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パーマカルチャー塾も、いよいよ最後の月となりました。今月は、「パーマカルチャー・フェア」の中に組み込まれた塾となっています。過去14年間の卒塾生の皆さん、パーマカルチャーに関連する人たち、そして興味をもつ方たちが集まる1年の締めくくりイベントが行われました。
1日目、最初はパーマカルチャリストによるプレゼンの時間です。
逗子で開かれている「森の幼稚園」の紹介:
幼児たちが自然と触れるなかで感じとる経験は、きっと感性ゆたかな人生をもたらすと思いました。逗子は、海、山、川、いろいろな自然の姿が全てあり、幼児の学びにとって理想的な環境ということです。
コンパクト且つ美しいデザイン、綿の糸を紡ぐ道具の紹介:
膝の上に置いて、どこでも糸紡ぎができる素敵なクラフトです。ガンジーが、糸紡ぎをインド独立の象徴とした有名な話、それは今を生きる私たち日本人と世界の人々にも当てはまる話だと思います。
さまざまな分野に、私たちが自らの手に取り戻してゆくべき事があると、ぼくは考えています。グローバル大企業によって奪われようとしている「種をつなぐ権利」は、生きることそのものに直結しているので最も重要なことの一つに思えます。
ぼくはそんなことを連想しながら、プレゼンを拝聴しました。
インドのダラムサラに作られる予定のパーマカルチャー拠点の紹介:
チベット亡命政府のあるダラムサラに移住されるチベット人と日本人のご夫婦が、世界からパーマカルチャリストが集まる場所作りを目指すとのことです。
臼井健二さん、朋子さんご夫婦が協力されています。
いつもの温泉タイムがあって、そのあとは大ポットラックパーティです。
今期塾生に加えて卒塾生も持ち寄ったお料理は、どれも美味しく全種類を食べきれないくらいのバラエティさがありました。
食後は、フェアに集ったメンバーの自己紹介の時間となりました。
パーマカルチャーで繋がる人は、明るい表情、人生に前向き、他者への暖かさ、そんな共通項があると感じました。あちらこちらで、素敵なご縁が広がる夜となったようです。
2日目、朝8時からシャロムツアーが始まりました。
健二さんから、パーマカルチャーの心がまえを再確認するお話があり、シャロムに点在する施設を巡ります。
それぞれの場所で、その意義と作られ方の説明があります。パーマカルチャー塾の各期で作られた施設は、その期の卒塾生から紹介されることになります。
ツアー最後に、ぼくたちの作ったエディブルガーデンの紹介となりました。
「bija」の全体構想、特徴あるガーデンのそれぞれを携わったメンバーが説明しました。こういった機会があることで、作った塾生たちも達成感を再認できありがたいことでした。
この後は、手作りの食べもの、いろいろな体験や施術の出店タイムです。
自家製酵母パン、よもぎを練りこんだベビーカステラ、ゼッピン能登カレー、本格的チベット料理、ほっこり粕汁、ついつい食べ過ぎてしまいました。
エネルギーワーク、アロマによる身体調整、蝋引き封筒の手作り、綿の糸紡ぎ体験、など自然と寄り添う生き方に繋がるものが多いのも、パーマカルチャー・フェアならではです。
ヤギさんの出店もありました。このヤギたちは、依頼があるといろいろな場所へ草刈りの出張サービスを行うのです。
刈払機を購入することなく石油を消費することなく、ヤギさんたちが自然に生きることで機械を使う以上の草刈り効果が得られるのです。こういったアイデアは面白いですね。
最後の催しは、今期塾生による卒業制作発表と卒塾式です。
3D Garden for Garden Design チーム、草木染めチーム、薬草チーム、映像チーム、それぞれからその意図と制作物の説明を行いました。
各チームとも楽しげな発表になりましたが、ぼくにとっても学生時代に戻ったような楽しい卒業制作でした。
そして、ひとりひとり手渡しされての卒塾式、それぞれがこれからの抱負を語って式が進みます。
その空間に同席した人みんなからの温かい視線に包まれて、とても幸せな氣もちになりました。
People care / Earth care / Fair share の精神を学んだパーマカルチャーに集う人たちは、いまの殺伐とした時代の中では稀な包容力のある時間と空間を作ることになると感じるのです。
おまけ・今期塾生たちの懇親会@シャンティクティ
ほんとうに仲良くなれた今期メンバーは、フェア終了でそのまま別れることが心残りとの想いが皆んなにあったので、健二さんの暮らすシャンティクティにもう一泊することになりました。
健二さん、朋子さんと一緒にお料理して、鍋をつつき思い出話に花を咲かせる愉快な時間。小雪が舞い散る中で焚き火を囲み、シャンパンで乾杯し、作るのに手こずったホットワインを飲み、楽しい時間は続きます。
シャンティクティは、屋内でお酒を飲むのは基本的には御法度です。
翌朝、早起きしたぼくは、念願だったアースバックハウスの中での瞑想を行いました。寒さを感じなくなるほどの境地にはいたれませんでしたが、柔らかな光が差し込む自然素材の丸い空間は、よい瞑想ができると感じられました。
いずれ、こうした空間を手作りしたいと思います。
たくさんの学びと経験がもたらされた「安曇野パーマカルチャー塾」に参加して、ほんとうに良かったと思います。
そして、なによりも心開いて話し合える素晴らしい仲間たちとめぐり会えたことが、ぼくにとっては最も嬉しいことでした。
皆さん、ありがとうございました。これからも繋がってゆきましょう。 |
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