安曇野自然農塾6回目
2008.8.17(土)〜18(日)
今までになく大変蒸し暑い日、今にも降り出しそうな、雨雲がいっぱいの空を気にしながら、
春・夏野菜の種とりと秋野菜の種まきのお勉強をすることになった。
安曇野での秋野菜の種まきは、今ぐらいから始め9月の中旬くらいまでには終えるとのこと。
私たちも、実際に翌日自分たちの畑で種まきをすることになる。
▼種とり
レタス
毛が生えているが、ベタベタとしており、風で飛ぶことはない為、種はたたいて落とす。
自然の中では、動物などの体について運ばれる。
*参考: 葉がしっかり巻くレタスは弱く、原形に近いサニーレタスのように葉が巻かないレタスは、
とてもじょうぶなのです。
春菊
茶色になった花の部分を採りしごいてくずす。
1花で50個くらい採取できる。
*参考: 一般的に販売・使用されている種は、主にデンマーク産なのだそうです。
▼休憩タイム
臼井さんの畑よりトマトをもぎ取って、おいしくいただく。(一人1個ずつ?)
自然な甘さ、水々しさ、ん〜トマトさいこ〜!
ニンジン
花の部分をとり、しっかりと乾燥したものをザルでこすって種だけを落とす。
種を揉むと発芽率が上がる。(種を揉む時少しフルーティで甘い香りがします。)
*参考: 種の寿命は、だいたい1年〜2年。
一般的にどの野菜も、採れた翌年に出荷、よって発芽率はさがり80%ぐらいだそうです。
ホームセンターの種の場合はさらに10%ほど落ちるそうです。
▼種まき
そば
草は刈らずいろいろ生えている場所に直接ばら蒔く。
その後で草を刈り、刈った草を敷く(保湿効果と鳥などから守るため)
そばは、強いアレロパシーがあり、そばを収穫したその場所での翌年の野菜の収穫はあまり
期待できない。
*参考: そばは蒔いて75日で食べられるようになる。(2か月半後はそば打ちが楽しみですね。)
この時期食べることのできる新蕎麦は主に、オーストラリア産のそば粉でできた蕎麦なのだそうです。
夏そばの種は、殻付きの方が寿命が長いとのこと。
玉ねぎ
玉ねぎは発芽率が大変悪く、また、苗づくりも難しく、自然農では最も手がかかり育てにくいとされ
ている。よって、苗床は、一番肥えていて、水乾きのしない、大変めぐまれた条件のもとでしか、育たないとゆう贅沢もの。
種まきは、すじ蒔きにし、発芽率が低いので、少し多めに蒔く。土をかけ、よく踏む。
薫炭をと土を混ぜたものをかけ、その上にわらをかける(つんつんした夏草でもよいが、稲わらがベター)。夏の日中での種まきは、土が乾きやすいので、なるべく避けた方がよい。
*参考 お米のように苗を切って植え替えをしないと、らっきょうくらいの玉ねぎになってしまいます。
小松菜、青梗菜などの小型の野菜
草を刈って表土をどかし、根切りする。土の湿った部分を出して、すじ蒔きにするか、ばら蒔く。土
をうすくかけ、足で踏んでおく。 刈った草を多めに乗せておく(つんつんした草でよいが、一番い
いのは、そこに生えていた草をのせるのが、ベター)
大根などの大物の野菜
草を刈って表土をどかし、根切りする。種は点蒔きにするか(4,5粒を目安に)、たまにしか手入れ
のできない畑の場合には、4〜5CM間隔で、2粒くらいづつ蒔く。種の上にかかる位の土をかけて、
足で踏み、刈った草をかけておく。
参考: 草刈りは上部だけでOK,。ただし、よもぎ、背高泡立ち草などの根で増える草はぬいてしまおう。
種まきは、野菜の種類によってだけでなく、畑の広さや畑に足を運ぶことのできる頻度など、いろいろ
な条件により、蒔き方も変わってくるので、状況に応じて変えられるようにできるとよい。
▼わたしたちの畑へ
わたしたちの畑観察
Aさんの畑にて
草が少々足りないためか、トマトやナスの水分が不足気味、草の刈りすぎが原因かもしれないので、
刈りすぎには注意したほうがいい。
草には、下から5CMくらいのところに成長点があるらしく、それより下で刈ると成長に時間がかか
るので、夏の非常に暑い時期には、土の水分が蒸発しやすいため、わりと頻繁に畑に足を運ぶことが
できる場合は、高くのびた草を刈る程度でとどめておくのがよい。
Aさん貴重な失敗例をありがとうございました。
観察後は自分たちの畑の収穫や、明日の種まきのための準備をすることができました。
▼ほうとう おやき作り
収穫した小麦の小麦粉で、ほうとうとおやきを作る
作り方は省略…。ほうとうとおやきをみんなで作ってみんなでおいしくいただく! 楽しい夏の夜の
宴。ランタンだけの、暗い、大雨の中だったけれど、青いビニールシートの下は、おやきとほうとう
と、みんなのさしいれとで、とても贅沢な青空?の下のビュッフェ ディナーとなりました。
次は何を作るのかなぁ?とっても楽しみです(^^)
8月17日(日)
昨夜の雨も上がって、ひんやりとした気持ちの良い2日目の朝です。
◆AM 6:00
皆さんちょこちょこ畑に向かい始めます。
今日はブランチまで畑の作業。収穫した野菜を朝ごはんにつまみつつ自分のペースで草取りしたり、収穫したりとのんびり畑タイムです。
今回私は白菜、水菜、カブの種まきをしました。
◇種まき方法◇
草をかり 表土を削り 根切りをする 平らにして種をまく 手で押さえ 草をかけておく
(手で押さえる理由 @水の吸い上げを良くする A乾燥を防ぐ為 )
この時期の天敵はコオロギだそうです。種が食べられる恐れがあるので、竹内さん曰く、わさーっと
多めに蒔くのがポイントです。
心配な場合はポットを作り芽が出てから植えるのも一つの解決策です。(ポットは底を楊枝で穴あけした紙コップなどでもOK。)
又、一週間種まき時期をずらすとコオロギ被害も大分違うそうです。少しの差で畑環境も変わっていくんだなぁ、と改めて思いました。
種を蒔き終わったら、頑張って大きくなってねと愛を振りまきつつ草を被せて終了です。
収穫した野菜を分けていただいたり、お互いの畑を覗いたり、和気あいあい楽しい時間を過ごしました。
◆AM 10:30
朝の仕事を終えてブランチを戴きました。
旬のお野菜を主にした心のこもったお食事に毎回感動&感謝です。ありがとうございます。
自分の畑で採れたトマトも一緒に皆さんと外で食べるご飯は楽しくて心地良て。そんな時間をもてる事にも有り難さを感じました。
心もお腹も満足になりさっき食べたホクホクの南瓜の余韻に浸っていると、臼井さんの「何事も5分前行動だよ-」の言葉が。
ゆとりある行動、大事なことです。
◆AM 11:30
神奈川県でNPO畑と田んぼ環境再生会
(http://hatake-tanbokankyo.eco.coocan.jp/index.htm)を立ち上げ、自然農の活動をしていらっしゃる
仲野さんのお話を伺いました。
仲野さんが自然農に出会われたのは12年前、川口氏の「命は良い方向にしか転換しない」という考えを同時期に出会われた野口整体の療法を
通じて実感され、双方の思想に「命に対する信頼感がある」と共感を得られたそうです。
1時間のお話の中には自然農という枠を超えた日々の生活の中での活きるヒントがあり、その時の私に必要なギフトも沢山頂く事ができました。
●人工の中では決まったルールがある。
自然の中には決まったルールがない。
●人口的なものが全てになっていると、相手をコントロールしようとする意識が強くなる。
今の社会そのものが窮屈でマニュアル化しようとしたり、支配しようとする意識が強い。
だが、自然農はマニュアル通りにいかない。この割り切れない所に大切なポイントがある。
●大切なのは自然そのもののルールを受け入れる事。
《コントロール》の対極にあるのは《手入れ》
手入れとは、「相手がどうでてくるのか?を感じ受け入れて「それに対して「どうするにか?」を考えるこである。
●(畑を使う際)基本のルールを決め、あとは自由で楽しんでおこなう。
●楽しくやることが大切
●奪い合うより共存しよう
以前は人間が地球に生きていてよいのか?という疑問があったそうですが、人間には生体のバランスを保つ役割があるのではないかと思うようになられたそうです。
それは、生の自然よりも里山の方が生態系がよいこと解り「自然の法則から離れることによって伸ばせるものがある」と気づかれたからだそうです。
私はこのお話を聞いていて、自然と向き合って受け入れる事ができる人間は寛容なのかもしれないと思いました。
自然はもちろん素晴らしいですが、人もまた素晴らしいとおもいます。互いが委ね合い受け入れあって良い世界を作っていきたいです。
仲野さんありがとうございました。
◆PM12:40
パーマカルチャーのビデオ鑑賞
パーマカルチャーは@地球に対する配慮A人に対する配慮B資源を分かち合うことを基本原則に、
1970年代にビル・モリソン氏が提唱した人と自然が無理なく生きるためのライフスタイルです。
パーマカルチャー実践されているレインボーファームのジョーとトリッシュの生活を観ながら、これから必要なのは自然とともに暮らすための知恵や知識。
自然を知るということだなと思いました。
◆ PM13:50
裕子さんのスパイスケーキ(いつもありがとうございます)をはじめ、のんちゃんのブルーべりー、まあやんの桃、あいちゃんのお菓子など盛りだくさんの
おやつを食べながらの感想会。
今回の皆さんの感想は、昨夜のほうとう&おやきパーティに集中していました。
みんなでわいわい楽しく作ったごはんや時間は何よりのご馳走でした。食は体を作るだけではなく、心も作っていくものですね。
何を食べるかも大事ですが、誰とどんなシュチュエーションで戴くかもとても大切な事だと思いました。
臼井さんのお話の中で、コントロールするという西洋の考え方から東洋の同化するという考えへ。つながり合う素晴らしさを見直そうとおっしゃった言葉に
この塾で学んでいる根っこの部分を垣間見れた気がしました。
◆ PM15:40
帰りの準備をして田んぼへ。
稲は青々と育ってもうすぐ穂が出てきそうです。
黒米は少し早めの穂が出ていて白くかわいい花が咲いてました。
◇竹に切ったジャガイモをさして田んぼに置いとくとスズメが来なくなるそうです。
モズがさきにイモを食べにくるため、スズメがモズの縄張りと認識して近づかなくなるからです。
来月もこの稲達がどうなっているか楽しみですね〜。
最後に例の道祖神へ。
この日は満月のせいか臼井さんのお話も生命やエロスの話題が中心でした。
陰と陽が交じり合いまた陰と陽が生まれる。不完全なものの中にが完全なものがあるのかもしれない。
お話を伺いながらそんなことを考えておりました。
道祖神の前で記念写真を撮り解散です。
皆さん、今回もお疲れ様&ありがとうございました。
縣 瑞恵 |