第
9回 安曇野パーマカルチャー塾 11月レポート 2日目(11月24日(土))
レポーター:くろ
【農業実習】
◆種の話・保存
<種について>
○在来種と固定種の違い
・在来種:その土地で長年栽培されてその土地の風土に適応した品種。
野沢菜は在来種で
F1種が存在しない。元々は京都の野菜で
野沢温泉で栽培されているのが野沢菜、稲刻で栽培されているのが
稲刻菜でこれは葉もカブも美味しい。
・固定種:年数をかけて個体選抜を繰り返し、形状が揃っていて遺伝的に
安定している品種。環境の変化に強い。
○
F1
・形質の異なる品種同士を人工的に掛け合わせて作った品種。
雑種強制により両親の優れた性質を受け継いでいるが、
その性質は一代限りのみ発揮される。
・長時間の輸送で傷まないようにしたり、同じ形状の物を大量に生産
するのに都合が良いが、味は美味しくない。
・
F1も種を採れば3世代位で固定種になれる。
・特徴として、形が揃っている、環境変化に弱い、食べる側よりも売る側の
利益が優先、化学肥料・農薬を使う事を前提に品種改良されている。
・雄性不稔は雄しべの無い突然変異の株を利用する事で人手がかからないように
した作り方。遺伝子組み換えと比べると数は少ないが自然界で起こりうる現象。
○遺伝子組み換え
・神の領域に踏み込んだ技術で、自然界ではありえない傲慢な技術で
食料支配が目的。農家は種子会社に支配されている。
・第一世代:商業栽培されているもの。
日本ではまだ認められていないが実験は行われている。しかし、
事件施設は屋根があるわけではない。
モンサントのラウンドアップ(除草剤)に耐性があるもの。
殺虫遺伝子が組み込まれているので食べたら虫が死ぬ。
・第二世代:アレルギーを緩和する遺伝子が組み込まれている。
・全世界で遺伝子組み換えが栽培されているもの。
大豆(
1位アメリカ、2位カナダ、3位中国)、菜種、
とうもろこし(
1位アメリカ、2位アルゼンチン、3位インド)、綿、
じゃがいも、甜菜
・オーガニックコットンは遺伝子組み換えを認めていないが、自然交配により
汚染されてしまうケースが多い。カナダは汚染率が高い。
・日本では家畜の飼料で食べさせている為、間接的に入ってきてしまっている。
・油、加工食品にも多く使われている。
・菜種は国産のものもある。九州の鹿北製油。
・安いものには裏がある。
<自家採種のすすめ>
・自家採種は種を守るために私達が出来る事。
・経済的。例えば、ナスは1つから沢山種がとれ、かぼちゃの種は取るのは簡単。
・育てていくうちに、自分の畑に合ってくる。
<採取株の選び方>
・健康な株の中から、一番最盛期のものから採取する。
・形など自分の好みに合ったものを選ぶ。
・近親相姦になると遺伝的耐性が失われるので、数株から採取するのが良い。
・種の寿命:物によっては
3〜5年もつので、毎年採らずに保管しておける。
<採取に適した土壌条件>
育種する場合、肥料を使わずやせ気味に育てたものを採取すると
自然に適応していく。
<こぼれ種と自然生え>
播いていないのに勝手に生えてくる。
・アブラナ科(小松菜、白菜等)は一緒に植えると交雑しやすい。
・のらぼう菜は交雑しない。
・本当の在来種は交雑しにくいと言われている。
・自然生えの種は強い。
・果菜類が適している。
<採取とは>
原種のもつ遺伝的形質を乱さないで量をふやすこと。
・自家受粉:自分の雄しべで受精する。
・他家受粉:自分以外の花粉で受精する。
交雑しやすい。
・麦、米は交雑が少ない。しないわけではない。
一枚の田んぼの中で雑植できるが、種を採るときは交雑の少ない部分から
種を採るようにする。
・マメ科も交雑しにくい。
・大根とカブは交雑しない。
・トウモロコシは交雑しやすいので、
2キロは離すようにする。
他家受粉なので、まとまった本数植えないと実がは抜けになってしまう。
トウモロコシは遺伝子組み換えでない種を輸入しいるが、汚染されている
可能性が非常に高い。
・交雑を避ける時はある程度の面積にネットを掛け、真中あたりのものから
採取する。
・紫蘇は交雑しやすい。例えば、紫蘇とエゴマが混ざってしまう事がある。
交雑してしまったら種は購入しないといけない。交雑を避ける方法は、
花をつけさせないように紫蘇かエゴマのどちらかの花を受粉しないように
摘み取ると交雑を避けられるが、その場合、片方の子孫が残せない。
・かぼちゃとズッキーニも混ざりやすい。
<採種者募集>
信州山峡採取場では採種者を募集中。
・長野のハーブセンターで
100円で種が売っている。
・採種条件
ゴボウの採種
一反:
20万円
※採種の際、イガイガがかゆいが、脱穀機を貸してくれる。
紫蘇の採取
一反:
11万円
※種を採るタイミングは
3〜4日しかない為、この時期に雨に降られると
1年がパーになる。
<冬に備えて>
・信州は冬が厳しい為、貯蔵に工夫が必要。
・サツマイモ、里芋、かぼちゃは冷やしてはいけない。
5度以下だと腐り始める。
・生姜や里芋は熱帯植物の為寒さに弱い。
・保管方法:発砲スチロールに入れて冷蔵庫の上に補完。
箱にもみ殻を入れておくと呼吸もできてよい。
・貯蔵する場合には大根は切干大根、サツマイモはふかして干して干し芋にしたり、
野沢菜やたくあんにして保存。たくあんや野沢菜は冬の貴重なビタミン源。
・ジャガイモは
3〜10℃以下でも大丈夫。
・芋煮会はイモ類が越冬できないので食べきるために行われている。
・かぼちゃは品種によって貯蔵性が変わる。
早生:長持ちしない。坊ちゃんかぼちゃは
1ヶ月位で食べないと味が落ちる。
・信州では
12月に収穫を終え、冬の準備をするのでとても忙しい時期だが、
12月を過ぎるとやる事がないらしい・・・。
詩さんは冬の間は竹細工のお仕事で大忙し。
◆畑の整理、来年の準備、竹伐
○畑の整理、来年の準備
・不要となった支柱を取り外し、畝の上に生ごみや米ぬかをまくが
決してすきこまない事。
※さつまいものように土を掘り返した所は地力が落ちやすい。
・生ごみは動物がくる心配ある時はやらない方が良い。近所の目が気になるときは、
落ち葉をかけておくとよい。
・畝の幅を変えたい時は、もう一度畝を立て直して使う。菜の花美味しい。
・白菜の結球していないものは越冬可。結球したのは凍みてしまうので越冬不可。
・人参と大根の種採り準備:
一度全部掘り上げて並べる。
畝の両端に植わっている物は遺伝的にあまりよくないので、真中のものを選ぶ。
健康そうなもの、形のよいもの(好みの形)を選び、葉を切る。
穴を掘り、植わっていた時と同じような状態で等間隔で穴の中に埋める。
◆竹伐り
竹細工に使う竹を選ぶ時のポイント
・雑木林に生えている竹がよい。光を求めて上へ上へと伸びていく竹が
適している。
・伐る時期は糖分と水分が一番少ない
11月の新月前が良い。軽くて長持ちする。
・畑の支柱もこの時期の物は腐りにくい。
竹林は傘をさして歩き回れるくらいの間隔で整備すると良い。
竹を伐るときのポイント
・竹林のためには鉈で伐った方が良い。伐った所に水が入りぐしゃぐしゃに
なって腐り土にかえれるようにしてあげるのが良いが力がいる。
・危なくないように土すれすれで伐る。
1年目のタケノコ(シンコ)はもちが悪い。見分け方はシンコは根基に
まだ皮があり青々している。支柱には若くない竹を伐る。
タケノコの大きさでその後の竹の大きさが決まる。
竹細工にはマダケが適しており、薄竹(はちく)は向いていない。
【ブランチ】
<今日のメニュー>
◆ボンダ 南インド料理
ジャガイモで出来た揚げ物料理。
◆キクイモのスープ
◆カリフラワーとジャガイモのミックスベジ
◆ひよこ豆の卵?
アーユルヴェーダでは、
・揚げ物、生野菜は昼、夜は消化の良い物を食べる。
・フルーツは日が沈んだら食べない。
・消化が早い物を先に食べると、後から食べた物が消化しきれずに排泄されてしまう。
【畑総まとめ ふりかえりと発表】
<ゆうちゃん達の班>
・畑の顔を見て付き合って自分のやり方でやっていくのが良い。
・本当の地力を引き出すのにはどうしたらよいのか。
・全体像をぼんやりとしかつかめなかった。
・全体的に育たなかった。
<みっちゃん達の班>
・作物がなかなか育たず。
・夏はトマト、キュウリ、チコリは○。
・種からのものは次の月に来た時には草に負けていた。
・人参、大根、ばら撒き菜、秋の収穫物は○。
・初回から計画通りに行かなかった。気分でやった方が良いのかな?
次回は豆とかで地力をつけた方がよいのでは。
・困った時はばら撒きが良い。
・苗からの方が良く育つ(トマト、キュウリ、チコリ)。
・春菊は
2倍くらいを9月に播いてみたら少し採れた。
<くろ達の班>
・芽が出ても途中で無くなってしまった。
・畝の両端を除いて中央付近は特に育ちが悪い。
・札の丈を長くしておかないと次月来た時に分からなくなってしまった。
・播いた後は記録を採った方が良い。最初はアバウトでも播いたとのマップ作りが
大切。
・育ちが全体的に悪い。
・ひまわりは良く育ったが種に実が入らなかった→みおちゃんが作品にしてくれた。
・カブと大根はよく育った。
・全体的に雑だった。
・どこまで草を刈るか等、皆で話し合ってから次に進んだ方が良かった。
・最初に畑を見てからマップを作った方が良かった。
<詩さんコメント>
・開墾した
1年目(4年前)は良く育ったが畑を利用しすぎた為、全体的に育ちが
良くなかった。
・草を生やす事が大切。草は太陽のエネルギーを土に固定してくれるものなので、
密に植えてしまうと、草が生えるスペースが減り上手く育たなくなる。
・今年の天候はいつまでも寒い日が続いたため成長が追い付かなかった。
・毎年問題のない年はない。答えはないので経験が大切。上手くいかない方が
勉強になる。
・収穫した場所に残差を戻して地力をつけるのは持ち込みにはならない。
・自然農は家庭菜園に向いている。
・種を播く時は、袋に書いてある時期よりも少し早目に播いて上げると良い。
・知識よりも感覚を育てる。
・感性とその
DNAを育てる。
・野菜が先生。
・人に聞く前に考える。
・雰囲気でやる。正しいかどうかを知る為に記録をとるのも大切。
【建築実習】
安曇野スカイツリー
◆壁塗り
◆屋根の石積み
内装迄手掛ける事は出来ませんでしたが、外側はほぼ完成。
本当に設計書に書かれていた図通りの出来栄えに感無量!
【夕食】
<メニュー> 鍋料理(タイスキ)
これは盛り上がりました〜。
特に示し合わせた訳ではないのですが、鍋を囲むテーブル
3か所にそれぞれ特徴が。
・男性メインテーブル:流石、食欲旺盛のようで鍋の減りが早い!
・女子会?テーブル:ワイワイと一斉に鍋をつつく様子は女子会そのもの。
もちろん完食です!
・大人なテーブル:
【一芸大会】
皆の芸に見惚れて、誰が何をやったか記録するのをすっかり忘れてしまいました。
やる前は、きっと気分がブルーだった人もいたと思うのですが、いざ始まってみたら
それどころか皆の芸に全員釘付けでした。
と言う事で、記憶を頼りに書いていきます。
書き漏れあったらゴメンナサイ。
ケンさん パーマカルチャー塾の様子をスライドショウで映写 1年間の思い出に浸りました。
ひでみっちゃん:奥さんのマタニティーという衣装に、背中にはあかりちゃんを背負って
歌の物真似。しかもトップバッターでおおいに雰囲気を盛り上げてくれました。
ちひろさん:お客さんがマッサージ中眠ってしまった、というシチュエーションで、
寝ているお客さんに気付かれないように、仰向けの状態からうつ伏せに
かえる技を披露。お客さん役にはミイさん。流石、プロマッサージ師。
まりもちゃん:沖縄の三線演奏と歌を披露。沖縄のゆったりとしたのどか〜な時間が
伝わってきて、ずっと聴いていたくなるような演奏でした。
みっちゃん:ルーミンの詩を披露。何百年も前に書かれた詩が今の私達の心に響くのは
とても素晴らしい事でした。
伊藤さん、秋葉さん、みおちゃん:竹の打楽器演奏を披露。
たたく位置によっても音の高さや質感が違うんですね。
3人の息もぴったりでとても素敵でした。