電できないこと。天候の影響を受けること。高純度のシリコンの確保に限界があること。
しかし、今後、化合物系の太陽電池が主流になれば、材料供給の問題はなくなりそうです。また、印刷のイメージで作れるので、「余白」がなく、モジュール効率が上がります。


6) 太陽光発電パネルの発電量
光の強さが1000W(ワット)で、効率が15%であれば、150W 発電します。(これが、その発電パネルの最大出力であれば 150Wp(ワット・ピーク)。標準測定条件は、1000W/m2、25℃、AM(エアマス、空気通過量)1.5 )。
日本の標準的な日射条件(*1)であれば、150Wp の発電パネルで毎日平均、これだけ発電します。
 345 Wh/日 (=150Wp X 2.3 )  独立系  の場合(*2)
 390 Wh/日 (=150Wp X 2.6 )  系統連携の場合(*3)
もし、家庭での電気代が¥1万/月だとすれば、454kWh/月(電力料金を¥22/kWh とした)なので、これを省エネで半分にしたら 227kW/月、30日で割って7.6kWh/日。この場合、必要な発電パネルの出力は約3kWp (=(7.6kWh/日)/2.6 )。150Wp のパネル20枚分です(*4)。
 


(*1)年間日射時間が年に1850時間の平均的な地域において、冬至の日の朝10時から午後2時まで太陽電池面に直接太陽の光が当たること。太陽電池の取り付け方位は南中方向。取り付け角度は45度。
(*2)天候と日本での空気通過量(大気中を太陽光が通ることによるロスに関係)と、バッテリーの効率を考慮して 2.3 倍。仮に150W を4時間発電し続ければ、150W X 4h = 600Wh。実際にはこれほどは発電できないということ。
「独立系」とは、電力会社からの電力系統に接続しないシステム。
(*3)電力会社からの電力「系統」に、「連携」したシステム。太陽光発電量が大きければ、電気を売ることができる。ここで、「連携」とは、インバータを使って、発電パネルの直流電気を交流にして、それの周波数と位相を、電力系統に合わせること(ブランコの揺れに合わせて、後ろから押してあげるようなイメージ)。インバータの効率を考慮して 2.6 倍。
(*4)当日のお話を少し、記録係が要約させていただきました。

7) これからのビジョン
地球上の陸地の1.5%に太陽電池をつければ、全人類のエネルギー消費をまかなえると言われています。
各国の2006年度の再生可能エネルギーのシェアと2010年の暫定的な目標は、
http://greenpost.way-nifty.com/softenergy/2008/07/janjanjapan_1be4.html

国名    2006年のシェア   2010年の目標
ドイツ   11.5%           12.5%
アメリカ  9.2%            ---
スペイン   19 %          29.4%
インド     4 %           ---
中国     17 %           ---
デンマーク 26 %           29 %

そしてわが国、
      2006年のシェア    2014年の目標
日本     0.4%           1.63%

日本の再生可能エネルギーのシェアは、他国に比べて非常に低い状態です。
一方、気候変動のリスクについては、日本の場合、実は、あまり大きくはなく、地震とそれに伴う原発のトラブルが最大のリスクです。しかし、反原発運動は、今、まとまっておらず、まずは、省エネを進めることが一番効果的だと思います。つまり、プロジェクト 50/2050 です。

21:40 交流会

さすがにみなさん、早めに就寝のようでした。 長い、でも、充実した一日が終わりました。

(2日目の記録係  ;  ヒデ )

3日目

朝はいつものヨガではなく、自然エネルギーの先生恒任さんによる太極拳
でスタート。
足裏でしっかりと床を踏みしめ、気を出しながら、体を動かします。
気を出すと、相手に押されても倒れない。不思議です。


その後は、自然エネルギーの講義の続きです。
シャンティクティでも太陽光発電パネルを屋根において
発電をしているということで、みんなで屋根に上って見学です。
この太陽光発電でまかなっている電気量は、シャンティクティでも
ほんの一部とのこと。全てを太陽光発電とするには相当な数のパネルが
いるようです。

 

 

そして、庭にある畑の見学です。
私たちの自然農の畑より、野菜がたくさん実っていて
驚きました。みんなで野菜を収穫、今日のブランチに使います。

操体法では、ちょっとの動きでこんなに体が気持ちよいって
感じるのだーという感覚を味わえました。
左を動かしたら、同じように右も動かして両方のバランスをとる
のが良いと思い込んでいましたが、
操体法では体を動かした時の感覚を観察し、
心地よいように行います。右側に倒すことが気持ちよければ右側へ、
左側に倒すことが気持ちよければ左側へ。

建築実習では、モルタルをつくり、基礎に流し込みました。
砂を運ぶ人・セメントと水をいれる人・かき混ぜて流し込む人・
水平になるように引きつめる人と、みんなで協力し、
あっという間に完成です。