安曇野パーマカルチャー塾 Vol 2
@シャロム・ヒュッテ 天気:(雨の予想を覆して)晴れ!
5月29日(土)レポート
13:30 集合
1ヶ月ぶりに会うメンバーとの嬉しい再会。顔なじみのメンバーにホッとする瞬間でした。
13:50〜14:20
“森の広場(森の中にある小さな集会場。全て手作りで実際に森の子という屋外自主保育が行われている場所)”でブリーフィング
今回から参加メンバーを交えて自己紹介タイム(名前・ニックネーム/自己紹介orひとこと等)
1.
しほしほ/放浪する大学院生。
2.
あけみさん/1回の講座のあと、今まで見えなかったことを気にしてみたくなった。
3.
たけ/プランターの枝豆の芽が出た。
4.
しぶかず/早く自分の畑を見てみたい。
5.
うめさん/快医学30時間コース参加経験有り。環境が暮らしにつながることがしたい。
6.
ひろさん(快医学の講師)/インドの暮らしが日本でも出来るのではないかと思い八ヶ岳に住むことに。
7.
臼井さん(シャロムオーナー)/1ヶ月の間にシャロムはいろいろとかわったので、それを見つけてください。
8.
温子/ベランダのプラントの成長を見るのが楽しみで、早起きするようになりました。
9.
やっさん/草達をプランターで育てて、野菜とは違った生命力を発見しています。
赤目自然農塾に通っています。
10.
まき/新潟県在住。パーマカルチャーの言葉を聞いたのは昨年のこと。これからが楽しみ。
11.
ともこ/看護学校2年生です!
12.
くみ/鹿児島出身。長野県が気に入って住むことにしました。
13.
うたさん/今年になって作物の気持ちがわかる
様になったと思う。
14.
桃井さん/コンポストトイレ作成中。そして、屋上緑化を楽しんでいます。
15.
えみちゃん/昨年秋から大学でパーマカルチャーを学び始めました。ひまわりの芽が出るのを待っています
16.
ちほ/近所の友人宅の庭の世話をするように頼まれ、これからどうしようかと思っているところです。
17.
稲子/畑を探し中。しぶかずさんの野菜を購入するようになりました。
18.
藤さん/畑でおしゃべりも良いが、甘やかしすぎも良くない。
14:30〜15:15 畑実習〜種のまき方の復習〜
詩さんに導かれながら種のまき方を復習しました。
<インゲン豆>
インゲン豆の種類:@つるがあるもの、Aつるがないもの
今回はつるがあるものを植えたので、つるが這うための棒を立てます。
1.
つるが這う棒を立てる
棒の立て方:@まっすぐの畝には合掌、A丸い場所にはティピーのように
2.
種を蒔く
3つ部の種を点まき:1粒は大地に、1粒は鳥に、1粒は私に
棒の内側に種を蒔く
種と種の間は2〜3Am
【ポイント】鳥に見られないように!見られると食べられてしますよ!
【ポイント】種が比較的大きいものは点まきにする
3.
土をかける
種の2〜3倍の土をかける
4.
草をかける
草を周りにかぶせることで、新しい草が生えてこない。ポイント→自然農の技
5.
芽が出たら…
かぶせていた草をよけて、伸びやすくする
6.
育ってきたら…
3つの目のうち1つを間引いて、2つを育てる
<もちきび>
1.
土壌準備
草を切って、土を表面に出す→表面の土を鍬でよける(雑草の種を除ける)→表面を浅く耕す
【小噺】草を除けたら、ミミズがたくさん出てきてビックリ!ミミズは土壌に空気の通る層を作り、土を柔らかくしてくれる。耕した畑からはミミズが逃げ出し、その畑の周りにはたくさんのミミズが逃げ出してくるそう。天気がよければそこで干からびて死んでしまうんですって!
2.
種を蒔く
ばら蒔き、すじ蒔き
土の表面に鎌で筋を入れる。その上にぱらぱらと降りかけるように種を蒔く
3.
土をかける
鎌の背中で土をたたくようにして、種の上にうっすら土がかぶるようにする
4.
草をかける
ぬれた草をかけない。べったりとして、出てくる芽がひっかかるため。土の表面が見えないように草をかける。
5.
芽が出たら
草を少し除ける
6.
育ってきたら
出てきた芽を間引く。30p間に10本ぐらい。
<かぼちゃ>
1.
場所を決める
かぼちゃは巻きひげが出て、それがつかまりながら伸びていくので、わらを敷いて捕まりやすくする。
2.
種を蒔く
点蒔き。種の向きをそろえて蒔くと、芽が出たときにもそろう。育つ方向もそろう。
3.
草をかぶせる
瓜類は光を感じない方が発芽しやすい、嫌光性である。(ちなみに嫌光性の反対は好光性)
15:15-15:50 農業実習
それぞれ、自分の畑へ!蒔いた覚えのない野菜が大きく育っていたり、蒔いたはずの種の芽が見当たらなかったり、色んな発見があったようです。大きな毛虫や、無意識に崩した蟻の
巣から出てきた大量の蟻にも、「ちょっとお邪魔します。ここに○○を植えさせてね」と気遣うみんなの姿に心を打たれました。
【小噺】ちなみに、ジャガイモの葉が大好物のてんとう虫(斑点がいっぱい)は、“テントウムシダマシ”と言いますが、安曇野塾では“てんとう虫魂”というニックネームがついています。由来は直接シャロムで聞いてみて♪
16:10〜17:30 整体法
藤田政弘(ひろ)さんを講師に快医学、整体法と自然とのつながりについてお話を聞きました。現在50歳。18歳の時から共に人生を過ごしている奥様との間には小学校5年生のお子さん一人。インドにはまっていて、インドでの暮らしを日本に取り入れる準備が出来た時が、自分の人生サイクルの中で子孫を残す準備が出来た時ではないかと語るひろさん。鍛えられた細身の体で淡々と進んだ自己紹介のあとには、簡単な導入と実際にモデルを使用しての説明が行われました。
1.
整体法とは
漢字で見ると、「整体」とは「体操」の逆。身体を操るという意味。
身体も自然であり、体を通して自然とのつながりを見る。そうすることでバランスを保つ。
普段は気付かないが身体にも方向性が決められている可能性がある。それを整体法によって、チューニングすることで体の不具合を戻せる。
2.
Aさんをサンプルに…
立った姿勢で、肩の高さ、耳の位置などをよ〜く見る
体と心は何らかのつながりがあるもの。
3.
オーリングテストの実践
Sさんがひとさし指と親指で“輪”をつくり、その“輪”をヒロさんが両手で引っ張る。左手で針金を持ち、仰向けに寝ているAさんのおでこ、肩、胸、胃に移動させ、それぞれの場所でひろさんが“輪”をひっぱる
この動作で、引っ張られた“輪”がゆるくはずれると、その場所に何かの要因があると見ることが出来る。
Aさんの場合は、おでこの方がゆるいと思われる。
その他の要因を見つけるために、Aさんの左手の下に病理組織の写真をおき、オーリングテストを行って、何らかの反応があれば、その病気が関係していることが分かる。
【ポイント】ここでは、病名を見つけることが目的ではなく、病状を流動的に見て、どうしたらよくなっていくのかを見つける事が大切である。
Aさんの場合は脳下垂体がイレギュラーであるよう。
オーリングに慣れれば、手のひらをかざすだけでも異変を探すことが出来る。
【ポイント】オーリングテストのマニュアルはない。逆にマニュアルを使ったからといって、それを使いこなせるものではない。感覚能力が長けてこそできるものであり、さらに
言えば、できるようになることが大切。
4.
Life Energy Test (LET)
LETの基本は被験者(自分の身体を知りたい人)と、検者(協力者)の2人で行うもの。
今回はAさんが被験者、ひろさんが検者で行われた
ひろさん:仰向けになったAさんの足を押して、被験者は右足と左足では押された感覚が違うことに気付く。まれに、どちらに倒れているのかが分からない人もいる。それを改善することで自律神経の問題が解決する。
【ポイント】整体法は100%を目指さない=60%で十分という、怠け者の健康法だから☆byひろさん
5.
施術
ひろさんが仰向けに寝たAさんの動かしやすい方のかかとに握りこぶしを押して呼吸の仕方*を指示:@ゆっくりすう→A吐きながら動かす(この場合は足を先のほうへ押す)→A押す力を抜かずにゆっくり息を吸う→B緊張感を保ったまま息をとめる→C脱力と同時に息を吐く→Cゆっくり息を吸う→Dため息をつく。逆の足の裏の痛点を最初に探して押しながら、上記の順序で行う。
基本の操体
@
足
A
膝立て
B
両ひざを立てて右側、左側に倒す
C
うつぶせになり、膝をお尻の方向へ曲げる。
D
首 (間接の8方向:左右、前後、回旋、延び縮み) 【小噺】どちらにも動けないことを8方ふさがりというのはこの流れ。
【ポイント】成果は誰がやっても同じ。自分の身体を通して自分を分かることが整体法の良さ。何度も繰り返すことで、体が快感覚を得て、その感覚を維持できるように慣れる。
【ポイント】体は正直。痛点が「コリコリ」のうちは、感じることが出来るが、それがひどくなると一枚岩になって,痛みが分からなくなる。さわることでくすぐったがる人は、痛みを表現できない人=かなり状態がひどい人で、通常腎臓が弱かったりする。またけがをした瞬間に人間が取るポーズはその状態で最も痛くない状態だということ。
6.
結果
最後にオーリングテストを行い、“輪”は強くなった。被験者も「気分が楽になった」
17:30〜20:05
フリータイム:お風呂へ入ったり、ゆっくりしたり。詩さんの提案で、足湯に行きました。公園の噴水が作り変えられたような感じがしましたが、よい社交の場で、お湯があたたかかった〜
18:30〜の夕食はまたもやGOOD:) わさびアイスは不思議なおいしさでした。
20:05〜ひろさんへの質疑応答
・ 抵抗を与えていたが、自分でする方法はあるか?→なくても出来るが、壁や座布団を使っても出来る。
・
どれくらいの頻度で行うべき?→いいかげん(良い加減)
・
操体法のよさは?→体の持つ最大のポテンシャルを引き出す。息、食、動、想、環は人に頼めないことで自分自身ですること。操体法で自分自身で直すことが出来る。
・
快医学とは→こころとからだを気持ちのよい方向に動かし、息、食、動、想、環のバランスをとる」という快医学
快医学は、古来から伝わる民間医学の良質な部分を集大成した家庭医学です。
からだに不快なことは一切やらず、気持ちいい方向に動かせば不快症状がたちまち消える。
絶妙の療法 操体法。
心地よい温熱療法で内臓を調整する 綜統医学。
親指と人差し指でつくった丸い輪で目に見えない体内情報を検知する診断法O−リングテストの三本柱で成っています。
・
ひろさんからのメッセージ:身体を知っていくことの第一歩として、操体法を行ってほしい。
そして、2人一組でELTを行いました。そして、最後にみんなで、般若“身”経を習いました。
般若“身”経
@
両手を意識してあげる→あげにくい方へ銃身を写して手を上げる(呼吸の仕方は*参照)
A
3吐1吸(もも上げ)
B
前屈:呼吸の仕方は*
C
後屈:呼吸の仕方は*
D
側屈(右):呼吸の仕方は*
E
側屈(左):呼吸の仕方は*
F
回旋2回
G
背伸び
【ポイント】身体の要求にこたえることが重要
【小噺】カタカムナの世界:直感物理学(?)の古文書に記載されている。10万年前に世界を統一していた国があった。それがカタカムナの世界。そのときの歌が残されている
最後にひろさんのお勧めの書籍紹介と販売で終了。なごり惜しみながらひろさんを見送り、初日は終了!
掘りごたつラウンジで夜の集まりへ行った人もいました。うめさんの小学生の頃の発明、しぶかずの手作り醤油、朋子さんが持ってきてくれた発砲酒?やみんなの近況報告などで盛り上がりましたが、一日のスケジュールに疲れていたことと、翌朝早く起きて畑を見たいがために、12時過ぎには皆就寝。とても充実した一日でした。
《記録:本田温子、認識違いによる誤った記載がありましたらご連絡ください。訂正します。》
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2日目:5月30日(日)レポート
今日も雨の予報がはずれて、目覚めると晴れ。畑へ直行。
【農業実習】
赤く染まったイチゴを摘んでいただいた後、自分の畑の手入れ(雑草を刈ったり、種蒔き)。詩さんのナビゲートで、サトイモ、サツマイモの植付け、落花生の種蒔をみんなで体験。臼井さんに大根のさやは大根の味がする、と教えてもらうと、その場で試食会。朝食には、歌うシャロムスタッフ・藤さんに育てられたレタス(サラダ)が食卓に登場。
●サトイモの植付け
1)深さ30cmほど掘る
2)株間60cmくらい
3)植付けするときに、上下があるので注意。緑の方を上にして置く。
○
人によっては上下逆のほうがいい、厳しい環境の方が逞しく育つと言う人もいる。
〔スパルタ組実験〕逆さまに植えて比べてみる。
4)サトイモは水が大好き。高さ10〜15pくらいの畝を作ってあげる。
●サツマイモの植付け
<苗>1本20円くらい。50束で売られていること多い。今日植えるのは、ことぶき、という種類。
<植付け時>雨が降る前日に植えるとベスト。水が必要なのは最初だけ。渇いている土が好き。昨年は雨が多く降ったせいで生産量が少なく、芋焼酎が品切れぎみだとか。
<植え方>いろいろある。葉と先端の茎の部分は外に出して水平に。芽の部分も埋めないように。今の畝幅は90cm。株間は25〜30cm。
<注意点>放っておくと地面につるが降りてきて根を張ってしまう→すると元の方の栄養が取られて大きくならない→つるがえし(つるの途中から出た根を切る)をする
〔スパルタ組実験〕つるがえししないで比べてみる。
●落花生
<植え方>水はけのいいところが好き。1ヶ所に2〜3つ。(ここで、いつもの合言葉:1つは大地に、1つは鳥に、1つは人間に)→鳥に食べられなくても、ねずみには食べられてしまうかも。
隣とは40pくらい離して植える。
根に実ができるのではない。花が咲いた後、子房柄が下に伸びてきて土にささり、土の中でさやが育つ。
【観察実習】(梅崎さん)
【火のおこし方】森の広場にて
<マッチの持ち方>火に当たらないように手の向きに注意。
●薪に火をつける方法
1)最初は、スライス状に削った細い薪(小)に下側から火をつける。小さな赤ちゃんにミルクをあげるような気持ちで。
2)様子を見ながら1より少し大きめの薪(中)を加え、火を保つ。ミルクだけだと消化不良をおこして火が消えてしまう。離乳食を与えるような気持ちで。
3)さらに、割箸くらいの薪(大)を足していく。
<コツ>火が分散してしまうとなかなかつかない。火は寂しがりや。集まっていたほうがいい。燃えているときはホットスポット、熱くなる場所をつくってあげる。こうして火を大きく、だんだん高くしていく。
●薪の扱い方
上記、1,2,3(小→中→大)の順に3種類の大きさの薪を用意する。薪をくべるときには、空気が通るように立体的に組む。太い薪に火がついたらもう安心。
「薪は1本だと消える。2本だと燃えるの。3本だと燃え盛るの。わかる〜?」と臼井さんのひとことで一同笑い。
※後日、臼井さんから、山尾三省さんの詩「火を焚きなさい」紹介。
【ナタの使い方】
●注意すること
・必ず素手でナタを持つ。
・刃の先に手を置かない。
・石の上ではやらない。(刃が傷む)
・地面の上に直接置かない。
薪割りの方法
1)薪を横に寝かせてナタを振り落とし、切れ目を入れる。(ナタを薪につけながら振り下ろしてもいい)
2)切れ目にナタの入った薪を縦に立て、そのままトントンと地面に叩きつけながら割る。
○実習:薪に火をつけ、40cmほど上に張られた紐を切る
2〜3人のチームに分かれて実習。各チームに与えられたのは3本のマッチ。見ていると簡単に見えた薪割りも、やってみると大違い。振り下ろしたナタが土台の木に刺さってしまったり、端っこに切れ目を入れてしまったり。火をつけるのも、一苦労。火がつき喜ぶのもつかの間、みるみる炭になって消えてしまう。連続2回失敗、残るはマッチ1本のみ。慎重に火をつけ、消えないように、薪を優しく組み立てる。やっと灯った小さな火を、風から守りながら、どうにか大きな木片へ。これで安心、と思ったが、それからが長かった。火は安定したが、上に張られた紐まで届かない。しゃがみながら身体で風をよけ、高さを意識して薪をたてながらくべていく。届きそうで届かない。少しじれったい気持ちになっていると、最後は、風にあおられ炎が一瞬大きくなって、紐は切れた。切れるまで4、5分くらいだったと思うが、とても長く感じられた。
【農業実習】
〔ワタの話〕
ワタの種を梅崎さんが入手。詩さんも初体験のワタの種蒔。
●綿と棉
ワタという字は普通、糸偏に「綿」と書くが、生きている種の状態のときには木編の「棉」の字を使う。
●和綿と西洋綿
綿には和綿と西洋綿がある。花が咲いて額のところがはじけると、綿の実に。西洋の綿は上に向いて綿がつくが、和綿の場合は下側につく。日本は雨が多いせいではないか。上向きだと雨が浸透して重くなる。日本の気候に連動して、下側に向いているのでは。
綿は温かいところで栽培される。北限は新潟の海側、柏崎とか、福島あたり。盆地、夏の暑さが適す、長野の上田あたり。
●綿打ち
綿は、リンゴで言うと果実。リンゴの芯のところが種。綿の中に種が入っている。綿繰り機のロールがまわって、種と綿を振り分ける。それだけだとふわふわの綿にならないので、綿打ちをする。綿打ちというのは弓のようなものでびょんびょんびょんという振動でふわっとなる。また、綿を紡いで糸として使う場合、パサパサして弱いので、よりをかけてしっかりさせる。
〔棉を植える〕(小田さん)
<植え方>本によると、植幅が70cmのところに株間15cm。1ヶ所につき5、6粒蒔く。
<雑草を刈るときの注意>浅いと根が出てくるので、ノコギリ鎌を用い、土の中に掻きこむ感じで、完全に根を切ること。刈るときは半円を書くように前に進むと刈り漏れがない。中途半端に刈ると、逆に雑草の勢いが増すので、きっちり刈るように。
【パーマカルチャー講座】
〔前回の課題〕自分の家のシステムデザイン(エネルギー、水、食の循環)の発表
3班に分かれて宿題のデザイン図を説明。その後、班の代表者による発表。
○感じたこと
・循環していない、一方的な流れ、ということがわかった。マンションでは、エネルギー、電気、ガス、水、食べ物という循環の流れが作れない。家を出た後の行方がわからない。
・いかにシャロムがいろいろ工夫されていたか、ということがよくわかった。
・自分の家ではできなかった循環だけど、資源ごみの回収など、もう少し大きな視点をもったら、循環の可能性が見えてくるのかな。
・今ある社会のシステム事態を自分たちで維持しない限り、自分も生きていけないのだな、と実感。そのシステムが壊れないように、自ら維持する手伝いをしている。ある一定のシステムに組み込まれながら、社会のシステムを自分が守ることでしか生活は成り立たないのだな。それを崩してしまうと生活できないカタチに追い込まれているのが今の僕ら。こうした流れの中で、それをどこかで変えていこうとしない限り、何も変わらない。
○工夫していること
・ベランダのプランターでハーブを育てる。お風呂の水を洗濯に利用。米のとぎ汁を植木に利用。雨水や落ち葉を貯めて畑に利用。
<メモ>コンポストトイレの場合、ウンチが窒素、尿が炭素。窒素は微生物の体をつくる。炭素を微生物が食べる。どちらかだけがあってもダメで、両方が必要。両方あって分解する。
〔パーマカルチャーの原則〕
パーマカルチャーの基本。そして基礎となる3つの倫理について、梅崎さんのレクチャーの流れを再現します。
●パーマカルチャーのはじまり
パーマカルチャーの創始者ビル・モリソンは、パーマカルチャーデザインをつくる前に、平和運動、社会を変えるための運動に2年間ほど力を注いだ。しかし、反対運動では何も変わらないと気づき、大学で教鞭をとりながら、国を変えるためには何ができるんだろうかと考える。当時、学生であった(現在来日中の)デビット・ホルムグレンと一緒に、パーマカルチャーというものを体系付けし、本をまとめた。
●パーマカルチャーの特徴
パーマカルチャーの一番大きな特徴は広がり方にある。社会を変えるというのは非常に大変。だけど、自分の暮らしを変えるのは比較的簡単。具体的に「こんなことができる」と基本的な考えを示したことで、それをいいと思った人たちが各自でどんどん取り入れながら広がった。パーマカルチャーが世界的に広がっていった理由は、あちこちで自然発生的に広がっていったから。草が広がっていくように、自然のスタイル、流れになっているからでは。
●身近な仲間と
自分でシステムをつくっていくときには仲間を巻き込んで、身近にできることから始めよう。社会を変えるんだ、政治を変えなくちゃいけないんだ、というとものすごく大変。それよりも「こんなことしてみない?」って友達と一緒に始める方が早い。ひとりひとりの暮らし方が今の社会を作っていくのだとしたら、ひとりひとりの暮らし方が全部変われば社会のしくみが変わらざるを得ないのではないか。
自分の家でできなくても、地域や社会で仲間と一緒に循環できるカタチを考えよう。アルミ缶は100%リサイクルできる、と言われるが、空き缶をリサイクルすることがいいのか、悪いのか考えてみよう。リサイクルできると言われるとみんな安心して消費量が増える。トータルな視点で見た場合、空き缶のリサイクルをすれば解決、ということにはならない。
●システムデザインをやってみて
システムデザインを自分でやってみて、なんとなく見えてきたことがありますか。どういうふうにすると循環するのか。いろいろと工夫する余地があるかもしれません。
●日本の国のシステムデザインを考えてみよう
ここで、詩さんから、おもしろい課題が提案されました。
パーマカルチャーは田舎に引越しをする、ということじゃない。今ある場でどういうふうにできるかを考えるとき、周りの人、地域を巻き込んでいかないと何も変わらない。できるだけ小さい方が、いい循環ができる。
今度は、日本の国としてのシステムデザインを考えてみてもいいですね。食糧、エネルギー、衣料・・・・。いかに日本の未来を危うくしているかがわかる。例えば、このノートにしても、回りのものを見渡してみても、全部外国から来ている。こういうものを自分が購入することで、そのシステムを自分が支持していることになる。そんなことを考えてみてもおもしろいですね。
【パーマカルチャーの倫理】
●パーマカルチャーの3つの倫理
パーマカルチャーの創始者ビル・モリソンの著書には、「地球という星での生存を賭けた道徳的信条であり、行動である」とある。地球という星の上で、自然を傷つけずに生きるためのもっとも基本的な指針。
・地球に対する配慮
・人々に対する配慮
・余剰物の分配
●インプット・アウトプット
自分の暮らしには、外からのインプット、自分のところからのアウトプット。もちろん自分のシステムの中でのインプット、アウトプットもある。あるひとつのアウトプットは、次のインプットにつながる。例えば、あるところにゴミで出たものが、次のところで有効利用され循環していく。自分の中だけで完結しない。自然、生き物、環境という要素の関りがある。地域、集落、社会との関り、仲間との関り・・・がある。また経済、お金をどうやって稼ぐか、あるいは地域通貨・・・。こういったすべての関りが「地球に対する配慮」であり、「人々に対する配慮」。
●「地球に対する配慮」
僕らが住んでいる地球の生き物、生物、水、鉱石・・・を含めてすべて。例えば水。入ってきたときと同じようにしてなるべくきれいにして返す。一事が万事。
●「人々に対する配慮」
衣食住、教育、雇用を満たす。満たした上で有効な人間関係を保つことができれば、地球に過剰な負荷をかけることを避けられるのでは。自分たちの暮らしが立ち行かないと、例えば燃料がなくて、ごはんが炊けないと、木を切らなくちゃ生きていけない、となってしまう。だから基本的な欲求を満たしたうえで、余計な負荷をかけないようにすることが大事。まだまだ足りない、もっともっと、と消費し続けることではなく、これでもう充分なんだ、ここから先はいらないと。仏教でいうところの、知足、足るを知る、こと。
●「余剰物の分配」
自分の時間、自分の生産物、自分のお金に少し余裕がでたら、自分に集積するのではなく、(持続可能な)暮らしがしたい他の人たちを援助することに使おう。これによってパーマカルチャーの倫理が広がり、より一層、地球・人に対する配慮が実現できる。こんなふうにパーマカルチャーの倫理はあらゆる側面に深くかかわる。その根底に流れているものは、競走ではなく、協力すること、その生き方がパーマカルチャー流生き方。
●「3つの倫理」を指針として
地球に対する配慮・人々に対する配慮・余剰物の分配。この3つをふまえ、システムデザインを構築していくことが、コミュニティにつなげるための指針となる。
●コミュニケーション
家庭、地域とうまく共有してやっていくためにはコミュニケーションが大事。コミュニケーションがうまくいくと、いろいろな交流とか助け合いなど社会のしくみをささえるベースができる。
誰かがやってくれる、というより、自分たちでやる。都会の人たちよりも田舎の人のほうが自立意識が高い。自分たちの地域は自分たちで守らなければならないという意識。例えば、道の草刈にしても自分たちでやってしまう。「そんなの役所に税金払っているのだから、役所にやらせればいいじゃないか」、というのが普通の感覚となってしまったが、それは違う。都会はコミュニケーションがなくても暮らしていけるように社会のしくみをつくっている。それによっていろいろなエネルギーを使っている。
「地球に対する配慮・人々に対する配慮」は、社会のシステムをつくるうえで欠かせない。それと対極にあるのは戦争=コミュニケーションを絶つ。自分以外を排除しようとする。「多様性を認める」こととはまったく逆のこと。
「余剰物の分配」は、人のために自分のものを使うこと。お金は腐らない。持っていると増えていく。きゅうりはたくさんできたからといって持っていると腐る。あげたほうがいい。そうするとまた返ってくる。ひとりで全部占有するのではなく、みんなでシェアする。こうして人への配慮、コミュニケーションが成り立つ。
●喜びの循環
システムデザインで、これまで物質の循環を見てきたけれども、喜びの循環もある。もらってうれしいので人にもあげる。相手に喜んでもらえると、それがうれしいので、またあげたくなる。物質の循環だけじゃなく、喜びやうれしい気持ちの循環もある。
●暮らしの憲法に
僕らがこういう暮らしをしたい、こういう社会をつくりたい、というときに3つの倫理は密接に関ってくる。倫理と照らし合わせたときに、それに反していないか、そういう意味で暮らしの憲法といえるのでは。いつもそこに立ち返ってみて、沿っているな、とか、ズレているな、と確認することが大事。ズレているときにはどうすれば沿えるのか。それをはかる指針になるもの。パーマカルチャーに限らず、非常に大事なこと。
【建築実習】
玄関でノミのカツラあわせ。余ったツーバイフォーの木片を下敷きにして、かなづちでトントン、ドンドン、トントン・・・・。いつまでも音が鳴りやまず。みんな普段見せない真剣な顔をして打ち続けていた。
【ノミのカツラあわせ】
1)ノミの上のリングをはずす
2)リングをはずした部分をヤスリで削る
3)再びリングをはめたら、かなづちで頭の部分を力強く叩く
4)叩かれた頭がつぶれて外側に押し付けられたら、完全にリングは取れなくなる
【ホットチキンハウスのデザイン】
ランチをいただいたあと、しばし昼寝。午後からは、森の広場(コンポストトイレに向かって左側)の建築予定場所でおおまかなイメージを確認してスタート。
<イメージ>ニワトリの熱が温室へ行くように境はアミ。大きさは1ケン1ケンくらいで。
●グループワーク発表
3つのグループがそれぞれ自分たちの案が、いかに魅力的であるかをプレゼンテーション。各グループ、アイデアが重なり合う点も多く、「あっ、やられた」とか、笑いの中、進行。3人の名プレゼンターの抑揚ある話ぶりで、絶えず笑いが勃発。実際には、図を書きながらの説明。ここからは、ライブでレポート。
○Aチーム:ハーモニーハウス
コンセプトは森に調和するチキンハウス。材料を外から運んでくるのではなく、森にあるものを使おう、ということで私たちは自然調査に行ってきました。すると、ここに木が生えているんです。その木を切ってしまわずに、小屋の中に入れてしまおう、鳥と一緒に遊んでもらおう、と考えました。
ドアをつけて、産卵場所(トイレの方=東側)を確保して、砂遊びができるようにします。わらを全体に敷いて、ウンチしてもらったり、ひっかいてもらって、わらは他の場所でも使えるようにします。えさの場所は出入り口の近くに。そうじをしたり、タマゴを取る作業をやりやすくするために、入ってすぐのところへ置きました。
温室は、ガラガラと横に開けられる戸。左からも右からも開けられるようにして、棚は2段、体を中まで入れなくても取り出せるように工夫しました。そして屋根はルーフトップガーデン。ガラスの屋根からといでまわして、トイレの方へ流れるようにします。腰を痛めるかもしれないけれど一番高いところで180cmくらいと考えています。といがトイレのといに合わせることは難しくて、別のといが雨水タンクのほうへ行きます。
Q(以下、梅崎さん):木は年々太くなりますけれど、どういうふうになりますか。
A:木が生えたいように生えていきます。そこに調和させようと考えます。
臼井さん:そのまま木が伸びていったら、ツリーハウスにできる〜。2,30年後に。どんどん上に上がっていって。(みんな、わいわい)
○Bチーム:ナチュラルハーモニー
コンセプトは和。日本の和と平和の和、つながるサークルの輪ということで調和。ニワトリと温室、植物がうまく調和がとれたハウスだから、ナチュラルハーモニーと名づけました。実はこの名前、ある自然食品店のパクリなんですけど。屋根にルーフトップガーデンをつくります。北側でニワトリが寒いと思いますので、ここに蔓性の植物を植えて下まで伸ばして、なるべく風があたらないように暖かくします。風避けと同時に、食べる楽しみがあるブラックベリーを植えようと思います。
地面は土なので、雨だと水が流れてきて生活しにくいだろうから、土台は少し高くします。土を盛って水が流れるように、排水パイプを通します。ニワトリが中でも運動しやすい環境をつくるために籾殻を敷きます。鶏糞と籾殻をうまく混ぜ合わせて堆肥にしてくれます。産卵場所は、温室の隣で、床よりも高く。ここでニワトリが長い間温めてくれたら、温室のほうにより熱が伝わるだろうと考えました。
ニワトリ小屋の戸は横にガラガラと開けられる戸です。この戸なら中にも入りやすいし、そうじもしやすい。温室は観音開きのもので、取り出しやすく。棚は2段。手を伸ばせば届くので非常に楽だし、温室のスペースを効率よく使える。中に人が入る構造にすると温室のスペースが少なくなってしまうので、観音開きにして取り出しやすく、かつ空間を有効に使える構造にしました。
ルーフトップガーデンから流れる水は、トイレのタンクに流せるようであれば流して、もうひとつ、こちら側はもったいないので、外側の水飲み場と植物にあげます。ニワトリ小屋の方の水は、深さを変えて真ん中から引っ張ってきて少し低くして入りやすくします。雨が降ると溢れてしまうので、パイプを通して外へ出します。
Q:ちょっと考えなければいけないのは、パイプを利用するときに、水位が同じになるので量によっては溢れてしまうこと。それは調整しなければいけない。雨が降らなかったときはどうするの?
A:自ら、水を供給しなければいけない。できるだけ臼井さんの仕事が少なくて済むようにと思う気持ちをくんでいただければ。愛を感じていただければ。
臼井さん:ありがとうございます。「愛を愛を歌おう〜♪」(藤さんのテーマソングを歌う臼井さん)
○Cチーム:ニワトリに優しい鳥御殿
構造はこれまでのみなさんとは違います。基本的に雨水はすべてトイレの方へ流した方が、臼井さんにも優しいかなと。日当たりも考慮してガラスにします。コンセプトはニワトリに優しい鳥御殿。今回、ニワトリさん、残念ながらいなくなっていましたが、安全面を考えて、特に強化した部分は基礎を深めにすることです。
画期的な自働水供給システムというのを考えました。昔、理科の実験で、コップ2つ用意して、両方の水位を一緒にするには、下にチューブをつければ一定になる、ということをやりました。例えばコップの高さを変えてもチューブでつながっていれば、同じ水位になります。このしくみを使って、ハウスの外側部分に雨水を利用した水が溜まった状態であれば、いつでも水が飲めると考えました。しばらく雨が降らなかったら、臼井さんにお願いして水をやらなくてはいけないんですけど。雨降っているときの水遣りはいやですよね。ニワトリだって雨降っているのに飲めないのはいや。そういうことがなくなるわけですから、ニワトリも喜ぶ、臼井さんも喜ぶ、ということで、このシステムをぜひ、採用していただきたいと思います。
Q:水の供給システムのタンクは、1回トイレの方に流したものをひっぱってくるということですか?
A:そこまでは考えていなかったんですが、例えばといを半分以上はトイレの方に流して、半分はこういうカタチでニワトリの方へやればいいかなぁと。
梅崎さん:これでも水位の問題があるんです。結局、ニワトリ小屋があって臼井タンクがあって、水が少ないときは問題ないけれど、たくさん雨が降った場合、溢れてしまう。するとタンクの水位も同じところまで減ってしまう。どうしたらいいだろうね。
臼井さん:トイレのタンクをもらってきたらいいよ。そうすれば全部向こうの水にホースでひっぱってきてタンクについていれば水が減れば、こちらも水が減る。
梅崎さん:そうですね。さて、これまでのアイデアを1つにまとめたいんです。
臼井さん:僕のイメージとしては、鳥小屋を在来工法にして、温室をツーバイフォー(2インチ×4インチの角材)の部材にする。ここに受けを作って、垂木を流せば、ツーバイフォーというカタチでの取り組みができると思います。そうすれば在来工法とツーバイフォーの両方をみなさんに理解してもらえるかな、ということで提案しました。もちろん、在来工法だけのやり方でもいいです。どちらでもいいです。みなさんが決めて、あとは2、3人のまとめチームが来月までにぎっと凝縮してきてください。
梅崎さん:在来工法というのは、台に穴をあけて組み立てていく、いわゆる建前に見られるような骨組みを作って建てる方法。
臼井さん:ツーバイフォーは釘だけで、在来工法は穴を掘ったり溝を掘ったりしながら作ります。ちなみに(レストラン横の)今工事中の建物は、下が在来工法で、上の方がツーバイフォーです。
梅崎さん:セルフビルド、自分で建てる場合、ツーバイフォーのほうが簡単なんです。
臼井さん:簡単。ずっと楽。釘だけ。ノミは在来法で使って、ツーバイフォーは叩くだけ、この両方を経験しておけばおもしろいと思う。
在来工法は日本の匠の技です。素晴らし技術だろうと思います。雨の多い日本では建て前の時に もう屋根ができる。雨がふってもだいじょうぶです。ツーバイフォーだと最後に屋根なので雨の多い日本では問題も多いですね。でも特別な技術が必要ないので素人でも立派な家ができます。
質問:在来工法とツーバイフォーを組み合わせたときに、屋根の高さは変えた方がいいんですか?
臼井さん:変えた方が楽なんです。小屋と温室は独立したものと思ってください。そこに垂木受けというものをつけて、垂木を載せる。ここに釘を打っていけば完成です。
梅崎さん:両方やりたいな、という人どのくらいいる?全員ですね。
臼井さん:材料は、新しいものを買わないで、どこかにあるものをみんなで捜す。
梅崎さん:調整しなければいけないのは、水のこと、産卵場のこと、蓄熱の工夫。ペアガラスとか。例えば床面にコンクリートを打って、昼間の熱が蓄熱される。温床のこととか、もう少し考えてみましょう。砂浴び場とか乾いた土。あとは引き違いにするのか単戸にするのか。
臼井さん:いらなくなったサッシを2つセットで4枚あれば、できる。それに合わせて図面を書けばいい。
梅崎さん:なるほど、それがいい。引き違いにしましょう。ペアガラスはもらえそうですか。
臼井:それはいっぱいあります。ただペアガラスはすごく重いんだよね。だからいらなくなったサッシをもらってくる。サッシの引き違いのドアにして、上はペアガラス。それも合わせてもらって来る。その大きに合わせて温室部分は大きくなったり、小さくなったりする。(一同、笑)。それ、いいよね。
梅崎さん:それでは材料次第ということで。
臼井:うちにも余ったサッシがあった。小さいの。今思い出した。
梅崎さん:温室のほうに、並べておけるようないらないブロックはありますか。下に2段、3段と積み上げておくだけでも違いますね。
臼井:ソーラという考えがありますね。ここの温度は高いわけですよね。その温度を利用して蓄熱層をつくるわけです。そしてファンを1個つけるだけで、空気が流れる。それをソーラっていうんです。日が照っているとファンは回る。それで多少は放熱することもできないわけではない。枕木があります。枕木を埋めれば、それだけで基礎になるんです。そうすれば、蓄熱帯としても使えるし、砂浴び場としても使える。そのことによって、コンクリートの仕事をしなくても済むんです。ただ、型枠でコンクリートをやってみたいという人が中にいれば・・・・(2人、手があがる)。やってみたい?
梅崎さん:それじゃあ、温室部分だけコンクリートの型枠にしましょう。
臼井:わかりました。温室部分だけコンクリートの型枠でやりましょう。(手形をつけてみた〜いという声)。本当にできるの〜、あと何回あるかわかってる〜? 補講だよ〜。
問題は、水遣りのときに水が漏るんです。野菜を植えるでしょ、ここに水、ここにニワトリがいた場合、問題点がでてくるんです。それだけが疑問。
梅崎さん:防水シートをかければ。
臼井さん:それも1つ。あるいは、トタンをやりさえすれば問題は解決。あとは今の意見を取り入れながらまとめれば。
梅崎さん:コンクリートを蓄熱材として使う場合、外との断熱を考えたい。例えば1枚板を入れると基本的には弱くなるんだけれど、断熱になる。
臼井さん:むしろ型枠を作った段階で打ちっぱなしにする。型枠を作ってそのままはめるとコンクリートが固まってそのまま断熱効果になる。
梅崎さん:そうしましょうか。みなさん、いいですか。
臼井さん:何日、補講になるんでしょうかね。(きゃーの声)
梅崎さん:そうとう来ると思いますよ。ガラス面にウレタンを使えば断熱になる。途中にガラス面を1枚置いてあげるとさらに熱くなって効率があがる。後は今のアイデアをまとめる作業があるんです。来月はニワトリ小屋の在来工法の方をやります。アミをどこまでやるか、という問題が若干あって。
臼井さん:それは作っていく間でいくらでも変更できる。最初のビジョンさえあれば大丈夫。
【ふりかえり】
第2回目の感想の時間。各自の印象に残った話をまとめました。
○セルフケア
ゲストの藤田政弘さんの本質的な話しに感動。出会えてよかった、という感想が多かった。「快医学意外の話を食事をしながら話し合えてよかった」、「藤田さんのさりげない言葉の端々にいろいろ感じるところがあった」、「自分の体は一番身近な自然、ということをわかりやすく教えてくれた」、「清らかな気持ちになった」、「やってもらって体の反応にびっくり」、「帰ったら、教えてもらった般若身経(しんは、こころではく身体のしん)をやってみたい」「本を読んで快医学のことをもう少し知りたい」「体をかえりみずに動いていたんだなと気づかされた」「体のことに気をつけてみようと思った」、「私も看護をやっているので、代替医療のほうに自分の力を出していける何かをやりたい」。
○畑
芽が出ていて、うれしかった。
・カモミールとバジルの芽が出ておらず、種の蒔き方がダメだったのかなあとがっかりしたが、後ろの方に(自分が蒔いていない)ワイルドベリーとレタスが生えていたのでうれしかった。
・種まきのちゃんとしたやりかたを習ったのははじめてだった(初参加者)
○その他
・メールで、カーシェアのやりとりを見ていて、人がつながっていくってこういうことなんだなあと思った。回を重ねて、いい面、悪い面、両方見て、人がわかる。こうしてつながりあえる
。
・この時間には整理がつかなくて、言葉にまとめられない。数日後にじわじわと整理される。家族にこんなことあったのよ、楽しかったのよ、と話していくうちにだんだん整理される。
・講座の後のアフターが楽しかった。次はキャンプファイヤーかな。
・ここに来る前、疲れていたんだけど、みんなに会って元気になった。ここに来たときに、帰って来たという感じがした。
・ノミのカツラあわせのときに、かなづちでがんがん打って気持ちよかった。私ってストレスたまっていたのかな。
・火おこしのとき、本気になってしまった。・工具が思っていたよりも高かった。種類もいろいろあってすごいと思った。
(記録係:さとう)
作業が終わったガーデンの様子
『自然と調和したこれからの
ライフスタイルを考える』
講師:デビッド・ホルムグレン氏
○パーマカルチャーとは
パーマカルチャーは持続可能な生活、そして持続可能な土地利用をデザインするための体系です。つまり、パーマカルチャーは自然と調和した暮らしのデザインであるといってもよいでしょう。もともとは、「パーマネント(永続的な)」と「アグリカルチャー(農業)」「カルチャー(文化)」をあわせて「パーマカルチャー」という造語が作られました。
パーマカルチャーは暮らし全体を扱うことから、対象となる分野は多岐にわたります。つまり、土地や自然を利用した農業、林業、建築といった分野から、教育や文化、健康、経済、地域社会のあり方にまで及びます。
また、パーマカルチャーは、持続可能な社会を作るために、現在のエネルギー消費の多い社会から、いかにエネルギー消費の少ない社会へと向かい、持続可能な社会を見つけていくか、という課題に対する取り組みであるといえます。
自然が持つ限界を見極め、自然の豊かさを暮らしに取り入れることを通じて、自然の中に自分たちの暮らしの場所をどのように取り戻していくかという意味で、パーマカルチャーは、自分がいる「今、ここから」始めることのできるものなのです。
○パーマカルチャーの歴史
パーマカルチャーは、タスマニア大学の教員だったビル・モリソンとその学生デビッド・ホルムグレンがともに作り上げた永続的なライフスタイルの枠組みです。世界的な歴史の流れの中で位置づけると、60年代後半から70年代にかけて盛り上がった環境への関心の高まりから生まれてきた運動のうちの一つであるといえます。
二人の共著で「パーマカルチャー1」が1978年に出版されて、パーマカルチャーの原理が始めて紹介されました。
その後、ビル・モリソンはパーマカルチャーを広めるための活動を精力的に行ったことにより、世界中に広まりました。
デビッド・ホルムグレンは、パーマカルチャーの具体的な事例を作るために、自然と人間が再び結びつくための技術を獲得しようと、30年の実践を積んできました。できるだけ物を持たない簡素な暮らしの中で、パーマカルチャーの要素である庭いじり(ガーデニング)や農業、建築の技術、森林に関する技術を学び、実践を積んできて、その成果をまとめた本を2002年に出版しています。この著書では、実践を踏まえて理論に立ち返り、理論の再提示を目指し、パーマカルチャーの12のデザイン論を論及しています。
○食べ物の自給
パーマカルチャーでは、自宅での野菜や果物を作ることを特に奨励しています。これは、庭で食べ物を作るということが、一番持続可能な農法であることによります。
自宅の庭で、新鮮な野菜や果物を育てることは、フードマイル(作られた場所から消費される場所までの距離)を短くすることになります。また、食べ終わったあとの食べかすもその場所で堆肥化することで、循環させることができます。地産地消(土地で作った物をその土地で消費する)を実践することが、余分なエネルギーの消費を抑えることにつながります。
食べ物を自宅で作ることのもう一つの意味は、庭いじりを通じて自然と再び関係を持つことができるということにあります。自然の中へ出かけて行き、それを見て楽しむだけではなく、自然と一緒になって暮らしていくことに大きな意味があります。
○多様性を大切にする
パーマカルチャーで重要な概念の一つに、生態系の多様性を保つということがあります。作る野菜も単一の作物ではなく、多様な作物を作ることを奨励しています。そして、パーマカルチャーでは、一年生の野菜よりも多年生の作物を利用することに重点を置いています。樹木の利用を推奨していることもパーマカルチャーの特徴です。樹木は、野菜に比べて土の中の栄養、水、日光を利用する力が優れています。
生態系の多様さの重要性という視点で考えると、将来の生産にとって一番大切なこととして、作物のタネの確保があげられます。現在、タネは大手の種苗会社の手に握られつつあります。こうしたことへの対抗策として、自分たちの手で種類を保存していこうという動きがあります。
パーマカルチャーでは、作物の中でも伝統的に何百年も栽培されてきた種を守ることを推奨しています。こうした種は、生産力も高く、耐病性もあるからです。今、こうした優れた品種が失われつつあります。
○地力を回復させることは食物生産の基礎
地力を保ち回復させるための方法としてパーマカルチャーがすすめるものには、堆肥場の利用や緑肥植物の栽培などがあります。
パーマカルチャーでは、こうした昔ながらの方法だけでなく、新しい方法も取り入れています。その一つはミミズを使って生ゴミを処理するミミズコンポストです。都市部での台所から出る生ゴミを処理する方法として世界で広く使われています。
また、新聞やダンボールを使ったシートマルチは、パーマカルチャーが盛んにすすめた方法です。新聞やダンボールを利用したシートマルチは、新しく菜園を作るときに有効な方法で、雑草が生えているところに使います。光をさえぎり、雑草を抑える効果があり、マルチとして使った新聞紙やダンボールは、時間とともに分解して土にかえっていきます。シートマルチは、ゴミとして捨てられる手元の資源をいかに有効に使うか、という一つのやり方です。パーマカルチャーでは、今ある資源を再利用することを考えるのです。
○動物を積極的に取り込んだシステム
・ニワトリを利用した例
動物を利用した方法としては、チキントラクター(ニワトリを使ったトラクター)があります。作物の収穫が終わったあとにニワトリを入れると、ニワトリはエサを探すために土をほじくり返し、畑をきれいにしてくれます。ただし、チキントラクターを行う際には、作物が育っている場所と収穫が終わっている場所を分けて作物を育てている畑にニワトリが入ってこないようにする必要があります。
日本では、動物を利用した方法にアイガモ農法があります。この方法は、アイガモが雑草を食べて米の生育を助けるだけでなく、アイガモも一緒に生育して、秋には米とアイガモの両方が収穫できる合理的なシステムだといえます。
・ブタを利用した例
ブタを竹林の中で放牧するやり方があります。タケノコをブタが食べることで、竹林が広がることを防ぎ、ブタも育ちます。また、土地のやせたオーストラリアでは、豚のフンが大切な肥料になるとともに、竹林内でブタを飼うことでブタの日焼けを防ぐ効果もあります。
竹林で放牧する際には、電柵を使います。パーマカルチャーでは、エネルギーのかからないローテクを推奨すると同時に、新しい技術を効果的に取り入れていくということも重要になります。
○燃料としての薪の利用
パーマカルチャーでは、人間に必要なものを取り上げるので、燃料の生産についても扱います。
オーストラリアでは、植林された林をパーマカルチャーのシステムに取り入れるのはあまり見られませんが、森林の利用というのはパーマカルチャーの取り組みの一番具体的な事例であるといえます。森林から得られた薪は、再生可能なエネルギー源として暮らしの中で利用することができます。
○建築材料としての土や石の利用
コンクリートは、作るのにも維持するのにもエネルギーを必要とします。そのため、コンクリートで物を作るということは、将来のメンテナンスが必要になるということを意味します。ですから、長い目で見るとコンクリートは非常に効率の悪い材料ということになります。建築や構造物には、コンクリートの代わりに石や、日干し煉瓦といった自然の材料を利用することができます。
石や日干し煉瓦は、熱をためる蓄熱体としての利用ができます。また、大きさを自由に調整することのできる日干し煉瓦は、耐加重性のある建築材料としても利用できます。
○化石燃料の使用
パーマカルチャーでは、伝統的な方法やエネルギーのかからない方法を奨励しています。その一方で、化石燃料のように使いきりの資源も、必要に応じて創造的に使うことをすすめていることが特徴として挙げられます。
○水の収穫と浄化
パーマカルチャーでは、水の収穫と使用した水の浄化処理ということも重要なポイントとなります。
屋根に降った雨をタンクにためて使うこと自体は、オーストラリアという乾燥した環境の伝統的に行われてきたアイディアです。
パーマカルチャーが、オーストラリアの乾燥した環境で作物を育てるのに雨水を利用するという話をすると、「そんなのずっと前からしていたじゃない」、ということになります。もともとは雨水を利用する伝統のある土地ですが、ここ30−40年の間にほとんどの人が水道の水を使って暮らすようになっています。そのため、オーストラリアの伝統的な手法が身近でなくなり、パーマカルチャーを通して人々が改めて見直している、という側面もあります。
オーストラリアで屋根の水を集めるということは新しいアイディアではありませんが、使用した水をヨシなどの植物を使って浄化するというのは新しいアイディアです。
※日本では、台所からの排水をためて鯉を飼ったり、レンコンを作ったりしていました。こうした手法は、使った水をきれいにするための伝統的な手法であるといえます。
○パーマカルチャーを適用する範囲
出発点はパーマカルチャーの倫理とデザインの原則。
パーマカルチャーが適用されている領域
・土地と自然の利用:農業・林業など
・人工環境:建築など
・道具と技術
これからパーマカルチャーが適用されるべき領域
・文化・教育:持続可能な社会のための教育など
・健康と精神的な健全性:部分ではなく身体全体をとらえるホリスティックな考え方
・経済・金融システム:小規模な地域に根ざした経済活動(地域通貨など)
・土地所有・地域社会のあり方:土地の利用法を含むコミュニティの運営
パーマカルチャーは、以上7つの領域をつむぐものです。出発点はいつも自分自身、どんな変化も自分の中から起こります。自分から出発して家族、隣人、近隣社会というように、外へ外へと拡がっていきます。こうしたデザインを通じて、より良い持続可能な社会を見つけていくことがパーマカルチャーの目的です。
この資料は、2004.6.6に開催された NPO法人パーマカルチャー・センタ・ジャパン設立記念 デビッド・ホルムグレン氏講演をもとに、ホールアース自然学校が作成した。
6月15日
デビット ホルグレンと共に国際自然農法センターを訪れました。
圃場は麦 草 作物と植えられ 互いの関連性で共生関係を生み生育しています。造林ガマを手にするデビット
中河原さんにご案内戴きました。しっかり生態系が保たれみみずの多い圃場でした。
作物をそのままにして生育させる自然生えの圃場
トマト キュウリ ナスやスイカなどをそのまま埋めて翌年自然に発芽させる。芽は時期になったら沢山生え競合して強いものだけが残る 周りの草を刈るだけで一切手を加えないで生育させる 種採りや蒔くという行為もしない まさに福岡さんが提唱する無為自然 2から3年すれば適材に野菜が生育する圃場が出現する。
造林ガマを手にしたデイビットは鍛冶屋の中澤さんの所を訪ね造林ガマを購入 オーストラリアへのお土産にしていました。
夜にはデイビットの歓迎会 お寿司パーティー
NPO地域づくり工房の傘木さんも来られて食後には大町の水路発電の取り組みやバイオエネルギー 菜の花プロジェクトの取り組みを紹介して戴きました。http://npo.omachi.org/
その後デイビットがオーストラリアでの取り組みを紹介 12時過ぎまで交流会が続きました。 |