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2008年 あずみの自然農塾  

4
20日(日)の一日 

第2回安曇野自然農塾 レポート

       

4月19日

14時シャロムの庭先に黄色や白のラッパ水仙と満開の桜を眺めながら、

竹内さんから並んだ種袋を前に話を聞きました。印象に残ったことを挙げると 

    1.クリムソンクローバー(別名ストロベリーキャンドル)ねこじゃらしが赤く咲いた花でマメ科の植物のため根粒菌、たまねぎと一緒に植えたり、畑のあまった所に植えると良い。クローバーの内で一番弱い一年草。

    2.畑に赤い花があるとアブラムシが来なくなる。クローバー、赤レタス、トマト、赤しそを畑の中に植えると良い。好きな色は黄色でアブラナ科のものに向かっていく。

    3.虫が来たらどうしようかではなく、虫が来ない畑にする、虫が出たらどうしてかなど来年の診断に使うと良い。

    4.野菜の冬草リズムは秋に種をこぼし、秋に生育し、冬を越す、春に花を咲かす実をつけ、種を残す、夏休眠し (小麦、菜花など)

      夏草リズムは 4月終わりから夏と共に生育し、夏ぐったり (なす、ピーマン、トマトなど)

    5.本来冬草ですが、今蒔くとすぐ花が咲いてしまう(春蒔き)ものに大根、人参,キャベツなどがあります。

6.日付カレンダーだけでなく生物カレンダー・・さくらや菜花などをみて・・その地域の生物リズムにあったものを選ぶ

塾生の皆さんが揃ったところで、   

T。種芋の準備をしました。(今回の種芋はオオジロと男爵の二種類です)

1.じゃがいもは冬草、標高4,000メートルのペルーが原産地なので、紫外線・乾燥に強く平均温度17度前後で生育します。太っているところは茎、日に当たると緑となり美味しくないためダンボールに入れておきます。

2.手順 頭を見つけかぎとり→お尻(根っこと繋がった所)を探し、その対極にある頭とを結んだところを切る→切り口を新聞紙で水分を取り乾燥させる。(灰で塗る必要はない)種芋が大きいものは2分割します。1個が約50g

   

             尻尾と頭の間に流れの道があり、それをみて皆「ウォー」と感嘆の声 

流れを分断すると失敗するときがあり、その時は竹内さんはつるなしインゲンを入れるそうです。頭には沢山芽出ている為茎は細い、それらを切り取ることで他の芽の太い茎を成長させます。ひとつの種芋には芽が2−3つあればよく、4つ以上のときは更に同じ向きで分割します。 

  「自然農ではこうしなきゃいけないことはない。・・・耕さない、生命の営みを大切にする、草を抜かない・・・各自がそこでやりながらその土地、土地に合わせた工夫をすると必然的にオリジナリティとなっていく。」という竹内さんの言葉が印象的でした。

U。つぎは種籾水選です。

   

 種籾は昨年シャロムで取れたもち米の「黒米」と館野さんから頂いたうるち米「のうりん48号」です

方法: ボールに水をいれる→かき回す→あみで上のものをすくう→水を捨て残った米を乾燥する。 

参考までに

1.もち米は切ったとき白く、うるち米は透明。

2.籾は白米・胚芽・糠と分かれており栄養素の高い胚芽と糠を取ってしまった白米は書いて「かす」と読んだりします。

3.農家では玉葱の袋に種籾を入れ温湯(おんとう)消毒する(いもち病の予防の為)

10日前60度のお湯に7分〜10分入れるすぐ冷やす  

塩水選 (コシヒカリでは10度の水に10日間漬ける) 

(塩水選の濃度は1.13% 卵が横に浮く濃度。場所によって塩の変わりに泥を使います)

何故かと言うと自然農では出来た苗の内太い物だけ選ぶ(苗になった状態で選ぶ)が農家では苗を作る段階で均一に成長させます。元来米は沼地にあって、蒔くとばらばらに生えて育つため収穫が一度に出来ません。それに反して麦は蒔くと一斉に育ち刈り取れます。また 苗床から田に植え替えるのは根切りといって一度土を代えることで根が切れ根の成長が促進され、実の収穫も増えます。

4.三畝で一合の種籾を使います。シャロムの畑は一反(300坪)7合の種籾を使います。

  一畝は30坪、十畝は1反

5.水選で浮いた籾の中には実が充実していないだけのものもあり、それは食べられます。黒米は比重が軽いため浮く割合が多いです

 

菜花は頭を切るとわきめからまた花が咲くよ。何回も食べれるよ

  (蕎麦、バジル、春菊なども生命を存続させるため種を残そうとするサブシステムがある) 

V.種蒔ハウスの中で前回種まきした小布施丸茄子・ストロベリートマト・バナナピーマン・万願寺唐辛子の生長を見学。

W.昨年植えたレタスの移植をしました。

畑の中で冬草に埋もれたレタスを発見。小さなレタスは冬草に覆われていますが、冬草を全部刈らず、隠れている部分のみ刈ります。刈ると直接風にあたり、かれてしまったり、刈ったあとに夏草が出て、さらにたちが悪い草が出るくるそうです。

単独で生えているものはそのまま。2つ3つくっついているものを空いた場所に移します。まず全体をみて空いている場所にスコップで穴をあける。(移植するときは朝、曇っている日に)。次に小さい方のレタスの周囲を根を切らないように垂直にスコップを四方向に入れ採ります。先程の穴に入れ周囲の土をかけ、根元に空気が残らないよう土を押さえます。空気が残っている・草と土を混ぜると根が腐ってしまいます。 

X。じゃがいも等の種まき

1.じゃがいもの種まき

  埋める前に軽く雑草を切ります。 

  1−1 斜めに鍬を入れ、穴を開け、その中にじゃがいもを入れる。穴の深さはじゃがいもが3つ入る深さ。芋を入れたらそのまま鍬を抜き、土の上を足で踏みます。芋と芋の間は30cm

 1−2 耕した畑や肥えていない所では60cm間隔にし、あいだにつるなしインゲン豆を入れたりします。

 1−3 スコップで穴を掘って行なうときはレタスと同様に植えるところだけ刈り、芋3個分の深さの穴を掘り、入れた後土を塚のように盛り押さえつけ、もとあった順で土をもどす。円形にしたその周囲は少し低くし水が溜まらないにします。 その上に草は置かず、乾燥させ、地熱を生かす。

 

1.二十日大根の蒔き方 (収穫には30−40日かかる)

@     畝間に立ち鋸鎌で手前から雑草を畝の真ん中位まで手前から刈っていく。

A     蒔くところより大きめに、今日蒔く分だけ刈る。

B     鍬で表面の土を削り、片側によせる。雑草の根を切る。

C     鎌の背で筋をつけ、2cm間隔で1粒づつ置いていく。

花が咲くのをイメージしながらすると発芽する。

D指で両側の土をかぶるくらいに寄せ、土同士を密着させる。

 二十日大根が芽を出した状態がカイワレ大根。芽が密集すると根が太らないので、間隔を開けて植えその時大きさに合わせて間引きする。

(成長に合わせた大きくなっていく かぶやにんじんも同様)

 二十日大根は味噌漬けにするとおいしい。 

2.春菊の蒔き方

  鎌の背で筋をつけ、その上に蒔き、手で軽く押さえ、刈った草を少し置き、表面が乾かないよう置き、軽く押さえる。

3.青梗菜

指の間からぱらぱらと蒔く。鎌の背で斜めに土を叩く。

4.小松菜

  種をつまんで蒔く。鎌の背で斜めに土を叩く。手で押さえる。

作業を行なっている途中で@ねずみの穴を発見。踵で踏んで穴道にそって潰して行き、再侵入を防ぐ。Aねずみに首を食われた大根を発見。みんなで一口づつかじり、洋ナシのような甘い大根を試食した。

 

Y。前回同様に温泉へ(畑での勉強中、日が翳りとても寒く震えていました。 

Z。裕子さんの「自然農ビュフェ春」です。

1.シャロムの玄米ご飯 2.甘草とのりの味噌汁 3.ふきのとうのコロッケ

4.人参とりんごのサラダ 5.菜花の和え物・えごま油 6.かぼちゃのグラタン

7.お漬物 8.さくら餅 

  一品一品手の込んだおもてなし料理ありがとうございました。 

Z。「自分の自然農畑の設計」

じっくり考え、きちんと設計図を描いてきた方、とにかく描いてはきたもののまだ迷っている方、どなたも一生懸命考え、先生にお知恵を沢山いだだきどうにかプランを立てることが出来ました。竹内先生同じような質問に丁寧に相談乗っていただきありがとうございました。 

AM:苗床へ種籾を蒔く

PM:各自の畑での種まき、苗の植え替え

2日目のレポート 

いざ田んぼへ

  前夜遅くまでの意見交換にも関わらず定刻に全員集合。

 4台の車が可愛い応援団長はぐちゃん、素敵な助人五日さん、安曇野の植田さんを除き18名の研修生を乗せてシャロムを出発 途中、柏矢町駅近くで植田さんと合流し、無事田んぼに到着。目指す田はどこかと捜すうち稲の切り株と黒い土、麦とレンゲの緑に2分された田が目指す田である事が判明。

それは100坪程の面積、道路と人家、田に囲まれた3角形の田んぼでした。すぐに田に入り麦を一本取るなどしているうちに、臼井の大将に続いて若大将の竹さん到着。

  1・田の一角にある藁で覆われた苗床を前にしての説明

    苗床の周りは15a位の溝(モグラに荒らされないように)が掘られて、周囲の田と区別されていた

※ モグラは地下20cm程度の場所を水平移動するので、15cm程度掘り起こせば、モグラは光を敬遠し近づかない。

モグラのトンネルに落ちるミミズもおり(もちろんミミズの運命はここまで?)、またトンネルにネズミが巣を作るとの事(モグラとネズミの争いは起きないのですかね?)

モグラは食いだめが出来ないのでいつも食べていなければならない生き物

   @ 大麦、レンゲの種は稲刈りの前に播き、

   A 稲刈りの後、田の水を落としてからこの苗床を作った。  

   B この大麦は田植え前に収穫します(この説明を受けてから、足元に注意したのですがすでに手遅れ。麦を踏んでしまいました)。

そしてレンゲは5月に咲き始めるのですが、その後の運命は?

    ※ 麦麹は発酵が早いので、麦味噌は頻会に作れるとの事

     マメ科のレンゲは窒素を固定し、また夏草の生育を抑えてくれる効果あり

  2・苗床に籾を播く準備

@       昨年作った苗床から、覆っている藁と固定のための棒を取り除く

今回は表面に白い物体が付いていました

A       クワを使って、苗床の表土を削って草などの種を取り除き、同時に表面を平にする。

   

  この時、ミミズが一杯出てきましたが、ミミズの体温は低いので人間の素手で掴むと火傷をします。取り扱い注意!(人間が60度位の熱を持った大きなピンセットで摘み上げられるような状態でしょうか?)

B       苗床の表面を平にしたら鍬で圧迫、さらに人の手で表面を修正しながらさらに圧迫する(人の手で行なう事で苗床をより水平な位置から見ることが出来、表面の凸凹がよく分かる。)

※ 床を平にする理由は、凹の部分に水が溜まりその場所の籾が腐ってしまうのを防ぐため

※ 自然農では、最初に手間を掛けるときには一杯手間を掛けることを大切にしている(子育てと同じ!)

C       苗床の側面を足で踏み固めて、苗床を安定させる

D       苗床に籾をなるべく均等に播き、籾が1a間隔になるよう一粒、一粒人の手で修正する。今年はうるち米ともち米を播きました。

  

※ 自然農の先達には、9種類の籾を播く方も居るそうです。

※ 列を作って並べなくてよいと大将からのコメント

※ 近くで修正し、時に遠くから全体を見るとうまく修正出来ます。

E       人の手で苗床を叩き、苗を苗床に固定する。

土と固定することで土と馴染み、発芽がしやすい状態にする

※ 籾の発芽した当初、籾は乳液状になっており、一番美味しい状態なので雀による横取りがあります。

※ 真下に叩くことが大切です。

   F 苗床に土を掛ける。両手で揉みながら籾が見えなくなる程度に掛ける。

※ 掛ける土は、別の場所の表土(草の種のある場所)を削り落とし、その下から掘り起こした土を使用する。

G     その上に、さらに先月の講座で作ったクン炭を播く

※ これをすることでネズミ除け(匂いが嫌い?)になるそうです。

   H 再度、鍬で苗床を圧迫する。

     下の土と上の土・クン炭を馴染ませる事で水の吸い上げが容易に出来る

     このとき苗床に乗って行なってもいいが、踵の付いた靴は使用しない。踵の部分が窪み、表面に凸凹が出来てしまいます。

       

I     23pに切断した藁を土が見えなくなる程度まで苗床に均等に撒く

目的は、苗床の保水、保温のため。

特に苗床の端は外気と接する面積が広いので特にしっかり敷く事

  ※ 工程D〜Iについては、苗床の周囲には特に注意して行なうこと

   J クワを用いて切断した藁の上から、再度苗床を圧迫する。

このとき苗床に乗って行なってもいいが、踵の付いた靴は使用しないこと。踵の部分が窪み、表面に凸凹が出来ます。

K     工程@で外した藁を苗床に敷き、その上に昨年収穫後に確保した藁をさらに10a程度の厚みを持たせるように敷く

  

小さく切った藁は毛布。乾燥した藁は掛け布団

長い 藁は籾が発芽したら撤去する。

※ 藁を敷く理由は、保湿、保温とすずめに食べられないようにする事

   L 不織布で苗床を覆いその上に棒を置き、吹き飛ばされないよう固定する。

     

M園芸用の支柱を交差させるようにして、布織布をさらに強固に固定する。

以上で作業終了。何となくお腹が減ってきました。

ブランチ

 空腹を覚え、心地よい気分のまま「頂きます!」。今日は暖かく、コタツ部屋から出てテラスで食事をする方が大部分でした。食後はもちろん研修生で後片付け。昔ユースホステルを利用して旅行をしていたことを思い出しました。自分の後始末は自分でする。自分で出来ることは自分でする。とても心地良い時間を共有できました。食事を準備してくださったスタッフの方に感謝!

           先月播いたキャベツ、エンドウです

              午後に備えてジャガイモの種芋を切り分けます 

さあー、畑で種まき、苗の植え付け!(PM

 研修生一同、クラインガルテンに12時に集合

 各自、自分の畑に散会。早々にジャガイモを植える短期者、何をしてよいか分からずウロウロする戸惑い者。

 

そうこうするうち、若大将の竹さん到着。

これから行なう苗の植え付け、種まきの方法をリクエストに応じて順次説明していただきました。以下、簡単に説明します。

 種まき、苗の植え付けをする前に一つ注意!

畝の表面に小さな芽が出ていました。これは「あかざ」という草。これをそのままのしておくと、来月畑を見て腰を抜かすそうです。そこで、作業の前に畝の表土は削り取り除きます。 その上で、スタート。

 

@       サツマイモの畝作り

乾燥を好み、寒がり屋なので、高いベッドを作ります。それを圧迫したらその上に草をを置いて終わり。来月苗を植える準備終了。

A       長芋の植え付け

穴を掘り、斜めに種芋を入れる。

支柱に沿って芽が出るように支柱を立てて土を戻します。

種芋を養分に芽が出て茎が出、新しい芋が作られます(レポーターの想像ですが)

B       カボチャの畝作り

畝にかぼちゃ大の穴を開け、穴の底に腐葉土を一握り敷く

そして、その穴を掘り起こした土で埋め、表面に鞍の形をしたふくらみ(鞍月)をつける。最後に周りに草を敷き詰める。来月苗を植える準備終了。

C       ゴボウ(キク科)の種まき

ゴボウは光に感知すると発芽します。しかし乾燥は好まない

高い畝を作り、その中に溝を掘る。

溝の底に腐葉土を少し入れ、5p間隔に種を播く。これで10月の収穫を待つばかり?

D       人参(イネ科)の種まき

畝を通路と同じ高さに修正(最初は水が好きなため)

多少多めに種を播き、土をかぶせ強めに圧迫する

途中随時間引きし美味しく、楽しく食べさせてもらいましょう。

E       キャベツの種まき

一箇所の穴に7〜8粒の種を播く

穴をふさいだら、周囲を草で覆う。これで終了。

F       レタスの種まき

ばら蒔きを行ない、鎮圧し土に馴染ませる

  播いた場所は草で覆います。大きくなりますように!

  ※ レタス、春菊の様に種の小さなものは、少しの土で覆う

G ほうれん草

  気難しい、土を選ぶ植物

  軽くスジを作り、1p間隔で種を撒く。その上から多めに土を掛ける

  (うちの妻よりは気難しくないでしょう)

G       ソラマメ

穴を掘ったら、壁につけて苗を2本植える。サイドから土をよせるように覆う。

  ビールを買っておきます。 

早々に植え付け、種まきを終わらせお茶を飲んで一服する中さん

明日の仕事の関係で早々に作業を終了し早退したやちさん

途中、ぐっさんの訪問(大事な畑を踏みつけて申し訳ありませんでした:成田)もありました。

サービス残業を行なっていたのはだーれ?

種まきの後で畝を覆う草を採りに行くたび、今まで雑草と思っていた草が宝物に見えてきました。 

振り帰り

 定例の振り返り。昨日の研修内容を思い出せない自分に唖然としました。

でも、裕子さんのケーキを目標に無理やり文章をひねり出しました。いつも有り難うございました。