【白菜】
美斉津さんと直播した白菜。元気そうに育っている。
周りの草は取り過ぎてはいけないが、根元周りの草は取って大丈夫。白菜も順次間引く。
小さいもの(本葉2・3枚くらい)は間引く時にポットに鉢上げして、苗を育ててから定植することも出来る。
◎鉢上げ・植えかえのポイント
・鉢、ポットに鉢上げする1、2時間前に十分に水やりをしておく。
・鉢上げ、植えかえのあとは一週間くらい日陰にすると根の活着がよい
(支柱とゴザや寒冷紗で作ったトンネルなどで陰を作る)
【玉ねぎ】
美斉津さんと播種した玉ねぎの苗床。
芽は出ているが、まだまだ小さく、草の中で見つけるのが大変なほど。
草に負けないように芽の周りの草を取る。
私(秋場)などには眼鏡が欲しいくらいの作業だった。
これも密集しているところは順次間引く。
鉛筆くらいの太さになったら本畑に定植する。
◎ポイント
・玉ねぎの苗は芽が出るまでが勝負。乾燥に弱いので、水やりをした方が確実。
・間引いた苗は本畑に植えても良い。時間は掛かるが育つ。
・本畑への定植は苗を15p間隔で植える。
【小豆の収穫】
・花嫁小豆・黒小豆 小豆は良く生っていた。
◎ポイント
・サヤが黄色く乾燥したものから、順次収穫
(サヤが乾燥してから雨に当たるとカビてしまうので、早めにとる)
・収穫後はサヤごと3日〜1週間ザルに広げて干す。十分に乾くと莢が自然に割れ始める。
・その後サヤから出してさらに干す。来年夏以降までもたせるなら2〜3週間。すぐ食べるなら1週間くらい。
・収穫時点で小豆の中に虫の卵があるので袋等で保管すると夏以降、虫がわく。
一升瓶やペットボトルに口いっぱいまで詰めしっかり蓋をすることで防げる。
(!首の細い容器に口まで入れるのが重要!豆が出すガスで酸欠になり虫がわかないらしい)
【えだ豆】
枝豆は地面に近いところのサヤから実が入る。枝豆を楽しむ時は下から採ろう。
大豆にするときはそのまま、サヤが黄色く乾燥するまで待つ。
【さつま芋の試し掘り】
どの位育っているか試しに1か所掘ってみた。
小さいながらも4つ発見。元気に育っているので、このままいけば来月の収穫に期待できそう。
収穫したさつま芋は新聞紙等に包んで日陰に2週間程置くと、澱粉が糖に変わってより甘くなる。
【人参の収穫】
春播き人参の採り残しを、草の中から見つけ出してすべて収穫。
1か月経っても大きさは意外と変わらない。
【葉物のばら撒き】
秋口にしかできない大胆な種蒔き。
先ほど人参を収穫し終えた場所に、まず★草を刈らずに★春菊・小松菜・かぶ等の種を混播する。
その後草を刈る(これで草に引っ掛かった種も地面に接地する)
刈った草はその場に置いていく。
生えた葉物はベビーリーフ感覚で間引きながら食材に。時には大きく育つものもあるのでそれは
幸運に感謝しながら頂こう。
ばら蒔きは草の勢いが衰え始める今だけの方法。先週「心地よい暮らし」で うたちゃんが蒔いた
所はベビーリーフが結構出ていた。
◎ポイント
・播く種は基本アブラナ科のものが良い
・春夏の播種の際の余り種や1年以上前の種等をダメ元位の気持ちで蒔こう。
*混播(こんぱん)文字通り何種類かの種を混ぜて播く事
ここで休憩。
ともこさんが用意してくれた、梅ジュースで喉を潤す。さっぱりしていて美味しい。
そこにケンジさんが、飼っている日本蜂の巣板を手に登場。ハチミツがたくさんつまっていて、全員興味津々。
蜂が越冬出来る量を残して蜂蜜を採る。その内の一部を巣ごと味見させて頂けた。
花の香りがして美味しい。巣は蜜蠟が主成分で体にいい成分も入っているがガムのように口に残って
そのままは食べにくい・・・。食べる人も、出す人も。
【ニンニクの定植】
来年のパーカル塾生のためにニンニクを定植する。
ニンニクを一片ずつに分け、畝間30p株間15p深さ10pに植える。
ニンニクは定植の際の水やりは不要。植えたばかりの頃は水をあげると逆に腐ってしまう可能性も。
葉っぱが3・4枚で冬を越すのが望ましい。冬までに成長しすぎると凍みてしまう、遅いと取るとき実が小さい。
自然農は成長がゆっくりなので、一般的な畑より少し早めに植える
安曇野など寒冷地なら9月半ば、暖地なら10月中下旬まで
その後グループごとに畑作業。8月に引き続き収穫できるもの多数。
私の班の畑では しし唐・トマト・ナス等が採れた。他の班でも枝豆や小豆等色々。
16:30〜お風呂「すずむし荘」
18:30夕食
・釜炊きご飯
・ゆもっち畑産もろへいやスープ
・ベトナム風カレー(厚揚げ・さつま芋・南瓜を具にしたココナッツミルク入りのカレー)
・タイ風茄子のバジル炒め(茄子・ピーマン・しめじ等の具に醤油系の甘しょっぱい味付けでバジルとシソの風味がきいてる)
・北タイ風春雨とキャベツ炒め(春雨・キャベツ・ソーヤミート・人参)
・デザート 胡桃と豆乳のお汁粉
どれもとても美味しく頂きました。
夕食の後、パーカル塾9期で神奈川県葉山市で保育園を開いている森田千穂さんのお話。
森田さんは今後、保育の仕事を続けるに当たり現在の古民家を利用した建物を建て替える必要が出てきています。
そこで園舎の設計を、この後講義をして下さるパーマカルチャー建築の山田貴宏さんに
お願いし、只今、話が進行中。完成すれば日本初!?かも知れないパーカル的園舎になります。
今回はそれにあたり自然エネルギーの活用法や雨水等の利用法、より良き場所作りの為のアイデア・アドバイスがあれば
是非にというお話です。
そこで、園の庭での自然農や、ゆもっち畑産大根でのたくあん作りや味噌作り等、
これまでの様々な取り組みや地域の方とのふれあいの様子等のスライドを見せて頂いたあと皆でシンキングタイム。
思いついたアイディアを附箋に描いて完成予想イラストに貼っていきました。
採用になる意見があるかも!?
【講義:パーマカルチャー建築】
講師:山田貴宏さん
山田さんは、日本の経済成長後の建築のあり方に疑問を抱き、自分が良いと思う建築について考えていたところ
今から20年前にパーマカルチャーの考え方に出会い衝撃を受け、いまでは日本を代表するパーマカルチャー建築家になられました。
現在は東京に事務所を構え「地産地消・その土地の風土に合った家造り」をテーマに設計活動をされています。
・一級建築事務所ビオフォルム環境デザイン室代表 ・NPO法人パーマカルチャーセンタージャパン理事
◎パーマカルチャー建築と住まいのデザイン
パーマカルチャー建築とは
・生態系を手本としたシステムデザイン
・「農的暮らし」という選択
・小さな循環と地産地消
等のパーカル的概念と建築の工法や材料、住まいとしての役割等を繋げた考えから生まれた。
・材料の地産地消
・自然と人に優しい素材や設計
・家としてだけでなく、地域の方との交流の場になれる場所作り
等の考え方がある。
事例としては山田さんが手がけた藤野プロジェクト〜里山長屋や、各地のトランジションタウンと呼ばれる
場所など。
日本は一説には2050年には人口が現在の1億2,3百万から九千万人まで減ると言われている。
これは相模原市(72万人)が毎年減るくらいの計算になり、余る住宅は800万戸にのぼる。
多摩ニュータウンも今現在すでに半分くらいが空き家になっている。
今、日本の住宅の寿命は平均30〜40年とされているが、アメリカでは80年イギリスでは100年。
今の家には50年100年住みたいと思わせる住環境がないのも、住宅平均寿命が短くなる理由のひとつ。
しっかりメンテナンスしながら住んでいけば、もっと長く問題なく住める家がほとんどだが、
住人の多くは家本来の寿命より早く引越したり、高齢で亡くなった後入居者もなく空家になったり。
今は住まい方の未来像やいろいろな事を自覚的に暮らす時代に変化してきた。
□山田さんお勧めの参考図書
・「世界を変えるデザイン」→原著は「DESIGN OTHER90%」
・「里山資本主義」
◎建築がつくる価値
以前は・量
・空間性
・モノ
に建築の価値があると考えられていたが
今は ・質
・時間制
・コト
の方に価値があるという方向転換の時期。
◎風土に合った家
風土に合った家作りとは、風・土 風景と土地への回帰=関係性のあるデザイン
多くの住宅はパッケージ化された工業製品としての家づくりの結果
・廃棄物問題 ・海外の森の破壊 ・シックハウス ・社会的ストックとしての住まい不成立等
沢山の問題を抱え、毎年多くの資産が消えている。
日本では、住宅の建替えまでの年数が約30年と短いうえに、20年で資産価値が0になってしまう。
現代の住宅づくりは、ありとあらゆる物の関係性が無くなっている。
消費者が払う金額のうち4割が原価、3割は住宅展示場やCM等の経費に使われてしまう。
日本の風土に合った木の家・土の家は高温多湿な気候に適応しエコで低エネルギーな
家づくりができる。
その点、昔の家は正にパーマカルチャーなつくり。
昔はわざわざやらなくても、その土地で調達できる自然素材で町の大工さん等が
自然とその土地の気候に合う、長く住める家を建てていたのである。
昔の家といえば皆さんは、ワラ葺きとカヤ葺きの違い分かりますか?同じものだと思っている人も
多いのですがワラは「稲や麦等の農作物」から、カヤは「ススキ・ヨシ・アシ等」の総称です
ワラ葺きの寿命は20〜30年、カヤ葺きは30〜40年です。
これらの屋根はかなり厚く葺いてありますが、実際屋根の機能としては半分の厚さもあれば足りるようです。
では、なぜあんなに厚いのか。それは資源の蓄え方の1つなのです。屋根としての役目を終えたワラ・カヤは
畑の肥料になり、刻んで土壁のつなぎになり、余すことなく有用な資源になります。
役目を終えた土壁はまた練り直せば更に良い土壁になり次の家に使われ、
柱など骨組の木材もほぞを切りなおして次の建物へ、他にもスライスされて板材になり、最後は
薪になり燃やされます。その灰にもまだ使い道があります。
このような昔の技術と、現代の技術を融合した住まいつくりが、これからの時代
大事なのではないでしょうか。
◎最後にみんなでシンキングタイム
住宅の価値に関して、考えてみよう。私たちが価値を感じる家とは?
結果皆からでた意見・感想
・野菜と同じで生産者の顔が見える家
・作り手・製作者の思い(やり)が感じられる。
・活力のある材や建物にストーリーせいを感じる。
・どれだけ回りの環境と繋げられるか・多機能。多様性。
・繋がりのある暮らしの中に住宅がある事に価値があるのでは?
・生活の拠点
・個人の住まいに関する価値は、世代とその時のニーズによって大きく変わる。
・人生の暮らしの舞台
等様々な価値の見出し方が出ました。
□山田さんお勧め参考図書
・「消費する家から働く家へ」
■山田さんも本を出版される事になりました。
『里山長屋を楽しむ』山田貴宏著 10月1日発売
興味がある方是非ご一読下さい。
自分が理想とする暮らしを体現しよう!!
以上レポート秋場&10期みお