タイ ネパール見聞録
舎爐夢ヒュッテ 文 臼井朋子 写真 絵 臼井健二
冬の間のオフシーズンを利用しての海外旅行。タイ、ネパール1ヶ月のバカンスを楽しんできました。ネパールは、今回で3度目。夫と三才の息子を連れて、よく知った土地で、のんびりヒマラヤを眺め素朴な人々の暮しにふれてきました。 カトマンズにて 乗り合いバス ネパールヘ行くと、必ず食べるのがダルバート。ネパールの人達の毎日の食事。日本でいうと、みそ汁、ごはん、野菜の煮物、つけ物、といったとりあわせ。ネパールでは、豆のスープ、ごはん、野菜のカレー煮、つけものになります。彼らは一日二食。朝十時と、夜七時ごろに、毎日これらのセットを食ベ、昼は軽く焼そば、チューラという干した米を食べるのだそうです。 日本語教室の皆さんと これで玄米なら、まさしくマクロバイオティックの食事。インド料理ほど辛くもなく、素朴な味がします。定食屋では、どれもおかわり自由。洗面器のような器で、どっさりごはんをついでくれます。これを手でまぜながら口に運びます。トレッキングで山に入ると、私たちの為には、山道をかついであげた米を炊いてくれますが、現地の人は麦こがしを湯で練って食べていました。そして、野菜は、庭先で育てた青菜にじやがいものみ。毎日、同じダルバートばかりでしたが、一日中歩いたあとのそれは、本当においしいものでした。 ポカラの宿にて ネパールの首都カトマンドウは、私達の訪れた二月頃、ちょうど菜の花の咲く春の陽気。朝晩は、セーターが必要なくらい冷えこみます。広場には、カリフラワー、キャベツ、トマト、いんげん豆、ホウレン草などが山積みにされ、すべて量り売り。近くの村から、生産者が持ってきて、売っているのです。どの野菜もみんな元気いっぱいで、うれしくなってしまいます。
ナガルコットからのランタンヒマラヤのスケッチ お店には、豆、スパイス、乾物、まっ黒なかたまりのまんまの黒砂糖などが売られ、どの店でも、使い古したテストの答案用紙などに包んでくれます。野菜くずは、道ばたに捨てられ、牛が来て、それを食べ、牛の糞は、人々が捨って燃料に使います。いきいきとしたこの循環。まさしくエコロジーな生活が、ごくあたりまえに営まれています。 マチャプチャレ トレッキング レストランには、世界各地の料理、チベット、中華、西洋料理、なんでも食べられます。ベジタリアンメニューも豊富。ベジタリアンレストランには、玄米もありました。また、ネパールは、日本人ツーリストも多いので、日本食レストランも数軒あり、現地でみそも作っています。このみそが、また手作りの味で大変おいしいのです。パンも、全粒粉で作ったチャパティやドイツパンがあり、食事には、不自由することはありませんでした。ただ、水と油は悪いので、時々おなかをこわしたりします。心配した子供の食べものと健康の事も、問題なく元気いっぱい、充分楽しんで帰ってこれました。澄んだ山の空気と、人々のあたたかい笑顔。旅人達との交流。また訪れてみたいネパール。いつもは旅人をお世話する立場の私たちが、たくさんの人達にお世話になって、また新たな気持ちで仕事ができそうです。 バンコックのゲストハウスタイの寺院 〒399-83 長野県南安曇郡穂高町豊里 舎爐夢ヒュッテ 文 臼井朋子 写真 絵 臼井健二
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