●13:50〜
●14:30〜 kenjiさんのエコツアー
玄関前に集合。ツアーのはじめに、ケンジさんから「moremore教から足る足る(足るを知る)教へ改宗しましょう。」と提案。
自然は放っておくと森になろうとする。人間が手を加えると砂漠になる(ローマ、メソポタミア、エジプト…)という話が印象的でした。
・藁と漆喰で作った玄関(ストローベイル)。カタツムリと蓮の装飾が可愛らしいです。
籾殻を使ったボイラー(只今故障中)。床暖房に使っているとのこと。田畑から出たものが再利用され、これも循環のひとつ。
・モバイルハウス(タイニーハウス)
太陽光パネル2枚を備えたオフグリッドの住まい。水は雨水を貯めて使用。非電化冷蔵庫も備え付け。素焼きの植木鉢を2つ重ね、2つの間に砂を入れると、気化熱で温度が下がる、という仕組みとのこと。缶の飲料を冷やすのにちょうどいいそうです。これなら簡単に取り入れられそうです。
・池 ビオトープ
菖蒲、セリが沢山育っていました。秋にはマコモダケが生えるのだとか。もともとはぬかるみだった場所を、池の形にして水が溜まるようにしたということで、元々の地形や環境を上手く利用しているんですね。
敷地内には竹が生える場所もあり、竹を使って詩さんは竹細工を作っているとのこと。また、畑の支柱などにも利用。
続いて、畑の方へ移動。
どの花壇も、畝も雑草がわんさか生えていて、普段見慣れている花壇や畑とは別物でびっくりしました。
・ロックスパイラルガーデン
自然はみんな渦巻きでできている(水、台風、指紋、大根の葉などなど)ので、スパイラルの形にしたガーデン。多様性の1つのモデルである。
パーマカルチャーは、「持続可能、多様性、調和」がテーマ。
パーマカルチャーについて書かれた本(『東アジア四千年の永続農業』?)には、日本にも持続可能な暮しがあったことが紹介されているそうです。「日本の文化を再認識しましょう。」とkenjiさん。
・キーホールガーデン
自然界は曲線でできているという法則にのっとり、S字のような形のガーデン。曲がった部分に入って、前と左右の手入れができるという優れたアイデア。
パーマカルチャーでは、“雑草”は抜かない、抜いてしまうと土が硬くなってしまうそうです。雑草のお陰で土の内部に根穴構造ができ、菌が炭素を分解し、それを微生物が食べ、土が豊かになる(ちゃんと聞き取れているか怪しいです。)。
雑草が育ち過ぎたら、横に倒したり、地上部を刈ってその場に置いておきます。
・かまど
過去のパーマカルチャー塾で作ったもの。
かまどの中に管を通し、そこに水を流すとお湯になり、流しでお湯が使える仕組み。エネルギーを無駄にしない、これもまた循環。
ただ、管の中に残った水が冬の寒さで凍ってしまい、水抜きパイプが必要ということがわかったそうです。やってみることで、問題がわかる、そして、プロブレム
イズ ソリューション!といい、問題が生じたらそれをチャンスと捉えるのが、パーマカルチャー式。
・竹で作った棚(支柱)
植えてあるのは絹さや。つる性のものには、掴まりタイプとぐるぐる巻き付きタイプがあり、絹さやは前者。
掴まりタイプのつる性の植物には、藁などひも状のものを束にして垂らしておくと掴まりやすくなる。雑草達の中に、豆類らしい葉とぴょんと伸びたつるが見えました。
・温室
こちららもパーマカルチャー塾で作ったもの。
しっかりした建物だけど、20万円でできているなんて驚き!
・曼荼羅ガーデン
ティピというテントのような形をしたガーデン。こちらも材料は竹。ビニールで覆えば温室になる。近くに少し小さなティピがありそちらは温室になっている。トマトなどを育苗中。
・ロックスパイラルガーデン
土嚢で作った家(アースバックハウス)で屋根の上が、ガーデンになっています。ベンチなどもあって、のんびりできそう。斜面を活かした建て方です。
・たねセンター
こちらも屋根の上に登れる建物。固定種、在来種のタネを保存。
「タネを蒔けば何十倍にもなる。ただ持っていれば劣化したり、ネズミに食べられたりする。人間は抱え込んでしまいがち。自然に逆らってる。手放すことが大切。手放せば返ってくる。しかも大きくなって。」というkenjiさんの話に、ふと自分が溜め込み抱え込んでいるもののことを考え、恐ろしくなると同時に、手放しちゃっていいんだ!と軽やかな気持ち。
・コンポストトイレ
母屋の脇へ移動。トイレの真下にコンポストがあり、庭から管理ができるようになっています。水を使わないので、節水になります。微生物が分解してくれて堆肥になります。これもまた循環の仕組み。
おが屑を入れて、水分を吸わせるのでドライで臭くない(本当に、全然臭くない!)。“ぼっとん”トイレではありませんよ‼︎
・ソーラー露天風呂
残念ながら現在故障中ですが、晴れた日は太陽のエネルギーでお風呂に入れます。
●15:50〜 詩世さんのパーマカルチャー講座
詩さんがニュージーランドのレインボーバレーファームに出会ったところからお話は始まりました。
ニュージーランドは、元々原生林の土地だったところを人間がそれを焼き払って農場や牧場にした島。レインボーバレーファームを開いたジョーとトリッシュは、ニュージーランドの中でも「ゴミの土地」と言われた場所に、他の人達とは違う価値を見出して、そこでパーマカルチャーを実践することにした。敷地の一番高いところに湧き水があることもポイントだったそう。
プロブレム イズ
ソリューション、そして、全てのものは資源になるということ。例えば、マメ科の植物に覆われて使えないと言われていた場所も、マメは窒素を固定化してくれると捉えることができる。
そして、詩さんは滞在3日目にして「パーマカルチャーはデザインなんだ!」と合点がいったそうです。
レインボーバレーファームは、5つのゾーンに分かれており、母屋の近くに手入れや世話が必要なものを配置し、遠くなるほど自然のままの状態になっている。
家の屋根はルーフトップガーデンになっており、これは家を建てた分の緑を取り戻す意味と、雨水を一時的に貯めておく役割とがある。
パッシブソーラーも多く取り入れられている。パッシブソーラーとは、特別な機材(ソーラーパネルとか)を使わずに太陽を利用する方法のこと。例えば、日差しの長さを計算して、夏は太陽光が入らないように、冬は部屋の奥まで光が届くよう工夫。
ほかにも、持続可能な暮らしを実践するためのデザインとして、育苗室の隣をニワトリ小屋にすることで鶏の熱を利用する工夫や、傾斜を利用して風が通る薪小屋、傾斜を利用したコンポストトイレなどがある。
多様性について。
作物にしても、多様なものを植え、同じ種類でも早生〜晩生まで色々育てることで、病気や不作のリスクが分散される。
レインボーバレーファームでは鳥の放し飼いもしていた。鳥は虫を食べる、フンをする、落下した果樹を食べる、歩くことで土を耕す、卵を産む、食料にもなる、熱を出す。
1つのものが複数の役割を果たすようにデザインすることがポイント。
詩さんは1ヶ月半をレインボーバレーファームで過ごしてみて、自分は自然の一部だと実感できたそうです。自然に包まれる安心感、心地よさを感じるとともに、そんな自然の中にあって自分が出したものがどうなるかがはっきりと目に見える暮らしを通じて。
自分の出したものに責任を持つことがパーマカルチャーだとジョーも言っていたということでした。
「パーマカルチャーはデザイン」というのが、とてもわかりやすく、これから実践するにあたってのポイントになると思いました。
●17:00〜 お風呂 希望者は八寿恵荘へ
行かない方はタミさんの夕食作りのお手伝い
●18:30頃〜 夕ご飯
天と地の恵みと作ってくれた人に感謝をして頂きました。
献立は以下の通り。素材の味が感じられる優しいお味でありながら、それぞれに違った味付け。ついつい食べ過ぎてしまいました。
・ひよこ豆のカレー
・だいこんのアチャール
・行者ニンニクの味噌炒め
・じゃがいもと冬菜のスパイス煮
・チャクラスープ(7つの穀物と豆のスープ)
+
・おしのさんが持ってきてくれた新橋あめ
・柿のお酢
・米麹だけの甘酒
食事の最後には使った食器に白湯を入れ、洗鉢を。そのお湯を甘露と呼び、全ての飢えるもののことを考えていただきます。
食後はゆったりおしゃべり。タミさんからガンジス川の水、kenjiさんからインドのオイルランプをいただきました。
●20:00〜 グループ作り
3つのグループに分かれて畑の実習をするので、まずはグループ作り。グループごとに、何を育てたいか、5月に蒔くもの、植えるものを話し合い。
作物を決めるにあたって注意点など
・南瓜とズッキーニは場所を取るのでやめた方がいい。
・たねセンターにあるたねを使っていい。
・ナス、ピーマン、トマト、キュウリは苗がある。
・トウモロコシはみんなで植える。他家受粉の性質のため、近くにまとめて植えないと受粉しないので。
・タネセンターにないものは、自分達で用意する。
・たねを選ぶ際は、固定種、在来種を。F1種と薬剤処理したものは避けること。(○○交配というのはダメ。薬剤処理済みと書いてなければ、処理してないので大丈夫。)
・松本なら、つる新種苗店で固定種、在来種の扱いがある。
●20:40〜 自己紹介タイム
ひとり数分間ずつ参加した動機などを話しました。どれも違うかたちなのに、不思議と共通点があるという印象でした。それぞれ思いを持ってここに参加していることが伝わってきて、それだけで素敵だなぁと感じました。
●22:00 就寝