11月23日(土)レポート
安曇野は雲一つない青空、北アルプスはもう雪がかぶって真っ白くなっていました。今年も寒い冬が来る、そしてこの塾も、このメンバーで集まるのは今日で最後・・。
まずは簡単に一人15秒近況報告。畑を借りられることになった人や、移住予定地に家を探しに行った人、仕事を辞めた人、みんな着実にパーな生き方にシフトしていってる!猫札あっちゃんに、みんな最初の時と比べて顔がパーになってるよと言われたのが、なんだか嬉しい♪
さて、この日は早速建築実習から。ソーラー班、ベランダ班、雨水タンク班に分かれ、健二さんからの指示書を参考に作業。挙手による班決めはすんなり決まり、「みんな大人だね〜」という梅さんの声。いえいえ、チームワークが良いのです!
ソーラー班
・・・くまさん、まこっちゃん、ひろ、(ゆうちゃん、ゆもっち)
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50Wのソーラーパネルを並列につなぐ(ちなみにパネルはヤフオクで1枚6000円ほどで買えるらしい!)。二つのパネルの+と+、そして室内のコントローラーにつなぐケーブルの三本をひとまとめにし、テープで固定。−側も同様に。「飛んでいかないから大丈夫」とのことで、パネルは固定せず、多少の遊びを持たせて二本のケーブルを側面の穴から室内に通す。この際、そのままだとケーブルをつたって雨が入ってきてしまうので、外で一巻きする。ケーブルを通したら、穴は紙粘土で塞いでしまう。
さてここからは中での作業。室内に取り付けられたソーラーチャージコントローラーなるものに先ほどのケーブル2本、電気の配線、そして蓄電池を取り付ける。狭く細かい作業なため、一人ずつ交代で。そして蓄電池を取り付ける前に時間終了〜。
電気系統はあまり詳しくない、と言ってた割にはさすが男子!!くまさんはじめ、まこっちゃん、ゆもっち、とっても頼りになりました。
ベランダ班
・・・トミー、響くん、亮ちゃん、うっしー
タイヤのホイールを土台に使う(けんさんのワーゲンついに廃車!?)
まず、1800_の大引(おおびき)を横に二本張る。その上に1575_の根太(ねだ)を縦に五本張ったら、床板を載せていく。すごい!あっという間にテラスが完成〜!このテラスは今後温室になるそう。
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雨水タンク班
・・・いがちゃん、さなえさん、あきらくん、あっちゃん、みかさん
前もって、健二さんが蛇口を取り付けたプラスチックのワイン樽を用意しておいてくれました。このワイン樽は山梨のワイナリーさんから譲ってもらったそう。雨水を受ける部分は身近なもので手作り。よくあるザルに、これまたよくある素焼きの植木鉢に排水溝の網をくっつけたものを、くりぬいた樽の蓋部分にはめ込む。これにはみんな感心!「あ〜、こうやって作ればいいんだぁ!」
モバイルハウスに雨どいをつけ、樽を置く台座を木で作り、ちょうど樽の雨水受けに水が落ちるように排水管を切っては繋げ、切っては繋げ・・こちらもあっという間に雨水タンクの完成〜!
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ここで健二さんのお話。
「北の国からの五郎さんの家」
最初の丸太の家は、家は買うものという概念を作ることができるものへと変えた。その後、海外から輸入のログハウスが増えたことにより、倉本聰は丸太の家を燃やし、五郎さんに石の家を作らせた(過去の活火山の活動により、畑からでる大量の石を利用)。その後、大量生産・大量消費社会へ警鐘を鳴らすため、廃材から作る「拾ってきた家」を作った。
倉本聰は、五郎さんの家を通して社会に対して警鐘を鳴らしていたという。そっか、そういうことだったんだ。もう一度、北の国からを一から見直してみよう・・。
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最後にみんなで写真を撮って、建築実習もこれで本当におしまい。最初は本当に家が建てられるのか!?と思ったけど、立派なモバイルハウスが完成したね〜!これにけんじぃの遊び心が加わって、今後さらに進化していくことでしょう。楽しみ楽しみ。
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さてお次はゆもっちによる種と保存の話。
*種の話*
●固定種・・・何世代にもわたって種を採り続けることで、その野菜の個性(形質)が定着した品種のこと
●在来種・・・地域ごとに長年栽培され、その風土に合わせて適応し形質が安定した品種。
固定種と在来種は同列ではなく、固定種の枠の中に在来種がある。在来種の反対語は外来種。外来種でも長年種採りを続けると、帰化植物となる。
●F1品種(一代雑種、雑種第一代)・・・形質の異なる品種同士を人工的に掛け合わせて、特定の形質が発現するように作られた品種。化学肥料と農薬を使用するのが前提で育種されていて、採取地はほとんど海外。それぞれの立場のニーズに対応して作られてきた。消費者(味や形)・販売業者(日持ちや輸送に耐えるetc)・外食産業(形が揃っている、加工しやすいetc)・生産者(病害虫に強い、成長が早い、在圃性が高いetc)
※在圃性が高い・・ある大きさになると成長が止まるため、収穫適期が長く、大きさも揃う → 出荷調整作業の短縮になり、効率良くより多く出荷できる!
近年のF1種の傾向としては、雄性不稔という、花粉ができない突然変異の遺伝子異常の株を利用して、人手をかからなくして作られているものがほとんど。翌年には形質がばらばらになってしまうため、種を買い続けなければならない。
F1品種が一概に悪いわけではなく、この雄性不稔に関する安全性がまだ立証されていないことが問題。男性由来の不妊症や、ミツバチの減少と関わりがあるのでは?(野口勲さん「タネが危ない」参照)
※F1の二代目は、隔世遺伝で元の形質が出てきてしまうので、バラつきはあるが種採りができないわけではない。7代採り続ければ、オリジナル品種になる。
※雄性不稔株は実をつけないが、別で受粉させれば実はできる。でもそれを植えてもできるのは雄性不稔株。
F1品種や雄性不稔は、栄養価、安全性、持続性という視点が欠けている。これからは消費者がもっと気にして生産者に求めていかなければ、変わらない。
●遺伝子組み換え品種
・遺伝子組み換え技術を用いた遺伝的性質の改変によって品種改良等が行われた品種
・<モンサント社>除草剤と除草剤耐性種子のセット販売をしている → 除草剤の大量散布 → 健康被害や耐性雑草・耐性害虫の増大 → もっと強い除草剤・殺虫剤の使用 → お金がさらにかかることも・・(いたちごっこ) → モンサントの種を買ったインドの綿農家の30人に1人が自殺に追い込まれた 「負のスパイラル」
・自家採取の禁止
・非遺伝子組み換え品種との交雑による遺伝子汚染
・遺伝子組み換え作物は安全か?・・2年間ラットによるGMO実験では、がんの発生率が高まった!しかし、モンサントは、症状が出始める前の3か月で実験を打ち切り、安全性に問題がないとして認可を受けた!
「いでんしくみかえさくもつのないせいかつ」雷鳥社、手島奈緒
●自家採取のすすめ
自分の畑、栽培方法、その土地の風土に合った品種になっていく上、経済的。
ポイントは、最盛期に採取株を決める。自分の好みに合ったもの(味や形)を選ぶ。数株から種採りをして多様性を持たせる。交雑しやすい品種は年によって採取品種を変える。種苗交換会を積極的に利用する。
交雑するかしないかを知る(ex.アブラナ科は、種が同じだと交雑する、ウリ科は属が同じだと交雑する・・同じカボチャ属のカボチャとズッキーニは交雑するが、キュウリ属は交雑しない)
●貯蔵について(冬に備えて)
・根菜類は畑に穴を掘って埋める、保管適正温度がそれぞれ違うので注意
・白菜は新聞紙にくるんで冷暗所で保存
・加工品を作る(切干大根、干し芋、たくあん漬け、みそ作り、しょうゆ作りなど)
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待ちに待ったご飯の時間。インドに旅立ったタミさんに変わって、うたさんによる優しいごはん。
「天と地の恵みと、作ってくれた人に感謝して・・そして、今ここで共に食べることのできる皆に感謝して・・・頂きます」
タイすき ・・ ゆもっち野菜(白菜、人参、ネギ、大根)
こぶみかんの葉、レモングラス、大根、ネギの青い部分、セロリ、人参葉でだしをとり、塩とタイ醤油を加えてスープを作る。そこにたくさんのお野菜投入。
タレは甘酒、みそ、スィートチリ、お酢、すりごま、こぶみかんの葉を刻んだもの。
黒大豆のチヂミ風 ・・ 玉ねぎと固く茹でた黒豆を入れたチヂミ
タレはにんにく、ネギのみじん切り、醤油のみ!
りんごきんとん ・・ 紅玉の塩煮と、ふかしたさつま芋を潰して混ぜただけ!
「お手手をパチで・・頂きました」
食事の後は、ドキドキわくわく、一芸タイム!!
国際的に行われている、パーマカルチャーの正式カリキュラム(笑)
トップバッターは、我らが教祖様、けんじぃ!
足るを知る器「足る足る茶碗」、本当は水を一定量入れるとこぼれだすはずが・・「普通の器です」と飲んだ途端に水がジャー。種明かしをする羽目に・・
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二番手はくまさん!
アフリカンジャンベの披露。このジャンベ、元々は通信手段だったそうな。ジャンベの説明をしながらさらっと叩いてる、すごーい!
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お次は響くん
サイモン&ガーファンクルの「アメリカンチューン」弾き語り
響くんの知られざる一面を知れました。とーっても素敵な歌声にみんなうっとりでした。
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そして私、ひろ
上毛かるた暗唱! 縄文かるた・・??いえいえ、じょうもうですよ!群馬のことです。群馬には県民みんなが知ってるかるたがあるのです。群馬出身のまこっちゃんといがちゃんがいる前でお恥ずかしいのですが・・
とここで! ♪信濃の国♪という長野県歌をけんさん歌いだす。長野県民は宴会になると歌いだすらしい。こういう独自の文化があるっていいですよね。
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ゆうちゃん
「あれ歌ってよ、あの自作自演の歌!(笑)」とのリクエストにお応えして、昔都会に住んでいた時に作った歌を披露。澄んだ歌声でとってもとっても素敵でした〜。
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晃くん
電子ピアノを持参!照明に照らされて、30歳から1年間習ったというピアノの演奏。曲はショパンのノクターン。晃くんの真剣な表情と優しい音色に、とても心が温かくなりました。
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猫札あっちゃん
加子母(かしも)のヒノキのますに直筆のメッセージと幸せの種を入れてみんなにプレゼント!あっちゃん、いつも幸せな言葉をありがとう〜。
そして「ありがとう」という別名がついたバッハのプレリュード第一番の演奏。真っ暗闇の中、幸せの音色が響き渡りました。
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続いては、五十嵐夫妻による「ふわとろオムレツ講座」
まずはさなえさんの片手で卵割り。目にもとまらぬ速さ!
ホイッパーで卵を混ぜ、生クリームを加えて一度濾す。フライパンをよーく温めて、バターをひいて、卵液を流しいれたら・・・この先は一瞬過ぎて描写できません・・。プリンスホテルのシェフの技にみんなうっとりでした!そしてふわとろのオムレツをみんなでおいしく頂きました〜!
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お次はみかちゃん
非電化甘酒。普通、炊飯ジャーなどを使って作る甘酒ですが、非電化で黒米甘酒を作ってきてくれました。作り方は、まず1cupのお米に対して3倍の水で甘酒を作り、60度になったら麹を入れて、蓋をして新聞紙でくるみ、さらにバスタオル、毛布で包んで布団の中へ。夏場は8時間、冬場は10時間ほどで完成!とっても甘くておいしかったよ〜。
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お次はまこっちゃんによる紙芝居「間借りのふくろう」
ひとし君の家の本棚につがいのフクロウが住みついて、出産、子育てを経て旅立っていくまでのお話。まこっちゃんの優しい語り口と絵で紡がれる物語は、フクロウの生態や自然のことも学べる、心温まるお話でした。
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やってくれたぜ、トミー!!
ギタレレを片手に、どんな素敵な曲を披露してくれるのかというみんなの期待のまなざしを前に・・・「え〜!!!」そうきたか!中途半端な長渕剛!!拍手喝采、アンコールの嵐!最後に伝説を残してくれました・・。きっと一生語り継がれることでしょう(笑)
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お次はあっちゃん
だんなさまのウクレレ演奏と共に、フラダンス「月の夜は」披露。ナチュラルな衣装にお花のかんむり、かわいいあっちゃんに似合っててとても素敵でした。だんなさまのじゅんさんも、れっきとした11期生の一員だね。
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お次はなにやら準備に時間がかかっている模様・・
そこへ流れ出す音楽・・パーなTシャツを着た怪しい人物と、かわいくないトトロによるヤングマン!そして変なおじさんも乱入。亮ちゃんと、そのお友達(おーち君という噂も・・笑)とあっちゃんズによるヤングマンでした〜♪
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梅さんによるナイフとフォークで場がさらに温まり、朋子さんによる読み聞かせ「ほら、きのこが」をみんな真剣に聞き入り、ゆもっちから大根踊りで11期生にエールを送ってもらった後は・・
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締めはうっしーによる、2眼レフカメラで集合写真!すごい本格的!みんな最高の笑顔でパシャリ!
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これにて一芸大会終了。本当は消灯だけど、最後の夜を惜しんで誰も部屋に帰らず・・
響くん、くまさん、トミー、まこっちゃんによる息の合ったセッションは続く。
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みんな、それぞれのタイミング・想いでこのパーマカルチャー塾に通うことを決め、最高の仲間に出会うことができ、パーな生き方と心地いいと思える居場所を手に入れることができた幸せを感じながら、歌い、踊り、抱き合い、最高にHappyなひと時を共に過ごすことができました。
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名残惜しいけど、この幸せな時間もそろそろ終わり・・。
あっちゃんの蛍の光にのせて、梅さんの締めの言葉。
「皆様、このたびは第11回安曇野パーマカルチャー塾にご参加いただきまして、ありがとうございました。これで終わりではなく、ここからが始まり。みんなで世界中にパーカルの種を撒いていきましょう」
Imaginを大合唱して、最後はグループハグでみんな一つになり、peaceな雰囲気に包まれてパーカル最後の夜は終わりました。
ひろ