■ 五月の自然農塾のはじまりです。
一ヶ月の間に畑はどうなっているだろうと、期待と不安の混じった気持でみなさん到着。今回は各方面から車に同乗して来たり、仲間同士のつながりができてきました。
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お天気も集合時刻の少し前、お昼頃に雨が降ったのを最後に、その後は気持ちよく晴れました。田んぼに映る山と雲の景色や、山に雲がまだらに影を落とすのもきれいでした。
■ 五月の自然農塾、第一日目の作業は田んぼの畔塗りでした。
田んぼは大きな水槽として機能します。畔は田んぼの周りの一段高い場所で、境界になっています。
さて水槽の壁でもある畔に、モグラやオケラ、蛇、ねずみなどが穴をあけてしまうことがあり、そうなると水が漏ってしまいます。田植えの前に畔を塗り固めることで、穴のない、しっかりとした水槽としての田んぼを用意します。この作業は普通、2日間かけて行います。(最近では畔塗りの代わりに、畔シートという防水シートで畔を保護することもあります)
今回は冬の間に工事があって、重機によって田んぼが踏み固められています。自然農では耕さないのが原則ですが、この状況を学びの機会と捉えて、始めて自然農を導入するときのような進め方をしました。
昨日から今日にかけて雨が降っていたことも、ちょうど作業をしやすくする条件になっていたようです。
神さまありがとうございます。
■ 畦塗りの進め方
1.畦草を刈ります
2.田んぼの中の畦ぎわに、スコップやクワを使って溝を掘っていきます。幅30〜40cm。リズムよくバックしながら掘っていくのがコツです。スコップの場合は、溝の側壁となる部分にまず切れ目を入れてしまうといいようです。掘った土は田んぼの内側の、すぐわきに積んでおきます。
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3.溝に水を流します。深さが違ったりして水の滞ったところをクワで掻きながら。ぐるっと一周水がめぐると歓声が上がりました。
4.先ほど積んだ泥を溝に戻して、水で練ります。足で踏んで練ったり、クワの背で練ったり。最初の溝のさらに内側を削って、新たな溝を作るつもりで。今度は前進しながら作業を進めます。
5.泥がトロトロになるまで練られたら畦に盛ります。畦の上までかぶさるくらいに。粘度が低くてだれるところや、乾いていて練られていないところなどを適宜調整します。
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本来はここまでで一日目の作業はおしまいです。一晩おいて、水分が少なくなってからの方が次の作業はやりやすいのでした。農具を洗っておきます。
6.一日置いたところで、クワの背などを使って塗り固めます(今回は1日ですべてやりました)。ただ表面をなぞって平らにするというより、腰を入れてぎゅーっと塗り固めるという感じです。水分がありすぎても固まらないし、乾きすぎたら崩れてしまいます。
7.畦の上部の平らな場所にクワの角などを使って深さ3〜4cmの穴を30cm間隔程度であけていき、その穴に「畦豆」を2、3粒蒔きます。大豆などを蒔いて、イネと一緒に収穫できるようにするのが伝統的なやり方です。
壁際の畦など、畦豆が育つと歩けなくなるような場所は蒔かずにそのままにします。
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本日の田んぼの仕事は終了。お疲れさまでした!今回始めて田んぼに入ったという方も多く、足の裏がよろこんでいる!という声も聞かれました。どろんこになった手足を洗って温泉につかりに行きました。
■ 晩ご飯は春野草、山菜のてんぷらでした!タンポポの葉や花、ウドの葉、よもぎなどもあれば、コゴミ、タラノメ、ノビル、ネマガリダケ、そしてコシアブラなどもありました。ノビルはくるっと一周巻いてあるのが写真から分かるでしょうか。
このノビルは畦塗りの田の畦で収穫したものです。
農作業後でお腹はペコペコな上、食べたことのない美味しそうな食材を目の前にして、みなさん攻撃的なまでに召し上がっていました(笑)。
おいしかった!日本に生きている幸せを感じます。
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筆者は狩猟採取にも興味があって、野草を生で食べるのが好きなのですが、思いがけずおいしい野草をいろいろ教えて戴きました。
コシアブラ最高!ちなみにこの時期の畑にたくさん生えていたアカザも食べられます。
■ 夜の部は今回は「春の農暦」と「栽培ということ」といった内容。
ところで塾生の一人が、趣味でお香をつくるらしく、夜の講義の時間は彼のつくったお香をたきながら受講しました。中でもとりわけ漢(おとこ!)という感じの本人が選んだこの夜のお香はローズマリー(!)。
彼の意外な(?)一面にどよめきが起こりました。
タブノキの木粉を水で練って、そこに香りのものを混ぜ込むそうです。タブノキ自体の粘りけがつなぎになるとのこと。
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■ さて、まずは春の農業上の暦について。
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4月の復習
・アブラナ科開花・サクラ開花→ジャガイモ植えつけ。ニンジン・カブ・コマツナ播種。
・サクラ満開→春ダイコン播種。
5月上旬
・八十八夜(5/2)…立春から数えて88日目のこと。八十八夜の別れ霜。(新茶)→コマツナ・トウモロコシ・オクラ・春ダイコン・春ニンジン・ゴボウ・カブ播種。エンドウの支柱立て。ソラマメ移植。ナガイモ植え。春キャベツのストチュウ(健育=防虫対策)
・立夏(5/6)…「かわず初めて鳴く」陽光が強くなり、夏の気が立ちのぼる。
5月中旬
・ノダフジ開花・大麦出穂→カボチャ・キュウリ・トウモロコシ・マクワウリ・ツケウリ・インゲン播種。
・小麦出穂→夏野菜の定植。気温というより、地温が安定することが重要。
トマト・キュウリ・ピーマン・ナス・トウモロコシ・オクラ・モロヘイヤ。※行燈・不織布で霜対策がベター。(霜が降りると、解けるときに細胞が壊れてしまう。最悪、霜が降りた朝、日の出前に水を播くと助かることもある)
・トマトはアンデス原産で温度.湿度の変化に弱い。ジャガイモも。スイカ・メロンはアフリカの砂漠原産。ナスはインド原産なので、冷蔵庫で保存すると寒すぎてすぐに傷む。
5月下旬
・小満(5/21)…「蚕起きて桑を食む」草木がそこそこのおおきさに育つ頃。筍生ず。
→夏野菜の定植(ピーマン・ナスの大苗・小玉スイカ・メロン)。
播種(ラッカセイ・ダイズ・エゴマ・トウモロコシ)。
夏野菜活着後、コンパニオンプランツ(ハーブ類・枝豆)定植。
雑穀の播種(アワ・キビ・ヒエ・モロコシ)
■栽培ということ 「自然の理〜自然に学び、健康に育てる方法」
(以下の講義は、竹内さんが講演したときのダイジェスト版とのこと。
元の講演は大好評で、地元のベテラン農家さんたちが、口々に「感動した!」と言った内容です。)
自然界をみると、植物は本来、育てなくとも育つもの。自然界では間引き、土寄せしてくれるものなどはなくても元気に育っている。自然の理を理解し、自然に育つ方向に寄り添うのが自然農。
どのように寄り添うか。人間の赤ちゃんの喩え。泣いたというサインを拾って、例えばオムツを換えてあげるなど適切な対応をしてあげることで健康に育つ。泣くというサインで早合点して、オムツを換えてあげるべきときに、おっぱいをあげるのでは寄り添えていないことになる。
作物も同じで、サインを読んで、それに応えてあげることで不自然さを生きないよう手伝うことができる。アブラムシがついたというサインがあるときに、野菜は何を欲しがっているのだろうか?
今回はとくに根と葉の話。
■まず骨としての根
根は、風に飛ばされないなど、構造を支える骨の役割を果たす。
野生のものほど、根がズドーンと地面にささっている。
たとえばタラノメ。山にある天然のタラノメは小ぶりで味が濃く、町で栽培されたタラノメは大きくて薄味。
栽培のはじめは、山にあったものを家の近くに植えたこと。植えかえるときに根が切れる。
切れたあとでまた根が生えてくるが、その時には真っ直ぐ構造を支えるのではなく、危機に瀕して必死で養分を吸うように広がったものになる。
すると地上部は大きくなる。
どんな風に自分の命を保とうとするかを観察し、利用する。キュウリは自然に1本で1kgくらいに成長し、200粒ほどの種を残ものが3つくらいできる。
そうなるまえに100gほどの食べごろで収穫すると、新たに子孫を残そうとして次のキュウリを作ろうとする。これを繰り返すと1kg×3本だったものが、100g×30本できる。
■腸としての根
根は養分を吸収する腸のようなもの。しかし消化前の食べ物を人間の腸や血液中に入れてもかえって弱ってしまうように、適切に消化されてから根に吸収されるのが健康な姿。
人間の腸内では、微生物が消化を助けているように、土の中でも小動物、微生物が消化を促進している。
たとえばミミズが食べた土では養分は1.4倍になる。
自然農で草を刈って敷く意味。植物が朽ちていく過程で「亡骸の層」がそこにできていく。
ミミズやヤスデ、また様々な微生物がかかわることで、順序を踏んで「消化」が進む。
自然農を始めた1年目には亡骸の層が充実していないので、一次的に収穫は減るが、だんだんと自然本来のサイクルとその生命力を取り戻していく。
作物自身が自然界の流れに沿って生きられるように育てることができれば強く育つ。
野菜では自然界の流れを利用する機能が退化しているが、自家栽培で種をとっていくことで自然界の力を利用する力を取り戻していくのを助けることができる。
■団粒構造
ミミズの糞は団粒構造になっている。この構造は、水はけがよく、水持ちがいい、という一見矛盾した性質を持つが、植物の栽培には適している。
隙間のある構造で、微生物が生きやすく、隙間に必要な水分を蓄えることができ、余分な水分は流れ出ていく。
水分が流れ出るときの負圧で新鮮な酸素が入ってくる。こうしたサイクルの中で亡骸の層は、生物たちにとって住みやすい環境になってくる。
草を刈るときにも、全部刈ってしまうと草を必要とする虫達の居場所がなくなるので、例えば半分ずつ刈るなど彼らの分も残しておく。
■葉と根の対称性
地上部の葉の広がり程度に、地下では根が広がっている。健康な植物の葉脈は対称性が保たれるが、不健康になると非対称になる。こうしたことから、地上部を観察することで根の状態を推測することができる。
■つぎに葉の話
葉の裏には「気孔」があり、呼吸や光合成の時に、酸素や二酸化炭素の出し入れをしている。
日中、光合成が起こる条件のときに水をやって気孔をふさいでしまうと、光合成が止まってしまう。夕立で水を得るのに適したように進化しているともいえる。
水滴はレンズとなって葉を焼くこともあるのでみずやりには注意が必要。
ちなみに移植も日射ない方がいい。
■植物の持つ、自己再吸収(?)の仕組み〜リーチング
植物が自分で持っている再吸収の仕組みをリーチングという。
例えば葉を落として土を作るなど。
根から吸い上げすぎた養分は葉の表面に蓄えられる。→朝露や雨で自分の足元に落ちるので、また拾うことができる。(自然農で草を刈って敷くのは、それを吸収しやすくする効果もある)
ネギの場合:直立に近い構造で、落ちた養分を全部拾うようになっている。
つまり自分自身のリーチング機能が発達している。
豆科の植物の場合:自分自身の機能としては発達していない。
しかし根粒菌(コンリュウキン)が空気中の窒素を固定して養分を作る。
植物はその菌を養うことで、リーチングのシステムができている。
■品種別のポイント
1.乾燥を好むもの
・スイカ・ニューメロン…最低気温が15℃以上になってから定植。浅植えし、株下に 草、生ヌカなどを敷き、行燈・ホットキャップで保温
・トマト・ミニトマト…無肥料地に、最低気温13℃以上で定植。
大玉・中玉トマトは 最初の果房が開花を始める頃に植えると初期の成長が落ち着く。
ミニトマトは、若苗 の定植可能。浅植えが基本。花芽を外側に植えると収穫が容易。
2.水が大好き
・キュウリ…1ヶ月前に鞍つきを準備。最低気温が13℃以上になってから定植。
定植位置は、畝の高さにそろえ、株下に草などをたっぷり敷く。
・ナス…高温性のため、最低気温が17℃以上になってから定植。
将来となりの株と 重ならないように、枝を畝に直角にし、浅植えする。
株下に草などをたっぷり敷く。
※例外
・シシトウ…乾燥すると辛くなりやすいので、甘とうがらしは、敷草をたっぷり。
・トウモロコシ…実をつけるための受粉には風が必要→2列以上植えること。
■以上で座学の時間はおしまい
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その後、みなさん各自のクラインガルテン・プランを練ったり、必要なタネを購入して過ごしました。
考えれば考えるほど、明日の作業量の多さに圧倒されてきます。
深く考えずに眠ることにしましょう。長い一日、みなさんお疲れさまでした。
レポート 二子
二日目(5/20)
今日は畑での実作業です。
<午前中の作業編> 7:00〜10:30
■道すがらのお話
・自然農畑
麦が大きく育っていました。その脇では小松菜 大根が育っています。
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移植されたピーマン 大根の花とレタスキャベツ
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絹さやエンドウ ねぎ たまねぎ
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バイオダイナミック農法畑の大根 レタス チンゲンサイ
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カブ 植え換え前のレタス ブロッコリー
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にんじん キャベツ 玉レタス
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大きくなってきたブロッコリー 小松菜 ジャガイモ
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ピーマン なす
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ズッキーニ ズッキーニときゅうりネット キャベツの花 キャベツ
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落ち葉と米ぬか 堆肥で発酵させた 踏み込み温床で夏野菜の苗(なす、ズッキーニ、かぼちゃ等々)が育成されていました。
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・前回作った丘苗代用の苗が発芽していました。数日前に厚く掛けてあった藁をどけました。
この時が一番とりに食べられやすいので対策が必要です。
糸をはるか パオパオなどで覆って鳥害を防ぎます。これをしないと2〜3時間ぐらいですべて食べられてしまうそうです。大きくなれば大丈夫です。
発芽すると鳥に狙われるのでパオパオで覆ってあります。来月田植えする苗たちです。
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・4月に移植したレタスと種を植えたじゃがいもの観察。草をかけておいた部分はそうでない部分と比べて草がありません。
光、温度、空気、水、土(地水火風空)のどれかが欠けると植物は育たないのですね。
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福岡自然農法畑はライ麦 ごぼう アスパラが出ており 大根菜の花が咲いていて桃源郷を彷彿とさせます。
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川口自然農畑の遠景と移植されたトマト
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・じゃがいもの葉の近くに、てんとう虫によく似たにじゅうや星てんとう(テントウムシダマシイ)が何匹か見つかりました。
てんとう虫のような黒い斑点がたくさんありますが埃をかぶったように少し色はくすんでいます。
てんとう虫もどきとも呼ばれ、じゃがいもナス科の葉を食べてしまうのです。
ジャガイモの葉をよく見ると食べられてメッシュ状になってしまっている箇所が見受けられます。
捕まえて、ぽちっとつぶしてしまってもよいですが、大群が押し寄せてこない限りはほっといで大丈夫だそうです。
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・夏草が育ってきました。一番目立つのが「あかざ」です。
葉っぱを裏返すと赤いのでそんな名がついたのでしょうか?真ん中はひまわりの周りがアカザです。
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若葉は、おひたしや白和えなどで食べるとおいしいそうです。
放っておくと2mにも成長します。茎が枯れて乾燥すると折れにくく軽くて丈夫な杖になります。
かの松尾芭蕉もあかざの杖をついて旅をしたとか。。。
昔の人の間では、この杖を使っていると通風にならないという縁起かつぎの意味もあったようです。
ちなみにほうれん草もあかざ科です。
・クリムソンクローバーがポッと明かりをともしたように赤い穂(花)を付けています。
花がイチゴの実に似ていることからストロベリートーチとも呼ばれることがあります。
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■さつまいも(紅あずま)の畝作り(高い畝を作ります。目的は乾燥した、陽が当たり暖かい場所を作るためです)
@草を刈ります。地際にかまの刃を入れ、絨毯をはがすように手前から奥へ刈ってゆきます。
よもぎは根っこから増えるので、根っこもとります。
A表土にくわを入れます。亡骸の層をよけておきます。
ミミズがたくさん出てきました。ミミズに触る時は、ミミズが火傷しないように軍手をしてあげましょう。
B畝を作ります。雨が降った次の日か次の次の日が土に湿り気があって畝作りに最適です。
畝の幅を決めたら、両サイドをシャベルで掘り、掘った土を真ん中に盛ります。
両サイドが掘られ、中央がこんもりとした山ができました。
山の頭をシャベルでたたきます。側面も土が落ちないようにシャベルや手でたたきます。
C畝の脇によけておいた亡骸の層や刈った草を溝に戻します。
Dさつまいもの苗を植えます。
まず、苗を置いて間隔をみます。植え方1、2のやり方で交互に植えます。
植え方1:船底型 船底型に土を掘り、苗を横たえるように置き、土をかけます。
植え方2:直差し 移植ゴテを垂直に土に差して横に倒して穴を開けます。苗を穴に入れて土を戻します。
E水は植えた日にはあげず、翌日にあげます。
F畝には、草はかけません。土を暖めてあげる為です。
メモ:
・さつまいもの原産国はメキシコを代表とする中央アメリカ、痩せている土地に適しています。
・育って葉が増えてきたら、葉を三枚くらい残して先を切り、土に差してやると育ちます。
・霜には弱い。信州は遅霜があるので怖いのだそうです。。。
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■とうもろこし(モチットコーン)と枝豆(奥原早生)の畝作り
@草を刈ります。
A表土にくわを入れます。亡骸の層をよけておきます。
B畝を作ります。畝の幅を決めたら、片側だけシャベルを入れ、掘った土を真ん中に盛ります。
鍬でならします。でこぼこがあると窪んだところに水がたまってしまうからです。
C畝の脇によけておいた亡骸の層を溝に戻します。
Dとうもろこし、枝豆の種を蒔きます。
鍬で溝を3列掘ります。溝を手の側面でトントンと押さえます。
とうもろこしは、2粒ちょっと離して置き、次の2粒は50センチ程度間隔をあけます。
枝豆も2粒ちょっと離して置き、次の2粒は30センチ程度間隔をあけます。
枝豆を真ん中の溝にとうもろこしを脇の2列に蒔きます。
E種の2〜3倍の土をかぶせます。
Fかぶせた土を踏んで固めます。もともとの土が固い土地の場合は、手でやさしく押してやる程度にします。
G水はやりません。
H刈った麦をかぶせます。出てきた芽が鳥から見えないようにする為です。
発芽可能なようににツンツンした草を選びます。丸い大きな葉だと影ができてしまい発芽を阻害します。
メモ:
・品種は、生育の早い遅いによって極早生、早生、中生、晩生のものに分けられます。
奥原早生を選んだ訳は、枝豆が先に育つ事で、とうもろこしと光を奪い合わないようにという配慮です。
・鳥の被害が甚大なところでは、パオパオをかけるか糸を張ります。
・とうもろこしは、自然に種が土に落ちただけでは発芽しません。人の手で種を蒔いてやらなければなりません。
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■とうもろこしと枝豆を草の中に蒔く方法
@草を少しよけ、指で種の2〜3倍の深さの穴を作り、種を蒔きます。
とうもろこしは1粒、30センチ離して枝豆を2粒、少し離して蒔きます。
A土をかけ、手でおさえます。
(その5)なす(小布施丸ナス、ローサビアンカ)の定植:草の中に植える
@草を刈ります。
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A表土をどけます。
B苗を植える穴を掘ります。苗床と地面が同じ高さになるように穴を掘ります。土は脇へよけておきます。
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C苗を穴にセットします。脇へよけておいた土をかぶせます。
D苗の周りに刈った草を配置します。
E株元にだけ水をあげます。水が染み込むのを待って、2回ほど水をあげます。
水は穴を掘った段階で、穴に水を入れても良いです。
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F米ぬかを周りに草の上からたっぷりかけます。直接土にはかけないようにします。
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G根っこが生えている範囲を避けて、支柱となる竹を立てます。
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メモ:
・ナスの原産国はインド、肥えている土地に適しています。
「秋ナスは嫁に食わすな」ということわざには、3つの解釈があるそうです。
・「ナスは身体を冷やし組織を緩めるので流産しやすいから」妊娠中の嫁に食わすな
・「種子が少ない野菜なので、子種がない=縁起が悪いから」跡取りを産む嫁に食わすな
・「こんなに美味くて、食べさせるのは勿体無いから」憎い嫁に食わすな
秋ナスは、えぐ味や種が少なくて実の締りが良く、肉厚でとても美味しいのだそうです。収穫祭楽しみですね〜♪
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先月蒔いた小松菜が大きく育ってきています。間引きをしながら食べられます。
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■トマト(ブリティッシュゴールデン)の定植
@草を刈ります。
A支柱となる竹(120センチ位)を地中30センチくらい斜めに差します。
もう一本斜めにさしたものとバッテンを作り、交差部分を麻紐で留めます。
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B苗を植えます。土に埋もれてしまう部分の枝を落とします。
船底型に土を掘り、苗を横たえます。この時、花芽が外側に向くようにします。
土をかけます。
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C足でよく踏みます。
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D草をかけます。根が張るまでは水が要るので乾燥させないためです。
E水はあげません。
F支柱に苗を麻紐で軽く括り付けます。八の字を作って2つの輪を支柱と苗に通します。
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■ミニトマトの定植:トマトとの違いだけ記載します。
@苗は直差しします。苗床が地面より高くなるように穴を堀ります。土をかけるとこんもりとします。
A草はかけません。
■黒ピーマンの定植:トマトとの違いだけ記載します。
@苗は直差しします。苗床が地面と同じになるように穴を堀ります。
A草はかけません。
待ちに待ったブランチタイム。お腹ぺこぺこ、ますますご飯がおいしい!
食後はみんなまったりタイム。ぐっさんのギターにのせて、西川だんなさんの「青空」が流れる。
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にゃーにゃーにゃにゃにゃー♪と口ずさむ。なんてホノボノと楽しいひと時なんだろう。心がホカホカしてる。
満員電車でヘッドフォンの音漏れ程度にブチ切れてる人間の心と同じ心とは思えない。
今はなんでも許せそうだ。そうやって、心のベールを一つ脱ぎ、また一つ脱いでゆけば・・・
おっと、エ(コロジー)ロ(ハス)な話しになっていってしまう!この辺でやめておきましょう。
ちょっと内輪ネタだったかなf(^^;)
お腹も心も満タンになり、午後の作業に突入です。
<午後の作業編>12:00〜15:00
午後の実習では、各自のプランに沿って夏野菜 トマト ピーマン ナス ズキーニ等の植え付けです。
■かぼちゃの種まき
@草を刈ります。
A種の2〜3倍の深さで15センチ四方くらいの穴を掘ります。
B均等間隔で指で種を蒔く場所を記し付け、種を5粒蒔きます。
C土をかぶせます。
D草をかけます。
■おくらの種まき
@指で蒔き穴を作ります。
A一つの蒔き穴に5粒づつ入れ、土をかけ、手で押さえます。
B草をかけます。オクラはまっすぐな根なので植え替えを嫌います。間引いて1本立ちにします。
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■おくらの定植
@草を刈ります。
A苗床と地面が同じになるように穴を掘ります。乾燥しているときは穴に水をやります。
B苗を一本穴に入れ、土をかけ、手で押さえます。
C周りの草を刈り、そのままにします。
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■落花生の種まき
@草を刈ります。
A指で蒔き穴を作ります。
B1つの蒔き穴に1粒入れ、土をかけ、手で押さえます。
C草をかけます。
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■ながいもの植え付け
@草を刈ります。
A長いもの長さと同じ長さの穴を掘ります。
B穴に長いもを横置きし、土をかけ、手で押さえます。
C草をかけます。
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■前回蒔いたレタスキャベツが大きく育っていました。一つ一つ移植をしてあげます。
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■冬草について
夏草も育ってきましたが、まだ冬草であるナズナやカラスのエンドウ、ヒメジオンが生えています。
これから枯れてゆく冬草は刈りません。
なぜなら、刈ると夏草が出てきてしまうし、草が生えていれば鳥達に種が見つかりづらいからです。
こんな合理的な方法を自然は、まさに自然にやってのけているのです。
何事も自然のままであるのが正しい姿なのですね。
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■畑の様子
二十日大根、小松菜が収穫できた畑もありました。
二十日大根は「カラフルファイブ」という五種類の種がまざっている種だったので、
ピンクや紫、赤と色とりどりの二十日大根が育ちました。
夏草が生え、支柱も立ち、益々畑らしくなってきました。
みんな4月に立てたプランの大部分の植え付けが済んだようです。収穫が楽しみですね!!
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「答えは自然の中にある」と臼井さん。
人の言うことは間違いが多い 自然をよく観察することで答えが得られます。
信じるものは救われません。それが正しいか正しくないかの判断力を持つことの方が大事です。
はじめは上手くいかなく、悩み考える(四苦八苦する)。
四苦八苦した結果、ようやくありのままに見る心が育ってゆく(八正道の一つ「正見(しょうけん)」)。
自然農と釈迦の教えがリンクするなんて!
自然農の学習は技術の習得だけに留まらない・・・まさにその通りだと思った。
同じ種でも時と場所によって生育は違ってくる、そういった状況を把握して、
適切な判断を下せる臨機応変さ、ありのままに見る目を養っていけるだろうか?
そして、日常生活の中でも変わらず、実践してゆけるだろうか?
今その一歩を踏み出したばかり、焦らず楽しんで学んでゆきたいと思っています。
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KEN@シャロム
自然農は単なる農業技術でないところが学ぶ点の多いところです。
競争より共生 21世紀の生き方をかいま見ることができます。
敵と言われる草や虫 本当はこちらの方がホリスティックやマクロな視点で見ると有益なものです。
短いスパンで見るのでなく長期的に 次元をあげてみる きっとおのおのの役割が見えてくると思います。
共に生きる生き方 これから我々人類が目指さなければいけない生き方です。
それが自然農の畑の中にあります。
畑にキャベツを2個作り 他はすべて排他する。そうすれば虫がキャベツに飛んできます。
ニューヨークという町があります。ツインタワーが2個あります。
他はすべて排他されています。
虫が飛んできて9.11が起こります。
畑も経済活動も一緒なのです。
虫だって雑草だってけして敵ではない 生かしあい支えあう関係が大事です。共生です。
臼井さん ほんとにそうなんですよね〜。
これは人、個人個人にも言えることで第一期生内のなかだけでも全員がきっとそれぞれ個性を持った役割があると確信しております。
僕個人もまだまだ未熟な部分があり、きっとしなければいけない役割をはたせていない部分がありますが、それもまたともに学びともに発展していくことだと思っています。
なにかリンクしたひとと、もっとゆっくりじっくりかかわれる機会が持てたらいいなー とも思いました。 仙台 三浦
以上、あー(新居)によるレポートでした☆ |