あづみの自然農塾7回目
2008.9.20(土)〜21(日)
今回は、台風の影響で天気が心配でしたが、1日目は曇り空の下でスタートです。
まずは、畑のおやつ「完熟ゴーヤの種」。
黄色く熟れたゴーヤの中からルビー色の種が出てきました。味は、柿のような甘みがあります。
●レタスの種蒔き
1.レタスの苗床作り
@草と共有する場所を作っておくため、種蒔きをする分より少し広めに、根を残しながら草を刈ります。
*シャロムさんの畑は、コロコロとした団粒構造の良い土
*つんつん草は、夏草です。夏草は、これから枯れていきます。
今、種を結んで充たされた夏草を刈ってひくと、草が出てきません。草が変遷していきます。
A土がかからないように、前進しなが根切りをしていきます。
*ノコギリガマで丁寧に根切りをするのをお勧め
B土をふかふかの状態にしておくと直ぐに乾燥してしまうため、
鍬の背全体で叩きながら(小技:同時に踵の無い靴で踏み)平らにならしていく。
*平らにならすのは、同じところから根をはり同級生にするため
2.種蒔き
種以外の綿や咢も一緒に蒔くと、自然界にはいいみたいです。
*種が残ったら、紙袋に入れて冷蔵庫で保存。
もし2〜3年たってしまったら、色々な種を混ぜた粘土団子を作って蒔きましょう!
@種たちをパラパラ指の間からばら蒔きします。
*種を付けた野菜は、何もしなくても勝手に倒れるから、こんな風に置いておいてもいいのかも
A乾燥を防ぐために、草の種が準備出来ていないだろう土を上にパラパラ蒔きます。
*掘った所は、何事もなかったかの様に戻します
*種おろし(種蒔き)は、午前にすると日中の太陽熱で乾燥してしまうので、午後の方がいいです
B鍬の背で抑えて、草をかけます。
●ちりめん冬菜の種蒔き
冬越し菜:ちりめん冬菜、野沢菜
今ぐらいに種蒔きをすると4〜5月まで楽しめます。
@ダイナミックに種を蒔いて A境界線も草を刈ります。
●白菜の苗の植え方
白菜=チンゲン菜
種を蒔くとコオロギなど虫に食べられてしまうため、種を蒔いた時に、一緒にポットで苗を育てていきます。
茄子の間に、40cm以上離して白菜(またはチンゲン菜)を植えていきます。
茄子が枯れていきながら、白菜が成長していきます。
別になすの間だけでなくてもかまいません。
1.白菜の根は細かいので、周りの草に負けないように丁寧に草を刈ります。
2.苗を植える
〜土が乾燥している時は〜
A真ん中に苗を浅めに入れ、ポットの中の土が隠れるように、上の土は上に戻していきます。
C周りの刈った草をひきます。
〜雨が降った後は〜
@ポットに水を1〜2回やります。
Aそ〜っと分からないように、土をとります。
B側面の片側をぴたっとつける
●にんにくの種植え
越冬性:今蒔き、冬の寒さにあて根を充実させ、春成長する。
今回植える金郷にんにくは、中国原産の香りが高い品種です。
オクラを育てた後は、生育がよくない為、土の栄養分によって成長の大きさを変えるにんにくを植えます。
根っこの形をみて、形の違うものを植えます。
植え方1.スコップをさして、開いて、種を落として植え、伏せます。
植え方2.種が二つ分入る深さのに掘り、15cm間隔で同じ向きに植えます。土を戻し、草はお好みでしきます。
*横に草を置いておき、芽が出たら上にしく
●ほうれん草の種蒔き
芽が出にくいので、いっぱい種を蒔き、間引きしながら育てていきます。
種の形は、西洋がまるで、日本種は、尖がっています。
日本種は美味しく、代表的なものは根が紅い。暑さに弱いので、冬蒔きがいいです。
冬のほうれん草は、小さ方がエネルギーを貯めやすいので糖分を沢山蓄えていて美味しい。
@少し深めに溝を掘ります。
Bくん炭を少し補います。
*土が豊かでないと育たないため。
くん炭は、中性です。石灰を蒔くと土が硬くなり死んでしまいますので、絶対に蒔かないでください。
C乾燥しないように、両側から多めに土をかぶせる。
D前足で踏み、後足でならしながら、よく踏む
E乾燥しない限り草はしかないが、蒔いた所以外には草をしく。
○みんなの畑
どんな様子かな?通路が分からなくなって、うっかり先月種蒔きした所を踏んでしまったりしながら、
(ごめんなさい。)収穫出来そうな物を見て周りました。
○畑の写真
・シソの実(ちょっと早めの)は、みりんとしょう油に付けて佃煮にすると美味しい
・8月にばら蒔きした蕎麦が、もう白い花を咲かせていて、成長の速さに驚きました
◎森の晩餐会
鉄板焼き三昧は、お好み焼きと焼きそば、
みんなの持ち寄りの品やお酒、裕子さんお手製の果物盛り沢山のフルーツポンチ。
お待ちかねの醗酵王子のスイーツ「キャラメルパウンドケーキ」登場"パチパチ
今回も心も体も楽しく美味しい晩餐会でした♪
また、みんなと火を囲んで作り食べ笑い語らい、自然の時間を共有したいなぁ。
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9月21日
2日目は朝から雨降り。
いつもなら朝早くからそれぞれの畑へ向かうのだけれど、今日は皆のんびり。
まったりしているところへ臼井さんパソコンを持って登場。
昨日の自然農塾の画像をスライドショーで見せてくれました。
さらに、「晴耕雨読!」と、臼井さんのはからいで突然の福岡正信さんのビデオ上映会。
本や名前は知っていても福岡さんという人間を初めて映像で見る人も多く、福岡さんの温和な表情が印象深いビデオ上映会でした。
雨に感謝。
●21世紀の日本人へ 農よ自然に帰れ 福岡正信 60分
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NHK「二十一世紀の日本人へ」から。
(自然農園を開いたきっかけを問われて)強いて話せば、やっぱり思想が一変したという……あることに気がついた時から、もう自分の生き方は自然農法やって百姓になって生きていくだけだと。食って寝て生きておればいいという結論が出てしまったんですね。方法も……何もしない。人間の知恵を否定し、物に価値があるんじゃないと。人間が生産しているんじゃないんだと。自然が作っているんだ。草一本人間が作っているんじゃない。人間の知恵と力とは全く役に立っていないのだということに、25才の春に気づいた。
「便利な」というのはどういうことですか。便利なという言葉はそれを必要とする条件を作った時に便利なのであって、ここにおってメシ食って寝て果物食っておるんだったら何も、車は要らないでしょう。金儲けをしよう、他所に行きたいという時に必要なものだ。便利なというのはね、逆に言うと不便なことをこしらえてるということなんだ。不便だから便利なものを求める。本当は人間に不便なということは何もなかった。
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さて、外はしとしとと雨が降り続く中、今日の初めの作業はというと。
8月16日95歳で逝去された福岡さんへの追悼の意を込め、玄関先テラスの屋根の下での粘土団子作りから。
●粘土団子作り
粘土団子は「田んぼ・畑用」と「砂漠緑化用」の2種類あるというが、今回はいろんな種を一つの団子にたくさん入れる「田んぼ・畑用」の団子作り。コンクリートミキサーを使う方法もあるが、自然農塾では当然手作り。
1.田んぼから取ってきた粘土土(赤土でも良い)を1cmくらいの荒い網で漉す。
*押し付けて無理に網目を通そうとせず、落ちていくものが落ちていくように指先を開きかき混ぜる感じ。
*手のひらでこすり合わせると“こより”のように土がくっつくのがいい感じの土。
2.
漉した土にいろんな“たね”を混ぜ合わす。今回混ぜ合わせたのはニンジン/キュウリ/カボチャ/トウガラシ/エゴマ/メロン/ピーマン/ナス/ナタネ/タカキビ/アサガオ/マクワウリ/カワシマカキナ/ショウゴインダイコン/チンゲンサイ/クロマメ/ホウレンソウ/コブタカナ/ミズナ/ヒマワリ。以上20種類。
*たねは竹内家提供の2,3年経って発芽率の悪くなったものなど。
*乾いていたら少し水を打ちながら、そば打ちの要領で。
3.よく混ぜる。
4.拳大の大きさに取り、まるめて叩き付けるなどして空気を抜く。
*割れにくくするためと、種と土をよく密着させるため。
*叩き付ける際、下にビニールシートを敷いてやるとくっつかない。
5.更に小さくとってまるめて完成。
*ぴんぽん玉より少し小さいくらい。
網を通して出てきたものを丸めるのも1方法です。
そのまま玄関先テラスで種とり。
外はまだ雨。
●トマトの種とり(大玉:バナローズ、中玉:夢中、ミニ:シュガーランプ)
1.熟した一番良いのを選ぶ。
*おいしかったもの。
*木が丈夫なもの。
*色つやの良いもの。
*熟した印はトマトのおしりの黄色い☆マーク。
2.包丁で半分に切り、スプーンのへらでボウルへこそぎ出す。
3.消毒したきれいな容器につめる。
*容器の中で発酵させる。1週間くらいしたらボール網にとって水洗い 種の周りのぬるぬるがとれているのでカビがこなく保存によい 新聞紙にとって乾燥後 名前を書いて保存
保存は乾燥したところで湿気などがないところがよい できたら冷蔵庫に保存すると長期間保存できる
●キュウリの種とり(バテシラス)
1.
中の種を切らないように真ん中より少しずらして半分に切る。
2.指でボウルにとり水につける。
*浮いてきた種は中身が入っていないので捨てる。
3.ぬめりをとったら、ざるにあげて新聞紙で水気を切って完成。
●ナス
1.このまま放置しておき追熟させる(2週間〜1ヶ月)
●ズッキーニの種とり(コスタータロマネスカ)
1.上1/4を切り落とす。(種の無いところ)
2.キュウリと同じように真ん中より少しずらして半分に切る。
3.わたがついているので手でもみながらわたと種を分離させる。
*わたがついたままだとカビが生え保存しにくい。
4.水につけてわたをとり、よく洗いぬめりをとる。
*ぬめりがあるとかびる原因になる。
*ズッキーニの種は水に浮くのと沈むのと両方ある。
5.ざるにとり、新聞紙で水気を切って乾燥する。乾燥後 名前を書いて保存 年度名前採取日を書いておくとよい
●スイカの種とり(トルキーニ)
1.食べ易い大きさに切り分ける。
2.食べる。
3.ひたすら食べる。(種は出す)
4 種をボウルに集めて、水でよく洗う。
5.ざるにとり、新聞紙で水気を切って乾燥。
●パプリカの種とり
1.洗わずに乾燥させておく。
*種と種の間にすきまがある(ぬめりやわたが無い)のは乾燥が好きだから。
なんとなく雨も上がり、シャロム畑の通称【福岡さんの畑】で、つくったばかりの粘土団子を蒔く
*人にぶつけないように蒔く みんな無邪気 幸せな笑顔です。後が楽しみです。
1週間後に蒔いた粘土団子から芽が出てきました。多様な種を入れたのでよくわかりませんが葉物類の種のようです。福岡さん追悼の意味を込めて作りました。自然界の営みは人智を超えてますね。
◎やっとブランチ。
個人的にはヒヨコ豆とマカロニのサラダは絶品だった。
いつもいつもシャロムスタッフの皆さんに感謝です。
●草刈り
ブランチの後は粘土団子を蒔いた【福岡さんの畑】で日当りをよくするために草刈り。
大繁殖していた蔓性でとげがある【カナムグラ:鉄葎】という雑草をひたすら刈る。みんなでやるとあっという間だ。
調べてみると【カナムグラ】は窒素が好きで、富栄養化した土壌でより繁殖し優先種になるという。
詳しくは
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%8A%E3%83%A0%E3%82%B0%E3%83%A9
○みんなの畑
残った粘土団子を自分たちの畑にも蒔きつつ、それぞれに収穫。
トマト、ナス、ゴーヤなどなど。
みんな種取りに目覚め、自分の畑の収穫物を種取り用にと持ち帰った。
こんな小さな畑から、こんな小さな種つぶから、こんな小さな出会いから、
この先に繋がっていくのかと思うとわくわくした。
○シャロムへ帰って振り返り
いつも、みんなの振り返りの言葉を聞いていると、よくもこんなに毎回毎回感じることがあり、持ち帰れるものがあるものだなぁと感心してしまう。写真ではまったく振り返ってない男が一人写ってるが・・・。実は臼井さんにとっては、ここに集まった皆がこれから芽を伸ばす“種”に見えているのではないだろうか。
あと、この日もたくさんの差し入れが。
おやきにおはぎにくりきんとんにスコーン。
おいしくいただきました。
◎最後に田んぼへ
田んぼでは豊かに実っている稲の間にれんげと大麦の種を蒔いた。
れんげは六月に種取りをしたもの 手でしごいてバラバラ〜っと。
大麦は穂のまんまボトボト〜っと。レンゲは緑肥となり窒素分を固定 草の除草にもなります。大麦は田植え前に実をつけるので裏作として収穫が望めます。小麦やライ麦は収穫時期が遅いため信州のような寒冷地では裏作としては不向きです。
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