3月30日(土)ナチュラルガーデン1日目 レポート
《当日の流れ》
オリエンテーションと、体を使って振りつけ付き自己紹介から始まり、
雨が降って来たので、予定変更しながら、パーマカルチャーツアー、温泉、夕飯、シェア会を行いました。
《パーマカルチャーツアー》
健二さんの哲学に、私達が生きていく上で無視してはいけない、大切なことを教えていただきました。
モアモア教(もっと沢山もっと便利に物質追求主義)から離れ、タルタル教(足るを知る)へ移行していこう。自然を犠牲にしながら、私達な暮らしはある。投下エネルギーが少なく、より自然に近付けていくことが大切。
オーストラリア発祥のパーマカルチャー。ルーツはアジアだった。自然への繋がりの文化。日本でいう里山の暮らしから、私達が学ぶべきものは沢山ある。
持続可能な農的暮らしは、価値観の対立を生み出さず、心地良い暮らしの実践から発展して行った。
シャンティクティのお庭
種を保管する建物は、漆喰の壁。漆喰は石灰と海藻を混ぜて作られていて、その内側は、土と藁。防水性と防水性がある。草屋根は断熱効果。
屋根の瓦の一つが欠けても、水が漏れる。資本主義は、分断と競争主義。これに反して、自然は多様であり、一つ一つが役割を持ちお互いが繋がっている。
もみ殻ボイラーは、熱源として。雨水は、雨水タンクへ。オーバーフローした雨水は、濾過されながら、最終的に溜池の水源となる。枯葉や枯れ草を利用した足踏み温床。自然のエネルギーを最大限活用する仕組みは、本当にすごいなぁと感激でした。
草を抑えつつ活かしつつ、とても良いバランスで循環を生み出す。草マルチにすれば、肥料は不要。冬草は夏草を抑え、枯草や落ち葉が分解され土になっていく。腐食の過程では、マイナスの電気に土の栄養分がくっ付いて、団粒構造が生まれ、空気層を含む。菌糸菌は、炭素分を分解して黒い土になる。
ロックスパイラルガーデンは、石に太陽エネルギーを蓄えて、微生物の住処を作る。凸凹の構造で多様性を作っている。
柔らかな草に覆われたシャンティクティのお庭は、雨に濡れて光り輝きとても美しく感じました。
大きな木は日陰を作り、通路にはウッドチップが敷かれ、チャイブで縁取りされて、そこは食べられる森と畑。楽しいお庭です。
チャイブ、スイバ、ギシギシの芯、ノビル、ヤブカンゾウ、フキノトウなど野草が、翌日、民さんにより、美味しくて体に良い料理に変身しました。
あいにく雨が降り出しましたがガーデンツアーで記念写真
夕食
民ちゃんの料理に舌鼓
《シェア会》
自己紹介と、この講座でどんなことを学びたいのか?どんなガーデンを作りたいか?隣同士でシェアし、更に全体シェアとして、相手からシェアしてもらった内容を発表しました。
男性的なダイナミックなガーデン、虫も動物も植物も共生するガーデン、動物が食べても安全なガーデン、自給自足、自然と調和、循環、心踊る庭、季節を楽しめる庭、ローメンテナンス等々、キーワードが出ました。
和久井さん、あさこさんにアドバイス頂きながら、皆で、実習の中で、シャンティクティの庭にどんなガーデンを作って行くのかを話し合いました。
ナチュラルガーデンと言っても、人によって捉えているナチュラルの意味合いは違う。シャンティクティのお庭は、草も共存していて、それが自然で美しい。そんなガーデンと共生できるガーデン。
お二人から提案いただいた、グラベルガーデン、テイシャバガーデンがヒントになりそうです。。。
和久井さんを囲んでガーデンの話に盛り上がりました。
和久井さんが書かれたナチュラルガーデンの本を囲んで
《感想》
2日間、中身の濃い、講座を体験させていただきました。お庭を作るということは、喜びだなぁと参加して感じました。
帰り道でも、ずっとどんなお庭を作ろうかなぁと空想にふけっては、わくわくした気持ちで幸せいっぱいです。
子供達と一緒に楽しめる庭であって、また私が個としても癒されたり楽しめる庭がいいなと、テーマも決まりました。
食べられる庭、
季節を感じられる庭、
好きなお花やハーブがある庭、
子供が遊べる庭、
大きな木や灌木がある庭
毎日外に出たくなる庭
寝転べる庭
裸足で出られる庭
動植物と共生する庭
キーワードがたくさん出てきて、あとは、より具体的にしていくだけです。
私もチャイブを株分けして移植しました。ピンクのお花もチャイブのオイル漬けを作るのも楽しみです。あの餃子風味忘れられません(笑)。今月の講座も楽しみにしています。よろしくお願い致します。
大久保洋美(さめちゃん)
2日目 3月31日
6:30 ヨガ
昨夜からの雨もあがってきた様子。2日目は、朋子さんのリードでヨガからスタート。
体のあちこちを動かして意識を持っていくにつれて、体が温まり、寝起きの頭もすっきり。
7:00 ティータイム
オレンジ、カシューナッツとムングダール(止まらない!)、パンにはオイル漬けチャイブ(さわやか!)とイチジクのジャム、温かなヨモギ餅とあんこ。幸せなティータイム。
8:00 シャンティクティのガーデンツアー(朋子さん)
シャンテクティのナチュラルガーデン
苗木などをできるだけ買わない、もとからあった植物を生かす、食べられる植物を植える、の方針で今の形になっている。食べられる植物が本当に多いですね。
そして植物も個性色々。「ものすごく増える。あっという間に大きくなる」植物もあれば、「植えたけど消えちゃう」植物もあるんだ。日向が好きな植物、湿った土地が好きな植物、乾いた場所が好きな植物、と好みも多様。過酷な環境でも生き残る強い子もいれば、繊細な子もいる。環境と植物のマッチングかぁ、と気づく。
ここで思わぬ展開が!大きく茂った白ヤマブキとヒペリカムの木を、和久井さんが「今やっちゃいますか」と剪定デモンストレーション! この即興ライブ感いいです!
灌木の選定の方法一般に当てはまるルール:
-古い枝(太い枝であることが多い)をカットする
-できるだけ地際からカットする
-重なって生えているような枝はどちらか一本をカット など。
ばしばしとダイナミックに枝が切られていく様子に一同びっくり。挿し木や取り木で増やす方法も伝授いただきました。
9:00 自然農のうねたてとタネまき(うたちゃん)
<うねたて>
うねをたてるのは水はけを良くするため。植える予定の植物の好みや、その土地の土の特徴によってうねの高さを決める。土を耕さない自然農では、うねたては一生に一回行うもの。秋か春先か、生き物の活動が静かな季節に行うと良い。
まず、うねをたてる場所の準備をみんなで行いました。あちこちにうわっているチャイブを掘り(これは私たちのお庭用のお土産になりました)、土の表面を覆っている草を抜かずに地際から刈って脇にどかします。地上のもの(草)は地上で朽ち、地下のもの(根)は地下で朽ちるように。
次に、うねの境界をロープでマーキングして、うねを取り囲む通路となる場所の土を浅く掘ってうねに上げます。けんじぃと和久井さんの華麗なクワさばきにうっとり。石があっても気にしない。石には石の役割があるし、必要でないことは極力行わないほうが良いので。
うねの表面と側面を、クワの背で丁寧に鎮圧します。土がフカフカのままだと乾燥してしまうので。うねの中央をカマボコ型に少し高くしておくと真ん中に水がたまるのを防ぎます。
脇によけておいた刈った草を表面にかぶせます。草とともに微生物も戻ってくるし乾燥も防げます。自然農では、土の表面を裸のままにしておくことはないそうです。
仕上げに、通路に緑肥の種をばらまきます。今回はレンゲとライグラスでした。足で軽く覆土してできあがり。
<タネまき>
まず、タネをまくスペース作り。うねの上においた草をどけて、雑草のタネが含まれているうねの表土を薄くどけて、タネのスペースを作ります。どけた草はタネスペースの両脇に重ねておきます。野菜が育つスペースと堆肥ができるスペースが同じうねの上に交互に配置されます。
春菊やカブのような小さな好光性タネは、タネ用スペースにぱらぱらまいて、草刈カマの背でトントンと土となじませてから、足で踏んで鎮圧します。大根のような大きな種は、指で土に穴をあけて一粒ずつ。麦の葉のような細長い葉があれば、その上にぱらぱらと散らしておきます。何をまいたか忘れないように名前を書いた竹の札をたてました。
今回用意されていたタネは、ホームセンターなどで普通に売っているものだとか。ただし、F1ではなく固定種・在来種のタネを選んでいるそうです。F1のタネ(パッケージに○○交配などと書いてある)はタネの値段も倍以上高いそうです。
「自然農のうねのたて方」
https://youtu.be/kmYRuq2YLqQ
「自然農の種の蒔き方」
https://youtu.be/kdTdYncAZHA
「自然農の苗作り」
https://youtu.be/s_G779VbTHw
「自然農の苗作り」
https://youtu.be/mHBPP3uYxbw
「し自然農の苗作り」
https://youtu.be/txNpoK8iiTA
10:30 ブランチ準備~ブランチ(たみさん、朋子さん)
シャンティクティの庭からいただいた野草がたくさん使われたブランチです。
たんぽぽ、よもぎ、からすのえんどう、ギシギシの芽、すいば、のかんぞう、はるじおん、わさびの花、ふきのとう、そしてしっかり漬かった野沢菜漬。これらが、天ぷら、サラダ、和え物、炒め物、お茶、などなどの多彩なお料理となりました。どれもやさしくやわらかい味わい。食べられるだけでなく、それぞれの植物に固有の薬効もあるそうです。大満足のブランチでした。
12:30 自然農の苗作り(うたちゃん)
自家採種して苗から育てるメリットは、
①
代を重ねるにつれて野菜がその土地にあうように変化してきて、ぐっと育てやすくなる
②
農薬や薬品が使われていることが多い市販のタネや苗を使わなくて済む
③
市販の苗は過保護に育てられているので、定植後の自然農の環境になじめないこともある
育苗用の土は、専用の培養土を買わずとも、腐葉土(葉の形がなくなるまで完熟したもの)と畑の土を1:1で混ぜたもので良い。もみがらくんたんや消し炭、赤玉土を混ぜるのも良い。培養土を使う場合でも、苗が定植後に育つ環境になれていくように畑の土は必ず入れておきたい。
育苗トレイに土を詰め、溝を作ってタネをすじまきする。(この日はバジル)
発芽して育ってきたら、育苗ポットに鉢あげする。必要な苗の数が少ないなら、初めから育苗ポットにタネまきしても良い。
育苗は難しい!という思いこみがありましたが、私もできるかも~、という気持ちになりました。やってみよう。
13:00 色々なガーデン スライドショー(和久井さん)
和久井さんが手がけたり、見に行ったりしたガーデンを、写真を見ながら解説していただきました。
①
アメリカ オレゴン州ポートランドの日本庭園:和久井さんがHead Gardenerをつとめられていた。世界一気合がはいった「外国にある日本庭園」
②
インドネシア バリ島のガーデン:バリガーデンは、和久井さんにとっての世界三大庭園のひとつ。他の2つはイングリッシュガーデンと日本庭園。
③
長野県 小諸駅前の停車場ガーデン:和久井さんが、環境庁のコンペで優勝して手がけられた庭園。小諸駅に向かう人が必ず通る公園にある。
https://www.jalan.net/kankou/spt_20208ah2142058808/photo/?screenId=OUW2201
④
カナダ バンクーバーから行く島のブッチャートガーデン
(The Butchart
Gardens):廃坑跡地をブッチャート夫妻がすばらしい庭に変身させたところ。ラ・カスタの先代社長の心に火をつけて、ラ・カスタヒーリングガーデンを実現させたのはこのお庭。
⑤
長野県 小諸の和久井さんのご自宅ガーデン:時間をかけて探した見晴らしの良い土地に作られたお庭。
信州を代表するナチョラルガーデナー
和久井道夫(ワクイミチオ)
スライドショーで紹介しています
どこを撮っても絵になるWakui garden
秋のガーデンと佇まいをまとめてみました。
和久井さんのたたずまいとガーーデンが素敵です
和久井道夫コラムhttp://asama-de.com/blog/wakui/
具体的な例を写真で見ながら、和久井さんのお話を聞くうちに、おのずと和久井さんのガーデンに対する視点が伝わってきたような気がしました。
14:30 シェアリング
15:15 解散
感想:
今年から始まったナチュラルガーデン講座の第一回目。少しずつ違う動機で集まった参加者。「ナチュラルガーデン」って何?という期待も人それぞれ。これから一緒に具体的な庭を作っていくなかで、みんなの多様性がどんなふうにスパークしていくのか、ものすごく楽しみになってきました。
2日間を通して私自身が変わったことは、「庭」に対する意識。講座の前は、「自宅の庭の空いているスペースにいったい何を植えればいいの?」と、いきなりピンポイントで解を探そうとしていたんだな。
まずは視線をぐーっと引いて、うちの庭がどんな場所であってほしいのか、誰を喜ばせたいのか(私なのかゲストなのか通りすがりの人なのか)、そこでどんな時間を過ごしてどんな気持ちを味わいたいのか、そういうイメージをまずは膨らませようよ!同時に、庭のこの場所は日当たりがいいとか、ここは大きな木の陰だとか、乾燥しがちだとか、庭の環境を観察して、どんな植物を選んであげればいいのか考えよう。
2日間を通して、こんな気付きを得られたことが私にとっては大きな収穫でした。皆さんはどうだったかな?
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