安曇野自然農塾 2010年3月27日(土)
13:30 シャロムに集合 気温は、10℃くらいで風がちょっと強くて寒い日でした。
荷物をドミトリーに置いて、テラスに集まりました。
竹内さんから今日のスケジュールなど説明後、簡単な自己紹介を行いました。
いつもは、交流ゲームをするそうですが、明日天気が崩れると言うことでスケジュールを前倒しすることになりました。
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早速、畑へ移動!
畑は、本当に野原のようで、ハコベ、オオイヌノフグリや姫踊子草などいっぱい咲いていました。
また、長靴を履いていても、ふかふかさが伝わってきます!とっても懐かしい気持ちになりました。
表面の草を刈ってみると、草も根も土ふかふかしていました。土は、とっても質のよいものでした。
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川口由一さんの自然農の基本は
@耕さない
A虫・草を敵としない
B持ち込まず、持ち出さず
自然の営みで育てると言うことなんですね。
種は、はじめは買ってきた物で蒔きますが、その年実ったものから種を採り来年使います。
今、普通に食べている野菜達のほとんどは海外から来たものばかりなんです!
春菊→デンマーク
大根→イタリア
インゲン→トルコ
なす→タイ
etc・・・
次に燻炭づくりを教わります。
@まず、畑の土を15cm掘り、掘った土で土手を作り、踏んで固めます。
A新聞・カンナくずに火をつけます。
B風がある時は、風下側に小枝を置き火が安定してきたら薪を置きます。
D全体的に火が点いたら、燻炭用の煙突(一斗缶でも可)をかぶせて熱を篭らせます。
(燻炭用の煙突は、1500円くらいで販売しているそうです)
E煙突の先に草などを置いて炭化してきたらOKのサイン。風上を空けて籾殻を被せてて行きます。
F白い煙が立ち上りはじめたらしっかり火が点いた証拠なので、残りの籾殻を被せて待ちます。
Gしばらくして、黒くなった部分が多くなってきたら全体的に混ぜます。
(真っ黒より少し茶色くらい「ミディアム」がいいらしいです)
H全体が焼けたら煙突をとって水をかける。
炭は再発火しやすいので水に漬けておく位たっぷりかけて完全に火種を消す事。
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※燻炭づくりは火事にならないよう風のない日、または翌日に雨が降るような日にするのが良い。
地域によって、禁止されている事もあるので、確認してから行ってください。
次に自分達のクラインガルテン(畑)を選びました。
どこの畑が当たりかな・・・
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1.鴨下さん
2.河津さん
3.河津さん
4.鶴森さん
5.前田さん
6.渡邊さん
7.篠宮さん
8.佐藤さん
9.小向さん
10.新井さん
11.今林さん
12.馬渡さん
13.久保さん
14.稲垣さん
17.久保さん
次に畝作り・種蒔きを教わります。
@草の生え際をのこぎり鎌で刈って土を出します。※根は抜きません。
(のこぎり鎌を使用する時は、危ないので必ず左手に軍手をしましょう。左利きの人は右手に・・・)
A草はそのまま隣に置いておき、草の種が残っている表層を1cm程削り平らにならします。
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B畝の高さは、10〜15cmにします。※高すぎると乾燥してしまいます。
畝の幅は、90〜120cmにします。
B畝の横30cm幅位を鍬で掘り起こし通路を作ります。※モグラ穴は踏んで塞ぎます。
B素手でレタス種を1cm間隔になるように蒔いて、通路側の少し深い部分の土をかけて、鍬の背で押さえます。※種の2倍位を目安に。
(土の水分だけで発芽させます。ここで水をあげてしまうと水分を欲しがる手のかかる子に育ってしまうそうです。)
C種のついていない刈った草を上に被せ水分の蒸発を防ぎます。※根は取り除きます。
D1〜2ヶ月で植替えをします。
植替えする時は、前日に雨が降った後か植替え前に水をあげてから作業します。
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グリーンピース・ソラマメの種蒔き
@種は成長した時の数と同じだけ蒔きます。
Aグリーンピースは大麦と一緒に蒔くと成長してきた時、つるが大麦に絡んでいくので支柱要らずなのだ!
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ここで本日の作業は終了。
帰りに麦踏みをしながら戻って、身体が冷え切ってしまったので、夕飯前に温泉に行く事になりました。
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最後に作付け計画
夕食後、自己紹介をした後、自分たちの畑に何を作付けしたいかを考えました。
コンパニオンプランツ(共栄植物と言って、近傍に栽培する事で互いの成長によい影響を与え共栄しあうとされる植物の事。)をうまく配置していくと相乗効果があって良いそうです。
5・9月は種蒔き。
6・7・8月は、できる限り月2回は、手入れに来る方が良いとの事。
明日も、作付け計画を行うので、本日は途中で終了です。
どんな畑になるのかな〜来月から楽しみです。
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本日は、疲れてしまったので?皆さん早めの就寝。
夜の部は、来月に持ち越しです。
今日の振返り
農業についてほとんど何もわからずに参加してしまいましたが、臼井さん竹内さんの説明はとても分かり易かったですし
スタッフの皆さんも温かく迎えて下さってほっとホットしました。
また、なんでこんなにシャロムは居心地が良いのかな・・・と。リピーターの方が多いのも分かる気がします。
自然農塾での経験を”農”だけではない部分も含めて、いっぱい吸収して行きたいと思っております。
今後ともよろしくお願いいたします。
レポート:こむ
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3月28日(2日目)
曇り空に涼しいというより寒い気温、それでも前日までの予報は「みぞれ」だったことを考えると幸運かもしれません。
そんな陽気の中、午前7時より2日目のプログラムが始まりました。
先ずはエコツアー。臼井さんの案内でシャロムヒュッテの自然にやさしい試みを見て回ります
(注:昨年の方が大変すばらしいレポートをされておりますので詳しくはそちらをご覧頂くと良いです!)。
ぬかくどはもみ殻を燃料にする調理器具で、田んぼとつながって循環しています。
10万円くらいしますが自作もできるそうです。
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堆肥トイレには森と同じように落ち葉がしいてあります。堆肥もできるのでこちらも循環します。
1回に20ℓも水を使い下水道も必要な都会のトイレとは大違いです。こちらはイッシーさんのご説明でした。
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「森の家」は自然にかえる家で基礎もコンクリではなく土です。なるべく朽ちるものを使うのは7世代後のこども達を思ってのことだそうです。
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これらは幼稚園のこども達が使うそうです。便利なものでは無く循環するものばかり。
こどもたちがどう感じているか聞いてみたいところです。
温室のジャリには訳があります。昼に太陽の暖かさを溜めて夜放出するのです。
水場からの排水が田植えされた場所に流れています。
こうしておけばせっけんや歯みがき粉を使いたくないと思わされます。
ここでパーマカルチャーの概念について説明がありました。
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わらの家です。わらと土をあわせ強固にし、漆喰によって防水性を得ています。
違う特性を得るためには関係性の中にあってつながりあうことが大事のようです。
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色々な農法が実践されている畑に移動しました。
ブラジルに入植した日本人が考えた森林農法です。入植者の方々は始めコショウを作ったそうですが、1年目はよくとれたもののそれ以降あまり取れなくなったそうです。そこで高い木も低い木もあり、落ち葉が積もっている森の姿を畑に再現することを思いついたそうです。だから畑に木があるのですね。
森林農法
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川口由一さんの農法はカマ1本でできます。この自然農塾でも川口さんのやり方が多く取り入れられています。
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炭素循環農法は投下エネルギーが高いため収穫も多いとのことです。川口さんのやり方を人工的にする農法です。
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自然農の畑の向かいには耕した畑もありました。耕した所は夜気温が下がると霜が立つそうです。昼に得た太陽エネルギーを放出してしまいます。対して自然農の畑は
草があることによって霜が立たないそうです。
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コンポストには米ぬかと落ち葉が入っていて5〜60℃になり分解するそうです。
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何種もの畑を見ましたが、時期が違えばまた畑の姿も変わります。
色々なやり方から自分にあったものを見つける事が大切とのことです。
エコツアーを終え8時より竹内さんを講師に作業開始です。
始めにクイズです。耕した畑と自然農の畑、支柱をさしてみるとどちらにより深く入るでしょうか?答えは自然農の畑です。耕していなくてもフカフカなのです。植物は地上の背の高さが根の深さと一緒なので、根を残すことでトラクターの歯よりも深いところまで耕したようになるそうです。
自然農の畑では1メーターほど支柱が入りました。講座が終わって西の畑で耕したところに刺してみると10pも刺さりませんでした。
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苗箱を作ります。
用土は畑の土を8割、あとの2割は昨日作ったくん炭と落ち葉の下にある微生物の豊富な土を混ぜます。それぞれ先にふるいにかけておきます。落ち葉は生なので混ぜません。また土はフカフカ過ぎると乾燥してしまうので40%くらいの水分がよいそうです。握ると固まるがつまむとくずれるくらいです。
トレーに土を入れたら押さえつけます。そして板などを使い平らにします。
まき溝はカマで線引き。このカマ万能です。
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何を蒔いたかわかるように札も作ります。牛乳パックを使うといいです。
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ナス、ピーマン、ストロベリートマト、イタリアンミニトマトの順に蒔いていきます。それぞれ発芽温度が違うのでわかり易くなっています。蒔く際には間隔に気をつけます。1cmくらいが良いです。直播と違うのであまり密集させすぎるといけません。種を扱うときは素手で行います。余った種は冷蔵庫で保管しましょう。
蒔き終わったら土を薄くかけていきしっかり押さえつけます。
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ハウスに移動します。外は震える寒さですが中はとっても暖かい!暖かい国の野菜を発芽させるにはこの温度がいいのですね。
ジョウロで水をかけます。箱の少し外側をめがけてやさしくかけていきます。1回かけたらしみるまでまちもう1度かけます。乾燥したらまた水をやりますが、種が寒さでカゼをひくといけないので、最初の1回だけにするのが理想です。ですから乾燥を防ぐよう新聞紙でくるんでいきます。ピッタリと折込み仕上げに上から水をかけます。新聞紙には今日の日付と1週間後の日付を書いておきましょう。
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苗箱はハウスの中にあるトンネル内で温度と湿り気を管理します。とても大切にされています。
今度は1人ずつポットにトマトの種を蒔きます。
ポットの底を落ち葉でふさぎ土を入れていきます。
ふちから1pくらいの深さまで押さえつけます。
2cm程離して穴を4つ作り、種をおとします。
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ポットは各自持ち帰り管理します。家に着いたら重さを計り、軽くなってきたら水をかけます。ですが、あまり水をかけすぎないように注意します。やりすぎるとモヤシの様に細い苗になってしまします。苗箱と同じように新聞紙をかぶせ乾燥を防ぎましょう。
温度管理も大切です。10℃から15℃に保ちます。昼は窓際に置き、気温が低い日は温室を真似て車の中に移すなど工夫しましょう。夜は部屋に入ると良いです。ただし乾燥しやすくなります。
ここから1つか2つ苗をとることを目指しますので愛情深く見てあげましょう!
続いて自分の畑に移動します。昨日決めた場所は皆さん覚えていましたか?早くも畑に愛着がわいて来ました。
作業し易いように通路を作ります。足で土をどけて幅を広げていきます。
同時に両脇から畝に土を盛り固めていき、苗箱と同じく平らにします。
最後に1本の畝を5区画に割るよう線を引いて見ます。頭の中に野菜の育つ姿がうっすらと浮かんできました。
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ここで10時となり午前の作業は終了です。あっという間の2時間でした。
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10時30分よりブランチを頂き、その後休憩になりました。
12時より昨日に続き、作付け計画を進めます。2日目になり皆さん緊張もほぐれ、和やかな雰囲気で仕上げていきます。
竹内さんに出来上がった計画のチェックをお願いし、隣り合う野菜の相性や、冬畝の後作についてのアドバイスをもらいます。ついに1年間の目標に沿った計画の完成です。それぞれ満足のいくデザインになったのではないでしょうか!
小休憩の後13時15分よりビデオ鑑賞です。
「宇宙船地球号」という番組で川口由一さんが紹介されていました。
自然農を行っている川口さんの田んぼと、慣行農法や有機農法を行っている隣接する農家の方との対比が描かれています。投下するお金と労働力、収穫量と収益など実数を示し、わかり易い番組でした。それぞれに感想を持たれたようです。
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14時30分より振り返りです。
感想を用紙に書き、提出すると裕子さんから手作りのブラウニーのプレゼントです。おいしく頂きました。
最後に2日間の感想を、スタッフの方を含め全員が順に話します。
それぞれに感じたことを語り、拍手で答える暖かい振り返りとなりました。
「こうありたいと思うことはいいあう」
臼井さんの言葉にあずみの自然農塾のスタイルがあるのではないでしょうか。
竹内さんを中心に、スタッフの方々と共にメンバー全員で作り上げる学びの場になりそうです。
4月より参加のメンバーの方もよろしくお願いします。
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