心地いい暮らし 11月17日(1日目) レポート(担当:こみやん)
寒さが増してきた安曇野に冬仕様の服装で集まった参加者の面々。
心地いい暮らし講座2012、最終回はみんなが家族のような人数・雰囲気でした。
またこの場所でみんなと会えて嬉しい(始まるのがわくわく)、けどそれも今回が最後(終わってしまうのが寂しい・・・)という心境の中、各々の近況報告からゆったりと始まりました。
この1ヶ月の出来事を語っているうちに今回のゲスト講師の先生が到着!
早速お話が始まりました。
【原先生のお話】
今回の講師は伊那市の小学校で教諭をされている原郁雄先生。
現在6年生の担任をされているそうです。
◎海外の貧困問題
今、世界で起こっている様々な問題、そしてそれを引き起こされた原因となる世界の情勢を説明してくださいました。
1992年、当時12歳だったセヴァン・スズキが行った「伝説のスピーチ」を動画で見ました。
大人はどうして再生できない自然を壊し続けるのか。私たち子どもが生きる未来のために、どうかその行為を止めてください。
という子どもから大人へ向けて発せられる切々とした訴えは胸に響くものがありました。
そして、次々とスライドに写し出される衝撃的な事実の数々。
・世界では、1年に世界の人口の約2倍の弾丸が作られている。
・世界で使われている軍事費の何分の一のお金で環境問題は解決できる。
・アメリカの軍事費は世界でも飛び抜けて高い。その軍事費の元となっているアメリカ国債は、日本が買っている。
等等・・・
そんな世界ができてしまった原因の一つは、経済のグローバル化が進んだこと。
これによりゆるやかな異常が進行していったのです。
問題は富の集積だと原先生は言います。
その一つの例として農業分野で起きた「緑の革命」がどんなものか、映像にて解説を視聴しました。
先進国が開発した作物が今までよりも多く穫れる種を途上国に売る。地主がそれを買い、広い土地で作物を栽培しようとする。結果、どうしても高価な農業機械が必要となり、先進国から買う。そしてその機械がそれまでそこで働いていた人々から仕事を奪う。
という仕組みができたということでした。
このような様々な形での経済のグローバル化は、
先進国・途上国に関わらず、持つ者が持たざる者を支配するという構図をつくり出してしまったそうです。
一部の人に富が集まり贅沢な暮らしをしている一方、日々、生きていくのも困難な人々がいるという現実・・・そんな世界の仕組みにとても歯痒い思いを抱きました。
◎原先生の小学校での取り組み紹介
小学校の総合学習で、環境学習を取り入れている原先生。
その活動内容を写真や子どもの感想文を交え、紹介してくださいました。
海外で家族を養うために、狭く暗く酸素の薄い地下で井戸掘りの仕事をする少年の映像を始め、様々な海外の貧困問題を子ども達に提示して授業を行う原先生。それを見つめる子どもたちの、少し身を乗り出した真剣な表情の写真が印象的でした。
子どもたちの感想文では、自分と同じような年の子どもたちが今を生きるために働かざるを得ない事実に驚き、自分に何かできることはないかと考えている様子が伺えました。
そんな子どもたちの様子を受け、実際の活動にとつなげて行く原先生の指導法が紹介されました。
・空き缶集め
ご近所を回って使用済み空き缶を集める。それを換金し、貧しい国へ寄付しようという活動。子どもの笑顔や、空き缶がたくさん入った袋に貼られた励ましの言葉のメモの写真を見せていただきました。
・ストリートチルドレン体験
野外で一晩ダンボールと毛布一枚だけで寝てみよう、という体験。初めは笑顔で写真に写っていた子ども達だが、ほとんどの子が寒さであまり寝られないそう。「一日だけでもこんなに辛いのに、これがずっと続くなんて・・・」といった感想文を書いていました。この実体験が子どもたちの中に強く残り、その後の活動の強い原動力になっていたようです。
・チャリティー喫茶
太陽の熱で暖めたお湯を使ってコーヒーを淹れ、参観日に教室で喫茶店をひらく!という企画。集まったお金を寄付するために、子どもたち自身で計画をたて実施したそうです。当日は「アピール係」の子どもが海外の貧困問題について保護者の方に説明していました。
・衣類支援
衣類を集めて途上国に寄付しよう、という活動。衣類をまとめて送り出す際の子どもたちの達成感に満ちた表情の写真が印象的。この衣類を送る際、ヤマト運輸が主旨を聞き運賃を大幅に割引してくれたそう。「(子どもたちの活動に)私たちが感動しました。」とのこと。自分たちの活動は大人も動かすんだ、ということを子どもたち自身が感じ、自信を得た瞬間だったのではと思いました。
*子どもたちの変化
世界の貧困問題を知り、衝撃を受け自分たちに何かできることはないかと考え行動していく。そして、その行動が子どもたち自身を変化させていく。子どもたちの誰かの役に立ちたいという思いがいい形で実現されていて、それが子どもたちの自信につながっているのかな、と感じました。私が普段の小学生と接していて感じる、子どもたちのどうにかしたいけどどうにもできないという思い。注意ばかり受けることでの自信の喪失。それをうまく払拭できそうな活動だな、と感じました。
◎これらの話を受けて、さあ私たちはどう生きていこうか?という話
これから話す事は原先生の主観であると前置きがされ、その思いが語られました。
(すみません、ここら辺難しくってまとめられなかったので箇条書きです。)
「良い生」とは何か?
=「大切なものを大切にできる生」「本当の意味で自由で豊かな生」
個々の内面 「思いの交換」「本来性を取り戻す」
人間の欲(エゴ)の扱い
エゴに支配されてしまう→人間の性
「本当に欲するもの」「求めているもの」は何か?
それは「人に喜んでもらうこと」「与え合い」ではないか。
人は土地を売買し、所有していると思っているが・・・
私たちは地球の上で地球の資源を「使わせてもらっているだけ」
自分だけより多くを手に入れることをやめる→人を虐げる事で自分の中心軸をダメにする。
個的に「生きる目的」とは?
「愛」「進化・発展」
それは自己の魂のレベルを宇宙の意思に沿うように高めていくことである。
それは「自然の摂理と一致しながら」暮らすことである。
*私が始めて転職活動をした時に「私の人生の目的は何か?」とぐるぐる考えたことがありました。その時の考えたことと重なる部分があり、改めてあの時の気持ちを思い出しました。
【シェアリング】
原先生の講義を受け、各々感じたことをシェアしました。
みなさん、それぞれの視点で気づきがあったようでした。
【お風呂タイム】
いつもの温泉がイベントをやっており混んでいるかも!?とのことで近くの地元の人が行くお風呂(温泉?)へ。
ジャグジーがあり体の芯から温まりました〜。
【夕食】
今回もタミさんの愛情たっぷりのあったかい夕食♪
もうここまで来るとレポーターの役割をすっかり忘れていた私は、メニューをメモし忘れました・・・。(ごめんなさい!)
メインはタイのお鍋!(麺がうまかった!)
あとは、ええっと、なんだかいろいろとっても美味しかったです。
お腹がとても苦しくなるくらい食べました。
いつもこの時だけはギャル曽根(たくさん食べられる)になりたいと思うのでした。
【交流会】
今回、最後!ということで、みんなが気合いを入れて持ち寄った様々なボトルがテーブルの上に並びました☆
私、日本酒はほとんど飲めないのですが、えみちゃんが持ってきてくれた柚子のお酒はとても飲みやすくておいしかった!おかげで楽しい時間が過ごせました〜。ありがとう!
原先生も囲んでの話はとても弾み「えぇっ!?そうだったの!?」なんてことや「それはすごい・・・!!」なんてことがドンドコ出てくる交流会となりました。
ろうそくのほのかな灯りの中、結局深夜12時くらいまで話していたでしょうか?
みんな最後の夜を惜しむ様に語り尽くしました。
11月18日(日)レポーター:もかです。
心地良い暮らし2012年WS ラストのこの日は、ともこさんによるヨガではじまりました。
[ともこさんの優しい時間]
身体がじわ〜っとほぐれていくと、心もじわ〜っとほぐれていく気持ちの良い優しい時間でした。そのまま瞑想の時間へ。ろうそくの炎をみつめる瞑想を初体験。みつめていると、炎の動きや火の強弱にあわせ、炎のゆらぎが丸くなったり、天にのぼろうとしたり・・・いつまでもみていたいと感じました。そして、目をつぶっても炎を感じるように。目をつぶった瞬間に瞑想に入ることができました。(いつも邪念が多く、なかなか瞑想に入れない私にとっては、ぴったりの瞑想でした)
[たみちゃんキッチン]
○豆乳のポリッジ(オートミールのような感じ)
○なつめ(ひめりんごみたいでおいしかった)
○りんご
○みかん
○お茶(今回は何茶でしょう?)
優しさとおいしさで身体が満たされたところで、アクティブタイム!!
うたちゃんと野菜収穫&収穫祭(かまどクッキング・ブランチ)
・菊芋(本日、掘り放題)・大根・人参(長かった〜)・ねぎ・白菜を収穫。
*菊芋:強すぎる繁殖力と意外なおいしさからシャンティクティでは注目を集めていました。
≪かまどクッキング・本日のメニュー≫
○お赤飯(花嫁小豆も入った超めでたいお赤飯でした。)
○ほうとう汁(手作り感あふれるいろんな太さ、長さがいい 味出していました。)
○ズッキーニが糸瓜になっちゃったステーキ
(どうやら先輩。いやいや後輩(交配)したらしい。○注: たみちゃんのダジャレ講座より)
*クッキング中の、たみちゃんとけんじさんのだじゃれ&ズッキーニか糸瓜か論争。おもしろすぎました。
○採りたて野菜の浅漬け
○菊芋チップス(絶品。とまらないおいしさ。たくさん採っ て良かった。絶対、真似して作ろう〜!)
*家でおすすめの調理法、きんぴらを作ったところ…美味。味は牛蒡でした。
[貿易ゲームに挑戦]
遊びながら、自由貿易のシステムを体験し、問題点やなぜ貧富の格差がうまれるのかを知るというようなゲームです。(ルールややり方を書くとかなり長くなるので、ここにはやってみての感想を書きます。)
私のグループは資源しかない貧しい国B。先進国Aに技術を借りたことで、作った製品の半分を納めなければいけないことになり、植民地状態に。大量生産の方法を考え、せっせと製品を作りました。価格暴落にも負けず、また、せっせと製品を作り続けお金をかせぎ、人として生きるための最低限度のものを持つ国となりました。一方、他のグループ…A国はBからの製品と自分達の製品を売り、かなりのお金持ち国に。私たちには厳しいグループでしたが、どんなにお金を持っても武器を持たないという正義と、貧しいD国に手を差しのべたのは、さすが心地よい暮らし先進国でした。B国は必要な分だけをコツコツと。先進国だったはずなのに、なぜか一番貧乏な国となりました。ゴミが少ないことにほこりをもっている平和な国でした。D国は離れ小島に住み、厳しいスタートでしたが、先進国Aに資源を買ってもらい救われた国。
心地よい暮らし流の貿易ゲームとなり、不思議な結果もうまれましたが、資源を持っている国より技術を持っている国がもうかるようになっている仕組みができていることはわかりました。本当の豊かさとは何か?どうやったら世の中の矛盾した仕組みを変えることができるのだろうと考えさせられました。
[ビジョン作り(2グループにわかれて)]
実現させたいビジョンをグループごとに話し合い、発表しました。
私の参加していた1グループ(えみちゃん・かめちゃん・もか)は、それぞれが住んでいる場所や将来住むだろう土地でのコミュニティづくりが共通点でした。自然に囲まれて、必要なものはみんなで作り分かち合う、みんなとは老若男女、どんな人も。おいしいものとおしゃべりでみんなが癒され、幸せになる空間づくり。それぞれが違う場所に住んでも、やりたいことが同じという事がうれしかったです。
テレビ電話で日々つながったり、情報を共有していくことで、離れていてもつながっているコミュニティをつくる事を目指しました。
2グループ(こみやん・さわちゃん・ゆうじさん・ゆきちゃん)は拠点となる一つの家を中心に、山や川や畑などに囲まれて、それぞれが得意分野を生かした生活をするというお金のいらない心地よいゆとりのある空間が描かれていました。みんなが笑顔に包まれているのと、それを見守る優しい宇宙人が印象的でした。
[自分と向き合う]
グループで考えた後は、ひとりひとりが自分に向き合う時間。今の生活でやめようと思うこと、逆に、やりたいことを書き。暖炉の中へ。
天に報告した気がして、なぜか、背筋がシャキッとしました。
[1年の振り返り]
一年の振り返り、印象に残っているWS。おいしかったご飯、名言etc…を書き、机いっぱいに並べ、みんなで心地よい暮らし2012の一年を思い出しました。
じわじわと、最後が近づいていることを実感しました。
[卒業式]
卒業アルバム授与
ひとりひとりの名前がもっている力(言霊)のプレゼント インドの厄除け守り(モリー)をたみちゃんがマントラを唱えながら巻いてくれました。
うたちゃん、けんじさん、たみちゃん、ともちゃん、素敵な贈り物をありがとうございました。
*マントラを唱えているたみちゃんが神々しく、自分の中にある悪いものが涙になって流れ出ていました…私だけ悪霊が居たのでしょうか。神聖な時間でした)
[終わりに]
そして、本当に最後の時間。一人ずつ、自分の描いた絵をみせながら、ここでの1年、これからのことを話しました。
今までビジョンをもたずに今だけを生きてきた私。1年間近くここで学んだことや感じたことが走馬灯のようにめぐり、ついに私にも生きる道筋や目的がみえてきました。一年続けて通ってよかった〜。
生きていくことは四苦八苦。いろいろなことがあると思うけれど、(言霊より):ともかの「も」は目的をもつとそれに向かってつきすすむという力があると教えていただきました。
この言霊が後押しとなり、つきすすめる自分がいる。
〜♪幸せはここにある 心配しなくていいよ〜
そして、ここで出会えたこと、もの、愛すべきシャンテクティに集まったみなさんがいれば乗り越えていけると確信しています。出会えたことに感謝、一緒に時を過ごしてくれて、力になってくれてありがとうございました。そして、これからもよろしくお願いします。
松森 朋加(もか)
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