2017.3安曇野パーマカルチャー塾レポート
2017/3/25 レポート
13:00、穂高駅に安曇野パーマカルチャー塾15期生が集まり、今年の授業が開講した。
メンバーは属性やバックグラウンドが異なる19名。1名はセブ島にいるため、来月から参加するそうだ。
参加者は社会人経験を積んだ大人が多く、同級生になることに少々の気恥ずかしさと、それを上回る大きな期待があった。ここには皆、パーマカルチャーの理念を学ぶために来ているのだ。
乗り合いでシャロムヒュッテに移動し、スタッフのミカさんの進行で今後のスケジュールが発表されていく。今年はインドでパーマカルチャー世界会議があるそうで、そこにみんなで行けたらいいね、という話も出た。まだお互いの名前も知らない状態なのに、旅行の計画が先に出るのは、なんとも不思議な気持ちだ。
気持ちの良い小春日和だったので、外に出て自己紹介と幾つかのゲームを行った。
ミカさんの進行はユーモアがあり、言葉選びも的確。伝えたい内容は、おそらく100%みんなに届いているのだろう。場の空気はすぐに和んだ。
「けんじいの隣のまっさんの隣のはじめちゃんの隣の・・」と名前回し自己紹介をし、バースデーゲームをし、第三の目ゲームを行った。後半のゲームは、どう考えてもひとりでは完結できない。喋ってはいけない、という規制がかかることで、参加者同士の協力が求められた。ゲームを繰り返していくことで、自分ではなく他人同士をつなげてあげることの連鎖が起き、そのとき最も必要とされる行動が伝播していったように思う。
ここでは、人が集まったときの自分の在り方について学んだ。
その後の施設見学へ。
シャロムヒュッテの臼井さんの言葉は、ひとつひとつが重みがある。これからの暮らしをつくるときに、パートナーシップ型の良いコミュニティづくりをベースにしたいという。
話す言葉の中に、資本主義に関する言及があった。これまでの資本主義とは、どんどん増産しないと立ちいかない構造で、効率を良くすればするほど関わる人がいらなくなるが、その人を雇い続けるにはより増産を目指すというスパイラルがあるという。今回、多くの参加者は社会に対して何かしらの疑問を持つ人が多く、この社会構造が気になっているのではないかと思う。
臼井さんの言葉を借りれば、抱えれば抱えるほど朽ちていくのが自然であり、それは手放した途端に増えていくものだ。ひいては物事も同じ。
少数多品目の農園が自然に即したものであることと同じように、この場に集まった個性的な19人のメンバーが、この1年間でどのように成長していくのかが楽しみで仕方がない。
レポート作成:たつ(白石達史)
2017/3/26レポートパーマカルチャー安曇野
6:00、起床後のヨガで身心ともにすっきりと目覚めることが出来ました。講師は塾生のニコさんが勤めてくれました。塾生は学ぶ側であると同時に教える側にもまわる、[それぞれの能力が生かして再配置をする]パーマカルチャーの倫理感が生きているなと感じました。
午前の講義は[初めてのパーマカルチャー]今後の指針となる倫理の授業です。会場はこたつ部屋。少々難しい内容の講義でしたが、講師のミカさんの軽快で親しみのある語りと内容を一方的に押し付けるのではなく、時に質問を投げかけ、時に講師と塾生とがともに悩みながら、一体となってそれぞれが自分の頭で倫理を整理、理解し発表していく、これはなんとも温かい心地のよい学びでした。
そして午後の農業実習に向けての待望のブランチタイム!身体と脳を使ったのでもうお腹ぺこぺこです!シャロムスタッフが心をこめて作ってくださったお料理はシンプルでいて噛むほどに味わい増い…みんな最高の笑顔でありがたくいただきました。
その後、外に出て農場実習へ。
午前中降り続けていた雪もやんでいました。どうやら晴れ男&女がいるようです。感謝!(解散後にまた降りだして翌朝には一面雪景色になったそうです!)
僕はこの時はじめて、耕さない農法で創られた畑に触れました。自分達で畑や田んぼも作ってきましたが、臼井さんの口から出る言葉と目の前の畑の姿は僕の常識をはるかに超えた美しい自然でした。
それは、整理整頓された隙の無い美しさではなく、森で感じる包まれるような安心感のある美しさ。多様性にとんだ相互作用が織り成す重層な美しさであり、包容力のある美しさでした。
見渡す限りの海や、広大な山脈の前に立つとき、人は自然の前ではいかに無力であるかを畏怖を感じ、信仰の対象とすることで自らのおおきさを自覚し続けようとしました。
そのような自然は唯一神のようなものですが、日本人はもっと身近な山里や漁村などの風景[ひとの手の加わった自然]に、愛情と望郷の念を持って接し、共存共栄が可能なちいさな循環システムを作り、それをよりどころとすることで、安心して御先祖様になっていくことができました。現代的には非効率に見える原風景にこそ、人が人らしく生き死にできる心のサブシステム、環境の永続のデザインはあったのです。
耕さない栽培法
草の根穴構造が分解されて、土が柔らかくなる。 耕さずに草を生やす方がふかふかになる。
乾燥しているところはたかうねにしないほうがいい。
湿っているところは高畝にすれば、空気が入って活性化する。
菌糸菌が木を分解しようやく微生物が食べられるようになる。
ハコベが生えてると育てやすい。
つくしが生えてるところから草を置くことで自然遷移で大地が豊かになる。
草刈りは手前から刈り、横によける。
作付け縄(60センチごとに結び目をつくる)
粘土質は高めに畝を作る。上と下を混ぜるために鍬でさくさく混ぜる。
軽く鍬で固める。
土地が痩せていたら米ぬかをふるい(水はけの悪いところは草の上に米ぬか)
麦、クローバー(クリムゾンクローバー、アルサイククローバー)
を植えて畑にする準備をする。イネ科とマメ科をばらまき、
仕込んでおき6月くらいに(セスバニア湿潤、クロタラリア乾燥)
のマメ科を植え、地面を土破ってもらう。
秋にライ麦、小麦とクローバーを撒くと翌年土地のかんじが変わる。
たねの蒔きかた
草を切り横によける
表土をきり、表土をよける(草の種が表面にある。)
根切りをする
全体を同じ条件に整え、種を撒く
種は手で撒く。ぱらぱらと筋蒔き(点まき、ばらまきもある)
軽く叩いて、かぶせ、足裏で踏んで抑えると水分が上がってくる。発芽率2割は増える。
日本は10日1度雨が降るので水をかけなくてもよい。
草をかぶせると保水して発芽率1割高まる。
すすきをさらにかぶせると草が生えない。ススキは藁よりも分解がはやい。
あまり密にしない。
育苗のしかた
草が出てきて何の野菜かわからなくなるときは、 種まき用の園芸土を買えばなにが出てくるかわかる。
くんたん1割 なければいれなくてもいい。
腐葉土1割
畑の土を8割
まぜる。
わからなくならないように名札をつくる。牛乳パックや竹で。
種を蒔いたあと、かるく土をかけて、抑える。トマトの発芽温度は25度くらい。
生育温度はその5度くらいほしい。新聞紙をかけ、軽いい重しを乗せておく。育ったらポットに鉢上げし、5月くらいの霜が降りなくなったあたりに植える。
トマトは直植えのほうがつよい。
器は、卵パックの下に穴をあけてもできる。
踏み込み温床は色々代用可能。でも熱くなりすぎないように温度を管理する。
ティピ型のテントの立て方
3本立てた支柱にもう1本下に入れて1周
つぎにもう一度1本入れて1周
もう一度1本入れて1周
1粒は鳥に、1粒は大地に、1粒は自分にと3粒植える
自然という言葉は元々仏教用語でしたが、natureを和訳する際[本来的にそうであること]という意味を当てはめて現在のように使われるようになりました。
もともとは[じねん]と読み、外界としての自然界や、人間に対立する自然界という対立の構造を示す言葉ではありませんでした。人と動物、人と山といった物事を二つに分ける二元論的な今の自然という言葉は近代になって生まれました。
その証拠に神話や童話の世界では動物たちは言葉を持ち、人と対等に接し、それどころか鶴の恩返しのように人に富みや自然の英知をあたえる側として描かれています。
近代はものごとを分けて比べて淘汰することで効率的に発展してきました。その考えで発展した姿は、畑で臼井さんがお話してくださった『耕し栄養を与えた畑では作物は肥えるが、不自然な環境には動植物も集まる。それらを駆逐するために薬を使い、土地の栄養はすべて作物や動物に奪われ、結局外から肥料や農薬を足し続けなければ枯れて維持できなくなる。』というお話が世界の真理でもあると僕は思います。
パーマカルチャーの倫理はいうなれば『紙とペン』のようだなと二日目を終えて感じました。どのように使い、どんな未来を描くかは人間のこれからの選択にかかっているのでしょう。
レポート製作:あさくら
たつくん、あさくらくん、いの一番のレポート、本当にお疲れ様で した!
塾として、レポートが持つ機能というのは、
◎休んだ人を置いていかない
◎出席した人も、レポートがたよりになるので、講座中メモに気を取られなくてよい(みきちゃんの言う通り!)
◎学んだことの積み重ねができる
◎外部の方への情報のシェア。上記のレポートHPにアクセスしてもらうとわかりますが、みなさ
んのレポートをもとに、最後に例えば「モバイルハウスの製作過程」と、けんじぃがまとめていて、
モバイルハウスを作りたいひとがいたら、こちらのページに来れば、過程がわかり、自分で取り組める。
すごい情報量です。私たちの学びを外のシステムに還元する、ということですね。
◎レポート係は学びをアウトプットすることで、より深い学びを得られる。また、みんなでレポート係をシェアすると、
一人一回レポート係をするくらいでよいので、その一回はみんなのために自分の時間をシェアする。
こんな感じで考えていました。
この機能は最低限カバーしてもらえると嬉しいかな〜。
あとは、いろいろアイディア挙がってきていますが、みなさんのやりやすいようにカスタマイズしてもらえれば、と思います。
レポートって本当にその人の個性が出ていて楽しいですよね。内容とか語り口とか。同じことを聞いていても、
みんな感じていることは違うので、それもレポートのよさだなーと、今回、
お二人のレポートを読んでいてあらためて思いました。
ちなみに、私のとき(6期)は、シャンティクティのアースオーブンを製作したのですが、
その屋根を作るのに、丸太を使って在来工法で作ったんですね。すっごい難しくて、でもレポート係だと、
ちゃんとそれをレポートしなきゃいけないというプレッシャーもあって、
わからないことは食らいついて聞きまくった思い出があります。
そのおかげで理解も進んだし、大人になってからそんなに真剣に学ぶってあまりなかったので楽しかったなと、今から思えばかもしれないですけど笑。Step
out from your comfortable zoneですね〜🎶
動画のバックアップがあるのは、いいですね◎
ちょうど、えいじくんのタレントが生かされますね〜。楽しみです!
それでは、みなさん、おじゃましました!
上條美香
パーなみなさま
週末はありがとうございました!
わくわくと緊張とたくさんの出会いと刺激の週末だったと思いますが、みなさんそれぞれの場所にしっかりグラウンディングされたでしょうか?
本当に初回からびっくりのナイスチームワークの15期生、やった〜楽しい遊び仲間が増えたぞと喜んでいる私です。
さっそくMLで交わされるやりとりも楽しく拝見しています!
ぜひみなさんの感想などもお寄せください。
さて、今月はパーマカルチャーの倫理の話をしました。
二元論から非二元論へマインドセットを変える、これが一番大事だと思っているのですが、私が話したことは以下の本を参考にしています。
ビビビときた本がある方は、図書館で借りたり、リクエストを出したり、近くの本屋さんに注文したりしてみてくださいね。
『アクティブ・ホープ』 ジョアンナ・メイシー+クリス・ジョンストン 春秋社
『蝶文明』 正木高志 さんこう社
『君あり、故に我あり 依存の宣言』 サティシュ・クマール 講談社学術文庫
『微笑みを生きる』 ティク・ナット・ハン 春秋社
もし、みなさんにもオススメの本があったら、ぜひ教えてください(^^)
また、パーマカルチャーのめざす「Regenerativeなシステムー再建力のある(他のシステムに余剰分を分かち合える)関係性のデザイン」のところで例に挙げた、現愛農会理事長の村上真平さんの愛農講座講義のまとめた文章「自然を収奪せず、人を搾取しない」をシェアします。ちょうどアジアでの自然農業普及の活動から帰ってきて、福島の飯館村に入ったときの文章ですね。
生態系のしくみから人間のあり方、自然農について、また海外協力から感じたことについてわかりやすく書いてあります。
それから、最後にたつくんとエネルギーからのアウトプットってなんだろう?と質問があって、私もなんだろうなーと考えていたのですが、
CO2(二酸化炭素)と熱 かな、と思いました。ものによっては音、とかも。
この熱のアウトプットを次につなげて上手に使っているのが、ロケットストーブやペチカということになるかな、と思います。
それでは!
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