2019年4月27日ー28日 2回目ガーデニング講座
4月27日 1日目
講座受講メンバー、1ヶ月ぶりの集合です。
今回が初回の参加者さんのためにも再度自己紹介をしつつ、皆でこの1ヶ月の報告をしあいます。
桜もそろそろ終わりです
曼荼羅ガーデン
今回の講座の目玉は、グラベルガーデンを皆で実際に作ること。
グラベルガーデンとは、砂利を利用して作る庭で、砂利を使うことでメンテナンスが少なくてすむ(ことを目指す)庭で、今、世界でも注目を集めている庭のひとつです。
早速、皆でシャンティクティのガーデンに移動します。
前回、自然農の畝に蒔いた野菜達の成長を確認。
クリムゾンクローバー ルバーブ
まずは、グラベルガーデン予定地に、今ある植物を一旦掘り起こして、移動させます。
1番のオオモノ?さんはブルーベリー。
ブルーベリーの掘り上げの方法を教わります。
植物のサイズを観て、根のはり具合を想像しながら掘り起こしていきます。
今回はすぐに移植するので本来は必要ない作業ですが、掘り出した苗を麻袋で巻くやり方を見せて頂きました。
麻袋は、土がついた根元の部分より少し大きめのものを用意し、幹の根元近くを紐で結び、麻袋で根元部分を包み、
そこを紐(天然素材)で十文字に結んでいきます。
(イラスト@)
移植の際は麻袋のまま植えてOK。半年位で麻袋も紐も土に還るそうです。
移植する花は掘り出し、グラベルガーデンにする部分は一旦土がむき出しの状態になるまで草をはいでいきます。
健さんが用意してくれた石をガーデンの縁取りに使います。
(イラストA)
石を並べていく時に、同じサイズの石が続けて並んでいるよりは、間にサイズが違う石を重ねていくと表情がでて美しくなるそうです。
(イラストB)
今回のグラベルガーデン予定地は、ゆるやかな傾斜地。
傾斜の上の部分は「森のウッドチップガーデン」、傾斜の下の部分は「グラベルガーデン(砂利の庭)」にすることになりました。
どちらの植え込みもローメンテナンスを意識したものですが、「森のガーデン」は、炭素循環農法の考えを取り入れたもので、表層部分に粗めのウッドチップを埋めていきます。
「グラベルガーデン(砂利の庭)」は、ウッドチップの代わりに通称ビリと呼ばれる小さな砂利を埋めていきます。
ウッドチップより水はけがよいのが特徴。
森のウッドチップガーデンはやや保湿力があり、グラベルガーデンはややドライなイメージです。
(イラストC)
西日が強くあたる部分には「お日様が好き❤️なタイプ」が向いてるかもしれない・・・など想像しつつも、「いろいろ実験だしやってみないとわからないし」と言いながら、講師の和久井さんが用意してくださった植物を配置していきます。
以下今回用意された植物の一覧(一部)です。
★印はグラベルガーデン向きの性質
●印は水が好きなタイプで森のガーデン向きの性質
◎大きく成長するタイプ
■移植が苦手タイプ
・エリゲロン
★アルケミラ(バラ科)→湿気は嫌いだけど半日陰が好き
・ウシノケグサ
●◎ミソハギ→田んぼの畔などにはえる
★■オキナグサ
・アリッサム
・キョウガノコ
・アキレア
★◎マツムシソウ
・ヒマラヤユキノシタ
★◎■キャットミント
●オウゴンシモツケ
●◎サガエ(キボウシ)
●シモツケ
★オミナエシ
●フウロソウ
・エキナセア
・サギゴケ
◎クロバナフウロ
◎ノコギリソウ
・プルモナリア
■四角印は、本来は移植が苦手なタイプ。このタイプは、移植した後は、思いきって根の近く(地上部15〜20センチ位)まで葉っぱを切ってしまうとエネルギーの流出が少なくなり、次年度以降の調子がよくなるようです。
また、今回の庭で植物達は、どちらも表層部から土の部分まで15〜30センチ近くあるスパルタ環境におかれるので、根っこが伸びるまでは、ちょっと大変。
弱そうな植物には、根っこ部分を少し多めの土で包んであげるような感じで、植えてみています。
尚、この植物の中で「Top of 弱っちい(デリケート)」は、麻子さん曰くプルモナリアだそうです。
デリケートさんの様子はちょっとだけ気にかけてあげるといいかもしれないですね。
ただ、適応するモノは適応するし、適応しないものは絶えていくのも自然の理。
両方の視点で観つつ、全体のこれからを見守っていきたいものです。
今回、ガーデンの縁取りとして使った石の間にサギゴケを植えました。
(イラストD)
移植、定植の際の留意として和久井さんがおっしゃってたこと。
◎根っこにはなるべくさわらない。根っこを無理やりほぐしたりしない。
◎同じ種類の植物を植える時は、直線的にいくつか並べるよりは、△三角な感じで植える方が美しく、自然にみえる。
たっくさんの聞きなれない植物の名前を聴きながらの作業で、頭の中は飽和状態。
全部覚えなくてもなにかひとつでも心にのこれば・・・という和久井さんの言葉にほっこり(甘え鵜呑みにしたくなるw)します。
完成した森のウッドチップガーデンとグラベル砂利のガーデン
植栽したガーデン
ガーデンも花が咲き始めてきました。
和久井さんがガーデンを歩きながら植物との付き合い方をお話しします。
今回も、美味しい美味しいタミちゃんのベジタリアンメニューを夕食に頂きました。
・エリンギのアワビ風
・ワクイ農園菜花のナムル
・切り昆布のマカオ風
・ひよこ豆とじゃがいものカレー
・レンズ豆とキャベツのスープ
・お醤油の絞りかすのふりかけ
食後は、昨年までラカスタのがガーデナーだった加部麻子さんのお話。
オランダのナチュラリスティックガーデンについて教えて頂きました。
ナチュラリスティックガーデンとは、「肥料をいれず、イネ科の植物(グラス)や宿根草を中心としたローメンテナンスな庭」で、枯れても美しいものを植栽するのも特徴のひとつとのことでした。
紹介していただいたオランダのガーデンでは、都会に野原の風景を・・・という意図が込められているそうです。
従来のイングリッシュガーデンスタイルではあまり採用されなかったイネ科の植物(以下グラスと表記)を350種も扱っているようです。
グラスの葉の様子と共に、花がある植物でも花がない時季の葉自体が愉しめるようガーデンがデザインされています。花が咲いている時季というのは、植物にとってごく限られた短い期間で、葉だけの期間の方が長いもの。花より葉のことを考慮して植物を配置していくことも特徴のひとつです。
また、色目も抑えめで、だいたい目にはいるゾーンに3色位の色目でおさまるように植えられています。
ガーデンの中の道はカーブ(曲線)が基本で、空からみた時にオーク(樫)の葉の葉脈のようなイメージでデザインされているとのことでした。
尚、ガーデンでの植栽の際の厳禁事項が、他の植物を脅かす侵略する(強すぎる)種類や、(風などで)倒れやすい種類の植物は、最初から植栽しないとのこと。
ローメンテナンスな庭づくりの為には、「最初から植栽しない種」というのを意識しておくのも大切なのかもしれないな・・・と思いました。
お話の最後に紹介していた映画「FIVE
SEASONS ガーデン・オブ・ピート・アウドルフ」
麻子さんのお話の後で、シャンティの屋外で焚き火を囲んでみんなでお話しました。
農業のこと、ダラムサラプロジェクトについて、教育について・・・いろんな話題が飛びかっていましたが、和久井さんの「(農薬などはじめとする)問題を話して、響いてくれるのはほとんど女性。男性は『そうはいっても経済的に・・・』といって諦め?、問題意識をもたず残念」というようなコメントが心に残りました。
ガーデン講座に限らず、これからを考える講座に、女性男性が半分半分位の割合で参加するのがフツーになったら・・・世界はもっと大きく方向転換をしていけそうな氣がします。
そんなこんなで、チラチラ燃える焚き火と共に、長い長い1日目の夜が更けていきました。
浜村弥生(やよいっち)