2006.安曇野自然農学習会
PDFファイルレポート
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日時 2006年4月16日(日)
場所 長野県安曇野市穂高町シャロムヒュッテ
TEL&FAX 0263-83-3838 shalom@ultraman.gr.jp http://www.ultraman.gr.jp/~shalom/
講師 佐伯彰(さえき・あきら)竹内孝功(たけうち・あつのり)臼井健二(うすい・けんじ)
レポート こう・ぷみん
「耕さず、無農薬、無肥料、草や虫を敵とせず」と自然の理に沿った農「自然農」を実践され続けている川口由一(かわぐち・よしかず)さん。そんな農的な暮らし、生き方に共感する方たちが広がってきています。
今回、長野県安曇野のシャロムヒュッテでは、竹内さん、佐伯さん、臼井さんの自然農を分かち合っていただきました。自然農に巡り会った私たちも、それぞれの農を分かち合えたらすてきですね。
自然農という暮らし方、生き方にどこか惹かれて40人もの方が集まりました。地元の方、東京方面からとそれぞれ思いをもって参加されました。こんなにたくさんの方たちがあつまるのも、自然農をはじめとした農的な暮らしが今の時代に求められているのかもしれませんね。
ここからまた、それぞれの暮らしの中に農が身近になるのが楽しみですね。
今回
初日は、自然農についてのお話、畝立て、ジャガイモの種芋植え、レタスの移植、春野菜(松本冬菜)の種まき、田んぼでの苗床つくりと籾まきをしました。
まずは、竹内さんから自然農についてお話いただきました。どんな方法がいいのかとあれこれ悩んで何もやらないよりも、まずは、多く種を蒔いて、野菜の成長、自然の営みを楽しみましょうとのこと。
自然農では、「耕さない、持ち出さない持ち込まない、草と虫を敵にしない」とういう考え方で農を実践しています。
「耕さない」 自然界では、人為的なことがない限り耕されることはありません。それなのに森の木々は毎年大きくなっていきます。自然界では耕さなくても、草の根
が根穴構造を作り 耕さないと腐植を中心に団粒化が進みます。
「持ち出さず、持ち込まず」 肥料がなくても、畑の中で育つ生命の循環で、種まきから種取りまで自己完結できます。それほど自然は豊かなものです。とった分だけ戻さないといけないというのにとらわれる必要はありません。収穫して、食べて、感謝して、残ったものを畑に戻してあげてください。たとえば、稲であれば、1粒の種籾から3000粒もの種ができます。まずは、自然が想像以上に豊かであることを体験しましょう。
そして恵みは太陽エネルギーに依存しています。そのエネルギーを固定できるのは植物 木や草や野菜なのです。
「草と虫を敵としない」 草は邪魔にならない。それどころか、草がない土は、ひび割れ、水溜りができてしまいます。草は太陽エネルギーを固定して有機質マルチにもなります。川口さんは、野菜の芽が出はじめのころ、まわりの草に負けないように草を刈るときでも、畝の片側の草を刈り取ったら、もう一方側は虫のために草を残されているそうです。
自然農で使う道具は、鍬(クワ)、のこぎり鎌、移植ゴテ。これだけあれば十分です。
鍬(クワ)がないときは、ホームセンターなどで売っている「ねじり鎌」でも代用できるそうです。
竹内さん曰く、「機械よりも、クワよりも、土が身近に感じられます」
鍬は、鍬の背が平らなもの)が使いやすいそうです。
九州の みみずやさんで購入できます。
みみず屋 カタログ販売
〒819-1622 福岡県糸島郡二丈町一貴山601-2
TEL/Fax 092-325-3052
三舛信明 e-mail: mimasun@venus.dti.ne.jp
自然農では、大量出荷というよりも、できた分を自給して余りを身近な方に分けるのが適しています。
自給のために農を始める人にとっても、自然農はあっているのかもしれませんね。
それでは畑へ。
シャロムヒュッテでは、福岡さんの自然農法、川口さんの自然農、有機農法、パーマカルチャーの畑をしています。
どれもがそれぞれすばらしいです。
芽が出る時期、葉が覆い繁る時期、実をつける時期それぞれかかわって、そこにある生命力、美しさを実感できるとすばらしいですね。
(畝立てについて)
自然農では、一度畝(うね)立てをしたら、そのまま翌年もそのまた翌年もずっと使い続けます。
今回、通路と畝をつくりました。畝は野菜のベットです。
通路は野菜にとってはなくても良いのですが、私たち人間には、どこに何が播かれているのか、どこを歩いたらいいのか困るので、通路をつくります。
畝を立てるのにはいくつかの理由があります。
○水はけをよくする。
○通路を分別することにより地面を固めることがない
○モグラ、ネズミ対策(耕さない土ではモグラが良く走ります。溝で遮断することで被害を防げます。
モグラ穴をネズミも利用するので被害が多くなります。)
※このあたり安曇野の大地は黒ボク土のため、風で土が飛んでいくため、畝たてはせず平畝が一般的。関東では、関東ローム層のように粘土質の土地では畝立が必要です。
畝立てをする前に、まわりの草花を観察。草があまり生えていないところ、よく生えているところがあります。ススキノテッポウ、オオイヌノフグリ、ハコベが生えています。背の低い草、背の高い草。土が肥えてくると、それに応じて、生える草もかわってくるそうです。野菜の成長を見守るだけでなく、畑にある草花、虫、自然を見回すと発見があっておもしろいですね。
竹内さんの作業を見本にみんなで畝立てをしました。
作業をするときは、軍手をしケガをしないようにしましょう。
(手順)
@
畝をつくる部分の草を刈る。
A
表土にある草の種を取るために1センチくらい表土を削る
B
草の根を断ち切る。
C
スコップで溝を掘り土を畝に載せ通路をつくる。
D
堀り上げた畝の土をくだいて平たいカマボコ状にならし鎮圧する。
E
先ほど刈った草を畝の上に敷く。
@畝をつくる部分の草を刈る。
のこぎり鎌を使って、畝をつくる部分の草を刈り取ります。草を刈るときは根を残し、草の茎と根の境目である地際(ぢぎわ)で刈ります。自然農では土の上の部分は地表で枯らし、根は土の中で枯らします。刈るときは前進しながら。刈った草は脇によける(この刈り取った草は、あとで畝の上に敷きます)。草を畝の両側から刈る場合には、手の届く範囲で半分ずつ草を刈ると楽です。
A表土に草の種がありますので表土を1センチほど削ります。
B草の根を断ち切る。
草の根を断ち切ります。鍬を使うときは、てこの原理(左手が前、右手が後ろの場合、右手が支点、が
左手力点、鍬の重みでおろす)を使うと楽です。大きい根、宿根草は脇によけます。
B溝を堀り通路をつくる。
スコップあるいは鍬で溝を掘り、通路をつくります。溝の土は両脇の畝になる部分に均等にわけて盛っていきます。
この溝と溝との間の幅が、畝幅になります。畝幅は、自分の手が届く手の長さにすると、その後の作業がしやすいです。また、写真のように糸を真っ直ぐにひっぱり、その糸にそって溝を掘ると、簡単に畝を真っ直ぐにつくることができます。
C平たいカマボコ状に畝をならす。
溝から盛った土をならしながら、畝の表面を平たいカマボコ状にしていきます。鍬の背が平たいものであれば、写真のように鍬の背で土を固めていく(鎮圧する)のに便利です。また、土がガチガチに固くなっているところであれば、上にかけた土ともとからある土の二層に分かれてしまうので、鍬で少し起こすか、手で土を砕くかして馴染ませるとよいそうです。
畝立ては、本当は秋のうちにやるとよいそうです。今回のように春に畝たてをするのならば、より丁寧にします。畝の表土には、草の種が落ちているので表土1pを剥ぎとり脇によけます。土の中に有機物(草や草の枯れたものなど)があるのは良くないそうです。未発酵のものを土の中に入れると虫がくる。入れなければ虫もこない。
野菜と草の種をヨーイ、ドンで同じように播いた場合には、草の成長のほうが早いものもあります。だからはじめに丁寧すぎるくらい手をかけてあげます。また、栽培ということから考えると、土を平らに均等にしないと野菜同士でも競争してしまう。土を平らに均一にした方が栽培ということには適しています。
F
畝の上に、はじめに刈り取った草を敷く。→完成
(今回は、この後すぐにジャガイモの種芋を植えるので草を敷いていません)
自然農では、自然に任せ、ほったらかしでも大丈夫と思われがちですが実は違います。
はじめ(畝作り、種まきから芽がある程度大きくなるまで)はすごく丁寧にします。ちょうど子育てと同じです。3歳まではお母さんが愛情をかけて抱きしめてあげるように丁寧に優しくしてあげます。それ以降は自立するので見守ってあげます。過保護にならないように、見守るのも愛情です。野菜も子育てと一緒です。
畝は野菜の赤ちゃんのためのベットです。丁寧に畝をつくり、種をまきます。これでもかというくらい意識的に丁寧にします。この丁寧さが、その後の成長に深く関わってきます。
見ていると簡単だけれども、実際やってみるとこうはいかない。
臼井さんは言われます。「学んだことは忘れる。体験した事は思い出す。自分で発見したことは腑に落ちる」と。実際に失敗して自分で学ぶ方が身に付きます。というわけで、みんなでやってみました。結構うまくできましたね。
体験したことはまたやってみたくなりますね。
(ジャガイモの種芋植え)
安曇野では、4月15日ごろに種芋を植え、お盆前に収穫。雨の日の作業は控える。
(手順)
@
種芋を選ぶ。
A
種芋を植える。
簡単ですね。
@種芋を選ぶ。
種芋は大きなものより小さなもののほうが病気になりにくい。種芋が大きい場合は、芽を二つぐらい残して切って使います。その場合、切り口から病原菌が入るので、少し置いて乾かしてから
植えると良い、すぐ植える場合は切り口に草木灰(暖炉の灰)をまぶすとアルカリ性による殺菌作用により良いそうです。
A種芋を植える。
株間は、30〜60cmの間隔。今回、畝幅1m20pなので2条植え。周りの土が多いほど成長する。種芋を土の中に植えるコツは、移植ごてで土をずらして、その隙間に種芋を入れる。なるべく土を動かさないのがコツ。生きた土は水道(みずみち、水の通り道)ができているので、耕したりして、せっかくの水道を壊さないようにする。埋める深さは10p(深く植えすぎると芽は出ないので注意)。どこに埋めたのか分からなくなるので、埋めた近くの土を盛って山にしておくと後々の目印になります。
刈った草を畝の表面に戻す(畝を作る前に、刈り取った草を表土に敷きます)
土がやせているときは、米ぬか(精米所からもらう)を草の上にまく。
米ぬかをまくとそれを食べるカビが増えます。カビが増えるとそれを食べる虫が、みみず
虫が増えるとそれを食べる
カエルモグラが、と。畑の中の生命が豊かになっていきます。
※米ぬかを、そのまま土にかけると土は呼吸できなくなるので草の上にまきます。
秋の収穫が楽しみですね。
(レタスの苗の移植)
レタスの移植
密集して芽がでている苗を、外側からスコップを入れて掘り出し、ひとつひとつに苗を分けて植える。移植をする天候は曇りがよい。移植ごてでは土を
どけて、土をつけたまま移植する。
草をかける。草はお布団。草がないと風邪を引く。安曇野では5月まで霜が降りたり、霜柱があるので、草で覆ってあげることによって防ぐ効果がある。
近くの畝で、密集して生えていたレタスの苗を定植しました。これは冬越ししたレタスです。10月くらいに種を蒔いておくと冬越しして温室で育てるよりも生命力豊かです。
草が多く繁っている畝。農業経験のない私には初めてのことなので、これが畝なんだと納得ですが、農家の方からすると不思議な畝のようです。知らないからこそ発見ですし、知っていても発見できる。すばらしいですね。
(手順)
@
のこぎり鎌で、移植する苗を植える部分の草を刈り取る。
A
表土をとる。
表面の土には無数の草の種が落ちています。これを耕すと、草の種が芽を出すのに良い条件になります。だから、表面の土を深さ1cmくらい取り除くことで、草の種を取り除きます。取り除いた土は片側によけておきます。
B
表土の根を断ち切る。
のこぎり鎌で表土にある根を切ります。のこぎり鎌で軽く耕してあげる感じです。このとき宿根草や大きな根があれば脇によけておきます。
C
表面の土を平らにする。
背が平らな鍬、なければ、手のひら、とにかく表土を平らにします。
D
苗床からレタスを取り出し、1本ずつに取り分ける。このとき、根が切れないように優しく取り扱う。乾燥している場合はあらかじめ散水しておく
E
穴を掘り水を入れ 水が引いたら苗を移植する。
F
刈った草を敷く。特に乾燥してなければその後の水やりは必要ないが様子を見て対処する。
草が成長するには、光、温度、空気、水 土が必要です。草を敷き、覆うこと(草マルチ)で、その下に光が届かないので、草の成長を抑えることができます。また、土を保温、保湿する効果もあります。
種まき、定植と野菜が幼いときの作業は、特に丁寧にします。「子育てと同じで、3歳までは愛情をかけて丁寧に接
します」 川口さんは、これほど丁寧にするのか、と思えるほど丁寧にしています。はじめを丁寧にすることで、後々楽です。
自分の畑で種までとる。なんだかステキな感じがします。実際、いわれてみるまで、普段食べている野菜がどんな種をつけるのか不思議です。
レタスは、食べるレタスの後そのままにしておくと、トウがたち、タンポポのように綿毛の種がつくそうです。毎日食べている野菜がどんな種をつけるのか、見てみるのもおもしろいかもしれませんね。
(松本冬菜の種まき)
中国から伝わってきたハクサイが、結球せずに残ったおいしい菜っ葉が日本各地にあります。コマツナ、松本冬菜、ミブナなど。コマツナは、東京都江戸川区の小松地区で栽培されたことからその名前になっているそうです。今回、種を播くのは、このあたりの在来種の松本冬菜です
(手順)
@
種を播く部分の草を刈る。
A
表土を1センチかき取る
B
根を断ち切る。
C
土を平らにならす。
D
土を鎮圧する。
E
種を播く。
種を播くときには、写真のように、指の隙間から播きます。一度に播かず、往復しながら播くと均一に播けます。播きすぎて過密になったら、ベビーリーフで間引いていただきくのもいいですね。
F
覆土する。
畝脇の溝から、表土を除けた下の土を掘り出し、種の大きさの2〜3倍の厚さで覆土します。
G
土を鎮圧する。
鍬の背、あるいは、手で表土を押さえます。押さえつけることにより、覆土した土と畝の土が馴染み、水道(みずみち)がつながり、土の下層から水分を吸収できます。自然農では、水を遣りません。自己発芽を促し、生命力のある野菜を育てます。一度、水をかけて栽培すると、その後も手をかけてあげる必要がでてきます。
H
その上に、刈った草を敷く。
近くの草か、稲わら、麦わらをかけます。大きな葉は、葉が大きく、芽がでるときに日陰になるのでさけます。
種まきは重要です。一般的に、農家では、「苗作半作」といい、丈夫な苗をつくることが豊作につながるといいます。竹内さんがいわれるには、経験的に、「種作十作」といっても言い過ぎではないぐらい、種まきの作業は重要とのことです。どれだけ丁寧に種まきをするのかが、その後の成長、収穫に大きく関わりようです。
(畑をみました)
シャロムの畑には、いろんな草花、野菜があります。のんびり何気なく観察してみると惹かれるものがあります。名前が分からなくても、草か野菜か分からなくても、感じるものがあります。
今年もまたこぼれ種が芽を出しています。
自然はどうなっているのか、観察しましょう。全ての答えは自然の中にあります。
トウモロコシを支柱にサヤインゲンが芽を出しています。踏み込み温床で夏野菜の苗が育っています。
(稲の種籾まき)
稲の種籾まきをしました。まずは、種籾(たねもみ)の選別です。
今回は、水選(すいせん)という方法で、播く種籾を選びました。
手順は、
@
バケツに水を入れる(貯めた雨水を利用すると塩素がないのでよりよい)。
B 種籾を水の中に入れる(水の下に沈む種籾と、上に浮く種籾があるのを発見できる。上に浮くのは、種の中身が入っていないものや充実していない軽いもの。播くのは、充実した実のある沈んだほうの種籾)。
C 上に浮いた種籾を捨てる(田んぼの苗代近くで、種籾を捨てると鳥が食べるので注意)
D 水の下に沈んだ種籾を取り出し、ザルにあげて水をきる(種を播く前日にすると良い)。
※農家では、塩水を使った塩水選(えんすいせん)で種籾を選別します。塩水の濃度は、生卵が浮くぐらい。水から塩水に変えることで、種籾が浮きやすくなるので、厳しい選別方法になります。同様の方法で、塩の代わりに泥を使った泥選水という方法もあります。
種籾の量は、自然農でする1本植えの場合には、1反(300坪)で6〜7合。
今回は、田んぼでの広さが3畝(90坪)なので2合を準備し、株間30cm×畝間40cmで一株ずつ植えます。
収穫した籾は、籾摺り(もみすり)をして玄米に、玄米を精米すると白米になってご飯になります。
(カーシェアリングをして、畑から少し離れた田んぼへ行きました。)
(シャロムの田んぼにて)
田んぼには、レンゲ、ナズナが生えています。ほかにも名前の知らない草がいっぱいです。
田んぼも畑と同じように草で、生命力で、満ちはじめようとしています。
農業経験のない私には、草のある田畑に見慣れているせいか、草があるほうが落ち着きます。
みなさんはどうでしょうか。
百姓が田畑に草を生やしたままにすると、怠農と呼ばれたそうです。
自然農を実践されている川口由一さんは、昔、福岡正信さんが書かれた『わら一本の革命』を読まれ感銘し、3年間、福岡式自然農法を実践されたそうです。それでも収穫にはいたらず、その後も試行錯誤されたようです。その際、川口さんにとって、稲の苗床づくりをおこなったことがその後のきっかけになったそうです。川口さんにとって、特に、稲の苗床つくりが原点だったのかもしれません。竹内さんは言われます。福岡さんは農法。川口さんは栽培。と。
今回、シャロムの田んぼの広さは3畝なので、苗床は1.2m×4mで十分とのことです。
通常、苗床づくりは、収穫後、10、11月の作業。安曇野では12月にします。
苗代には、陸苗代(おかなわしろ)、水苗代、折衷苗代(陸→水)があります(苗代とは、種籾から苗に生育させること)。なんで水をはるかというと、水は土に比べて急激な温度変化がないため、温度を一定に保つのに管理しやすい方法だからだそうです。また、水マルチ(マルチ:覆うこと)で草の生長を抑えることもできます。世界中に多くの農法があるけれども、水田ほど、何百年も土を疲弊せずにした農法はないそうです。
(苗床つくりの手順)
@
鋸鎌、鍬で苗床にする部分の草を刈る。
A
表土を1センチ削り草の種をどける。
B
スコップで溝を掘る。溝は通路にする。深さは、あまり必要ない。段差があるのが大切。
モグラよけになる
C 鍬の背で土の表面を押しつけ、平らにする(鎮圧する)。
表土を平らにするのは発芽をそろえる効果があります。
D 種を播く。
種籾を1cmの間隔で播く。密になったところは手でまばらにしていく。
E土をかける。
表土をどけた草の種が混ざっていない土をかけます。覆土は、種籾の3倍くらいの厚さで均一にかけます。苗床の脇の表土をどけて、その下の土をかけました。湿った土をかけるのは、苗床下層の水分を含んでいる土となじませ、下層から水の吸収をよくするためでもあります。
この作業も、川口さんは、驚くほど丁寧にやられます。はじめが肝心なんですね。
種まきは、一人ですると一日作業ですが、みんなでするとあっという間ですね。
かける土は、草の種が落ちている表土を剥ぎ取った表土の下の部分の土。種籾の3倍くらいの厚さで均一に土をかける。また、湿った土をかけるのは、苗床の下層の湿った土とくっつけやすくし、下層からの水のとおりをよくするため。川口さんは、驚くほど丁寧にやられます。
F 鎮圧する。
鍬の背で押さえつけていき、平らにします。押さえつけることにより、覆土と下土(苗床)とがつながり、下層から水分が吸収しやすくなります。この上に稲わらをかけます。
G 藁をかける。
まず、3〜5センチメートルに切ったわらをかけます。その上に、米ぬかをふりかけます。
さらに、その上に、長いわらを敷きます。
このわらが保水して発芽を促します。発芽したら長いわらは曇りの日などに除きます。この時よく鳥に食べられますので糸を張るかパオパオなどで被覆します。
下の農具は、「押し切り」。稲わらを切る道具です。押し切りがない場合には、はさみで切ります。わらがない場合には、燻炭(くんたん:籾殻をいぶしたもの)を撒いてもいいです。あるものを利用します。
※この作業を秋にする場合には、土の上に米ぬかをまいて、稲わらを長いまま敷きます。
藁は分厚く敷きます。それにより藁の下は水分が保たれて発芽がよくなります。
最後に、田んぼで記念撮影です。みんないい笑顔ですね。
感想 同じ関心をもっている人と巡りあうのはおもしろいです。どこか共有できるものがあって、でも、それぞれ生き方、暮らし方が自分とは違っていたりして。これからの暮らし方を考えるなかで、実践するうえで、魅かれる話がどんどんでてきます。畑での立ち話。
シャロムに帰って交流会 コタツでゆっくりしながらのお話。
これからもよろしくお願いいたします。 こう・ぷみん
お世話になった 尾竹 玲奈 です。
先日の自然農お疲れ様でした。
私にとっては初の自然農体験でしたが、とっても楽しく耕してない畑がスポンジケーキの様に柔らかかったのは本当に印象的でした。
当たり前の事かも知れませんが、自然って凄いなと改めて思いました。
今回色んな方々と 特にシャロムさんに泊まった方とは
沢山お話をさせて頂いて、楽しい時間を過ごさせて頂きました。
また、私の想像以上に沢山の方が参加されていたので、なかなか、全員と色んな話をすることは出来ませんでしたが、ぜひ、次やこれ以降の講習会で仲良くなっていけたらいいなと願ってます。
また次回皆さんと 沢山学べるのを楽しみにしています。
どうぞ、宜しくお願いします。
尾竹 玲奈
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