2009718日(土)くもり 

 

安曇野パーマカルチャー塾も第5回目、あっという間にもう半分ですね。
今回は3日間あり、いつもよりのんびり出来るかな!?
けいこさんが久しぶりに登場!シャンティクティの変貌振りにびっくりしていました。
夏休み・連休渋滞か?遅刻者が多く10人でちょっと寂しく開始。
しばらくすると遅刻した人も到着しました。
 
塾のみんなで持ち寄り貸し借りしている本たち。
私も早速1冊借りる。
 
 
 
【本日のスケジュール】

 

13:30 オリエンテーション

13:45 【講義】パーマカルチャー建築 〜環境とつながる住まい〜@A

※途中、10分休憩あり

17:00 部屋割り、チェックイン

17:15 温泉へ移動

18:30 夕食

19:30 【ビデオ上映】ラダック 〜発展とは何か〜

20:30 フリータイム

23:00 就寝
 

 

★ 【講義】パーマカルチャー建築 〜環境とつながる住まい〜@

 

▼講師:山田貴宏さん

ビオフォルム環境デザイン室代表。一級建築士。

PCCJ2期生(詩さんと同期)

日本の風土に適した伝統的な家づくり・デザインをしている。
エコアパートの設計
 
 
資料(プリント4枚)が配られました。
スライドを見ながら日本古来の家と現代の家の違いを比べる。
 

 

5060年前は1000年以上続いた家の在り方と同じだった。
 

母屋 馬屋 お蔵 中庭

 

「岩手 南部曲り家」
 

母屋と馬屋がくっついた家

屋根の上に乗っかっているものは何でしょう?

これは「うだつ」というものです。
 

※設置するにはそれなりに費用も要し比較的裕福な家に設けられることが多かったことから、

慣用句として使われる「うだつがあがらない」の語源

 

動力を使わなくても換気温度調節ができる装置

奥多摩にも「兜づくり」というものがある。

 

 

■昔の家の特徴

 

【材料】
 

全て100%自然素材

木・土・竹・萱(藁、葦、麦、ススキ)

 

日本は37万平方キロメートル中70%が森林、しかし国内木材の自給率20

どこから輸入しているかというと、北米、東南アジア、ロシア。

 
【屋根の機能】
 
雨除け、日本の降水量平均1700mm→湿気が多い
どう対応するか?
→ひさしを長くする。現代はコストが全てでひさしが短い。
 
分厚いのはなぜか?
→雨を吸収蒸発することで涼しく。断熱。
 
その他の理由とは?
→萱は資源・財産である。
馬のえさや肥料(腐る)として使うことができる。
現代は腐ることはだめなこととされている。
 
昔の家は余すことなく再利用できる。
木組みの家は一度バラバラにしてまた組み立てることもできる。
 
板→薪→灰→肥料
 
循環する、資源エネルギーになる。
脈々と積み上げられた知恵によるもの。
 
【空間】
 
土間・板の間・畳の間
 
土間→北方系の文化(縄文)
高床→南方系の文化(モンスーン地帯)
 
囲炉裏は土間の部分、かまどは南方系。
土間と高床が混在しているのは日本だけ。
 
柱・はり・ぬき・(竹こまい)
 
木の家の構造は籠と同じような構造をしている。
 
漆喰は貝殻を焼いてパウダーにしたもの。
 
【瓦屋根】

瓦が普及したのは江戸時代…火事対策として
 
形の違い
⌒⌒⌒中国から伝わった本瓦(仏教のお寺に使用)
〜〜〜波の形、自然のデザイン
 
【兜造り】
 
→養蚕
 
【茅葺屋根】
 
一番上の部分を「棟」という
棟木を乗せることを「上棟式」という
杉皮の上に柴と水仙を植えてある
→棟が崩れないようにするため、これを「棟飾り」という
地域の資源で造る、釘は使わず石などを置く。
フランス、ノルマンディにも全く同じものがある。
 
 

■現代の家
 
昔の家と今の家は何が違うのか?
 
ひさしが無い→コスト削減
レンガ調の壁面→見た目だけのフェイク
 
材料・建材→新建材と言われるもの…石油で出来ている
焼け野原になった時代、早く家を建てることが優先された。
 
「うまい 早い 安い」
 
石油製品で出来た家は腐らない。
 
工業製品→大量生産→大量消費→寿命約30年→大量の産業廃棄物→環境汚染
 
しわ寄せは私たちの税金にかかってくる。
 
健康面では…シックハウス→医療費が掛かる。
 
結果…実は安くない!
 
 
■パーマカルチャー的家造りとは?
 
今の家は原価3〜4割り、6割は経費→内容はスカスカの家。
 
昔ながらの家は大工さんの儲けは1割
けれども環境・社会的にも負担をかけない家
 
どうして造り手は新建材の家を選ぶのか?
何故日本の伝統技術が必要か?
 
少しの傷でもクレームをつけて直させる消費者
     ↓
造り手は消費者のクレームが怖い、
くるう材料である自然素材は使えない。
     ↓
工業製品にシフトせざるおえない。
 
そして、すでにクレーム分はコストに上乗せされている
 
自然素材を見極める目を持ち、知恵を継承していく人材が必要。
 
パーマカルチャー的
…何かに負担をかけることなく出来る家
つながっている環境のもとで家が造れている。
 
 
■日本で使われている木
 
杉・ヒノキが圧倒的に多い。
一旦人が手を入れた森は、人が手入れをしないと荒れていく。
日本の林業の現実は厳しい。
 
山田さん「どれがどの木だか分かりますか?」
 
(3本の木の素材をみんなに回して、匂いをかいだりして確かめる。)
 
・杉:年輪の中心が赤い(中心赤い部分→腐りにくい、外側白い部分→腐りやすい)
 
・ヒノキ:ほんのり中心が赤い
 
・集成材:一旦スライスされ再度くっつけてある
      これを使わないといけないことになっている。
      この3つを外に置いておくと最初に腐ったのがこの集成材
      →防腐剤を使用することになる。
 
 住まい手のほうから声をあげる事が必要
 

 
■地消地産の家造り
 
「東京の木で家を造る会」のスライドを観る
http://www.forest.gr.jp/
 
日の出・青梅の奥の森で、大黒柱を家主自ら選ぶ。
伐採のとき木が倒れるところを見ることで、その神々しさ、大切さを知る。
住まい手が自然素材を理解する事で儲からないがいい家が出来る。
 
伝統的な木の組み方
→究極のプレハブ!海外の人はこれを見て驚く!
 
土壁
→竹を編んで、藁を入れた土を練り塗りこむ。
 
→昔のセラミック製品
 職人さん一人で手で焼いている、値段は工業製品のものと同じ!
 
まずは無垢の木組みの家次に台所などを考えていく、構造が一番大事です。
 
台所
→台のステンレスはステンレス屋さんに造ってもらい、下は大工さんや建具屋さんに造ってもらう。
 いらない機能はつけない!
 
内壁
→漆喰
 ロフトは土壁のまま。
 ※土壁には寄りかからない、触らない。住まい方にはルールがある!
 
木や土には調湿機能がある。
土に藁を混ぜることで微生物と共存している事にもなる。
人体にいい影響を与えているのかもしれない。
 
大学の建築学科では何故か木材建築は教えないそうです。 

 

★【講義】パーマカルチャー建築 〜環境とつながる住まい〜A
 
スライドを観ながら解説

■環境とつながる住まい造り

パッシブとアクティブ 
 
2つとも室内環境を調節する事
 
・アクティブシステム:電気などの動力を使い依存する室内環境を調節方法
・パッシブシステム:電気などの動力を使わず、建築そのものの仕組みと形による室内環境を調節方法
 
【パッシブな手法】
 
鳥の巣、蟻塚→換気・断熱の機能
 
世界の伝統的な建築…写真集オススメ(題名は書き忘れました…)
多種多様な風土の中でそこにある材料で造られた家
 
エチオピア、モロッコ、マリ(泥土の家)
パキスタン(屋上に風受けと言う設備がある)
アンダルシア(外壁を白くして熱くならないようにしてある)
インドネシア(高床式、洪水・湿気対策)
 
一方…
 
日本の都会
 
仕事をしお金を稼ぐための風景、自然と切り離されている。
もし電気が止まったら…?
 
町屋(風が通る、風が行ったり来たりすることで涼しく感じる)
 
まずパッシブシステムで家を造りそれからアクティブを考える。
オフィスは仕事のための環境なのでアクティブにならざるおえないが、
住まいならもっとパッシブでいける。
 
パッシブな家造りはまさにパーマカルチャー。
 
【快適さの質】
 
日本の夏は湿度が高く暑く感じる。
 
熱の伝わり方の種類→対流、伝導、輻射
 
・輻射
ex 洞窟の中で壁0度気温40度だと体感温度は20度。
土壁は輻射+湿度で涼しく感じる、逆に輻射形の暖房もできる。
 
・伝導 ひんやりする素材、暖かい素材。
 
山田さんが輻射温度を機械で測ってみる。
人間35度、テーブル26度、ホワイトボード26度、床26.5度、気温26度
ホワイトボードに触ったときは冷たく感じたのに輻射温度が高い事に驚きました。
 
熱伝導率の違いで触ったとき暖かく感じたり冷たく感じる。 
輻射によって充分寒くない家は造れる。
 
【室内環境のパッシブコントロールのポイント】
 
3つをコントロールする事
 
【夏の工夫】
 
日射
→現代の建物はひさしが無い、アスファルトの上に立っている→こういった状態を作らない
 
→屋根の上に水をちょろちょろ出すなど、シャンティクティの棚田屋根は良いかも??
 
→風を通し湿気をこもらせない→シロアリ予防
  網戸などにはよしずを入れたものを使う、障子を簾戸に代えるなど。
 ※簾戸(すど)とは、「夏障子」ともいい、簾(すだれ)をはめこんだ建具の総称のことです。
 
機械化ではなく人間の手を使い、家の「モード」を変える。季節や昼夜など。
 
湿気
→珪藻土を使う(産地能登半島は全体が珪藻土だった!豊富に有るようです)
 
【冬の工夫】
 
夏の逆にする。日本の伝統的な家は寒い、何故か寒い、皆囲炉裏に集まっていた。
 
太陽のエネルギーを使う。
 
ひさしの機能
→夏の日差しはさえぎり、冬の日差しは奥まで入れる。
 
落葉樹
→葉っぱにより夏は日差しをさえぎるが、冬は葉っぱが落ち日が入る。
 
そよ風 http://www.kankyosouki.co.jp/
→板金に太陽を当てて50度から60度の風を床まで送り基礎を暖める装置。
 
冬は冷たくないくらいで充分過ごせる。
 
【エコビレッジ】 

 

 

 

家の廻りの環境改善
→室内環境の快適性UP
環境の連続性、面的広がりが実現すると、
→環境のポテンシャルUP
※ポテンシャル(potential)は、直訳すると「潜在性」を意味する物理用語。
→快適性益々享受、周囲との共有に発展
緑の共有
→様々な機能を果たすようになる
 
現代の我々の町では水、エネルギーの供給はインフラが担い、
ゴミもごみ収集システムによりどこか遠くで処分されている。
物資、エネルギー、水の一方通行のシステム。
一方通行のシステムは環境中の負担を増やす。
 
緑の連続で面的なつながりを持つ空間がまちの中にできる事によって、
物資循環、水の循環、エネルギー創出の場、食料生産の場、という可能性が出てくる。
 
物理的なものが安定
→人間同士も安定してくる、環境と資源の分かち合い。
 
【ピークオイルと気候変動】
 
石油のピークはここ数年で来るだろうと言われている。
 ピークを迎えた後、需要は増えるけど供給は減る。
ということは生活のコストがどんどん上がることになる。
私たちは何をしなければならないか?
実は楽しいこと→パーマカルチャーをすること。
口笛を吹きながら下って行こう!
 
 
■エコアパート

【エコアパート】
 
日本のエコビレッジとは?
 
例:足立区のエコアパート、藤野プロジェクト里山長屋暮らし(4世帯)
 
自然素材、東京の木を使う。
アパートは安く造るのが当たり前、こういうものを造るのは
一般的にはクレイジーなことでまだ1件も依頼はない。
 
実際は…
 
アパートは傷がつくのを嫌がるが、住人はそれを理解している。
家賃は12万で高め(同じ地域で9万円)だが、
畑付きアパートに住みたがっている人は東京にはおおい。
人気があるので空き室期間がない。
普通のアパートは13年で回収するところが、エコアパートは8年で回収可能。
環境に意識の高い人が集まるので、変な人が来ない。
4家族中3家族がパーマカルチャーをやっていた人が住んでいる。
 
エコアパートブログhttp://blog.canpan.info/eco-apa/
 
パーマカルチャーではおなじみスパイラルガーデン
 
こんなアパートがあったら住んでみたい。
住民同士だけでなく近隣の方ともつながる場としての機能を併せ持っているところがいいですね。
 
 
★温泉へ移動!まだご飯は食べられません!

 
★お待ちかねの夕食タイム!
 
タイ料理風
夕顔と厚揚げ。
なす、ピーマン、大葉、ご飯にかけて。
にんじん、春雨。
すっぱいスープ野菜いっぱい。これを食べると全てのバランスが取れます。
ごはん、朋子さんがかまどで炊きました。
デザート、小豆とタピオカ、甜菜糖で甘みをつけました。
 
 

 

「Ancient Futures(懐かしい未来) 〜発展とは何か?〜 40分


 
スウェーデン出身の人類学者による本から生まれたこのビデオに、世界の人々が共鳴。米国では小中学校の授業にも取り上げられています。その日本語版を上映します。
グローバル化とは何か?題材はヒマラヤの山村ですが 現代の日本をもう一度見直したいと感じさせる映像です。

小チベットと呼ばれるラダックはチベット仏教が篤く信仰され、質倹と助け合いの伝統により何世紀にわたって環境バランスや社会的調和の中で暮らしてきた。やがて「開発」「発展」がやってきた。
ラダックの文化と環境が崩れていくさまは、「進歩」とは何か、世界の「貧困国」における「開発」、「先進国」の「発展」のあり方を考えさせられる。ラダックの事例は、環境や社会、あるいは私たちの精神の諸問題の根本的な原因について示唆してくれる。そして、私たちの未来についても貴重なガイドラインを与えてくれる。
 懐かしい未来へのホームページ
★【ビデオ上映】
 
うめちゃん
「ラダックでは短期間に起こったことだからわかりやすいが、
日本にも同じような事が起きた、長い期間をかけているのでそれが見えにくい。
伝統的な暮らしに自信を無くしてしまっている。
パーマカルチャーはそれにもういちど光りを当てるもの。」
 
ゆうこさん
「ブータンに行った事があり、桃源郷だと思った。
ラダックがインドに取り込まれてしまったのを見て、
ブータンは独自の文化を守っている。
信号は1個、スタバが無い国に初めて行った。
王制を無くしたことによって、アメリカ文化が入ってしまうのではないかと思うので、
独自の文化が無くならないで欲しいと思います。」
 
けいこさん
「フィンドホーンのスタッフは現金を持っていないので遠くに行きにくい。
お金は誰かからの寄付で集めたりする。」
 
やよいっち
「遠くに行く事はいいことなのか疑問。
そこに豊かなものがあるのに遠くに行って色んな物を買う必要があるのか?
飛行機は悪ではないかと思う。」
 
〜それから税金の話になっていったんだっけ…?税金を払わないで過ごすには??
 
山田さん
「友達が仕事をやめ自給自足の生活をしている、
アルバイトをして現金じゃなく物でもらうと税金はかからない。」
 
建築工事現場→建材
農家→作物
などなど、お金で買うより沢山もらえるよ!
 
そしてお楽しみ、フリータイムへと突入していくのでした〜。
さらに山田さんとその仲間達がセルフビルドで、
2年半かけて建てたという家のスライドを観せてもらいました。
仲間がいるからしんどさも乗り越えて造ることができたとおっしゃってました。
 
レポーター マキでした♪

2日目 ‘09年7月19日

 雨続きで、なかなか畑に出られず。午前中はお天気待ちしながら予定入れ替えての講義中心。

 午後はなんとか雨雲切れて(天気雨もありながら)いざ実習。夜もビデオと講義。

さすがに2泊3日だと中日は時間ゆったりとれて充実。。。

 

6:00〜     モーニング・ヨガ …ともこさん

7:00〜8:40 野菜栽培の基礎知識 …詩世さん

8:55〜     段ボールコンポスト(しこみ方デモ)…詩世さん

9:20〜     パーマカルチャーの原則 講義 …梅ちゃん

11:00〜     建築実習(プランター、風呂椅子の続き …杉山さん

14:00〜     建築実習(玄関まわりのストローベイル、いか倉庫班別作業)…杉山さん

19:30〜     異文化から学ぶコミュニケーションのあり方 …森谷さん

講義: 野菜栽培の基礎知識 (詩世さん)

配布資料『野菜栽培の基礎知識』、以前配布された『播種・収穫』『作物の原産地と性質』参照

 

1 野菜と山菜

子育てと同じ。小さい頃はよく面倒を見る。その後は過保護にしない。

→「種蒔きは丁寧に。草との競争に負けないように」

  とくにニンジンは発芽率が悪いので丁寧に。乾燥していると播けない。

2 栽培適期

 ・野菜の旬を知る(旬=収穫適期。野菜本来が育ちやすい時期)

 ・地域によって異なる播種型と作型 

cf.『播種・収穫暦』播種の適期は短い。早すぎても虫が出るが、遅すぎると育ちづらい。

          地域ごとに違うので、地元で畑をやっている人や種屋さんに聞くといい。

  「雪形」や生物季節暦のように、地域ごとに目安になる事象もからある。参考に。

 

3 適地適作 Cf.『作物の原産地と性質』

・日当たり・水分・肥沃度 

※肥料はやりすぎてもよくない。いわばメタボ状態?

   大きい野菜が美味しい(健な)とは限らない。形の良いものを。(例:ダイコン、タマネギ)

   緑が濃すぎるのは窒素過多。苦いことも。(例:キュウリ、コマツナ)

 

例 トマト…アンデス原産=気温低め、水分少なくてOK。畝は高めに。

  例 大豆… 土地はガラガラのやせているところの方ができがいい。マメ科の中でもとくに。

        乾いたところでは花が咲かない。肥沃すぎると葉はつけるが花がつかない。

  例 キャベツ、ハクサイ、タマネギ…水分+肥沃でないと結球しない。

(∵結球するにはエネルギー使う)

 

4 品種の選択

 ・在来種、固定種

 ・早晩生(播種から収穫までの期間の長さ)

   早生は寒い地域に向くが収量少ない。晩生は収量多い。暖かい地域なら晩生でもいい。

   ただし、病気等の危険分散の面から、早生〜晩生を併せて育てるとよい。

 ・自然農に適した品種 

   F1品種は人間が手をかけるように作られているので自然農には向いていない。

5 草と虫への対応

 ・幼苗期は草に負けぬよう手をかける。

・全面一度に草を刈ると、環境が急変。虫の居場所が無くなる。自然農では虫は敵じゃない。

  (例 ウリ科は一度に草刈りするとウリバエが発生する)

・手が回らない畑は放置しておくのが一番。草ボウボウでも刈らずに最後までサイクルさせておく。

  (※逆に、草も生えない畑は不自然。これまで使っていた除草剤の影響かも?)

 

6 連作障害と輪作

 ・自然農だと連絡障害は多少出にくくなるが、輪作を心がける。(例 ナス→ウリ→葉物→マメ)

 

7 コンパニオン・プランツ

 ・ある作物どうしを植えることでお互いによい影響がでる。相性良ければ少ない面積でも栽培可能。

   上にのぼるもの + 地を這うもの

   根が深い + 根が浅い

   日当たり好む + 日かげが好き

   草丈 高い + 低い

   虫が好むもの + 好まないもの 

   アレロパシー(他感作用) 

(例 ユウガオ+ネギ類 …たぶんネギ類の抗菌物質アリシンが、根の病害物質を抑える?)

    (※相性が悪いもの マメ類 + ネギ類 )

 

8 種について

・自家採種の重要性 

…気候の違う場所で取られた種より、4〜5年採り続けることで、自分の畑に向いた作物になっていく。気に入った株(気候風土や味の好みに合ってる等)に印をつけ、種を採っていく。

 ・交雑を防ぐ方法

  …隔離距離(交雑を避けるのに必要な距離)を確保する。(例 シソやゴマ。特に交雑しやすい)

  …花の時期をずらす。(例 トウモロコシ。風媒で距離を置いても交雑しやすいので)

 

◎自然のやることは完全。(自然農の考え方によると)全てなるべくして、起こる。

 (例 虫が出ても、密植を調整してくれているとか、種蒔きの時期が…等。

自然農を続けていると2−3年で良くなる。)

デモ: 段ボールコンポストのしこみ (詩世さん)

作り方

・みかん箱大 段ボール(厚めが吉)

・腐葉土 5キロ + 米ぬか 3キロ

・土とぬかをよく混ぜる。

・その上に水をジョウロでかける。

(手で握って固まる程度まで。)

 ・虫よけに、箱の上を覆い、ゴム等で留めておく。

・蒸れないよう、箱の下にゲタを履かせて通気をよく。

 ※好気性細菌なので、毎日よく混ぜる。半年くらいはもつ。

※虫が出るのは、米ぬかが不足してると温度が下がって虫が発生することがある。

米ぬか入れて、水をまぜれば温度が上がるので、虫の卵が孵らない。

講義: パーマカルチャーの原則 (梅ちゃん)

配布資料『パーマカルチャーの原則』参照、パワーポイント併用で講義。

 

1 多様性 :たくさんの安全装置をつくるデザイン

例1 ムギとキャベツ(草丈で通り過ぎるからモンシロチョウが卵を産みつけるのを防ぐ)

例2 インゲンを時期をずらして撒く

例3 森林と草原の境目 (節縁部は長い方がいい。直線より曲線)

例4 水道・雨水・井戸水、ガス・まき・太陽熱… 

 

2 多重性 :ひとつの場所や要素を何通りにでも利用する

 

3 合理性 :労力や資源を効率よく活用する

 

4 循環性 :あるもののアウトプットが、ほかの要素のインプットになるように

◎1〜4に共通するのは 「相互関連性の原則」

 エコビレッジの具体例等を画像で見ながら。

建築実習:プランターと風呂椅子 (指導:杉山さん)

 前回に続き、各自のプランター、風呂椅子制作をしながら、さしがね、自在がね、のこぎりの使い方を体験的に学ぶ。

※【規矩術】…指矩(さしがね)を使って、建築用木材に工作用の墨付けをすること。(広辞苑)

一番評価の低かった藁 その藁に土をぬり 漆喰を塗ることによりより強固で防水性の強い建物ができます、オオカミの鼻息でとばされた藁 いろんなものがつながることで違ったものになります。煉瓦は強固で評価が高かったものですが森林破壊の現況であったのです。こんな藁を素材にシャンティクティの玄関はカタツムリストローベイル玄関ということで作られます。

カタツムリストローベイル玄関と生かそう庫の刻みが小雨の降る中でおこなわれました。

石積みされたに湿気防止のためアスファルトルーフィングを敷きました。玄関ドアーの型枠を作って基礎に固定

ドアーの取りあい アーチ型のドアが入る予定です。

@ニードルを作る
鉄棒をベイルの長さの倍ぐらいに切って ボンドハンマーで先端を平にして ドリルで穴を開ける。先端をサンダーで鋭角に削る 手の方を90度に曲げてハンドルを付ける

   

  

このニードルを使って藁を分割する方法を学びます。

結束縄をニードルに通して藁を分けつ結束縄で縛ります。寸法を測って藁を分割 積んでいきます。

割った竹を縦横と入れてニードルで結束紐を通して結束していきます。
基礎に添って形を整え結束します。

つなぎ部分は細木を藁に打ち込んで重ねていきます。窓部分はペール缶を入れて積んでいきます。

3段積んで大部形になってきました。

竹を使ってベールの内外を縛って形を整えます。

掛矢も使いでているところは掛矢で打って形を整えました。窓の型枠 玄関ドアーの型枠 竹を結束綱で縛って形を整えます。

次回は建前と土を塗る作業にかかれそうです。カタツムリストローベイル玄関ができると今ある屋根は取り壊されます。
のんびり魂がついてくる早さで歩む そんな象徴としてカタツムリストローベイル玄関が作れます。
魂がついてくる早さで歩む そんな生き方でありたいと思います。

これに垂木が載って板葺きの屋根と開き扉がつけば完成です。

カタツムリストローベイル玄関の前で記念写真

建築実習:玄関のストローベイル&いか倉庫 班別実習(指導:杉山さん)

 前回に続いての「いか倉庫」班別作業と、玄関前ストローベイルの積み上げを、交代しながら分担で実施。

【ストローベイル用のニードル】

【ブロックを必要な大きさに分割する方法】

1 分割したい長さに、ニードルを使って、ひも(黒い方)を通す。

  もともとのひも(わらと同色)は、まだ外さない。

2 新しいひも(黒い方)できっちりしばる。

3 もともとのひもを切って、ブロックを分割する。

  このとき、黒いひもが無い方に、もとのひもを残しておいて、しばると、バラけない。

【ブロックを安定させる方法】

縦方向:

ブロックとブロックをつなぐように、鉄骨や細い角材、竹材等を差し込んでおく。

横方向:

ブロックを互い違いに、継ぎ目をずらすように積む。(レンガ積みと同じ要領)                     

【ブロックの外側】

竹材で囲いこみ、固定。

お風呂 夕食

講義:異文化から学ぶコミュニケーションのあり方 (森谷さん)

「アマゾンのメイナク族から学ぶ、この星での生き方・死に方」

ドキュメンタリービデオ「森の哲学者・メイナク族」(1999年、40分。森谷さんプロデュース)をみんなで見たのち、お話や質問、意見交換など。

■メイナク族の生から死まで。人間の生命体としての死、を考える。

【誕生】母親が一人でお産、赤ちゃんとの蜜月、肢体不自由児の運命

… 女の子は初潮を迎えたときに1年間、一人部屋に隔離され、母親から、女性として必要な生活上のあらゆる知恵を教わる。お産についてもこの時に教わり、一人で対応する。

… 出産後は、赤ちゃんと2ヶ月間つきっきりで過ごす。産後の肥立ちと「赤ちゃんに悪い霊がつかないように」の意味がある。 

… もし、肢体不自由児や未熟児が生まれた場合、「森に還す」。本人も周りも自由に生きていけなくなるから。

【成長】子どもどうしの社会で、自分たちで役割を学んでいく。

… 自分がもし精神的に不安的な時に小さい子を見てかつての自分を思い出してバランスをとる

… 村長から聞いた物語をこども同士で話し合って復習するとか。

… 個性がそれぞれ際立っている。

… 遊びの中、関わりあいの中で、周りの自然、社会から学んでいる。

【通過儀礼】

 … 少女は、初潮から1年間隔離される。(前述) 基本的に母系社会なので、母親から家に伝わる伝統をすべて受け継ぐ。

 … 少年は、ある年齢になったら、毒を飲み死に直面する。(別の例では3年間隔離するケースも)

   犬や魚の歯で体を傷つけて、皮膚を強くする鍛錬も小さい頃から行う。

   村・コミュニティ全体が、強い人間を、作っていく。

【結婚】

 … 男性が婿入り。(例外 村長の家は嫁を入れる。) 

【家族】「幸せ」という言葉はない。(「不幸」という言葉もない。)

 … 村長の長女の言葉

   「家族を養い、人の世話にならず、元気に暮らす、それが生きる(=幸せ?)ということ」

  (学校等での)学問をしなくても、本質的なことを理解し、身につけ、実践している。

【生きる技】

 … 男は家を一人で建てられて一人前。

  (男の役割: 女は子どもを生み、育てる。男はそれをサポートする)

【自然の中で(裸で)暮らすために】

… 自然を変えるシステムを作るのではなく、自分自身の精神と肉体を鍛える。

  自然とは変化するもの。自分がそれに合わせていく。内側を変えていく。

【土地のスピリットと対話する】

 … 3者(自分、大地、スピリット)の調和。

 … 「この大地がすべてを受け入れる」喜びも 哀しみも 楽しみも 苦しみも。

   例:長老を殺めてしまった若者を、断罪するのではなく、村に留めて役割を与えて更生させていく。

【死】

 … ひとり、森に入って死ぬ。死後は、村の真ん中に葬られる。

   例:朝まで元気に働いていたじいちゃん、ばあちゃんが、昼、気がつくと森で一人亡くなっている → 生命エネルギーを最後の一滴まで使いきる。

 … 一番盛大なお祭りは「死者の祭」。 死んだら、子孫になって生まれ変わるといわれている。

◎自然(じねん)=あるがまま 

 肉体と魂の循環 の中で、生きる。

「すべては森に還る」…人間も循環の一部 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

     前夜に、「ラダック」の映画(急激な貨幣経済・西洋的価値観の流入で、コミュニティに根差した生きかたが崩れている様子)を観ていたこともあり、それらとの関連の話も。

     「平和の定義はひとつではない、という話を思い出した。幸せや価値観も…(ラダック、メイナクの間引き…)」byやよいっち

     個人的には、哲学者・内山節さんの『日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか』の中の話を思い出した。キツネにだまされる=自然を敏感に感じ取る、存在を意識する ことが無くなっていったということと、日本人の価値観、死生観の変化は密接につながっているという。高度経済成長の中で、個人の幸せが重視され、コミュニティへの帰属意識やつながりが薄れ、「大きな連なりの中で 生きて、死んでいく」安心感が失われていったのではないかということ。メイナク族の生き方、死に方 と、かつての日本人のそれらとの普遍性。

引き比べて、自分の現状・立ち位置、価値観等を考えさせられる。

                   以上  (宝珠山)   レポートpdfファイル

●森の哲学者 メイナク族 TBS 短縮版30分

 メイナク族は、ブラジルアマゾンのシングー・インディオ保護区に生活する先住民族です。わずか200人たらずの人々がひとつの円形の村で、昔から続く暮らしをしています。近くの川で捕れる魚と、近くの森で採れるマンジォッカと言うイモを主食にしています。家は近くの森で採れる木で作り、一本一本の柱がどこで採れた木か全部わかっています。陶器や装飾品も自分で集めた材料で作ります。彼らは身の回りのものがどこからやって来たかすべて知っています。どこから来たのかわからないものにあふれている私たちの生活とは対極にある、まさに「身土不二」の生活。 
 彼らの生活は、「森の哲学者」と呼ぶにふさわしい知恵にあふれています。

アマゾン先住民写真展          Wonderful World

 


2009年7月20日 第3日目 雨 じゃないぞ?!

2泊3日のパーマカルチャー塾、最終日です。天候の都合もあって、若干スケジュールが変更になりました。


6:00〜 朋子さんのモーニングヨガ

1時間の予定が、スケジュールの都合で30分に短縮。ヨガ好きとしては、残念・・・
しかし外でのヨガは、やはり気持ちが良いです。



6:30〜 農業実習

なんと、雨が降っていないではないですか!今年度始まって以来の、レインウェア無しの作業ですよ。
最終日に止んでくれて、良かったですね〜つっちゃん!


●まずは、ジャガイモの収穫から。
 ジャガイモは7月末頃〜、葉が枯れてきたら収穫時です。取れたジャガイモは1日、日に当ててから保存します。
 刈り取った葉は、畑に戻します。



●トマトはかなり伸びていたので、支柱に誘引します。
 紐を結ぶときは、茎が太くなる事を見越して、支柱に密着しないように緩めに“八の字”に結びます。
 実が小さくならないように、腋芽を欠きます。そのとき、ハサミではなく手で摘みます。ハサミを使うと、そこから病気が入るからです。
 自然農法センターの中川さんは、根本から摘まず、花の部分だけを摘むそうです。
 葉がシワシワのトマトがありましたが、これは栄養過多なのだそうです。

●ナスも腋芽を欠き、
 ・一番花のすぐ下
 ・その次の下
 ・主支(漢字あってますか?)
 を残し、3本仕立てにします。

●ピーマンも枝を整理し、支柱を立てます。



●つる性のものでも、インゲンは「巻きつき型」、キュウリは「よじ登り型」と言って、キュウリは節ごとに出る巻きひげが巻きつく性質があるので、
 支柱の間に紐等で横を入れてあげると巻きつき易いです。(シャンティクティの畑にある、ティピのような感じですね)
 また、支柱の先に藁をぶら下げておくと、つるが巻きつき易いです。

●キュウリには、
 ・節成り型・・・主支に花芽がつく
 ・飛び成り型・・・主支があって子づるが出て、子づるに花芽がつくものがあります。
 下から7節目くらいまで留めます。

●ネギは草に負けやすいので、まめに草を刈ってあげる必要があります。
 草を刈った後、土寄せをします。植えたときに盛り上げておいた土を、ネギが分かれている部分まで寄せていきます。



このちょっとグロテスクな虫は、ニジュウヤホシテントウムシの幼虫です。
ナナホシテントウムシは良い虫とされ、ニジュウヤホシテントウムシ(テントウムシダマシ)は悪い虫とされています。
でもそのままにしました。



ー生きるということについてー 川口由一
「いかに見事に生きるかということは、いかに他の生命を見事に絶妙に殺すか、そして美しく豊かに我が生命にかえることができるかです。」

この世界は生命を生きる営みとして、他の命を殺す(=食べる)宿命。
ニジュウヤホシテントウムシも貪りからではなく、我が命を生きる営みとして殺すのであれば、見事に殺せばいいのです。
(“いのちの営み田畑の営み”に載っています。)

深い言葉です。自然界はそれが調和ということなのかもしれないと思いました。

その事を考えていたらメイナク族の話の中で、五体満足に生まれて来られなかった命は、
次はちゃんと行きぬく体を持って生まれてこられるように天に帰すという話を思い出しました。
メイナク族の生き方は、自然界そのもののように感じます。

1時間程、各班それぞれ畑の手入れや、収穫をしました。楽しそうですな〜♪

その他、とうもろこし、かぼちゃ、さつまいも、落花生、もちきび等の手入れの仕方を教えていただきました。



次に、白菜と人参の種まきを教えていただきました。

☆白菜
・種まき時期・・・暖かい地方= 8月
         寒い地方= 7月位まで
・蒔き方・・・●苗床を作って苗を移植する
       ●筋蒔きをして間引く
       ●点蒔き(場所を決めて、1箇所に5粒づつ位蒔く)
 畑の広さに合わせて選択します。

今回は、苗床で苗を作ります。
@草を刈る。
A軽く表土をよけ、ならす。
B平らに押さえる。(土を被せる量を均一にし、発芽率を揃えるため)
C筋を作る。
D種を手で摘んで、指を捻りながら隣りどうし付かない様に蒔く。
E軽く土を押さえる。
F地面が隠れるくらいに、草をかけておく。
 まめに手入れが出来る場合は、芽が出たときに光があたる程度にかけ、葉が出たときに草を避けてあげるとよい。
 両脇に厚く草を積むと雑草が生えにくいです。

 


☆人参
 人参、ごぼう、大根は移植出来ないので、筋蒔きにします。
@草を刈る。
A表土をよけ、軽く耕す。前に進みながら耕し、下がりながら土をならす。
B押さえる。
C種を手に握り、指の隙間から落とす。往復して蒔く。
D表面の土は、雑草の種が混ざっているので、中の方の土を蒔く。
Eしっかり、土を押さえる。“にんじんダンス♪”をします。
 うたさんが、にんじんダンスを披露してくれました♪♪♪〜
F草をかける。



雨が降らずに、良かったですね。
さて、お待ちかねのブランチ〜!と思ったら、ムム?
フライングをして美味しそうに、採れたてのジャガイモをほおばっている写真発見!
いつの間にっ!


9:30〜 ブランチ

今朝は朋子さんが作ってくださいました。
・ガドガド(インドネシア風サラダ)
・豆腐マヨネーズ
・韓国風、シソの醤油漬け
・シンショウガの炒め物
・バジルペースト
・収穫したジャガイモ、てんこ盛り



どれもとても美味しくて、みんなで食べるのが更に美味しくて、ついつい食べ過ぎてしまいます。

 本理を営む畑に向かう喜び
 清らかな畑に入る喜び
 妙なる野菜の姿を見る喜び
 美しい野菜達に逢う喜び
 澄んだ野菜の声を聴く喜び
 健康な生命の野菜を食膳に並べ、家族そろっていただけるこの善き喜び

ほんとにそう思います。


11:00〜 ゲスト講師の上条直美さんによる、『貿易ゲーム』

『貿易ゲーム』って、一体どんなゲームなのでしょう??
初めに、簡単なルール説明がありました。

【ゲームの目的】
紙を使って「製品」をつくり、「マーケット」で売って、できるだけ早くたくさんのお金を稼ぐこと

【ルール】
・渡されたものしか使ってはならない。
・「製品」は、ハサミを使ってきれいに切り、決められたとおりの大きさになっていなければならない。
・「マーケット」で「製品」を売るときは、必ず3枚1組。
・暴力禁止!→後々このルールの必要性がよ〜くわかります。

【製品は】
 長方形、正三角形、分度器、円、の図形でそれぞれ値段が違います。
 あまり大量に生産されすぎると、価格の下落も起こります。(途中で大変なことになりました!)

まず、くじ引きでA〜Eの5つの国に分かれます。(これが運命の分かれ道になるのでした・・・)
各国ごとに、封筒が渡されます。
この封筒の中には何が入っているのか、まだわかりません。

各国ごとに、リーダー、外務大臣、財務大臣を決め、残りは市民となります。
・リーダー・・・いわずと知れた、国の最高指揮官
・外務大臣・・・各国との外交交渉は、外務大臣しか出来ません。
・財務大臣・・・財政の管理をします。マーケットに行く事が出来るのは、財務大臣だけです。

ざっくりと説明があり、わかったようなわからないような状態でゲームはスタートしました。
それぞれくじ引き通りにA〜Eに分かれました。
初めはわかりませんでしたが、どうやらそれぞれの国の状況が全く違うようです。
コンパスやら定規やら資金やら、沢山のツールがある国、資源しかない国等。
とりあえず、どの国もお金を稼ぐために早速動き回ります。
中には、お金をそれほど稼ぐ気の無い国もありましたね。

 

ーゲーム終了後、皆さんでそれぞれシェアした中で、出てきた話によるとー

・A国=稼ぐだけ稼いだらちょっと遊びたくなり、海外旅行に出かけた。
     そのうち、稼ぐ事にも飽きてきた。(優雅だな〜)
・B国=いかに短時間で稼ぐかと作戦を練っていたら、時間がかかってしまった。
    自分達はそこそこツールも揃っていたけど、隣りのA国を見ているとちょっとうらやましい妬みの感情が湧いてきた。
    D国に全く相手にしてもらえず、交渉にかなり時間がかかった。
・C国=場所が隔離されていたので、周りの情報が耳に入らず、ただただ地道に物作りに励んだ。
     途中で国連からの援助としてハサミが支給されたが、左利き用で国連の援助も当てにならず。
・D国=のんびりマイペースで、お金を稼ぐ焦りがあまりなかった。
     NGOからフェアトレード商品の生産として与えられた折り紙を、のんびり作っているようでした。
     (GNHは100%?! ある意味羨ましい感じでした。)
・E国=終わってみたら資源が沢山残っていて、売るタイミングを考えればよかった。
     最終的に、A国に植民地化された気分だった・・・

その他の意見としては「環境が人をつくる」と言う事でした。
部屋の机上での作業チームと外での作業チームでは、だいぶ人間性が変わったようです。
ちなみに、D国E国が外組でした。
やはり、自然の中での作業は人をおおらかにするのでしょうか?

健さんからは、「国と国を合併させても面白かったんじゃないか。」とのご意見も。なるほど。

ゲームの後はフェアトレードについて上条さんより、《シャプラニール=市民による海外協力の会》の講義がありました。
講義の内容は、アップしてある写真をご覧下さい。

スライドを見ながらの講義の後、フェアトレードについて皆さんでのシェアタイムです。
まず、なぜフェアトレードをもっと利用しないのか?
・近所にショップが無い。
・店舗側としてはフェアトレードだけではやっていけないので、店の中での一部としてしか取り扱えない。
・認知度が低いので売れない。
・欲しい物とのニーズが合わない。
・値段が高い。

実際シャロムでフェアトレードのお店を経営されている、朋子さんの経験から「フェアトレード自体どうなのか、
疑問に思う。」という投げかけがあり、話は更に深みを増していきました。

・途上国の人たちへ輸出用のものを作る支援をするのではなく、
 その国の人達が自立出来る暮らしを支援した方がよいのではないか?
・安いものを買い求める人にとっては、フェアトレードは意味があるが、
 もとをたどればフェアトレード自体無くてもいいものではないか?

本質をついているようです。
そもそもわざわざ外国からものを持ってくる事自体、どうなのでしょう?
自分達のものは自国で作る方が良いのではないでしょうか?
健さん曰く、「足るを知る」です。ものを持たない。ガンジーの思想です。

貿易ゲームをやってみて自由貿易とはどういうものか、体験してわかることがありました。
本を開いて勉強するよりも、身にしみた感じです。感じることって、頭で考えるより濃い気がします。
とてもおもしろいゲームでした。

14:15頃〜 森林土壌の生物調査

外へ出て4チームに分かれ、土壌の生き物調査をしました。

【やり方】
@50×50の区画を設定する。
A表面の落ち葉を集める。
B深さ10cmまでの土を集める。
CAの落ち葉を広げ、土壌動物の観察をする。
DBの土をふるいにかけ、土壌動物を観察する。
Eそれぞれ表にチェックし、集計をする。



100点に近いほど、自然度が高いそうです。
調査結果は64点でしたので、まあまあのようです。
調査する場所によっても、生息する虫の種類に違いがありました。
こんなわずかな空間にも、これだけ沢山の生物が生息していました。
ということは、森林を伐採するとなると、一体どれだけの生き物の場所を奪ってしまうんでしょうか?

2016年東京オリンピックを招致するため、石原都知事は「世界最大の環境都市として新しいモデルを示す。
そのためオリンピックまでの8年間で、東京に森と水を再生する。」と言っています。
しかしその一方で、東京近郊最大の里山を(ジブリ映画の『平成狸合戦ぽんぽこ』のモデルにもなった)、
現在48億円の税金を投入してニュータウン開発をしようとしているそうです。
ん〜、いったい何をしたいのか、理解に苦しみます。
モーリーさんからお聞きした話によると、メイナク族の村も保護区以外の所はほとんど森林伐採されてしまったそうです。


 誤って我がままから欲から無知から
 神の子地球の皮膚を傷つけることなかれ
 地球の肉を骨を壊すことなかれ
 地球の内臓をえぐり取ることなかれ
 地球の生命を消滅させることなかれ
 地球の上に毒をつくることなかれ
 毒をまき散らすことなかれ 汚すことなかれ
 神の子地球に住むあらゆる生き物をおかすことなかれ 殺すことなかれ
 山を森を林を野を田畑を
 海を川を湖を空を
 木を草を鳥ケモノを
 水を土を空の気を
 おかすことなかれ殺すことなかれ 我が生命人間の生命 我が心人間の生命
 損ね病ましめることなかれ殺すことなかれ


木は天と地をつなぐアンテナでもある、と聞いた事があります。その木が無くなってしまったら、私達は生きていられなくなりますね。

 「大宇宙の神とはいわぬが、何かそういうものと、どこかで感応しておる、つながっておる感じがする。
 人間は大自然の中の一つの自然であり、それをそのまま神ともいい仏ともいえる。」

 「人間は大自然より生まれて大自然にかえる。原素になり、それから大自然の創造に参加するのである。」


いつの間にか、健さんと詩さんが田植えをしていたようです。



15:00〜まとめ

おやつはスイカ!♪
でもアンケートを書いてから。ということで、書き終わるまでおあずけです・・・アワワ・・・・
皆さんの感想で一番多かったのは、モーリーさんの「メイナク族」が印象に残ったようです。
『貿易ゲーム』も好評でした。

けいこさんが4ヶ月ぶりだとは思えないほどの馴染みっぷり!
同じ釜の飯を食べ寝食を共にすると、だんだん家族のように思えてきます。
来月も楽しみです。

みなさま、2泊3日のスケジュール、お楽しみさまでした。ありがとうございました♪


《おまけ》

2泊3日のパーマカルチャー塾も終わり、本来ならばここで解散ですが、今回オシマーズの4人は“森の家”に延泊させていただきました。
詳しくはやよいっちのレポートに書いてありますので、そちらをご覧下さい。

普段なかなかゆったりと皆さんとお話しすることが出来ませんが、この延泊キャンプでゆったりと長い時間“たましい”のスピードにあわせ、
語り合い同じ時間を共有できた事は、ほんとうにお金に換えられない財産だと思います。

 「一日生涯、一期一会のほんとうの意味は、一生に二度と会えない人生であるから、今日を生涯の最良の日となして、
 お互いに、よく話をし、お茶をのんで語り合うことである。」

やよいっちのレポートにもありましたが「朝のエコツアー」に参加し、人に伝える事の難しさを改めて感じました。
それはきっと頭ではわかったつもりでいても、まだまだ心(=細胞)にしみ込んでいないというか・・・
自分が伝えたい事を、人が理解できるように説明できたとき、はじめて自分の血肉になるのだとわかりました。
勉強になりました。
健さん、たたき起こしてくれてありがとうございます。(^^;)ゞ
愛ですね〜。愛情ではなく、愛。

うたさん、つっちゃん、はぶちゃん、やよいっち、ありがとう。とても楽しかったです。
また泊まりたいですね。(私はお世話になりっぱなしでしたが・・・)
みなさんもぜひ、お泊りしませんか?


今回も、ほんとうにありがとうございました。


        かめやまりえこ