6月(1日目)27日の報告 カロチン
集合は13:30ですが、高速道路の1000円均一の影響で各地に渋滞があったり、途中で張り切り過ぎて名古屋へ向かった車もいたりで、始まりは14:00でした。今回、みちるさんのお友達、仁野さんが参加。
出かける前の注意事項…安曇野の昼は暑いです。・紫外線対策・水を摂ること・ぶよ対策(肌を出さない)
今日の予定は小麦刈りと3豆〈小豆・大豆・丹波黒豆〉植え(この3つの豆の言い方があったけど書き忘れた)
やや曇りの野良日和
〈縛るための藁〉
最初に結ぶ藁の準備〜藁は水を掛けさらに足で踏み踏み。踏んでいると十分水を含むようになる。水を含むとしなやかに切れにくくなる。
シャロムの畑には大麦、ライ麦、ライ小麦、そして小麦が植えてある。麦は秋に植える。冬の寒さを越さないと穂をつけない。出穂の順は大麦、小麦、ライ小麦の順。
〈春菊〉頭のほうでなく、2〜3枚葉を残し、根元近くで切ること。栄養分が花にすぐ行かず、葉っぱが多くつく。アブラナ科の隣に植えて、虫よけにもよい。自然農の春菊は色が薄い。栄養が濃すぎないためで、そうすると虫もあまり来ない。収穫の後、枯れるようにはなるが、慣行栽培のように溶けたりしない。
〈大根の種〉何かミニの豆?と思ったら、これは大根の種。ちいさいけれど、豆のようにさやに入っていて、それぞれ3つ位タネが入っている。とても豆のように見える。自然にははじけないので、さやを裂くか、手で揉んで種を出す。自然にしておくと、さやの先の尖ったところが土に刺さって、そしてその状態で発芽していく。鳥はこの種が大好きなので、熟成のときは紐を張る。
〈ソラマメ〉の話 最初は空を向いている。垂直からやや下へ向いたら食べ頃。
小麦の刈りどきは…茶色になってから、青い殻をむくと白い麦粒が出てくる。押し麦の形。まだ潰すと汁が出る状態。乾燥してから、刈り取り。ただし、「
米は20小麦は18で刈れ」と言う。その意は若いうちにと言うこと。
これは淫靡な意味?と思ったのは考えすぎかな。
〈小麦刈り〉のこぎり鎌は最適。鎌は下を向けること。上だと手を切るので。竹内さんでも自分の手の骨を見ちゃったことがある…痛い。
根元から10p位のところを切る。手で持って枯れた葉や他の植物をそぎ落とす。根元ではなく、穂の先で揃える。ギュッと持った2〜3回分で一束。
最初に用意した藁で縛る。縛り方…まず束の周りに通しキュッと締めながら、十字に交差したらひたすらねじる。しばらくしたら小麦束の方を回してねじる。そうして締まった感じがしたら、ねじった藁を丸くひねって、更にねじり目に押し込むとさらに締まる。藁で縛るとは紐のように結ぶのとは違い、ねじること。縛った小麦束は温室で太い竹を枕に交互に置いて乾かす。
〈人参の花〉大根と同じようにつく。花が咲き、種をつけると人参の根っこは縮こまる。
〈豆〉の話 豆はうまくやろうとすると1年間のうち、3日しか(適時が)ない。本当にうまく行ったときは最高においしいとか。
豆によって、根粒菌の種類が違う。豆はあまり豊かなところでは根粒菌が育たない。例えば、豆はナスとの共存がよい。痩せたところを好む豆と栄養を必要とするナスがうまく育つ。
・収穫の違い…大豆は一斉に採れる。小豆は花と豆の時期がずれるので、何日かにかけて採取。
・蒔き方…2〜3粒ずつ一緒に蒔く。柄で穴をあけ、2〜3pの深さに入れる。その周りだけを草ひきする。あまり草を取り過ぎると、ねずみにやられてしまう。
・豆を植える間隔〈小豆〉〈大豆〈津久井在来〉〉30p×30p
〈丹波黒豆〉45p×45p…今回は30p×60pでやることに。
紐に30p毎に結び目があるのでそれを引っ張り、結び目を目印に、鎌で幅を取って植えます。
丹波黒豆の大きいものは小指の先大になる。
・保存…豆の命は短い。ペットボトルに上の空間をやや多めに残して入れ閉めておく。豆の呼吸で上の空間が二酸化炭素に代わり、保存に適するようになる。
小麦刈りと3豆植えが終わったので、密林地帯と化した(?)各自の畑へ。
私は特にこの1ヵ月半一度も来なかったので、畝も道も見分けがつかない…
しかし、キャベツは大きく結球し、トウモロコシは育っていた。カボチャやメロン、ピーマン・オクラは跡形もないのでした。放っておいても大丈夫なものとダメなものが歴然。でもなぜダメになったのか、理由はいろいろかもしれない。失敗はたくさん自分でやった方がいいという話。
夏の草は強いので、成長点の下でのこぎりガマで切ると再び出てこない。のこぎりガマは月の中に入れて切ることもできるので便利です。
〈野良仕事〉の話 野良とは、野を良くする、と書く。農作業ではなく野良仕事。やればやるほど、野や環境がよくなる仕事。
〈キャベツ〉乾燥地帯の植物、乾燥に耐えるため結球する。おいしいキャベツは…芯が細い・葉脈が対象になっているもの。
〈ブロッコリー〉頭を取ると脇芽が増え わき芽を食べることができる。
〈まくわうり+メロン〉まくわうりはメロンにしては甘くない、香りは良いもの。親ヅルには実がつかない。5節目の頭を取る。脇芽から出てきて実になる。メロン類はアフリカの砂漠原産。茎にある毛で空気中の水分を結露の形で摂る。雨期に発芽する。最終的に実に水をためる植物。実の時に雨に打たれると割れる。乾燥気味に植えること。3メートル四方には何も植えない、植えた後10年間は育てない、と言われていた。昔は腎臓の薬と言われたけれど、今はその作用は不明。
・甘くするには…光合成を高める、水分を減らすこと。トマトも同じ。
・植えかた…地面より1p上くらいに置き、土よせ。周りに草を敷き、糠も撒く。
〈ゴーヤ〉は、土と同じ高さに植える。支柱なしでもOK
〈トマト〉の支柱は立てる。大玉は脇芽を摘む。ミニトマトはたくさん出てよい。
〈ナス・ピーマン・きゅうり〉支柱を立てる。
・紐の結び方。片方が自由に動くようにすると長さが後で調節できる。
5時…まだ明るい、作業は終わらない。でもお風呂に行きます。
7時…待望の裕子さんのディナー
メニューは
・トマトソースとお豆腐のドリア
・夏大根と春菊のお味噌汁
・ひじき入り野菜サラダ
・小松菜の生姜和え
・バジルポテト
・菊芋の味噌漬け
・バニラアイス 〜丹波黒豆を添えて
+宝さんからキャベツ、あいさんから、漬物と和え物の、差し入れがありました。
ごちそうさまでした。
どれもおいしかったです。
でも、特別、バニラアイスのおいしさと言ったら…言葉にできない、おそらく生涯忘れられない味でした。
食後、「今日は座学中止〜」とのことでしたので、私は別の部屋へ引き揚げてしまいました。
でも、結局、竹内さんのお話あり、グッサンの歌あり(しかも合唱になったとか)の楽しい夜が更けていったようです。
今日も一日ありがとうございました。
竹内さん、臼井さん、裕子さん、シャロムのスタッフのみなさん、塾生のみなさんへ、そして大自然へ。
以上カロチンでした。
6月28日 (6月の2日目) 報告者 ヒロ
1. 朝
前夜ぐっさんのギターと共に歌を楽しんだ人は眠たい朝を迎えたかもしれません。
が、5時台にはすでに畑の区画に人影がちらほら。とても気持ちのよい朝です。
畑には臼井さんが登場し、朝の「特別講義」開始。
成長点に注意した草刈りのコツから始まり、学ぶことと試験の意味から
シュタイナー、文明、仏まで、縦横無尽に展開する臼井ワールドが展開されました。
部屋の中もいいですが、大きな空の下で澄んだ空気の中できく話はまたいつもと違った面白さがありました。
ただし、朝と夕はブユ(ブヨ)がよく出るとのことで、長袖長ズボンは必須です。頭部、顔もできるだけ隠す方が吉ということです。
6時のヨガに参加した人たちは、とてもすっきりした表情をしていて、こちらもいい感じだったのだろうなあと思いました。前回とはまた違う構成だったそうです。
2. 田での説明
7:30から田んぼです。分乗して田んぼへ。いつも乗せていただいている方々、どうもありがとうございます。
まず、田について気がついたのは、隣の田んぼ。すっかり田植えが終わって、機械植えの整列状態でイネが並んでいます。
そして、目を転じると麦がすっかり刈られた水の入っていないシャロムの田んぼがあり、苗代は覆いがとられ、4種類の苗が姿を見せていました。
黒米以外はいまいち違いがわかりませんが、立派に成長している姿に見入ってしまいました。
また麦の後にはたくさんの小さな蛙がぴょんぴょんとはねていました。
ここで竹内さんからまずは田の水について説明。
・関東では水は流しっぱなしで、これは温度が上がりすぎることを防ぐため。
・安曇野の辺りは水温がそれほど上がらないため、水を田に朝に入れたら昼までに温まった水をそのまま入れておき、夜もそのまま。
・関東は水の出口があるのに対し、このあたりでは水口(みなくち)のみ。
また、地域の米作についても説明。
・長野県は一般に米の収量が多く、新潟が反あたり7から7.5俵なのに対し、長野では8から8.5俵とれる。
・味もよく近年は人気が高まっている。
・米はよく実りすぎると穂の重さで倒れやすいが、コシヒカリは倒れにくく病気にもなりにくいために、推奨品種として大きく広まった。
ここで、特別参加者の中澤さん(なかさん)の紹介。
2008年の自然農塾に参加されて、西東京市から通いで最初は恵那、現在は阿南で畑をされているそうです。笑顔が印象的です。
そして、竹内さんが今が収穫時期の玉ねぎの説明を開始。
・おいしい玉ねぎを外から見分けるには頭のほうのくびれ部分を触る。
ぶよぶよしているのはおいしくない。堅いのがよし。
・玉ねぎは輪片(皮)の枚数が多いほどおいしく保存性も良い。
肥料にたよった玉ねぎは各片が厚いが、自然に育った玉ねぎの場合は厚くなくても締まっていて枚数が多い。
・断面を見たときに対称的に美しく均一均等に構成されているものが良し。
・北海道のS玉、M玉はおいしく、育てるにも良い。
・大きいものほど貯蔵期間が短く年を越せないものもある。
・昔の品種は生育が遅いが保存性が高い。
3. レンゲの種とり
・翌年のために田のレンゲの種を取る。
・稲刈りする前に種をまいて、それを踏みながら稲狩りするのがよい。
・稲刈りの後の裸の田に種まきすると鳥が食べてしまう。
・大麦でなくレンゲを主体にしたかったら大麦よりも先に種をまく。
・レンゲは水を好むので、今回の田では水口の近くはレンゲ優勢になった。
これはそうともいえません。大麦自体が除草をする働きがあります。
レンゲとは相性が良くありません。
福岡さんは強い普通のクローバーを混栽します。
レンゲのサヤを拾い集め、小さな種をとって集めました。
細かい作業ですが、ついつい夢中になってしまいます。
4. 苗取り
まず、ヒエを取り除く、ヒエとイネの見分け方の説明。
・イネには、節のところに細かい毛が生えている。ヒエにはない。
・ヒエの根は下にまっすぐ伸びているが、イネの根はもじゃもじゃ。
次に苗代から実際に苗を取る作業。
・自然農では苗を田に移植するので、根をそのままにして、引っ越したことに気がつかないようにする。
・鍬で苗代の深いところから根ごと取る。
・とった後、雑草やヒエを取り除き、イネは土のついたままで、根をほどくようにひとつずつバラす。
・イネのみをトレーに並べる。
実際にやってみると、どれがヒエなのか最初は全然分からず、教えてもらいながらやっとできるようになりました。
微妙に生えている毛がかわいらしく、それを見ていると大きな稲に育つ姿はあまり想像できない感じです。
5. 田植え
・鋸鎌で穴をほり(ケーキを切るように、3ステップでさっと穴を掘る)、苗を入れてから、土をもどして、押さえる。
・その後で刈った草、まわりの草を苗のまわりに敷く。
・植える場所は作付け縄のラインから5センチくらい離して手前に植える様にすると作業が早くなる。
揃えることで草取りがしやすくなる。
・基本的には野菜の苗の定植と同じ。
・バカ苗(ひょろっとしたもの)は病気なので植えないこと。
いい苗だけ植える。特に水口の近くは大きく丈夫そうなものを植える。
そして、実際に田植え開始。作付縄の前にずらりと並び、田植えをしました。野菜の苗とは違い、米の苗ということで特別な感慨も。
まず穴をのこぎりガマであけて 苗を移植する要領です。収穫後切り倒した大麦がたくさん地表にあります。これが除草の役目も果たします。田植え後水を張り根が活着したら米ぬかと大豆くずをまいて
米ぬか除草をします。米ぬかは発酵するときに酸欠になります。稲は芽を出していますので酸欠になっても枯れませんが 草は酸欠で枯れてしまいます。また土を柔らかくとろとろ層を作り出し自然農にありがちなざる田でなくなり水持ちのいい田んぼになります。川口さんは草刈りをしますがシャロムでは除草して草刈りには入りません。草一つない田んぼが実現します。
今回は4種類の米を植え、ほぼぴったり田んぼの広さ分を植えることができました。
途中から植える幅が狭くなったために 畦の草刈り部隊となり、草刈りに精を出していました。
面白かったのは隣の田んぼのおばあちゃんが途中で顔を出して話をしたことでした。「そんな植え方で本当に育つのかねえ」という言葉が印象的でした。十数年前にシャロムに来訪されたこともあるらしく、懐かしいという話もされていました。
これは隣の田んぼの大月さんの奥様です。私が小さなころにはお世話になりました。
こんな感じで育つのか 本当に思いますが 毎年立派に育っています。
川口さんはこの方法にに変えてようやく実りを得たのだそうです。それまで福岡さんの農法を実践されていましたが3年間来年の種籾ぐらいしか収穫できなかったそうです。でもこれが本来の姿 一粒が3000倍
になることが奇跡なのでしょう。川口さんは苗床を作り移植するようになってようやく実りを得たようです。
今後のイネの生育を見ていていただきたいと感じました。
予定時間をオーバーしましたが、暑くもなく寒くもない天気に助けられ、どうやら終了です。これだけの人数がいても、こんなに時間がかかるんだなあと、自然農の田植えの大変さを感じ、草取りの大変さを想像してしまいました。
今回のように植えるところを除草しないで田植えをしているのでそんなに時間はかかりません。
今回の半分の時間ですむでしょう。
丁寧なことはいいことですが時間がかかり全体の田植えがとどこうることは決していいことではありません。
また耕していないので藁や根をを取り除く
必要もありません。
これで水を張って田植えは終了
米ぬか除草をしたとき高低差があると水に埋まっていないところは酸欠にならず草だらけになります。
レベルを一定にしておくことが必要です。
特に自然農の田では心がけないと大変です。
でも草を刈るという前提では気にする必要がありません。
でもシャロムの田んぼは除草をしないのが目標なので このことに特に気をつけています。
お疲れ様でした。 KENシャロム
6. ブランチ
予定より30分遅れの11時からのブランチは、皆よほど空腹だったのか、黙々と食べていたように思います。
前夜のゆうこさんのドリア、森の子で作られたという野菜のコンソメスープ、そしていつもの美味なお米とパン等をおいしくいただきました。スープは特においしかった!
7. 区画での作業
ブランチの後は、各自が自分の区画へ。
竹内さんやイッシー、しまっち、そして臼井さんの指導のもと、それぞれの区画で作業をすすめました。
午前の曇り空とは一変し、かなり日が照っています。
今回は収穫するものも多く、キャベツ、レタス、小松菜、春菊、ソラマメ、じゃがいも、ラディッシュ、バジルなど、
たくさん抱えている人もいました。
数週間または一ヶ月放りっぱなしでも、こんなに見事な野菜ができるんだと感心しきりです。
そして、収穫時期を逃してしまい、見事にトウがたって巨大化している野菜の姿にも感心してしまいました。
草の刈り方については、改めて草の成長点よりも下で地際すれすれ又は地際よりも下に鎌を入れて刈るという
ことが強調されました。でも秋口は草の生長が遅いので成長点の上で切り草を生かすことも必要です。
これから梅雨の雨でますます草の勢いは強くなるでしょうということで、作業後半は暑く草を敷く姿がところどころで
みられました。
8. 感想会
14時の感想会は、だれかさんが感想の紙を忘れたおかげで最初からゆうこさん特製のブルーベリーとバナナのマフィンを食べながら開始。
印象に残った感想をピックアップ
・身体を実際に動かすことが学びにつながると実感(美保子さん)
・区画の個性があって面白い(スギさん)
・自然のめぐみには本当に感謝(がんちゃん)
・キャベツが巻いたことに感動(オーノさん)
・竹内さんの座学の「根っこを考える」ということが印象的(宝さん)
・前夜の歌でグループの一体感ができた。(ぐっさん)
・手植えはトラクターの田植えでは分からない有難さが分かる(イッシー)
・農は失敗を繰り返して毎年1年生。自分なりに体感することが大切(臼井さん)
・失敗とか雑草は本当に失敗なのかという視点が重要。草に弱い野菜のまわりを先に刈るなど、優先順位も考えよう(竹内さん)
9. ライブ
我らがぐっさんが前座をつとめるライブが15時から開始。
見たこともないような大勢の人たちがつめかけていました。
ぐっさんは、格好いい衣装でステージにあがり、こんな曲を熱唱。
・Born to be wild (ステッペンウルフ)
・落陽(吉田拓郎)
・Take Me Home, Country Road (ジョン・デンバー)
・安曇野三丁目温度(ぐっさん作詞作曲)
・?(ゆず)アンコール曲
カンカン照りの天気でしたが、ステージ周辺は大きな木の下で快適な場所で、楽しい気分があふれていました。
自分は肝心のメインであるジャグバンドの出演前、前座のぐっさんが終わった段階で帰ってしまいましたが(失礼!)、楽しいひと時をすごしました。
次回7月は自農センターなどの見学があるということで、また雰囲気の違う学びがありそうで、楽しみです。
以上 ヒロ
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