安曇野自然農塾
2009.7.25 (土)
スケジュール
自然農法センター見学会
竹内さんの畑見学
梅雨が明けたというのに完璧な戻り梅雨。
雨は降ってないが、今にも降り出しそうな曇り空。
今回は波田町にある「自然農法センター」の見学から
スタート。竹内さんとイッシーの母校です。
昼食後、暗い部屋(スライドの為)という睡魔と闘う
悪条件の中、講師の藤田課長さんの話が始まりました。
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テーマは’土の生き物から見た土作り’
日本の食料自給率から始まり、有機農業の話、
そして土の中の生き物と幅広い内容をお話頂きました。
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印象に残った話
自給率を上げるー地産地消ーフードマイレージの短縮 ー地域との結びつき
今あるものを出来るだけ利用するー石油資源を できるだけ使わないように
自家採種ー土地にあったバワーを引き出す。
効率化、利潤の追求を第一としない。
野菜作りをする行為こそが一番大事。
作物との対話によって何かを感じることが できるのが重要。
肥料が少なくてもここまで育つんだなと確認して
欲しい。
いろいろな工夫ーこうでなければいけないより、 こんな事でもできるのでは?
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講義の後、トウモロコシと枝豆を耕起、不耕起と
緑肥のある無しで、交互に栽培している畑を見学。
それぞれで明らかに違いがあるのを実感しました。
途中から雨が激しく降り出し、あえなく終了。
再度、建物に戻って、質問タイム。
ネズミの対策は?
住みやすい環境を壊すー蒔き直しが一番いい。
入ってこない環境を作るのが対策。
もう少し畑をゆっくりみたかったです。
◎竹内さんの畑の見学
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依然、雨が強く降っています。まずは鶏小屋から。ら 18羽が元気よく動き回っています。
ハウスの中
小麦(ビール麦)金子ゴールデン,春ゆたか
イタリアンパセリ
パッションフルーツ(バリの人が送ってくれた)
踏み込み温床(ねずみにやられた)
失敗したトウモロコシ
なす、ピーマンは今年は雨が多く不調。
トマトは54種類栽培。
豆知識ー日本の大玉トマトは一本にしないと
実が付かない。ヨーロッパは逆。
同じ地域でも畑の年数によって出来やすいものがある
ミミズコンポスト
しまミミズがいるうちは有機物が多いという事なので
まだ使えない。太いミミズになれば使える。
全体的にいろいろチャレンジしているなという 印象でした。
自分の畑でも試してみたい。
終了後、お風呂へ。今回は竹内さんの畑の近くの
ファインビュー室山へ。エントランスからの
眺望は正にその名の通り。松本盆地が絶景でした。
さて、お楽しみの夕食のメニューは
・夏野菜カレー
・キュウリと玉ねぎの冷製スープ
・生姜風味のコールスローサラダ
・たかきび入りのチーズサモサ(自家製ケチャップ を添えて)
・ズッキーニとなすのカルパッチョ
・らっきょう漬け
・大倉さんちのりんごゼリー
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ゆうこさん、毎回おいしい料理ありがとうございます。
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ごちそうさまでした。
レポート 三沢
7月26日(日)2日目 くもり
早朝、各自の畑で草刈りや収穫、野菜の誘引など軽く作業をした後、
車に分乗して、自然農の田んぼへ移動しました。
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6月に田植えをした田んぼは水が入って、稲も小さいけれど元気に成長している様子。
自然農塾としては約1ヶ月ぶりなので、
その間ぐっさん主導で水漏れした畦の修復や、草取りなどのメンテナンスが行われています。
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ぐっさんの方から、
「モグラの穴から水漏れがあり、隣の田んぼにも迷惑をかけてしまうので、畦塗りをする際にはできるだけ丁寧に」
「(やってみてわかったことだけど、)畦塗りの時に掘った溝に水が溜りすぎてしまうので、均しておいたら良かったかも」
「田植えをする前に地を均さないとデコボコして、水を入れたときに水がかぶってない所に草が生えてしまう」
というお話がありました。。失敗して学ぶ事が多いです・・・。
今回、田んぼでの作業は「草取り」。
穂が出来始めの頃に除草で田んぼに入ると、稲の根を切ってしまい、
この時期に根を切ってしまうと、生えてこないので注意が必要です。
自然農の田んぼの稲はまだまだ小さいのでOK。
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耕さない自然農の田んぼと耕した田んぼでは、生えてくる草の種類が違うそうです。
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□雑草の種類
・キシュウスズメノヒエ(畦からはいってくる。抜いて放っておくと根がついて再生するので注意。)
・田ゼリ(根から抜かないと再生する。)
・ヒエ(稲との見分け方:節目に毛がないものがヒエ)
・ホタルイ
など
実際に田んぼの草取りをしてみると、稲とヒエの区別がかなり難しかったです。
見分けるポイントは「節目に毛が生えているか生えていないか」だけで、あとは見た目がそっくり、。
ヒエが稲の代わりに植えられてたりなんかしたら、ホント騙されてしまいます。
<竹内さんから>
□ヒエについて
・やせた土地で、水が抜けやすかったり、水が冷たいところで増える。
・元は畑にいたもので、米を栽培する過程でわざと田に入れたらしい?
・水を深くはると生きられない。(深水)
・抜いて浮かしておくだけでもいい。(根がつかないので)
□稲、田んぼについて
・昔は、実ったものから収穫した為、穂刈りをしていた。
・今は、草と稲を見分けるという点と、一斉に収穫もできるという点から、稲を大きくしてから植える。
・稲は、「水根」と「陸根」を使い分け、水の中でも陸でも両方生きられる。
(水根が強いもの=水稲、陸に上げても強いもの=陸稲)
・川口由一さんの田んぼのように、2、30年不耕起栽培をやっている所は、
藁の亡がらの上に草が生えているので、それを踏むだけで良い。
・水稲は、問題は草取りだけだから、無農薬でやりやすい。
・アイガモ米は、アイガモがヒエ以外の草を食べてくれるが、
虫も全て食べてしまい、鶏糞が入りすぎるので(調整している人もいるが)あまりおいしくない。
・シャロムの自然農の田んぼで穫れるお米の量は、約2人分くらい。
(1株=約ご飯茶碗1杯)
自然農の田んぼでの作業の後は、農学舎で手植えした田んぼへ移動。
ここは3年間草ぼうぼうだった田んぼで、田植えをする前に耕してあります。
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自然農の稲に比べ、こちらの稲は分けつも進んでいて大分大きく育っています。
耕した田んぼなので、コナギが結構生えていました。
この田んぼで、ホウネンエビが出たとか。
これがよく見られる年は豊作といわれます。
他には、カブトエビやカイエビがいるそうです。
シャロムの田んぼは生き物が多く、カエルやミズカマキリ、オケラ、ヒルもいました。
田んぼの隣にある大豆畑では、大豆についてのお話。
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大豆は草と相性が良くないので、草を刈って風通しを良くしておかないといけません。
従って、株間は、大きくなって隣の株の葉が重なるか重ならないかくらいにします。
花が咲く時期は水を必要とするので、刈った草を根元に敷いてやります。
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□大豆の土寄せ
・双葉あたりまで土を寄せると、茎から根が出て根粒菌の量が増える。
・竹内さんの畑では、草が小さいうちから除草を兼ねて2〜3回土寄せをする。
(草を抑えるには、生やして大きくなった草を刈って敷くか、生やさないように数回刈るか)
□摘心
・本葉6枚目のところの新芽を摘むことで、腋芽を生やし収量を上げる事ができる。
・「奥原極早生」の様な早生種は自分で成長を止めるが、
黒豆など奥手の品種は腋芽を摘んであげると良いそう。
□三角ホウの使い方
刃が三角なので、右手前にスライドさせながら後ろにさがったり、
前進したりします。
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ブランチの後は畑で小麦の脱穀作業。
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小麦は「アオバ」という古い品種で、
グルテン含有量が多く、パン作りなどに適したおいしい品種なのだとか。
ただ、野毛が少ないので鳥に食べられやすいそうです。
6月に自然農塾で刈り、ビニールハウスで乾燥させたものを足踏み脱穀機で脱穀しました。
イッシーがカビが生えないように面倒を見てくれていたそうです。
○セッティング
ブルーシートを敷いた上に脱穀機を置き、
脱穀された籾が周りに飛ばないように歯の周りにシートをつけ(洗濯バサミでとめる)、
囲いをします。
○脱穀
まず脱穀機の歯が向こうに回るように、足で踏んで、回転速度を上げます。
↓
向こうに持って行かれてしまわないように、わらをしっかり持ち、
束になった小麦を広げながら、少しずつ歯にあてていきます。
一気にあてると摩擦が大きく歯の回転数が下がってしまうので注意します。
(このとき、籾が向こうに飛ぶように、歯の奥の方にあてます。)
↓
束を回したり、広げたりして全体に歯があたるようにします。
↓
脱穀機の口の前の部分に束をあてて、テコの原理のようにして、穂先を歯にあてます。
↓
カラカラという乾いた音がしたらOK。
*出来れば、穂が残って中身が飛んで行くようにすると良いです。
○脱穀後
脱穀したものにブルーシートをかぶせ、足で踏むと、
穂についた中身がとれる。
↓
フルイにかけて、わらや穂などの大きなごみを分ける。
↓
手でもんで籾殻と中身に分ける
○唐箕にかける
手でハンドルを回し、風をおこして軽い籾殻と重い小麦の粒とを選別します。
ハンドルを早く回し過ぎると、残したいものも飛んでいってしまうので、
適度にプロペラを回すように加減します。
↓
流し込む口の刃の角度も変えられるので、調節しながら唐箕にかけます。
☆製粉はシャロムにお願いして、その粉を使って8月の自然農ではうどんを作る予定!?
*一般の小麦は胚芽を取って製粉しているので、製粉したらすぐに食べないと風味が落ちてしまうけど、
胚芽を取らずに製粉したものは、熟成するので製粉して1週間後がおいしいそうです。
脱穀の後は、それぞれの畑で収穫や草刈り、野菜の誘引などをしました。
今年は雨が多く、夏野菜がなかなか育ちません。
トマト、ナスは特に成長が遅く、トマトは雨が多いせいで下の葉が枯れてしまったり、
病気がでたりしています。
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・トウモロコシ・・・後1週間後くらいがちょうど収穫時期。
ちょっと早いけど、収穫したものを畑で食べてみました。
(うーん、やっぱりちょっと早い。。
人によっては、とても甘くおいしく食べられたようです。)
1本に2つ実がついているものは、ヤングコーンくらいの大きさのうちに下の実を摘果します。
(大きくなってしまったものは、そのままにしておいたら実がなるかも)
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・エダマメ・・・パンパンにふくらむ手前のちょっと早いかな、くらいのものがおいしい。
熟したサヤだけ穫って、エダマメの木は残しておくと、根についた根粒菌が増えるし、
熟していないものは、大豆として収穫できる。
・キャベツ・・・収穫の際、すぐ下で穫ると2番果がなる。
・トマト・・・雨が多く、下の方の葉が枯れてしまっている株がほとんど、。
ミニトマトは大玉・中玉に比べやはり強い。
・エゴマ・・・先端を摘むと、腋芽が出て収量が増える。
若い葉をしょうゆ漬けにするとおいしい。
畑での作業の後は、
ゆうこさんが作ったバナナとズッキーニのおいしいケーキをいただきながら今回の感想を。
・収穫が出来てうれしい。
・自然農法センター見学が面白かった。(耕起、不耕起、緑肥あり、なしの比較など)
・竹内さんの畑がとてもきれいだった。
・自分で作った作物には思い入れがあるもの。
・自然界に良い悪いはないのだから、あまり現象面にとらわれないように。
今は雨が多く気温も上がらないのでまだ夏野菜がとれないが、これから暑くなれば夏野菜ができてくる。
草があったら草をかき分けて秋に野菜を移植しやすいし。
次回は8月のお盆ですね。
お盆を過ぎると一気に秋に向かっていきます。
秋は日に日に気温が下がることから、「秋の一日は春の一週間に等しい」と言われるそうです。
7月で、今年の自然農の半分が終わりました。
あと残り5回・・・!!
みなさん楽しんでやりましょうね〜☆
以上 みちる
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