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心地よい講座 10/12レポート suzu

<テラスにて自己紹介>
日差しがたっぷりふりそそぎ、10月にしては暑い安曇野にみんなが集いました。
今回は単発参加の方もたくさんいらっしゃいました。
詳しい自己紹介は夜にとのことで、簡単な自己紹介と今回のプログラムを紹介がありました。


 
<片山佳代子さんの講演:ガンジーに学ぶ自分の手で紡ぐ未来>

片山さんはご自身で綿花を育て、糸を紡ぎ、自分の服の作成を実践されている方です。また、各地で綿の会など糸紡ぎの普及活動もしています。ガンジーのDVD上映も併せた講演内容でした。



○機械化の問題点
人々は効率化を求め、機械化をしてきた。しかしそのことが反面で人々を苦しめている。農業でいえば、機械があるから楽だろうという考えから農作物の価格が下げられる。また、機械化は手仕事を奪い、人手を省く。そして失業者が生まれ、貧しい人はより貧しく格差が広がる。さらに機械化は不用品や有害物の生産を促進し、まだまだ使えるのにモデルチェンジや流行で安価なファストファッションがうまれる。ちなみに日本の衣類の自給率1%以下。 
現代の消費社会は競争社会である。エネルギー消費の削減、失業問題の解決を図るには、ガンジーが行った独立運動に学び、スワデジ(国内生産の愛用)、必要なものを必要量生産することが必要。
「農村を中心とした社会で暮らしていこう。働くことこそ生きがいだ」(ガンジー)

そこでベーシックインカムをとりいれるという考え方もある。全員仕事をするのは無理(障害を持っている方、病気の方など働きたくても働けない人もいる)だから全員に等しく賃金を払うこと。そして所得税ではなく消費税で賄うこと、最高賃金を決める必要があると。
しかし、ベーシックインカムのような現物支給だとギャンブルなどでお金が使われてしまう可能性もある。そこでインドではフードチケットを配っている。しかし、住所がない人は支給されないという問題もあるそうです。
「なくさねばならないのは貧困ではなく贅沢である。」(ガンジー)

○欲望を愛でおきかえなさい
現代社会の根源には欲望がある。根が変わらなければ何もかわらない。欲望を愛で置き換えることができれば、自己中心から他者にも配慮する生き方に変わる。自分が大切にされたら、他者にも同じようにしてあげられる。

○スワラージ(自治・独立)は私たちの手の中にある
ガンジーはイギリスからの支配だけでなく、インド国民も近代化への無自覚な崇拝があることに気付いた。そこでガンジーは塩の行進に参加する人には自分で作ったカディーを着ることを求めた。非暴力での独立運動を行うには、自分の服をつくれる忍耐力が備わっている人に一緒に行進してほしいという思いからであった。
塩の行進では警察や村長も職を辞して参加した。それができたのはアシュラムという受け皿があり、妻子が路頭に迷わずにすんだから。アシュラムとは自給自足型の共同生活の場。
今の私たちは大地と離れた生活になってしまっている。大地とつながり、手仕事や農業を暮らしの中に取り入れ(半農半x)、真の自立をめざす必要がある。財産はお金ではなく手に持った技術と協力し合える人間関係である。仲間が必要。

○糸車から平和を紡ぐ
継続することがなにより大切で、一年二年ではあきらめてほしくない。
足るを知る生き方をしていくことが必要。

<シェアリング>
自分たちの生活を変えたいけど、なかなか踏み出せないといういくつかの発言がでるなか、片山さんは「今日をきっかけにしてほしい。きっかけがないというのは言い訳。何か言われたときにめげるのも、自信をつけるのも自分である。価値観は転換できる。」とおっしゃっていました。

<グループワーク>
自分が興味がある言葉をキーワードにグループワークをおこないました。
○主婦
家庭もひとつのコミュニティー
誰かにしてあげる喜びに自信をもって、楽しむ姿をみせることが人を巻き込むことにつながる。
子育ても「手をかける」ので手仕事と同じではないか。

○手仕事
忍耐が必要。
時間がかかるかもしれないがコミュニティーを作る。人が輪をつくるだけでも楽しい。安い○ニクロなどの商品の裏には途上国での子供の労働や農薬・枯葉剤が必要である。手仕事には電気が必要である。

○アシュラム
自分のできることを持ち寄る。
人とのつながりをしっかり作る。
お金が介入しても仲間を作っていくことが大切。
つながりを作るには、興味があることなどを言葉として発していくことも大切。

インドのアシュラムは各々により規模は異なる。
自分自身を内省できないとアシュラムも分断しやすい。

○ベーシックインカム
「資本主義は行き詰っている」と、ケンジーによるベーシックインカム講座
ケンジーはベーシックインカムで国民1人あたり毎月7万円(成人)支給しても国の予算で賄えると計算した人がいる。そしてベーシックインカムは素晴らしい仕組みだとお話されました。ベーシックインカムのような支給があれば、生き方が変わってくる。生きるうえでの安心感から自分の好きな仕事を選べる。ベーシックインカムや最高賃金を決めることで仕事をしなくなる人もいるのではないかと思うが、必要とされることや働けることの喜びが残るので大丈夫と。

片山さんはまず楽しさをみつけること、仲間を作ることが大切だと。ベーシックインカムは全部は否定しないが、ベーシックインカムだけでなく、手仕事・農業を並行して進める必要がある。必要でないものを生産する必要はないということで締めくくりました。

片山さんの語り口はとても柔らかですが、強い信念を感じる講演でした。
シェアリングの時に片山さんがおしゃった「きっかけがないというのは言い訳」という言葉が強く心に残りました。


今回「ベーシックインカム」という言葉がたくさん出てきたので、ウィキペディアで調べてみました。ウィキペディアによる概念は以下のとおりです。
『国民の最低限度の生活を保障するため、国民一人一人に現金を給付するという政策構想。生存権保証のための現金給付政策は、生活保護や失業保険の一部扶助、医療扶助、子育て養育給付などのかたちですでに多くの国で実施されているが、ベーシックインカムでは、これら個別対策的な保証ではなく包括的な国民生活の最低限度の収入(ベーシック・インカム)を補償することを目的とする。
包括的な現物給付の場合は配給制度であり、国民全員に無償で現金を給付するイメージから共産主義・社会主義的と批判されることがあるが、ベーシックインカムは自由主義・資本主義経済で行うことを前提にしている。
新自由主義論者からの積極的意図には、ベーシック・インカムを導入するかわりに、現行制度における行政担当者による恣意的運用に負託する要素が大きい生活保護・最低賃金・社会保障制度などに含まれる不公正や逆差別といった問題を解消し、問題の多い個別対処的福祉政策や労働法制を「廃止」しようという考えが含まれる。
一方で、この考え方・思想に対しては古代ローマにおけるパンとサーカスの連想から「国民精神の堕落」など倫理的な側面から批判されることがある。所得給付の額次第では給付総額は膨大なものになり、国庫収入と給付のアンバランスが論じられたり、税の不公平や企業の国際競争力の観点が論じられることもある。』


<風呂>
1日目はカミツレの湯に。昼間の暖かさとは打って変わって、日が沈むと空気が冷たかったです。
女性陣は、締め付けない下着の話で盛り上がりました。


<夕食>
毎回たみちゃんの食事がとっても楽しみなのですが、今回はこのようなメニューでした。 (たみちゃんあってますか?)とってもおいしい食事でした。ありがとう。
・アイリッシュシチュー:(具材)ジャガイモ、キャベツ
・グルテンミート入りタジン:(具材)はやとうり、にんじん、グリーンピース、グルテンミート、(味付け)シナモン、塩
・豆乳スープ:(具材)しめじ、玉ねぎ、豆乳
・ラジュマ:(具材)キドニービーンズ、かぼちゃ、ズッキーニ、トマト、しょうが(味付け)塩、クミン、コリアンダー
・ごはん



<自己紹介・交流会>
今回は単発参加の方が多く、総勢24名の自己紹介が行われました。
そして、明朝は日の出と大峰高原のカエデを見に行くことになりました。クディーとチャタは日の出を見る場所まで歩いていくことに!がんばれー!
 


10月14日 ワークショップ3日目のレポートは、東京の佐藤家からです。
1. 種とりワークショップ
夫婦+娘2人、みんなインド好きでアーユルヴェーダへの関心からシャンティクティとのつながりを感じていますが、自然農など実際に土に根ざした生き方はまだ理想のままで手がつけられてません。
そんな私たちにとっては、お店で売っている種ではなく、植物から実際に種をとってみるというのは初体験。しょっぱなからファシリテーターのうたちゃんから飛び出すクイズにどぎまぎ。「これは何の種でしょうか?」と見せられたもじゃもじゃの物体に「???」。
あー、長ネギねー!そういえば、「葱坊主」とかって言うものねー。
そう、普段、お店で手にとる野菜は、みんな熟しきる手前の状態のものだから、最後の種をいただく段階のことは知らないんですよね。赤ちゃんくらいの大きさのきゅうりやズッキーニの登場にはびっくり。
そして、採った後の「追熟」という寝かせる時間も大事ということ、かぼちゃの種は例外として、基本的にはよく育つ種は水に沈むということなど、実践的に役立つ知識も授けていただきました。
ひとしきりレクチャーを聴いた後は、畑に飛び出して、にんにくを植えました。そのまま植えればよい一番簡単な例として選んでくれたのですが、秋に植え、冬を越して、6月に収穫するっていうことなんて、初めて知って、驚きました。


『いのちの種を未来に』など、さらに深めるための本も紹介してもらいました。勉強しながら、東京の借家暮らしでもはじめられそうな小さなことからでも、はじめてみたいと思います。
2. アーユルヴェーダ・レシピ講座
いつもシャンティクティのおいしい食事を作ってくれるタミちゃんによる、アーユルヴェーダをとりこんだレシピ講座では、タミちゃんが用意してくれたレシピと実際の指導にもとづき、みんなで実際にこの日のブランチを料理!2日目に続いて朝食抜きのせいか、みんなすごい集中力で力をあわせて一気に作りました!
作った料理は、さつまいもごはん、蒸し野菜withソース4種類、トマトの味噌汁、大根とにんじんの塩揉み、紅玉のグラタン。六味(甘、辛、酸、苦、渋、塩)をすべて盛り込むというアーユルヴェーダの考えをしっかり体現して、ヴァラエティ豊富なメニューからいろいろな味が飛び出してきます。子どもたちも、普段料理をあまりしないお父さんも、切ったり混ぜたり、できることで参加させてもらって、楽しかった。そして、もともとおいしいレシピが自分たちで作ったことで一層おいしくなり、みんなおかわりをしてモリモリ食べてしまいました。



3. エコツアー
おいしいブランチでお腹がふくらんだところで、腹ごなしを兼ねて、臼井けんじいによるエコツアーに参加。シャンティクティの建物の周りをゆっくり見てまわるだけなので距離としてはたいしたことないのに、その空間のなかに「これでもか!」というくらいに詰め込まれた知恵の数々に、前も聞いた話のはずなのに改めて感動するのです。
三匹の子豚で一番最初に家を吹き飛ばされたのは藁の家だが、おなじく藁を使ったシャンティクティの入り口は頑丈で防火性もある。それは、土としっくいと出会うことによって実現されているのだ!
ペアガラスなど高価なものも、企画外のパーツなどはただ同然でわけてもらえる。ものにデザインを会わせて無駄のない暮らしを実現すること、これアースシップなり!
などなど。
「モアモア教からタルタル教へ」、「Give and takeではなくGive and give、Pay forwardの精神」などといったキーワードは、何度か参加するなかで、じんわりと自分の中深くに染み渡っていっているようなので、これからの生活実践のよりどころとして大事にしていきたいと思っています。
そして、自然農のデモンストレーションということで、鎌一本で、草を刈り、刈った草を上手に寝かせてやり、出てきた土に種を撒き、そのあと土を踏んでやることで水の上昇を促すというような、理論的な説明をふまえた実演を眺めているうちに、「なるほど、これならちょっとした使える土地があったら自分でも出来るかもしれない」という気がしてくるのでした。
表面的に眺めただけでは知りえない、シャンティクティに篭められている共生の原理を深く理解する機会をくださって、ありがとうございました!
4. 人形劇


朝のアーユルヴェーダ・クッキングの体験をさらに血肉化させる取組みとして、アーユルヴェーダにおける人間の身体の3要素、ヴァータ、ピッタ、カパを擬人化させた人形劇作りを3つの班に分けて行いました。
1班は、小学校と幼稚園の合同クリスマス・パーティのプログラムを、3人で考えるという設定。
2班は、3人が力を合わせて、失敗を経て最後に理想的な家を造るまでの物語。
3班は、病院の医者、看護士、患者にそれぞれの性格付けをして展開するお芝居。
短い時間で、どのチームも集中・協力して、面白い劇を作り上げることができました。
たみちゃんのまとめは、3要素はすべての人が割合は違えど共通にもっているもので、私たちは自然界そのものであるということ。そして、自分のタイプとはたくさんもっている性質ゆえに乱れやすいので、それを調節する術を見につけましょう、ということでした。


5. 楽器ワークショップ
最後は、チャーリーさんによる楽器ワークショップ。チャーリーさんが世界中を旅して集めてこられた楽器の数々を惜しげもなく提供してくれて、僕たちはめいめい好みの楽器を手にとり、アンサンブルを意識しながらも基本的には自由に音を出し、ゆるやかな一体感を楽しみました。
最後に、一人ひとりが、3日間の体験をふりかえり今の自分の気持ちを一番好きな楽器で表現し合って、長いようであっという間だった素晴らしい体験をふりかえり、おひらきとなりました。