安曇野 シュタイナー サマーキャンプ 1999.7.9.〜11
楢川村桑崎元分校
天候に恵まれてサマーキャンプが始まりました。草刈り トイレ掃除 風呂掃除 部屋掃除と前日から参加した人が下準備を済ませてくれました。
楢川村桑崎元分校は思ったよりも山の中で手前に土砂崩壊現場があり荷物を持っての現地入りとなりました。
パオ ティピー テントが張られて 台所も準備されました。ちびっ子もトウモロコシの皮むきのお手伝いです。
ギャラリーも開設されて作品が並びました。食事は食事班を中心に50人分が用意されました。
神澤さんが木に登ったと思ったら木の枝にブランコの出来上がり。フォルメンを刈り取った草で作り全員で歩いて体験。シュタイナーのキャンプらしくなりました。炎天下フォルメンづくりを有り難うございました。
歌集づくりや草鞋づくりにも挑戦。けっこう使えるわらじができあがりました。
子供達の縁日木の葉を使ってくじ引き会 ヨーヨーつり等 行われました。
紙芝居の会は大人も楽しめるお話でした。夕食はカレーライス。沢山のおかわりがありました。ケーキやデザートの差し入れがたくさんあって満足 満足!
夕暮れが迫りキャンプファイヤーの始まりです。火のセレモニーは水の精、風の精、土の精が現れて山の神様に火をもらうお手伝い。いにしえの神々より守り継がれし友情と健康と平和の灯を子供達の代表がいただき、ランタンとメインファイヤーと皆の心の中に灯しました。
神澤さんの悲しいピエロの弾き語り、高爺と喜代婆によるおおきなカブの劇 花火大会と時間はあっという間に過ぎていきました。童謡 山の歌 懐かしのフォークソングと次々と歌が飛び出し。夜の更けるまで火を囲んで語らうことができました。
朝は玄春さんによるヨーガの時間です。たっぷりと体を動かした後は緑の中で瞑想です。
朝食の後は水鉄砲作りです。作った水鉄砲を持って小川まで散歩に出かけました。昼はみんなでそうめんを食べてスイカ割りです。沢の水で冷えたスイカの美味しかったこと
テントを撤収しゴミ片づけして記念写真です。
食事メニュー
7.10. 昼 ちらし寿司 お吸い物 夜 カレーライス サラダ ケーキ 7.11朝すいとん おにぎり サラダ あさずけ 酢の物 昼 そうめん おにぎり スイカ草刈り トイレ 風呂 台所 部屋掃除 布団干し 歌集作り 紙芝居 くじ引き縁日 わらじづくり ブランコ 草のフォルメン ヨーガ キャンプファイヤー 薪の準備 ゴミ穴掘り埋め パオ ティピーづくり 救護班 風呂沸かし 食事作り 水鉄砲 買い出し 会計 計画連絡 ランタンづくり 防災班 沢山の差し入れ みんな皆 有り難う太陽の光が空間の広がりを流れる。
鳥の歌が大気に響き渡る。
草木の恵みが大地から芽吹く。
そして、人間の魂は感謝の感情の中で世界の霊性へと高まる
ルドルフ シュタイナー
天候に恵まれ夢のような2日間でした。本当に素敵な人達と一緒に過ごせた事を感謝しています。こんな素敵な愛に満ちた会はなかなか育つものではありません。
各人が役割を果たし個人を越えて一つになる。理想の社会です。
この2日間の花の種を各家庭や社会で 花咲かせて下さい。 臼井健二
昨日までの小鳥のさえずり 川のせせらぎが用水路のせせらぎ(?)洗濯機の音に変わりました。2日間も一緒に生活すると普段勉強会では見られなかった1面が一人一人どんどん飛び出して来て.....なんだかとっても皆さんが身近に感じられるようになりました。
素晴らしい人達に出会えたこと心から感謝しています。 神澤
まるで私達が山を降りるのを待っていたかのように雨が降り出しましたね。とにかくとにかくお疲れさまでした。すごい人達の集まりに加わらさせて頂けたことがうれしくて、本当に感謝しています。有難うございました。
あの炎が大輪の花となり、皆の心の中に美しい花が咲いたように、日々、心の中に 小さな愛の種を育て続けたいと思います。そして小さな花も大きな花も皆が美しく咲き乱れパラダイスになりますように。
ENDの時使った“ローズ”という曲を聞き返しています。この曲は厳しい冬の間 雪の下にある花の種も 太陽という愛の光によって、きっと美しい花を咲かせるという歌詞のものです。ウーン シュタイナーの会のこれからにぴったりと思いつつ.... 村田たか子
フォルメン
深澤 清泰(通称キヨサンとかヤスサンとか) シュタイナー学校で長期休みの後には必ずと言っていいほどメインレッスンにフォルメンの授業がある位シュタイナー教育においても重要で特徴ある教科になっています。
そのフォルメンの中でも、1年以上前から迷宮のフォルメンを作って皆さんに歩いて貰
おうと考えていました。別れ道や袋小路のある迷路と、道のりは長くても辿っていけば
必ずゴールにたどり着く迷宮は異なります。私がこの迷宮のフォルメンに出会った3年
前は、「何なんだ、これは」と思いました。最初はなかなかうまく描けなかった事を覚
えています。でも同時にフォルメンの面白さを知りました。
その後しばらくして、シュタイナー学校の先生が校舎の横の広場に、枯れ草を使って生徒と一緒に作った迷宮のフォルメンを当時の仲間と一緒に歩きました。歩き始めてす
ぐに一番の中心部分に近付きますが、そのあとはゴールまで長く歩きます。基本的に4
分の1周した後、2分の1周、4分の1周、2分の1周というように進んでいくのです
が、特に団体で歩くと不思議な気分を味わうことができます。それは自分が歩いている
道の両側の道を通っている人は、必ず自分とは逆方向に歩いているので両側の道を歩く
人と擦れ違うときは自分の歩く早さがとても速く感じます。自分の両側の道よりも更に
その外側の道を歩く人は自分と同じ方向を歩きます。この不思議な感覚をぜひ皆さんに
実際に味わって欲しかったのです。
→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→ この迷宮はパリのサン・ミシェル教会、ルッカのサン・マルティーノ教会、ラヴェンナのサン・ヴィターレ教会、フィレンツェのサン・ジョバンニ教会、シャルトル大聖堂
等にあります。シュタイナーカレッジ(米サクラメント)での「建築」という科目で、
2時間かけてサンフランシスコまで建築物の見学に言ったときにも、このフォルメンが
礼拝堂の中に描かれてある教会を見学し、皆でグルグル回って歩いてきました。この迷
宮は教会に入るための準備として働きます。この迷宮を歩くことで宇宙的次元の知覚が
開かれ、精神的に高次な世界の感覚を得ることができるようになるとされています。昔
の『芸術家の創作は、大衆に向けてではなく、神へ捧げられたものでした。啓示は専ら
天上から人間への贈り物であり、芸術は専ら天上への人間のお返しでした』(エミール
・ボック)。天使によってこの形が呈示され、芸術家達が作品を作るときに祈りや瞑想
を通して芸術を生み出す力を得ていたのです。
この迷宮フォルメンの外側から、人が歩くのを観ていても不思議な感覚を味わうことができます。この感覚は口では伝えることのできない、やってみて初めて体感できるも
のです。それで一度作って皆さんに体感して貰おうとしていた1年がかりの計画がやっ
と実行できる日を迎えました。
さて山本さんと麻綾さんとたまきさんと私の二人の息子と6人で作り始めました。当初は草刈機でフォルメンを描こうとしていましたが、場所が狭く、道を細くしなければ
ならなかったので草刈機で草を刈って道を作るのは難しかったのです。そこで刈られた
草を道の両側に並べていくことにしました。一番外側の円から始まって一番内側の円ま
で大小12の円を作らなければなりません。子供に広場の真ん中に立ってロープを持っ
てもらい、まず一番外側の円に草を置いていきました。12の円を作っていくためには
一つの道の幅を30
cm位にして大人がやっと通れるくらいの幅にしなければなりません。また草の上に同じ色の草を置くものですから道と境界の区別がつきにくく苦労しまし
た。暑いことと、単純作業のため、子供達は一人減り、二人減り、三人減りして、とう
とう山本さんと二人だけの作業になっていました。1時間ほどしても全体の4分の1も
できていませんでした。このままだと午前中に完成できないと分かりました。他の男性
の方はパオを建てていました。私もパオを組み立ててみたいと思っていましたがこのま
まではそれもできそうにありません。あと3時間以上頑張って完成するほどの仕事なの
かと疑問が湧いてきました。私の自己満足のためにやろうとしているのではないかとも
思いました。それで山本さんに「作るのをやめましょうか?」と問うてみたのですが、
山本さんの答えは「いや、やりましょう!」でした。それで気を取り直して作っていき
ましたが、次第に並べる草が足りないことが分かってきて、草を刈りながらの作業とな
りました。
また1時間ほどして作業としては半分ほど出来上がってきました。しかしまだ円ができかかっているだけで、これを迷宮に変えていくのが大変だなと、再び気力が萎えかか
ってきた頃、パオを作っている男の人達から「手伝って欲しい」と声がかかり、パオを
完成するまで手伝うことができ、私の願いが一つ適いました。やはり皆で力を合わせて
パオを完成できたことは良い体験でした。神澤さんのさすが本職の精密な組み立て方は
見ていて気持ちの良いものでした。
良い気分転換ができたのでいよいよ最後のフォルメン完成へと向かいました。しばらくしてやっと12の円か大体完成し、迷宮づくりへと移りました。でもやり始めるとな
かなかすぐには完成しないことが分かってきました。12の円が正確に描かれていなか
ったのです。所々に11の円しかない部分があったので、迷宮完成にまた凄く長い時間
がかかってしまいました。あと少しで完成だというとき、内川さんの「お昼御飯ができ
ましたよ〜」という声が聞こえました。その時は私の二人の息子を従えて作成中でした
。孝斗は小さい声で呟くように、しかしはっきり私には聞こえる大きさで「御飯ができ
たって」と言いました。「もう少しで完成するから、完成したら御飯を食べような」と
答えました。その約10分後にはようやく最初から最後までの道のりが一応完成し、最
初から最後まで辿ることができました。一番内側の円の中にようやくたどり着いて「で
きた〜」と寝転んだときは、体力を使い果たして少々空腹と貧血気味で目の前がクラク
ラしていましたがとても壮快な気分でした。やっと完成できた。暑さと疲れでこのまま
眠りたい心境でした。が、そこに聞こえてきた小さなつぶやきの声『ご〜は〜ん〜』(
by
孝斗)。それで休む間もなく足を奮い立たせて皆さんが食べている所に行きました。 昼食はとてもおいしくて生き返った気分になりました。昼食のときの会話の中で内川さん、太田さん、神澤さんがフォルメンを楽しみにされていることが分かりました。そ
れで一応は完成したフォルメンですが、その出来栄えには私自身も納得できないものが
ありました。道の区別がつきにくかったからです。それでもう少し完成度を高めようと
午後も1時間ほどかけて修正をしていきましたが、なかなか草の上に草を積み上げてい
るので、いつまでたっても分かりにくい迷宮でした。これ以上の修正は無理だとして、
作業を終えたのは午後2時頃でした。
しかし日中は暑すぎて頭がボーっとしていてフォルメンを皆で歩いてもらうような気分ではありません。それでフォルメンをするのは心を集中できるようになった夕方から
することにしました。私の後を付いて来て貰わないと、迷宮が迷路になってしまうから
です。
夕方皆さんに集まって貰って、迷宮へと出発しました。私にだけ見える道だったかも知れません。私について来た方は一番内側の円の中まで着くことができましたが
、遅れて来た方で、単独で出発された方は道を逆方向に歩いていたりして、やっぱり、
見分けが付きにくかったなあと思いました。一番内側の円の中から、今度は逆に外に出
ていく時には、出来れば最後の人が先頭に立って行くのが良かったのですが、難しそう
だったので、今度も私が先頭に立って出発しました。迷宮からやっと出れた時の嬉しさ
は何度やっても変わりません。ゴーーーーールという感じです。
夜になってから蝋燭を持ってもう一度迷宮を歩こうという話もありましたが、結局翌日の朝、もう一度子供達と歩いただけとなりました。
完成までの長い道のりの中で何度も作るのを止めようと思いましたが、完成できて良かったです。山本さんや子供達のご協力ありがとうございました。
今回のキャンプはシュタイナー色は薄かったですが、個性ある方々が沢山いて親睦を深める時間として貴重だったと思います。特に印象に残ったのが幾つかあります。
蕪が抜けたとき、もんどりうって倒れ、天高く上がったお爺さん(村田さん)の両足が長い間ピクピク痙攣していた事。
お爺さんから「ポチ、力一杯引いたか?」と問われて、「ワン」と力なく頷く気の良さそうな犬になっていた上野さんの姿。
気持ち良さそうな湯上がりの山本さんの顔。 忍者の様に樹をのぼる神澤さんの手足。 森の熊さんの替え歌を聞いている臼井さんの顔。 上野さん、ヨガ体操をたっぷり教えて戴き本当にありがとうございました。 キャンプに来てみんなとっても幸せな気分になりました。 これを糧に私も頑張っていきたいと思います。ありがとうございました。 1999.07.17.1999年7月9日 晴れ 気温 24度
シュタイナーサマーキャンプの下見に木曽まで出かけてきました。途中道が崩壊しており歩いて渡らなくてはいけないところがあり当日は荷物運びなどちょっと大変です。どんなキャンプになるか楽しみです。