始めてみよう、自然農
これから新たに畑を始めるなら…
[畝作りからスタート]
新しく畑を手に入れて、ゼロから始めようとするなら、まずは自然農の畝作りから始めよう。基本的に自然農の畝は、一度作ればそのまま使い続けることができるので、長いスパンでデザインを考えると良いだろう。
自然農の畝は、一般の畑の畝とは見た目が明らかに違う。細い列がずらりと並ぶのではなく、通路から手が届く程度に幅広く、低い台のように土を盛り上げる。いつから始めても問題ない
が春の植え付け時に備えて、秋に畝を作り、草を敷いて米ぬかをまき、土作りをしておくのがベスト。
畝を作る場所を決めたら、表面の草を刈っておき、通路となる周囲の土を掘って畑部分に積み上げる。表面を平らにしたら最初に刈った草を敷き詰め、米ぬかをまいておく
芽が出た作物があるなら…
[追肥はせずに草を敷く]
既に何らかの方法で畑を始めているなら、できることから自然農を取り入れてみよう。例えば、周りに草が出てきたら、根っこから抜くのではなく、地際すれすれの部分から刈る。根を土の中に残しておくことで、微生物などの活動を活発化させるとともに、腐った根は空気や水の通り穴になり、耕さなくても除々に土が柔らかくなる。さらに、いつもは与えている肥料を休み、その代わりに、刈った草を敷いておく。「持ち出さず、持ち込まず」の精神。本格的に自然農を始ることに決めたら、秋の農閑期に畝を作るといい。
草を刈るときは、のこぎり鎌を使って、地際すれすれを刈ること。宿根草などの大きな根があったら取り除く。丁寧に行うと、後の草が抑制できる
収穫直前の作物があるなら…
[種採りをしてみよう]
収穫直前まで育っている作物があるなら、種採りをしてみよう。それがFl種でもまったく問題ない。すべてを収穫せずに、種採り用に何株かを残しておく。豆類なら茶色く乾燥したら採り時、葉ものや根菜類は花を楽しみ、種を実らせる。実ものは畑で完熟させてから収穫する。種採りの方法は、本誌16号を見ていただきたい。そして翌年、自らの畑で採った種を蒔いて育て、またそこから種を採って、と繰り返していくうちに、その土地にぴったりの固定種ができる。種採りこそが自然農の楽しさでもある。
自然農ではいっせいに土を耕すことがないので、種採り用にいくつかの株だけを残すことができる。収穫した種は通気性の長い紙の袋等に入れ、冷暗所に保管。写真はオクラの種
草を刈るときは、のこぎり鎌を使って、地際すれすれを刈ること。宿根草などの大きな根があったら取り除く。丁寧に行うと、後の草が抑制できる。
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