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2015 パーマカルチャー塾 レポート(4月24日) 1.オリエンテーション 近況報告 お久しぶりです!まずは森の幼稚園で一か月間の近況を報告し合いました。今回から参加の角ちゃん、ほそださんと、ケットラキャンパー愛に燃えるOBあっちゃん、梅ちゃんの愛妻ナツキータと愛娘志音ちゃんも合流し、和気あいあいと語り合います。 2.農業実習 ・ティピ温室の立て直し 先ずは強風で、ペタンと見事に地面に張り付いたビニールを引き上げ、竹の支柱をさし直すところからスタートです。紐の結び方(カノコムズビ、ジザイムスビ)、支柱の掛け方、入り口の作り方、覚えていますか?と、2回目の人にとっては復習の良い機会、初参加の人も一連の作業を体験できるラッキーハプニングでした。 ・種まき&間引き ティピ復活後はいよいよ種まきです。一方は満月餅の陸苗代になりました。“種まきは繊細”と丁寧に畝の上部を叩いて土を締めていきます。根と土がしっかり密着するように、そして、土の中から毛細管現象で水が上がってくるようにです。パラパラと万遍なく種を蒔いたら、燻炭(無くても可)、覆土、カットした細かいワラ、大きなワラ、と被せていきます。Ken-jiの流れるような作業に見とれ、手伝いも忘れて立ち尽くすメンバー達でした。 そして、もう一方には果菜達が選ばれました。中央の円にはズッキーニ(和名つるなしカボチャ)を、少し間隔を開けた3粒1セットを3か所に蒔いていきます。成長後、狭い箇所の苗は移植します。移植する時に根が傷み成長が遅れることで、収穫時期をずらすことが出来るとか。“良くないと思いがちな事も見方を変えれば”と聞き、納得です。外周の円には支柱に添わせるように、キュウリと穂高インゲンを植えました。こちらも2〜3粒を1セットに、全て種の厚さの3倍くらいの土を被るように穴を開けて蒔いていきます。 そうそう、ティピの外の畝には先月蒔いた、シュンギクの芽が一列に並んで顔を出していました。小松菜は残念ながら行方不明です。葉っぱ同士がぶつかるくらいの間隔なので、少し間引きを行います。土の下を出来るだけ荒らさないように、水をかけてから間引くか、上部の葉だけを摘み取る様にするのがコツだそうです。 ・苗分け まだ少し時間があったので、温室育ちのトマトとキュウリの苗分けも行います。本来は子葉の上の葉っぱが出てから植え付けますが、今回は中心にかたまって発芽しているため大きくなって絡まる前にポットに苗分けしてしまいます。フォーク等を使い、根の周りに住み慣れた土をつけたままお引越しです。腐葉土と畑土をMIXした新居に入り、根元をギュッと押えられて完了です。因みに、トマトは強く、ナスはデリケート、と同じ科でも個性があるようです。収穫とお餅つきという、楽しみの種も蒔いて農業実習終了です。 3.温泉(すずむし荘) お風呂の時刻、本日のお宿シャンティクティへの移動も兼ねて、すずむし荘で温泉に浸かります。ほっと一息ついたところに、スロベニアから自然農を学びに来たドーメンさんが飛び入り参加です。福岡正信の『わら一本の革命』をスロベニア語訳し、出版した方の登場に皆興味深々、あっという間に囲まれたドーメンさん、状況が呑み込めず(突然連れられてきた様子)引き気味の苦笑いが隠せません。そんな事は気にも留めず、みんなを連れてシークレットガーデンと冬季湛水田へ案内するken-ji、、種の取り蒔き、人工と自然、砂漠と森、大切なエッセンスの詰まった話が冗談の合間に見え隠れしています。 4.ドーメンさんの自己紹介より(DVD鑑賞後のシェアリングでの話を抜粋) 日本とスロベニアでは食文化や気候が異なるますが、福岡正信の本は具体的手法よりも考え方や原点にポイントがあると思い、翻訳しました。来日し、福岡正信の農園(子息が管理)を見学して、理想(書物)と現実のギャップが少し残念でした。これをどのように調和させていくかが課題だと思います。 5.夕食 シャンティクティに到着すると、あっちゃんが先回りをしてスペシャルディナーを準備していてくれました。大根、車麩、蓮根、豆腐、ワカメ、ピーナッツソース、等々、滋養と愛に溢れた野菜たっぷりのご馳走が身体に染み渡ります。美味しくてつい食べ過ぎてしまいました。そして、じゃんけんに負けたチームがお片付け。1チームの皆様感謝です! 6.ヴァンダナ・シヴァ 『命の種を抱きしめて』 鑑賞 お腹が落ち着いたところで、『命の種を抱きしめて』の鑑賞です。彼女は力強く確信に満ちた眼差しで語ります。自由であること、自然であること、手を取り戻し、頭と心が一緒であることの大切さを。その為に“ヴダーニャ農場”や“種の学校”が行っていること、ガンジーが行ってきた事を。そこには地球上の生物としての人間の自然な暮らし、全てと繋がった循環があります。均一化や合理化、不自然に管理された世界から抜け出し、足るを知り、地域性、多様性を尊重する必要を伝えます。 <感想> 始まり・つながり・集結である“種”の自由を守ることがこんなに世界や未来と繋がっているとは知りませんでした。情報が距離を超える時代だからこそ、多くの人が彼女の話を聞くことが出来ます。反面、情報が氾濫し、様々な刷り込みによって混乱もします。“真の専門家は暮らしの中から生まれる(ヴァンダナ・シヴァ)”、“学問は実学(福沢諭吉)”時代や国を超え、大切な事に気づき伝える人達が居ます。今日はひとつ知ることが出来ました。そこからどうするか、感じる事、自ら考える事を忘れずに、いきたいと思います。 以上。日々是好日です。 2015年4月29日 スイスイ(長谷川翠) |