安曇野パーマカルチャー塾 2006.3.25
3月25日パーマカルチャー塾第一日目 晴れ
@13:30〜オリエンテーション
到着からオリエンテーションまで。
((感じたことを少し・・・))
本日は晴天なり。日差しは暖かく春風は心地よく、絶好のパーマカルチャー日より!などと思いつつ高山から車を走らせ2時間ちょっと、途中迷子になりながらも無事ヒュッテシャロムへ到着しました。
お先にいらしていた藤井さんと「昼寝でもしたいですねぇ〜〜」などとのんきな話をしていると、穂高駅から送迎の車で来られた方々が到着し、にわかに「これから始まるぞ!」的な気分が盛り上がってまいりました。
各自名札を記入して全員集合、まずは自己紹介から、と思いきや、え?体操?ビーチバレー???でも初対面の面々がうちとけるには、自己紹介よりもまず一緒に何かをすることが一番かもしれないな、とこれらを通してまず思いました。自分で自分を語る自己紹介では、その時の意識は自分自身に向かってしまいますが、こういう場面では自分の気持ちは自然と他の人を向いているんですね。例えばビーチバレーの時、「インド!」と叫んでボールを打った人を見て、「あ、私もインド行きたい!この人もそうなんだ」とか。
その後の、「PCのどこに惹かれてやってきたのか、”建築””自然農””生活全般”で別れて理由を語る」というものもそう。自分と同じものに興味を持っているにもかかわらず、その動機は全く違っていたりして、それがまた面白い。
「”ここから持ち帰りたいもの”を単語で書いて説明」でも、PCに対して一人一人色々な見方や考え方があるのが分かって、「なるほど〜」とうなずいたり、感心したり・・・。いろんな方がいらっしゃいましたよね、例えば「絆」「きっかけ」「実践」「つながり」などなど・・・。いずれにしても、皆さんそれぞれに私にはないものを持っていらっしゃって、そんな自分にはない発想とかひらめきをたくさん吸収していきたいなあ、とこれから先がもっと楽しみになりました。
A14:40〜シャロムツアー
シャロムのなかでPCがどのように生かされているかを臼井さんから説明を受けながら見学。
1)森
森は太陽エネルギーを蓄積する場所である。
エネルギーを多く蓄積できるものから順番に、熱帯雨>林里山>草原となる。
でも大地に蓄えられたエネルギーとしてみると草原が1番豊かです。ですから 熱帯雨林は再生に時間がかかります。
シャロムでは里山ということになるが、里山では微生物と落ち葉が豊かであり、ここで木を切ることはバイオマスエネルギーを使うということになり、それは持続可能なエネルギーを得ることである。石油を使ったエネルギーは持続可能ではない。
またここは、森の子達が一日を過ごす場所でもある。
森の子=生活と幼稚園が融合した形での保育。園舎もなにもないところでも、みんなが知恵を出し合ってそれを可能にしている。
2)コンポストトイレ
第一期生製作の堆肥トイレ。屋根には土をのせて、ルーフトップガーデンになっている。
自分の糞便にも責任を持つ、ということ。
EMのバケツのようなものを便器の下に受けて、まず落ち葉を入れる。その上から排便排尿し、その上からまた落ち葉をかぶせて、発酵したものを畑へ撒く。なお、自然農では堆肥は土の上に置くだけで耕して混ぜ込んだりしない。耕さないゆえに、堆肥が未発酵でも作物の根っこに影響しないという利点がある。
3)ヤギ小屋
第二期生製作。温室がついて、ニワトリも住んでいる。
動物がいることによって小屋の内部が暖かくなるため、冬場に苗床を作って入れても氷点下にならないという利点がある。
窓のガラスはペアガラスを使用(規格変更で売り物にならなくなったものをガラス屋さんからいただいて)。
4)アースオーブン
第三期生製作。
アースオーブンとかまどがある。
オーブンでは火をたいてピザやパンが焼ける。かまどでは煮炊きが可能。
森の子供達が使ったりもしている。
5)薪をたくスペース
小屋の前にあり、子供達の場となっている。
昔は薪を使った生活であった。里山やそこでとれる薪の見直しを考える。
6)メタンガス発生装置
大きなドラム缶を立て、その上に短く切ったドラム缶を蓋のようにしてかぶせ、その中に糞尿と落ち葉を入れて発酵させる。そこで発生したメタンガスを都市ガス用コンロに繋いで煮炊きに使う。また発酵の際に出てくる水は液肥として有用。
普通の生活では捨て去らられるものであっても、このようにエネルギーとして利用できるという一例。
7)ディーゼルカー
軽油の代わりに植物油を利用。
欧州では植物油を利用しており、二台に一台がこのようなディーゼル車に替わろうとしている。シャロムの車はアタッチメントを付けて廃油をそのまま使用できるようにしてあるので、辺りに天ぷらの匂いを振りまきながら走る。
8)貯水の樽
敷地内のあちこちに雨水を貯めるための樽がある。溜まった水は水やりなどに使う。木製のものとドラム缶がある。ドラム缶はジュースの原液が入っていたものをもらってきた。
9)温室
日中コンクリート部分に蓄熱し夜放出するので、夜間でも氷点下にならない。
キウイ棚は夏日差しを遮り冬には取り込む パッシブソーラーの知恵が詰まっ
ています。
10)建物のガラス
ペアガラス使用。こちらも廃物ガラスをただで貰ってきて利用しているので、建物に合わせてガラスを付けたのではなく、ガラスの寸法に合わせて窓の大きさを決めた、という普通とは逆の作り方だった。
11)キーホールガーデン
一見ぐにゃぐにゃしたいびつな形で仕切ってある庭だが、仕切のくぼんだ部分から一歩なかに踏み込んで庭仕事が楽に出来る。またくぼんだ部分には落ち葉が溜まりやすく、それらを庭の中においてやることができる。
自分で上下水道の処理をすれば、洗剤などをあまり使いたくなくなる。
12)ロックスパイラルガーデン
石を積んで渦巻きのようになっている。
13)藁の家
藁を重ねて竹でしばり、土壁を塗って漆喰を塗り重ねたもの。全て自然素材で、畑に入れれば肥料となる。屋根はルーフトップガーデンとなっている。
また、屋根の上に自転車のハブを使った発電機がある。
14)パン焼き釜
ホイロがついて、パンの発酵が可能。オーブン上部では薫製が作れるようになっており、くべた薪から木酢液が取れる。また、薪が燃え尽きたあとの灰は畑に撒く。灰はアルカリ性なので、酸性に傾いた畑を中和する作用がある。
PCでは一つの設備で多様なことが出来るよう工夫されているという好例。
15)レストランのオープンテラス
照り返しが激しかったため、テラスの屋根に土を乗せることで、照り返しが少なくなった。
16)天ぷら油のスタンド
廃油を漉して利用する。
((またまた感じたことを・・・))
前回旅行の途中で昼食を食べにお邪魔したときには気付かなかったことがたくさんあったことに驚きました(気付かなかったというよりは、そのような目で見る知恵も意識もなかったからということもあるのだけど・・・)。それどころか、雑草を抜いてきれいにお手入れされた庭や落ち葉一つなくお掃除された敷地内を当たり前のように思っていたため、「ここの庭は放任主義なのかな?」などと失礼な考えが頭をよぎったりしたことを思い出し、自分で自分に苦笑。
説明の途中でよく臼井さんが「PCとは持続可能な農的デザインであり、日本の伝統的な禅の文化・茶道の文化はまさにPCの神髄である。私達はただPCをまねるだけではなく、それを通して我々日本の伝統文化を再認識したい」とおっしゃっていたのが心に残りました。以前何かの本で「江戸時代の“江戸”は多くの人口を抱え東アジアでも有数の大都市であったが、完全な循環型社会が形成されていた。・・・長屋の大家は店子の家賃の支払いが多少遅れても大目にみてやったりしていたようで、それは店子が出す糞尿を高値で農民に売ることで現金収入を得ることが出来たから」という記述を読んだことがあります。都市の住民が直接畑に還元していたのではないですが、糞尿を汚いもの、無駄なものとしているのではなく、それどころか一種の財産として大事に扱われていたということは、私達の歴史のなかでも本当に誇っていいことだなあと、この見学を通して再認識しました。
B16:00〜農業実習
4人で1グループ、合計4グループを作り、それぞれ1.1m×8mの畑を2畝担当する。
作物は見本畑(講師の畑)と同じものを作付ける。それによって、いつ、なにを、どのようにに植えたらよいか分かるのに加えて、成長に差が出てくれば、何が悪かったのかを考えるヒントにすることが出来る。またフリースペースも設け、そこにはそれぞれ撒きたいものを撒くことができる。
1グループ 村上 桐沢 藤井 内山 小杉
2グループ 丸山 永網 福井 東矢
3グループ 池上 安藤 稲垣 落合
4グループ 中村 山神 藤井 梅崎
2)種の選び方
自然農では畑に肥料を入れず草もあまり刈らないので、種自体に生命力があることが求められる。
種を購入するには”在来種””固定種”を選ぶこと。また、種に消毒処理していないものの方がよい。殺菌されていれば、そのことが袋に明記してある。
在来種・・・その土地で昔からずっと育てられているもの
固定種・・・よその土地から持ってこられ、その土地にだんだん合ってきたもの
(F1、○○交配・・・交配により二種類の強い性質を持っている種。収量目的のため、天候の変化等に弱い。また一代交配のため、自家採取した場合にはばらつきがでて、一代目のような安定した収量は得られない。ただ、F1の種子でも、二代目以降からよい種を選んで何代か撒いていけば、固定種になると言われている)
3)夏野菜の蒔き方
夏野菜は直まき(畑に直に種をまく)すると、生育が遅く季節に追いつかないため、まず温室で種まきをし、ある程度大きくしてから畑に移植する。またこの方法だと、狭い範囲で草取りすればよいので管理が楽というメリットがある(直播きは面積が広くなる分大変)。
C17:00頃〜パーマカルチャーのビデオ
パーマカルチャー発祥の地であるオーストラリアでの様々な取り組みの紹介。
((またまたまたひとりごと・・・))
PCが町全体の取り組みとして行われているのが大変印象的でした。オーストラリアは土壌が非常に痩せているので、PCを最初から行う場合には日本でやる場合と少し違ってくるとのこと。これはやはり、日本の土壌が元々持つ力に加えて、私達のご先祖様が里山という形で残してくださった財産がもたらしてくれたものなんでしょうね。
D17:30頃〜休憩・温泉へ
((リラックスして独り言・・・))
広いお風呂は気持ちがいい!お腹すいた〜〜〜!そういえば「お腹がすくまで何も食べない」という生活を、ここ最近忘れていました。子供の頃は空腹になるまで、というか空腹を忘れて遊び回ったものですが、今の自分は「お腹がすく前に何か口にしている」毎日です。でも子供には「ごはんの前だから我慢しようね」。いけませんね〜〜〜。
E18:30〜夕食
夕食
・新玉葱のグリル、バルサミコ酢と塩で
・キノコのスープ
・玄米炊き込みごはん(お代わりは普通の玄米ごはん)
・レンコンハンバーグパール柑ソース添え
・フォッカッチャ
・焼き菓子(アーモンドと杏(?忘れました)のケーキとココアクッキー)
・玄米コーヒー
((大満足の夕食を終えて・・・))
今回はコース料理でした。これから先も様々な趣向が凝らされたお料理に巡りあえるそうで、講座の方も勿論楽しみなのですが、「一泊二日の講座だと、ごはんは三回しか食べられないんだなあ」なんて贅沢なことを考えてみたり。本当に心も体も大満足でした。野菜だけのコースだったなんて、食べ終えて人に言われて初めて気付くような充実感。いえ、野菜だけだと充実しないという意味ではないのですけど、自分で作ると野菜だけで作るつもりでも「やっぱりボリュームが足りないかな?」などと思って動物性のものを足したくなるんですよね。
F20:00〜シャロムタイム
((食べたら眠気が・・・))
疲れてバタンキューでした。本当はもっと皆さんとお話ししたかったのですが、なにしろおばちゃんなので・・・でもお話を伺っていると高山から参加している私が実は一番近場に住んでいるのですね。遠くから時間をかけて参加されている皆さんに脱帽します。さあ、鋭気を養って、明日も頑張るぞーーー!
G21:30〜自由時間&就寝
安曇野パーマカルチャー塾 2006.3.26
第二日目 (※は、記録係のひとりごとデス)
1)農業実習 (稲子さんの指導による)
@05:59 集合
※まだ肌寒い朝の空気を感じつつも、背筋伸びる。
山の端から、太陽が少し昇ったところ。
朝日がいつもよりまぶしく、大きい。
たいへんに清々しい。(が、ちと、ね、眠い・・・)
○長靴や地下足袋、軍手を着用し、農具を畑へ運ぶ
○シャロムヒュッテの畑
自然農の畑はいつも草と共にある。
普通の畑のようには耕さず、草も共生する環境の中に
野菜を植え、一緒に育てていく。
無理に草抜きなどをしない。
ここの畑にはあまり大きくならないはこべが多く成育し、
背の高い草は生えないため、地面が乾燥しにくく、大雨でも土が流れない。
※向かいにある、草一本生えていない、いわゆるフツーの畑とは、
まったく違った対照的な景観が印象的でした。
シャロムの畑のわいわいと雑多な感じが、とても豊かな、活力のある大地に
見えました。
Aパーマカルチャーデザインによるガーデンを見学
鍵穴のような形の
・キーホールガーデン
渦巻状の
・スパイラルガーデン
ティピを中心に円を描くように形作られた
・まんだらガーデン
B畝たてについての説明
自然農では、刈った草を畑の外に出さず、土の上にかぶせていく。
これは、草を資源として畑に入れる、ということで、つまり無駄がない。
そして虫たちも一緒に住んでいる状態を保つことができる。
草を刈り、除けておく→畝たてをする→草を土の表面に戻す
→虫たちも戻ってきてくれるようにする
C畝たて 練習
1.畝になるところの草をはがす
ノコギリ鎌で草を刈る。
根は残し、地際ぎりぎりを刈っていく。
そこに棲む虫たち。彼らをけちらすのではなく、
ちょっと移動していただく、というようなかんじで。
手前の方から刈り残しのないよう、少しずつ進んでいく。
根の深いものは鎌を斜めに刺して取り、なるべく根は残す。
また生えてくるように、抜かずに、表面を刈っていく。
片ひざをつけて作業するとやりやすい。
土の構造を耕して崩す、のではなく、
草を刈るが、根は残すことにより、空間ができ、
その土を根や虫たちが耕してくれ、ふかふかになる。
2.畝の形に土を掘る
縄を畝の両端から両端に二本平行にはり、見当をつける。
剣先スコップを差し込み、足で力を加え、切り込みを入れてから、
土はひっくり返さず、そのままの状態ですくってはがし、
脇へどけ、溝にしていく。
3.畝になるところに土を乗せる
水はけの悪いところは高めにする。
4.土の上にはいだ草を乗せていく
この時、刈った青い草は土の中になるべく混ぜない。
(発酵し、病気が発生しやすくなるので)
D畝たて 実習
昨日決めた畑の4グループに分かれ、担当の場所の畝たてを行う。
一番のグループの畝はできていたので、他のグループの箇所を一緒に。
※梅さんの、「おしゃべりしながらやってもいいんですヨ」
の言葉に、思わずもくもくと黙って作業をしていたことに気づき
笑ってしまう。
稲子さんの手際をみていると簡単そうに見えるのだが、こつをつかむには
まだまだ年季が必要。
草を刈り、土を掘り、土を乗せ、草をまた乗せていく。
途中ひょっこり、前年の名残の作物たちの姿も。
人参やねぎ?、ごぼう、麦、などなど。
※なるべく最初にかまぼこ型に美しく畝を整えておくのが
コツ、らしいのだが、うまくできてるのかな・・・?
(ややぼこぼこ型)
E07:20 作業完了、片付け
畑から宿舎へと戻る。農具の泥を落とし、納屋に片付ける。
※いつのまにか、太陽はかなり高いところまで昇ってきている。
いつもの見慣れた大きさ。
(普段私がやっと起きるくらいの時間の大きさと光の具合)
F07:30 種まき
デッキにて、夏野菜の種をプランターに蒔く。
最初プランターに種蒔きし、温室で育てる方法。
五月になったら畑に地植えにする。
○土について
・畑の土を持ってきてふるいにかけて使う
・森の腐葉土を使う
・購入する
など。
いろいろ方法はあるが、買ってくるのも手軽で、手ごろな値段とのこと。
いい土がそんなに安いなんて、世の中間違ってるよなぁ、
と臼井さん。
森の腐葉土(落ち葉が土化したもの)を持ってきて
ふるいにかけたものは、使うにはとてもよいとのこと。
G苗床に土を詰める。
苗床(プランター)に土を均一に馴らしながら、加えていく。
ゆるいと水がもれてしまうので、手で押さえつつ、硬めに。
H筋をつける
土の表面に親指を押さえ、筋を直線状につけていく。
プランターひとつ(30×50cmくらい?)につき、5cm毎に、10本ほど。
深さは・・・2.5センチくらい・・・でしょうか??
I種まき
筋に添って中に一粒ずつ種を蒔いていく。
どこの列に何を蒔いたかわかるよう、種類別に蒔き、野菜名の札を
差していく。
芽が出たら小さなポットに移し替え、大きくなったらサイズにあった
ポットに更に移し替え、苗まで育てたら、畑に定植する。
小さいときはうんと丁寧に手をかけてやるが、ある程度大きくなったら
あまり過保護にすると植物は枯れてしまうとのこと。
人間と同じですね、と梅さん。
レタスはパラ〜っとばら蒔き。他の種は筋蒔きに。
蒔いた種は・・・
・真黒ナス(タイ産) ・伊勢ピーマン(アメリカ産)
・賀茂なす(ヴェトナム産) ・世界一トマト(長野産)
・カルマーMR(レタス、アメリカ産) ・青ちりめんしそ(?産)
・シュガーランプ(ミニトマト、タイ産)
同じ種を一度に蒔かず、二週間ほどずらして蒔くと、収穫時期が
ずれて、その期間分収穫が楽しめる。
一週間くらいのずれでは、いずれ追いついてあまり意味がないとのこと。
J水遣り
じょうろでまず、軽く水をかける。
水が浮いてきたら、少し待ち、もう一度かける。
その上に乾燥防止のための新聞紙をかぶせ、
更にたっぷり水を遣り、上から手で押さえる。
K温室へ移動
種は、芽が出るまでは直接の日光は当てなくてもよい。
プランターをシャロムの温室内へと移動する。
我々塾生は一ヶ月おきにしか来れないため、普段の
種のお世話は臼井さんとシャロムの方々に託される
ことに。 よろしくお願いいたします。
2)08:30 朝食
宿舎の食堂でセルフで朝食がサーブされる。
・玄米おかゆパン ・天然酵母パン ・マーガリン
・キャベツ、人参などのボイル ・きのこ類のソテー
・山芋のグリル ・豆腐マヨネーズ ・お味噌汁
・野草茶 ・玄米コーヒー
※地下の部屋で。パンはトーストもできる贅沢さ。
本日は朝飯前の作業が、いわゆる“朝飯前っ!”な
ものではなかったためか、もくもくと食が進む。
豊かで暖かい、ほっとするおいしい朝食。ごちそう様でした。。。
3)09:30 パーマカルチャー講座
@システムデザインについて
○チキントラクター
畑の行き帰りの途中、鶏がドーム状の小屋の中に飼われているのが見えた。
あれはチキントラクターという、
パーマカルチャーのシステムデザインの一例。
草ぼうぼうの畑の中のドームに、鶏が暮らすことにより、
鶏が、
・草、虫を食べる(除草、除虫)
・糞が撒かれる(肥料)
・足で地面を引っ掻く(耕運)
そして、ドームの位置を順番に動かしていく。
つまり、
inputとして→鶏に、えさと水をやる ことにより、
outputとして→鶏が、肥料を撒き、卵を産みヒナが生まれ、草を食べ、足で地面を
耕してくれる
このように、
inputとoutputが繰り返され、循環していく。
家畜の習性という、自然のシステムに着目し、自然がすすんでやってくれることを
利用している。
パーマカルチャーのデザインは、
・コンセプトデザイン:その場所をデザインするときの基本になる考え方、方針
・システムデザイン:水・栄養分・エネルギーなどの流れ・循環についての関係性のデザイン()
・アイテムデザイン:建物など、構成アイテムの具体的なデザイン(設計)
・ランドスケープデザイン:敷地全体の配置計画
A09:50 シャロムヒュッテの取り組みを学び、整理する
シャロムでは、循環するシステムを取り入れ、実践している。
水、栄養、エネルギーの三つの要素の中から、それぞれが興味のある分野を
課題とするチームに分かれ、昨日からのツアーや、実習などで見学してきた
シャロムの取り組みについて話し合い、臼井さんに質問し、更に説明を受ける。
B11:30 発表
・『エネルギー』2チーム
(内山、小杉、永綱、福井)
(桐沢、藤井(ま)、丸山、落合)
・『水』チーム
池上、梅崎、東矢、中村
・『栄養』チーム
安藤、稲垣、村上、山神
それぞれのチーム内でパーマカルチャーの理論、循環するシステムについてを
話し合い、ブランクのカードや模造紙を使い、シャロムで実践されている
取り組みについてまとめ、発表。
雨や、太陽熱、光、薪、風、糞尿からのメタンガス、食用廃油など、自然からの
エネルギーや水を取り入れ循環させていくシステム。
一粒の種から始まる栄養のサイクル。
模造紙上の表現や説明に、それぞれのチームの個性を交えつつの発表と
質疑応答。
※改めて、畑と住居、自然が隣接し、自給自足と、無駄のない、賢い、
循環するシステムを活用しているシャロムの在り方を再認識できました。
人力で自転車を漕ぎ、その力でビデオ鑑賞もできるとは。
ビデオからの感動がさらに人力に拍車をかける!というエネルギーチームの力説、山
神さんのバカボンのパパの絵にも、感動シマシタ。
頭の中でinとoutがこれまたぐるぐる回り出し、自分自身のシステムも
新しく循環を始めた模様…?。
4)12:10 昼食 〜 自由時間、シエスタのお時間
こたつのある部屋にて。・ひよこ豆のベジタリアンカレー
・野沢菜と海苔の天然酵母のピザ
お替りもできるカレーと、次々と出てくるピザを
歓談しながらいただきました。
※少し曇っていた空が、だんだんと晴れて明るくなってきました。
おいしい食事の後は、気持ちよく外でお昼寝も。
5)13:30 建築実習
@与件の整理
今回第四期生が建てるのは、森の中、代々の塾生が建ててきた建物の
並びの奥に完成予定の『森の家』。
一番最初に必要なのは、お客さんの意向を聴くこと。
それからイメージを作っていく。
施主である臼井さんにヒアリング(インタビュー)し、
現場を見学。
森の家についての構想を練っていく。
○建築実習用チェックリスト
1.施主に関する情報
1)氏名 臼井健二さま
2)施主の職業 宿泊業
3)建築施設を利用する人の構成(属性・関わり方)
森の子の子供たち、パーマカルチャー塾の人たち
4)住所
6)生活信条 自然素材
7)食習慣 身土不二、自然食
2.建築施設について
1)整備しようと思った動機、大事にしたいこと 建築実習
2)整備に使用できる敷地について
・風はそれほど強くない ・雪はあまり降らない。
せいぜい2、30センチくらい
・夏の暑さは森の中なのでそれほど気にならない
3)必要な機能と利用方法
・一階の土間 ・二階はロフトに
・森の子の子供たちとPCの人たちの憩いの場
4)敷地内にある資源
・コンポストトイレ ・ファイヤースペース ・森の広場
・雨水の水道
5)整備予算 30万円
6)明らかな問題点、整備にあたっての留意点
切り株の除去
7)整備されているインフラ なーし
8)未整備だが、必要となるインフラ なし!
照明もなし。ランプで。
A『森の家』のアイディア出し
私たちは、“小杉工務店の見習大工”。
素人ならではの、普通なら無理めかもしれない突飛なアイディアで、
これもまた、とっても柔軟なココロの棟梁 小杉さんのもと、
あれやこれやと実現に向けてのアイディアをチームに分かれて
話し合い、発表。
○“ついつい語り合いたくなる憩いの家”
梅崎、内山、藤井(ま)、山神 チーム
・小屋にいながらにして解放感、キャンプ気分を味わえる空間
・入り口を開け放しにできるオープンスペース
・一階にいろりかオーブンを設置
・屋根が透明で雨水が流れ、循環する様子が見られる
・二階に降りられるポールの設置 などなど
○“平日こども、週末おとな、の森の家”
安藤、桐沢、東矢、永綱 チーム
・普段の日は子供が、週末は大人がと、両用で楽しめる空間
・天窓があり、屋根に出れたり、そこで一服できたり
・いろんなガラスを使った子供の好きそうな思わずのぞいてしまう窓を
設置
・憩える縁側、バーベキュースペース などなど
○“遊び心満載の憩いの家”池上、稲垣、小杉、落合 チーム
・二階の方が玄関になる出入り口
・外に生えている木を利用し、網をはった空中デッキ
・首を出し空を眺めたり、下から森の木々を感じられる天窓
・天窓から一階に渡した上り下りできるポール
・一階は三和土(たたき)にして、いろりかストーブを
・秘密のからくり引出しや扉、滑り台 などなど
○“基地〜大人も子供も楽しめる遊び心満載の家”
中村、福井、丸山、村上 チーム
・玄関以外からも出入りできる
(隣の立木に2階の高さまでネットを張り、そこからも昇降できる)
・室内壁面(または柱)に凹凸をつけ梯子の機能を
・二階から降りられるポールの設置
・隠し収納庫の設置
・採光用天窓の設置
・ロフトには寝心地のいいワラのハイジのベッド
・ストーブの煙突を天井に這わせ暖房機能を
・建材の一部に産廃利用も などなど
一応発表の後、小杉さんに、
「こんなアイディアって、実現可能なんでしょうか??」
と質問。
棟梁曰く
「どれも可能です」とのこころ強いお言葉。
※エッ、ほんとに? じゃぁ、アレは?コレは・・・?
と更に珍案が浮かんでしまう。
★課題として・・・
・「森の家」の各自のアイディアを 今回出たものに、パーマカルチャー的要素を含めたものを加え、まとめてくる
・「我が家のシステムデザイン」
として、今自宅で実践していたり、構想している、パーマカルチャー的システムデザ
インをまとめてくる
以上二つを 各20部ずつコピーして次回持参する。
6)ふりかえりとまとめ
全体で輪になり、今回を終えての感想などをそれぞれに。
前回までの講師、小田詩世さんも加わり、各自の想いをシェアリング。
※初めてふらりとシャロムを訪れたのは、昨年の夏でした。
いろんな想いを抱えてはいたものの、今年こうやってPC塾に通うことになるとは、当時は夢にも思っていませんでした。
なんだか不思議な気がして、しみじみしてしましました。。。
7)16:10 解散
会計を済ませ、各自帰路へ。
講師の皆さん、シャロムのスタッフの皆さん、お世話になりました。
何人かはカーシートシェアリングを途中の駅まで。運転手の皆さん、ありがとうございました。
そして、おてんとさまにも大感謝したいよいお天気で日に焼けました。
安曇野の桜はあと一月ほどで見頃を迎える、とのことを地元の方にお聞きしました。
来月もいろんなことが楽しみです。
二日間、ありがとうございました。
お疲れさまでした。 記録 落合
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