1日目 シャンティクティーへ到着すると、まず生か倉庫とカタツムリストローベイル玄関が目に入ります。 生か倉庫の屋根はワークキャンプで鉄平石が敷かれ、とても良い感じです。非電化冷蔵庫も完成しています。屋上への放熱部分の開閉は、内側から回転するバーを使ってできるように工夫されています。 早いもので、12月のギャザリングを除いて、塾の講義は今回が最終回。さくさん、うっちー、ほうさん、こうさんは、残念ながらお休み。 今日は、PCCJ代表の糸長さんによるエコビレッジの講義と、いつもおいしいご飯を作ってくれる民さんによるアーユルヴェーダの二つの講義。 エコビレッジとコミュニティー 講師 糸長 浩司 先生 日本大学 生物資源科学部 生物環境工学課 教授 PCCJ代表理事 ■ 始めに、自己紹介を兼ね、大学で行われているキャンパス・エコビレッジを紹介していただいた。 敷地は約60ha 山から海までの環境資源を使用して持続可能な社会の構築を実社会の中で目指す。 「パーマカルチャー学科」とも言える。 施設の紹介 · リビングマシーン 植物を使って排水を浄化するしくみ。 食用カンナ、くわずいも等の植物を使い、家畜の糞尿等の汚水を浄化する。 メタンガス発行させた後の液を処理している。 アンモニア、亜硝酸体を植物にすわせる。 バイオジオフィルターの温室編と思えばよい。 · アクアボニックス 魚を養殖した排水を植物を使って浄化する方法。 · ストローベイルハウス 内部に蓄熱する構造物ラムドアースがある。ラムドアースは、土、石灰、にがりでできている。 · エディブルビオトープ(食用植物のビオトープ) = 生物の空間(生き物の村) 雨水などによる水系を活かし、自然を模倣(=ミチゲーション)している。 · 緑のカーテン キウイ、サルナシ、あけび、フジ(根瘤菌が窒素を固定してくれる) などをつかっている。 キャンパスエコビレッジでの活動の紹介 子供向けの環境教育 帰ったあともそれぞれの小学校で里山ビオトープ作りを実施 キャノワーム(みみずコンポスト) カブトムシ 米作→脱穀 藍を育て、染物の体験 ■ 本題ではまず、環境・社会問題についての俯瞰的なおはなしをしていただきました。 自然破壊、生物多様性の減少など環境問題、エネルギーや水問題など資源の問題、また市場経済による富の独占、格差、貧困など、地球と世界がおかしくなっている。 これらの問題を、クリエイティブに解決することが大切。 環境 経済 社会のサステイナビリティーを得るためには、共同で解決するローカルな活動、即ちグローバリゼーションに対するローカリゼーションが求められる。 エネルギー問題 化石燃料は、人間が始めて手にした大量エネルギー。 ピークオイル 需要と供給のGapは値段で調整される。 これからピークオイルを迎えるとも、既にピークを超えているとも言われているが、 いずれにしてもこれから石油が安くなるということは無い。 ピークオイルを迎え、それに替わる暮らしを探すことが必要 地球温暖化 Global warming 2℃の増加は重大な変化 その急激な変化に、都市農村は耐えられるか 豪雨 公共事業の維持が問題 エコロジカルフットプリント 1980年代が地球1個のエコロジカルフットプリントだった トランジッション 石油の暮らしから、脱石油の暮らしへ 循環型社会 自給の運動 いろいろなグループが集まって 人類の社会システム 1.再分配(略奪と再分配) 年貢、税金をあつめて、その一部を社会や個人へ配分する方法 2.互酬(贈与と返礼) 縁故米や、家族の中の関係など 3.商品交換(貨幣と商品) 金や貨幣など、価値の大きさの疑わしいものを基準としている。ドルと金の交換停止以降、その傾向はさらにひどくなり、サブプライム問題につながった。現在、世界経済は回復しつつあるように見えるが、基本的にシステムは変わっていないので、同じことはまた起こる。 CO2取引権も、実態として価値の見えないものであり、サブプライムと同じようになる可能性がある。 現在は、1.2.のシステムから、3.のシステムへの移行が進んでいる。 資本主義そのものが悪いわけではない。投機的な資金の動きが問題なのであって、ワーカーズコレクティブのように、出資者と事業につながりがあれば良い。 4.協貸与・共同経済社会 エコビレッジ的経済社会 1.2.3のシステムとうまくつなげる。経済行為も多くの手があったほうが良い。 一つの経済行為に閉じないことが大切。 生態系=エコシステム 構成要素は、植物(生産者)、動物(消費者)、分解者(微生物)。3つの要素を活かしていくことが大事。近代モノカルチャー分業システム (窒素肥料)に対し、エディブルランドスケープを創造していく。 それぞれの場所で統合されたシステム(分散型)。マルチプロダクトにし、生産性を上げる必要はある。 都市でも、空いている場所で野菜、食べられる木を植える。現在の都市計画に、農は無い。シティーガーデン・コミュニティーガーデンなどを作りやすいように行政の仕組みを変えていく必要がある。 ■ 世界のエコビレッジの中から、いくつか事例を紹介をしていただきました。 サステイナブルコミュニティ Social系、Spilitual系(宗教)、環境系、どれか一つに該当すれば参加することができる。 デンマーク・トーラップ フラードーム ストローベイル エネルギー自給 エコビレッジ内のクラブで農園をやっている。 スバンホルム 400haの敷地で農業法人化されている。お城を買い取り、住人の住居にあてている。 スコットランド フィンドフォン 財団化され、既存のコミュニティーの周辺に新たなエコビレッジ建築もすすめられ拡大している。周辺の地域にも変化が現れている。 アフリカ諸国 第三世界においては、援助への依存から脱出するために、エコビレッジに取り組んでいる。 ■ 実例紹介のあと、エコビレッジに関するまとめのお話。 ギャップダイナミクスと多層のランドスケープ 自然とともにデザインをする。エコビレッジは、多様な層の共存状態。 ギャップダイナミクス 火事や落雷などでリセットされる。 遊動人(ノマド) 定住する時には、そこにエコビレッジを作ってきた。そこへ戻っても良いのでは。 エコビレッジ そこはノマドを歓待する場でもある。 くもの巣のつながり エコビレッジだけではない多様な活動が存在する。それぞれをネットワークでつなげる。「これこそがエコビレッジだ」にこだわってはいけない 第三世界との関わり これからの第三世界への援助は、エコビレッジ活動へむけては。フィリピンでは都市部貧民の自立へ、エコビレッジに取り組んでいる。 エコビレッジの種類 次の3種類が含まれる。 1. 伝統的な集落の人々による、持続可能なコミュニティー 地域にあった形でつくられる。 2. 持続可能な教育センター 安曇野パーなカルチャー塾もこれに含まれる。我々塾生もすでにエコビレッジの一員です。 3. 意図的な共同体 Intentional Community いわゆるエコビレッジ ヨーロッパでエコビレッジが盛んな理由は、小麦牧畜文化のため畑の規模が大きく、個人で始めるのは大変なため。 日本では、13万5000もの集落がある。また、使われなくなった公共やリゾートの施設がたくさんある。これらを活かしてコミュニティー活動をすると良い 糸長先生の講義は、豊富な写真と、たくさんのお話でとても内容の多いものでした。 ※ 講義の後、温泉へ行き、それからお待ちかねの夕食 今回は、韓国料理 ほうれん草と豆もやしのナムル 野菜と春雨のチャプチェ 大根と厚揚げのコチュジャン煮こみ 白菜と豆腐のスープ 夕食向きに、辛さと油をおさえてくれてあるそうです。
民さんのアーユルヴェーダ入門 起こりは約5000年前。最初は、文字にはならずに口伝で伝えられた。 アーユルヴェーダの目的: 体の健康と、精神の幸福が長寿につながる。 生は、肉体と魂と精神から成る アーユルヴェーダは、予防、続いて食事やライフスタイルの改善、そして治療からなる。
ヤマ: してはいけないこと うそや殺生など(やましいという言葉の語源かも?) ニヤマ: するべきこと 雨にもマケズをよめば、ニヤマの実線が良くわかる
■ 3つのドーシャ(体質、性格) ヴァータ 「動き」をもたらす 風のエネルギー 痩せ型、小柄におおい ひらめき型で落ち着きがなく、すぐにやる行動力がある
ピッタ 「変化」をもたらす 火のエネルギー 中肉中背 消化力 情熱家で完ぺき主義
カパ 「構造」をもたらす 水のエネルギー がっしり、ゆっくり 安定性があり、動じない
3つのドーシャが完全にバランスしているのは精神のバランスの取れた聖者に多い。 1つのドーシャが突出しているのは自然児。 普通の人は、3つの要素に強弱がある。
人と自然は同じ物から生まれている。人は自然の一部。バランスを崩したら自然界から補う。
■ 食事について · 暖かいもの、作りたてで、新鮮なものをいただく。 · 消化器官を冷やさない(アイス、ビールはなるべくひかえる)。 · 食べ過ぎない。量は腹6文目くらいがちょうど良い。 · 良くかんで食べる(30回以上)。 · 食事の時間がばらばらなのは良くない。 · 前の食事が消化されていないうちに食事をするのは良くない。 · 肉などを食べる時も、良くないと思いながら食べたり飲んだりは良くない。食べるならば、感謝していただく。 朝ごはん 食欲があれば、しっかり食べても良い。但し、なるべくトイレを済ませてから食べる。 昼ごはん 昼は消化力が高いので一番重要な食事。しっかり食べる。 晩ごはん 夜は、肉、揚げ物、生野菜はなるべく控える。果物は食後30分おいてから食べる。消化の良い果物を食後にすぐ食べると、他の食べ物も消化器官を早く通過してしまう可能性がある。 ■ 断食 体に未消化物をためない方法として 本格的なものは危険もあるので、プチ断食(夕食を抜く)をすると良い 夕食を抜くと、深い眠りが得られる。消化器官が休まるので体の回復力が高まる。 講義の後、希望者は民さんに脈診をしてもらい、合せてアドバイスもいただきました。 その結果を肴に夜が更けていきます。 本日のスケジュール 6:30〜 農業実習
(1)種について・在来種と固定種ー在来種とは、その地域の気候風土や栽培方法に適応したもの。固定種は、形質が一定の揃い性を持っていることで他品種と区別できるもの。どちらも遺伝的多様性を持っているので、環境の変化に強い。
建築実習@
午後7時45分から本日のメインイベント「一人一芸」の発表です。
朝6:30 ともさんのヨーガレッソン。 7:30から卒業制作の“最後”のまとめ。3時間の最終階段。何ができただろう? よつのグルプの中、レシピチームは一番進んできましたようです。ほぼ完成しましたね。 パラパラまんがチームは結局二人でやります。シバちゃんはマクブックを、サムソンはタブレットを持ってきて、頑張っていました。なかなかすすまなさそうだったけど。。。 飛び出しチームは人数一番多いです。いろいろな飛び出し絵本とか作り方の本とかたくさん持ってきました。でも、作品の姿はまだ見えませんでした。 フリーマチームのつっちゃんとやよいちいはよく相談しまして、皆に紙の表をまわして、来月に開催するフリーマに出品予定を書いてもらいました。 紙芝居チーム (スーさん、けいこさん、ノブやん)は絵を書き始めるようですね。 11:30やっとブランチ。 メニュ: ドイツ風スープ 豆腐とブロッコリのグラタン 水菜、人参バルサミコソース サラダ レンコン、しめじ、かぶ、いろな野菜のみそとロズマリソース ブランチのあと、いよいよビジョンの発表。 はやと:キーワードはあるがままに。来年、自費出版に決定しましたっていうこと。 シバちゃん:ビッションは半農半X。X=社会貢献の仕事。それから、マクロビーカフェーを作ること。 はぶちゃん:きれいな絵を描きました。その絵のタイトルは自然に囲まれたて作りの暮らし。将来、古民家再生か手作り家で陶芸教室や工房をやりたいそうです。週末にカフェーに変身するんだって。いいですね。目標は2.5年後に住む場所とパートナーを見つけるといいうこと。:) アババ:自給と自立という生活。食材の米、麦、野菜など、加工品はみそ、お酒など全部自分で作るのです。家には自然エネルギー(太陽熱、ビオガス)を利用し、雨水とか循環するようにします。衣までも、和棉を作って、チャルかで編むのです。 つっちゃん:里山、森に囲まれた暮らし。家はもちろん再生した古民家。米、野菜、発酵食品など全部手作り。旅行が好きなので、インドとかあちこちにいきたいのですって。60歳まで世界一周。仕事は作家やアート系。やっぱり人と人のつながる場所を作るのですって。 カメちゃん: 自給自足に目指す。目標:一年目パートナーを見ける。2年目:ダンス、英語を学ぶ。ビジネスはカフェーとか、ギャラリーとか、得意な美容室をやってみたいのです。 やよいち: テーマは正しい人でなく、楽しいひとになりたい。暮らしには自然エネルギーや天然木材を生かしたいのです。楽しみたいことは瞑想、農業体験、セルフビルド家作り。 けいこさん:仏教に興味あるそうです。これから仏教の人々にサポートしたいそうです。 スーさん:自然農をする。近所の人々にヨーガ、マッサージをしてあげたい。 ミーさん:ステキな“私のビジョン”表を作りました。2009年12月まで“脱ペーパードライバー”。来年から、通信高校の美術先生になります。仕事をなれて、生徒達に“自然を感じながら、‘自分で何かをつくること’がある暮らしの心地よさ”を知ってもらいたいそうです。 もえちゃん:2010年11月までにやりたいことを発表しました。お菓子試食会、お菓子教室をはじめます。野菜畑もつくる。イタリア語、フランス語を勉強する(8月。)11月に世界中のお菓子をたべる旅行をはじめる。最終目標は長野伊那市に焼き菓子のカフェーを開くこと。イメージの写真を見せました。 ゆーこ:10年間のビジョン。2010年に区民農園に当たって野菜を作る。マクロビのアドバンスクラスに通う。2011年以降はプランAとB。プランAは仕事を辞めるコースで半農半Xを目指す。畑についている土地を探して、エコな家を建ち始めて、2014年に移住する。プランBは畑つきアパートを建てて、大家さんになって、自分も住む。会社に通いつつ畑をやります。 ともくん:モットー:自分を満たす、時分事としての仕事。ビジョンはゆーこのとそっくり。プラン Aは半農半X +エコアパート大家さん。X=IT or 非IT。プランBは半農半IT。場所は東京近郊だといいなと。 ノブやん:来年、本格的に自然農の畑をやる。食料の自給率は10%までアップする。2011年に地元の人にイベントをしてあげようと。2015年は農業、林業、商売に転換。 サムソン:8年の計画:2010はいろなこと、知識を身につける:区民農園を当たって、農業をやったり、パーマカルチャーをもっと勉強したり、料理をちょっと上手くしたりする。ウーファもやってみたい。2014年、土地を探して、畑つきエコアパートか家をデーサインし、建てる。2016年(50歳)に移住する。 かとしゅん:計画をたくさん出しました:パーマカルチャーワークスタイル研究所、トランジション足立のまちつくり、農的くらしの学びの場所つくりなどなど。 ビジョンを発表したあと、2009年度塾の最終日なので、記念写真を。皆はアババに教えてもらった“ホーホーホーイェー”の一芸でポースしました。
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