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北アルプスは雪で真っ白です。森は紅葉が終わりかけ 落ち葉がうつくしいですね。

安曇野自然農塾 11月15日(土)     レポート担当:山口まどか

はらはらと落ち葉の舞う中、11月の自然農塾が始まりました。

 今回はお米とお蕎麦の脱穀。 とうとう私たちの手がけたお米を戴ける時が来ました!

さて、まずは蕎麦の脱穀から。

今回収穫した蕎麦は、佐伯さんのお師匠さん、美斉津さんの畑出身の在来蕎麦。

とても歩留まりが良い(実の入りが良い)ものだそうです。

8月、草むらにぱらぱら〜っと種を蒔いて草を伏せておいただけで、10月には立派に実をつけ収穫。その間、約2ヶ月。草よりも早く成長する為、特に手を掛けなくてもちゃーんと育ちます。

ビニルシートにゴザを敷き、その上で蕎麦を板にたたきつける、木の棒で叩く、などして実を落とす。けっこう簡単に落ちる。

  

キングタライと箕を使ってふるいに掛けていく。さらにメッシュの細かいふるいにかけ、実と葉や枝などを選別。

唐箕にかける。ハンドルを回しながら少しずつ扉を開けると、蕎麦の実はさらさらと落ちてきて、葉っぱ屑はふわっと宙に舞って飛んでいく。何回かかける。

仕上げにもう一度ふるいに通して出来上がり!

これが玄蕎です。

実をとった残りの枝を、竹内さんは小麦の下に敷いておくそうです。(蕎麦の生えていた所)

蕎麦を植えた後は、雑草を押さえる力があり(アレロパシー)、野菜も育たなくなる。

その力は竹藪をも押さえてしまうほど。何か後に植えるとしたら小麦が一番良い。

そんな強者なので、残りの枝や実を、蕎麦の出てきて欲しくない所には置かないように注意が必要。

石臼で蕎麦を碾きます。

 

ポイントは実を良く乾燥させておくこと。

 

石臼の上に実を置いて、少しずつ穴に落としながら、ゆっくりと左回りに回していく。

この、左回り、というのも意味があって、陰陽の世界では、右回りは結ぶということ、左回りはほどくということだそうです。

すると石臼の間から蕎麦粉が擂り出されてくる。

一度碾いたものをふるいに掛け、蕎麦殻を取り除き(ソバガラ枕の蕎麦殻です!)、もう一度石臼に掛けて二度碾きにする。

一人前〜二人前碾くのに30分かかるというのも納得。本当に地道な作業でした。

機械でやると、早いけど熱で風味が飛んでしまうとのことです。

 私たちがやっとこさ碾いた蕎麦粉!とても全員の分には足りないけれど、格別の味がすることでしょう。これは後のお楽しみ。

 お次はお米の脱穀です。

田んぼに稲架掛けしてあった稲を、臼井さんが運んでおいてくれました。

 

 

今回作ったお米は、農林48号と信濃しんこう

麦の脱穀の時にも使った、足踏み脱穀機の登場です。

足でペダルを踏んで歯の回転をあげ、そこに稲穂を当てて籾をとっていく。

歯がブンブン回転する音と、籾がパチパチ弾ける音が何ともいい感じ。

 

千歯こきまで登場。

稲穂を歯にひっかけて引っ張るという単純作業ですが、どうしてなかなか、綺麗に籾を外すのは難しい。

 

籾を集めてふるいに掛け、そして唐箕に掛ける。

  

脱穀完了!

今回は白米が大袋で4袋(約80kg)、紫米が大袋で一袋(約20kg)の収量でした。

昨年より多いとのこと。

このお米は、竹内さんが精米してきてくれるそうで、明日、いよいよ明日です! 

温泉に入ってさっぱりとしたところで、本日のお楽しみ、蕎麦打ち教室。

シャロムから車で5分という所にある、そば処『ふじもり』より、藤森夫妻が蕎麦打ちを教えに来てくださいました。

笑顔の温かい素敵なご夫婦です。

カラーの冊子まで用意していただきました。

長野の情報誌 naoに素敵に紹介されています。

http://www.nao-magazine.jp/opennews/archive/000344.html

そば処 ふじもり http://www.fujiforest.co.jp/osoba/index.html

使用する蕎麦粉はもちろん、今日みんなで碾いたもの!

足りない分は用意してもらった蕎麦粉を使います。

今回は十割蕎麦にチャレンジ。

 まずは計量。粉も水も、デジタル計量器で正確に計る。

水はなるべく軟水が良い。

蕎麦粉と小麦粉の割合や、粉の状況によって加水率は変わってくる。

 粉に水を廻していく。

3,4回くらいに分けて水を差しながら、五本の指で円を描くように廻す。

 

くるくるぱっぱっ♪ くるくるぱっぱっ♪

 

おから状になるように、時々手のひらで粉を擦る。

すりすり〜♪

 

だんだんおから状の粒が大きくなって、団子ができてきたら、一つにまとめて捏ね始める。

今回は十割蕎麦なのであまり捏ねなくてOK。

小麦粉が入ったときは、もっとしっかり捏ねていくとのこと。

 

菊練りをして、生地の状態を均等にし、中の空気を抜く。

あっという間に菊のお花の出来上がり!美しい。

延しのやり方にも何通りかあるそうですが、今回はペッタンペッタン方式で。

打ち粉は蕎麦の実の中心部分の粉。

 

まずは手のひらで平たくしてから、伸し棒で少しずつ延ばしていく。

 

ある程度延びたら生地を棒に巻き付けて、そのまま転がし、ペッタンペッタン♪

巻いてペッタンして開いて、向きを変えて、巻いてペッタンして開いて、

そうこうするうちに、四角く大きな生地になっていた。

仕上げに棒で均一に延ばしたら、打ち粉をたくさん打って畳む。

 

蕎麦切り包丁登場。

駒板に包丁を当てながら切っていく。

タンタンタンタンタン・・・

 

見よこの真剣な眼差し!

均一に切り出される蕎麦の美しさは、まさに職人技!

余分な打ち粉を落として、完成。

 

さて、私たちの番です。

ちょっと控えめに、二八で挑戦。

 

まずはあいちゃんがくるくるぱっぱっ♪

可愛い菊になっていますね。

 

お次はあきらさんがペッタンペッタン♪

器用(貧乏?)というだけあって、いい手つき。

みかえさんが切る。タンタンタン・・・

竹内さんが切る。タンタンタン・・・

ひろみちゃん、りこさん、みずえちゃんと続き・・・

無事、完成しましたぁ〜!

 いよいよ茹でに入ります。

大きい鍋にいっぱい、お湯を沸かす。

つながっている方を下にして鍋に入れる。

十割の場合は20秒で十分。

小麦粉の割合が増えるほど、茹で時間も長くなる。

鍋から上げたらすぐに水で洗う。ぬめりが無くなるまで。

氷水でしめる。

水を切って・・・出来上がり☆

 

この時すでに8時をまわっており、つやつやのお蕎麦を目の前にしたみんなの空腹感はピークに。

地下の食卓までダッシュして、できたてほやほやをかきこみました。

最後まで蕎麦を茹でてくださった皆様、お先にすみません、ありがとうございます。

蕎麦の極意『三たて』

挽きたて  打ちたて  茹でたて

 

まさにこの三拍子そろったお蕎麦を、自分たちの手をかけていただくことができる幸せ!絶品でした。

十割の喉越しの良さに驚きました。

たまにジャリッともしたけど、それはそれで、良し。

本当に美味しかった!

 

裕子さんの天ぷらにゆかりのおむすび、心ある方の一品差し入れ、お酒の差し入れ・・・

豊かな食卓を囲み、豊かな時が流れていきました。

居酒屋『中さん』はずいぶん遅くまで営業していたとかいないとか・・・

 王子は素敵な種まきをしていました。

春になったら、いろんなところで新しい生命が芽を吹くことでしょう。

 みんなとすごす時間は、温かくって優しくって心地よい。

こんな時をみなさんと共有できることに、心から感謝です。

ありがとうございます。                 まぁやん

あずみの自然農塾 11月16日(日)レポート 担当:小林 新

11月16日(日)

ヨガ開始10分前までみんなぐっすり。あわてて飛び起きる。

まだ薄暗い中、みんなの畑で収穫など。

 

7:30 田んぼに移動 来年の「苗代(なわしろ)作り」スタート!

田んぼは稲刈り前に種をまいたレンゲと大麦が成長していた。

麦踏みは年内に2回、年明けに1回、上からではなく横に倒すように踏む。

<苗代の大きさ>

苗代は、1反の田んぼの場合 → 1.21.5m×15m(1822.5平方メートル)

シャロムの田んぼは3畝なので → 1.21.5m×4.5m(5.46.7平方メートル)

(※ 1反=10畝=300坪=約10アール)

田植えの条間 株間の間隔よっても変わる。 シャロムの場合は 条間 40p 株間30p

<苗代を作る場所>

田んぼの中で一番日当たりのいいところ。

少し高くなっているところ。

水口が遠い所

<苗代の作り方>

苗代はお米の赤ちゃん(苗)を育てる場所。赤ちゃんのベッドを作るつもりでトライ!

1.田んぼの上を鍬ではがす。レンゲや麦・稲の株を残さずていねいにはがす。
(はがしたレンゲなどの草・種は、今年苗代だった場所へ持って行く。苗代部分は低くなってしまうので


2.鍬で根切りしながら土の高さ、固さを一定にしていく。
(ここはお米の幼稚園。誰もが一様に育つ環境を作ることが大事。 そのためには、土の固さ、高さ、粒子など条件を同じすること)



3.苗代の周りにスコップなどで溝を掘り、掘った土は苗代の低いところへ蒔く。
(作業は苗代の外から。中からやると体重などで高さにムラが出来てしまう)

4.固まった土を手でバラバラバララ〜とほぐす

5.鍬の背でプレスしながら平らにしていく。最後には手のひらでプレス。
また苗代の角は、崩れやすいため念入りにプレス。
(土は見るからにフカフカ状態。かなり良質なベッドに。眠りたい。)

 

6.米ぬかを蒔く。こうして米ぬかを田んぼに返す 循環があり無駄がないですね。


7.わらを、薄い所がないように、均一にのせていく。
(はじめは4当分した長さのわらをバラまき。
 〜続いて、縦2列に厚めにのせていく。溝に5センチ程度はみ出るぐらいに。)


8.風で飛ばないように棒をのせて出来上がり!(拍手)今回は不織布パオパオがあったのでかけてました。これは春に 雀除けと保温に使った物です。


9.余ったわらは、レンゲが薄いところにまく。
(レンゲがあるところは窒素が固定されて土が豊か。それをわらで補う。
わらは朽ちるときに有機酸をだして草を押さえる役割をする。麦米連続不耕起栽培は麦の除草に果たす役割が大きい)

シャロムに戻って、いよいよ脱穀し精米したての新米を炊く。

<良いお米>

胚芽がついているもの(胚芽は油。長くとっておくと酸化するため早めに食べるべし)今擂り米が1番おいしい

割れていないもの

同じ大きさのもの

 <新米の炊き方のコツ>

新米は水加減少なめで炊く

水につけて二時間後に炊くと良い。

米と米とすりあわせることが研ぐこと。
たくさんのお米を一度に炊くとおいしい。(より多くの米をすり合わせられるため)

臼井さん直伝の米米ソング

『最初チョロチョロ中パッパ 
シューシューいったら火を引いて 
三歩下がって猿昼寝(サルカニ合戦のたとえのようにサルがいたのではカニ(穴が)出てこれません これは蒸らしの時間
赤子泣いても蓋取るな
 そこにばあさまやってきて 藁しべ一足くれたとさ』

これで焦げ目のないおいしいご飯が炊きあがります。昔の人の知恵は素晴らしいですね。
沸騰して5分から10分で火を引いて蒸らし10分
 約25分でおいしいご飯が炊きあがります。

ぬかを使った「ぬかくど」、藁を使った「かまど敷き」など、
米周りの調理には、米周りのものが循環していた昔の食卓の姿を教えてもらう。
理に叶っていて、一切の無駄のない循環型社会。
それに比べて今の社会の、如何に無駄の多いことでしょう。いやはや、レトロりブレイション 温故知新。

30分後〜・・・新米は、ばっちりの炊きあがりで完成!

真っ白いご飯をほおばる時は、何にも代え難い幸せの瞬間。本当においひい。
苗代を作り 籾を蒔いて 田植え 除草 稲刈り ハゼかけ 落ち穂拾い 脱穀 精米 羽釜で炊きあげ 
ご飯を食べるまでに約1年 まさにスローフード 一粒もおろそかにできません。

皆さんで持ち寄った「ご飯に合うシンプルでしょっぱいおかず」をおかずに、ブランチ。

デザートには、恒例の発酵王子のロールケーキ。

甘さの中にも私がほんのり感じた塩気は、おそらく、来月の最終回を想いこぼれた、王子の、涙・・・。

午後は、やちさんによるアースアート&箸作りのワークショップ。

みんなで和気あいあい、作品や箸がどんどん出来上がっていきました。

シャロムのテラスは、いいヒノキの香りに包まれました。

私は箸作りに始終。ひたすらさいばし作りに夢中。(何故かちょっとラップ調)

やちさん、ありがとうございました。

 

一通り作品が出来上がった所で、雨もやんだので畑へ。

大根、白菜、カブ、水菜、チンゲンサイ、サトイモなど秋野菜の収穫も佳境に。

今年も終わりの季節です・・・。嗚呼さみしス。

来月はいよいよ、ギャザリング?という名の最終回。

出会えたことに感謝して、再び笑顔でお会いしましょう!

今回もおつかれさまでした!                         小林 新

畑の様子です。葉物類が見事に実っています。


皆様どうもこんにちは。
こちらは雪も舞い散る季節なりました。
とりあえず、寒くて大阪人には長野の冬は厳しいです。
 
今回のシャロムで、お米の儚さに感動してしまった私。
お米に感謝の気持ちを捧げたくて、メールを書きました。
 
いつも普通に食べているお米だけど・・。
お茶碗一杯のお米が出来るまで、
どれだけたくさんの人の愛情と手間暇をかけられたのかよく分かりました。
お米は香り高き食卓の王様なんだ。
お米を無駄にはできない。
 
来年は少しでもいいから米を作ろう。
日本中の人にこの米のうまさと大切さを伝えたい。
 
「小さな種一つからたくさんの実がなる。」
単純だけど、自然のすばらしさを教えてくださった。
 
お米さん、ありがとう。
 
そしておいしいお米を作ってくれたみんなにありがとう。
 
石田広幸より